「アッシュ。あの岩の柱まで走ってここまで帰って来い」
「へい!!」
「タイムは30秒だ。……3……2……1…」
「ちょっ!!ちょっと待ってくだせえ!!」
「……0!!」
「ひいいいいい!!!」
俺とレイカー、アッシュは無制限フィールドでアッシュに修行をつけていた。
いつもはレイカーが修行をつけているが、今日はアッシュがレベル4になってから初めて俺が修行をつけている。
「あなたもなかなか鬼ね」
「お前よりはまだマシだと思うぜ」
「あら、そうかしら?」
さてと……そんなことを話していると帰って来たみたいだ。
「ゼェ……ゼェ……タ……タイムはどうですか?」
「ええとタイムは……30秒ジャストだな」
「イエエエエエイ!!!さすが俺様!!!ギガクール!!!」
「「ギリギリだがな(だけどね)」」
「そ……それは言わねえでくだせえ……」
次はどうしようかな……?
次はこれにするか。
俺はショックリボルバーに威力をチャージし、地面に撃った。
地面に大きな穴が空き、残骸が宙を舞った。
「これを全て撃ち落とせ」
「へい!!ハウリング・パン・ヘッド!!」
それから数回繰り返した。
理由は俺が全て撃ち落とすまで終わらないと言ったからだ。
レイカーにも言われたが俺もなかなか鬼だな。
「や……やっと撃ち落としたぜぇ」
「お疲れ。これならクロウの飛行アビリティにも対応できるんじゃねえか」
「なるほど!!ありがとうございます!!」
「今日はこれくらいにするか」
「へい!!」
「それじゃあ帰りましょうか」
俺たちはゆっくりと帰還ポータルに帰っていった。
帰還ポータルについてアッシュが俺に話しかけてきた。
「エイトの兄貴。これからも綸のことをよろしくお願いします!」
アッシュは頭を下げて俺にそう言ってきた。
俺はそんなアッシュに頭を上げさせた。
「頭上げろよアッシュ。綸の兄貴のお前からの頼みを踏みにじったりしねえよ」
「ありがとうございます!」
「ふふっ、私には頼まないの?」
「もちろん師匠にもお願いしたいです!!」
「あらあら。任せてちょうだい」
レイカー……
顔は見えないが絶対に笑ってなかっただろ……。
そして俺たちは現実に帰った。
「……ふう」
「あの……ありがとうございます……兄も凄く喜んでました」
「おう、気にするな」
「……ふゆぅ」
「綸?大丈夫なの?」
「…すみません……少し眠くなってしまいました」
「あらあら。おいで綸」
楓子はソファに座って綸を自分の膝の上に寝かした。
膝枕だな。
「お母さんにしか見えないな」
「それなら奨真君はお父さんね」
「まあ……そう……なるな」
なんか照れるな……。
頭を撫でたりして寝かしている時、楓子は何か思い出したようだ。
「あ!今日の晩御飯のおかずを買いに行かなきゃ!奨真君!綸のことお願いね!」
「あ、ああ」
楓子は綸を俺の膝の上に寝かして、買い物バッグを持って出かけた。
「ってなんで膝枕なんだ…」
「ふゆぅ……あれ?私は……夢でも見てるのでしょうか?」
「ん?」
「奨真さんに膝枕してもらってるなんて……夢に決まってますもんね」
んーどうしようかな。
夢ということにしてあげるか。
「ああ、夢だぞ」
「ですよね……夢ですよね」
一度目を覚ました綸だが、また眠気が来たのか目を擦っていた。
「夢なのに……凄く気持ちよくて……なんだか……幸せ」
俺は綸の頭をそっと撫でた。
「膝枕に……なでなで……幸せ………夢……覚めなきゃいいのに」
綸のことを見てると本当に自分の娘のように見えてきた。
子供なんか持ったことないけど、自分の子供を持つ父親ってこんな感じなのかな。
なんか俺も眠くなってきたな。
楓子が帰ってくるまで寝るか。
「ただいまー」
さっ!早く買ってきたものを整理しましょう!
私は整理するためにリビングに入った。
そこには膝枕をして眠っている奨真君と膝枕してもらって寝ている綸がいた。
「あらあら。本当に親子みたいね」
「ん……あれ?楓子、おかえり」
「おはよう、奨真君」
「ううん……師匠?……あれ……奨真さんの膝枕って夢じゃなかったの……!?!?」
綸は立ち上がって奨真君に頭をペコペコと下げていた。
「ごめんなさいごめんなさい!!」
「頭上げろって!そんなに頭振ってたら倒れるぞ!」
確かに見てるだけで倒れそうになるわ…。
奨真君が止めて綸は頭を下げるのをやめた。
「そ、そろそろ私帰りますね!お邪魔しました!」
綸は恥ずかしいのかカバンをもって帰っていった。
「送っていくぞ……ってもう帰ったか」
「綸ってば恥ずかしがり屋さんなんだから」
「食材整理手伝うぞ」
「ありがとう。じゃあお願いしようかな」
私と奨真君は買い物バッグから食材を出したりして整理した。
今度は私も膝枕してもらおうかな……。
今回の話はアプリ
アクセルワールド『エンドオブバースト』のイベントを参考にしました