アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第8話 昼休み

「ううぅ………また寒くなってきたな」

 

 

 

学校の教室で俺は手を擦って温めていた。

 

 

 

 

「お前はいつも倉崎さんと熱々じゃねえか」

 

 

 

 

「うるさい……それとこれは別だ。っていうかそこまで熱々じゃねえしいつものことだし」

 

 

 

 

「自慢か!!自慢なんか!!」

 

 

 

 

なんで怒られてるんだ……。

ん?昼飯の時間か…………昼飯!?

 

 

 

「やばい!!楓子と中庭で待ち合わせしてたんだった!!」

 

 

 

「……アホか」

 

 

 

俺は急いで教室を出て、階段を下った。

三階だから一階まで時間がかかるな。

一階についてダッシュで中庭に向かった。

中庭にはもう楓子がベンチで座って待っていた。

 

 

 

「ごめん楓子!!」

 

 

 

「…………」

 

 

 

「楓子?」

 

 

 

呼びかけると楓子は顔をにっこりとしながら無言で振り返った。

その笑顔がなんか怖い……。

遅れたから怒ってるのかな…。

 

 

 

「その……本当にごめん」

 

 

 

「ひどい!私との約束を忘れてたなんて………。毎週ここで一緒にお昼食べようって言ったのに……」

 

 

 

しまった……泣かせてしまった。

 

 

 

 

「本当にごめん!!何でも言うこと聞くから!!」

 

 

 

 

「何でも………ふふっ、じゃあ今度は………何して貰おうかなー」

 

 

 

 

何でもって言った俺が間違ってた……。

よく見るとさっきまでの楓子の泣き顔は嘘泣きだったみたいだな。

前にもこんなことあって同じことを言ってとんでもないお願いをされた。

今度は何をお願いしてくるんだ。

 

 

 

 

「じゃあ今度は………膝枕をお願いしようかな」

 

 

 

「へ?それだけ?」

 

 

 

「もう一個いいの?じゃあお互い裸で添い寝とか?」

 

 

 

「いいいい一個でいいです!膝枕でいいです!」

 

 

 

「そう?」

 

 

 

何てこと言い出すんだよ……。

 

 

 

「でも約束を忘れるのはめっ!!だよ」

 

 

 

「ごめんなさい……」

 

 

 

「さっ!早くお昼食べましょ!」

 

 

 

楓子はベンチに置いていたカバンから弁当箱を出した。

俺は楓子の隣に座った。

 

 

 

「はい、あーん」

 

 

 

「あ、あーん」

 

 

 

毎週こうやって食べさせてくれるがやっぱり恥ずかしいな。

ここっていろんな人から丸見えだし……。

例えば……。

 

 

 

『いつも橘は倉崎さんとイチャイチャしやがって!!』

 

 

 

『倉崎さん橘君と……羨ましい!』

 

 

 

『爆発しろ!!橘だけ!!』

 

 

 

丸聞こえなんだが何で俺だけあんなこと言われなきゃならないんだよ……。

 

 

 

「おいしい?」

 

 

 

「うん、美味いよ。学校で楓子の手料理を食えるのは週に一回だけだからさらに美味く感じるよ」

 

 

 

「ありがとう」

 

 

 

俺と楓子はお互い食べさせあって昼飯を食べ終わり、ベンチでゆっくりしていた。

手を繋ぎながらのんびりと冷たい風に当たっていると楓子が頭を俺の肩に預けてきた。

 

 

 

「災禍の鎧の討伐お疲れ様。でもまさか白の王がサッちゃんのお姉さんだったなんてね。今でもびっくりするわ」

 

 

 

「………加速研究会……グレーマインド」

 

 

 

 

「奨真君?」

 

 

 

 

「また、加速世界が荒れるかもな」

 

 

 

 

「……そうね」

 

 

 

 

未だ謎の存在である加速研究会、そしてコスモスを操ってロータスにライダーを殺させるように命令したグレーマインド。

 

 

 

 

「そろそろ戻ろう」

 

 

 

 

「え、ああ」

 

 

 

 

今はまだ深く考えないでおこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後………

 

 

 

 

 

 

俺は下駄箱で靴を履き替え、校門で待ってる楓子のところに向かった。

 

 

 

「お待たせ。じゃあ帰るか」

 

 

 

「ええ」

 

 

 

楓子は俺の腕に抱きついてきた。

腕に柔らかいものが当たってるが気にしても仕方ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加速世界……

 

 

 

 

 

「………どうする?」

 

 

 

 

「また俺が操って呼び戻そうか?」

 

 

 

 

「いや、それだと意味はない。あの方自身の意思で戻ってもらわなきゃ」

 

 

 

 

「わかったよ。会長代理」

 

 

 

 

 

 

 

加速世界である組織が動き出そうとしていた。

その組織は加速世界に大きな影響を与えるだろう。

組織の目的は何なのか?

それはまだ誰にもわからない。

 

 

 

 

 

 

 


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