アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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こんにちはこんばんは!

フラっぴーです!

新章突入です!

OP5(chAngE(miwa)』



第5章 バーストリンカー達の日常
第1話 ローカルネット荒らし


「遅いな……」

 

 

 

 

「もうすぐ来ると思うわ」

 

 

 

 

『うわあ……凄い美人さんだ』

 

 

 

 

『キャアアアッ!!何あの人かっこよすぎる!!』

 

 

 

 

放課後。

奨真と楓子は今、梅郷中の校門の前に立っていた。

奨真と楓子は梅郷中の生徒ではないから、梅郷中の生徒からしたら珍しく感じるのだろうか、いろんな声が聞こえてきた。

二人が梅郷中の校門の前にいる理由は待ち合わせもあるが、黒雪姫から一緒に手伝って欲しい依頼があるからである。

 

 

 

 

「おーい!」

 

 

 

 

「やっと来たか」

 

 

 

 

声の主は奨真の親友、雪ノ下白夜であった。

白夜の隣には氷見あきらも一緒に走って来ていた。

 

 

 

 

「悪い!遅れた!」

 

 

 

 

「遅くなってしまったの」

 

 

 

 

「気にしないで」

 

 

 

 

「よし、揃ったし行くか!」

 

 

 

 

奨真達は黒雪姫のいる生徒会室へ向かったが、なぜか奨真は別の方向に行っていた。

 

 

 

 

「奨真君!?どこに行くの!?」

 

 

 

 

「どこって生徒会室だけど」

 

 

 

 

「そっちは体育館よ!」

 

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

 

実は奨真は方向音痴で初めて来る場所にくると、目的地とは全く別のところに向かってしまうのだ。

初めて来る場所に迷うのは誰にでもよくあることだが、奨真の場合は地図を見ても全然違うところに行くのだ。

だから、道を覚えるまで誰かが一緒にいないとすぐに迷子になる。

 

 

 

 

「お前の方向音痴は相変わらずだな」

 

 

 

 

「しょーくん、面白いの」

 

 

 

 

「ほっとけ……」

 

 

 

 

「ほらほら、拗ねないの。さあ、行きましょう!」

 

 

 

 

楓子は奨真の腕を引いて、黒雪姫達がいる生徒会室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒会室……

 

 

 

 

「失礼します」

 

 

 

 

白夜を先頭に、順番に生徒会室へ入っていった。

中にはもう黒雪姫達が座って待っていた。

 

 

 

 

「すまないな、呼び出したりして」

 

 

 

 

「ダチが困ってたら助ける!それが俺のポリシーだ!」

 

 

 

 

白夜は胸を張り、拳を胸に叩いた。

それを見たあきらは目を光らせていた。

 

 

 

 

「びゃーくんかっこいいの!」

 

 

 

 

「へへへ」

 

 

 

 

「黒雪先輩。この人たちが先輩の言ってた友達ですか?」

 

 

 

 

「ああそうだ。紹介するよ。眼鏡をかけた男子が雪ノ下白夜。同じく眼鏡をかけた女の子が氷見あきら。そしてこの胸の大きい美人さんは倉崎楓子だ」

 

 

 

 

黒雪姫は立ち上がって3人の自己紹介をした。

そして黒雪姫と白夜達3人は奨真がいないことに気づいていない。

 

 

 

 

「サッちゃん。私だけ自己紹介がひどいのは気のせい?」

 

 

 

 

「気のせいだ」

 

 

 

 

とりあえず座ってくれと言って3人を座らせたが、ようやく奨真がいないことに気づいた。

 

 

 

 

「そういえば奨真君は?」

 

 

 

 

「奨真君なら……あれっ!?奨真君は!?」

 

 

 

 

「まさか……迷子になったんじゃ!!」

 

 

 

 

「まずいの!すぐに連絡しないと!!」

 

 

 

 

「私が連絡するわ!!」

 

 

 

 

楓子は梅郷中のローカルネットを使ってニューロリンカーで奨真に電話をした。

電話をかけてすぐに奨真とつながった。

 

 

 

 

「奨真君!!今どこ!!」

 

 

 

 

『今は……ええっと……職員室前だ』

 

 

 

 

「待ってて!!すぐに行くから!!絶対にそこから動かないでね!!」

 

 

 

 

楓子は奨真の場所がわかってすぐに電話を切り、奨真のいる職員室前に向かった。

ハルユキとチユリ、タクムの3人は奨真のことについて話していた。

 

 

 

 

「ねえハル、タッくん。奨真さんって方向音痴なの?」

 

 

 

 

「僕はリアルではあったことがないからわからないな」

 

 

 

 

「俺もそこまでは知らないかな……」

 

 

 

 

 

タクムの隣に座っていた黒雪姫は頭に手を当てて、呆れた顔をしていた。

白夜とあきらもやれやれって感じの顔をしていた。

 

 

 

 

「フーコも大変だな……」

 

 

 

 

楓子が奨真を探しに行ってから暫くして、奨真の腕を引っ張ってきた楓子が帰ってきた。

 

 

 

 

「お疲れフーコ」

 

 

 

 

「た……ただいまサッちゃん。さて、奨真君。そこに正座」

 

 

 

 

「えっ?いや今から依頼についての話をするんじゃ……」

 

 

 

 

「いいから正座しなさい!!」

 

 

 

 

「は、はい……」

 

 

 

 

 

楓子は奨真を無理矢理正座させて、説教をしていた。

それを見たハルユキはかなり驚いた顔をしていた。

 

 

 

 

「あんな奨真さん初めて見ました……」

 

 

 

 

「私は昔一度だけ見たな」

 

 

 

 

「あれも似たようなもんだったよな………」

 

 

 

 

「あの時は本当に大変だったの……」

 

 

 

 

3年ほど前に旧ネガビュメンバーで集まってショッピングモールに行った時に奨真一人だけ迷子になったのだ。

楓子はすぐに連絡して奨真を探しに行ったが、奨真はいろんな場所に移動していて全員で探してもなかなか見つからなかった。

見つかった後は楓子から説教を受けたのである。

 

 

 

 

「全く奨真君は!知らないところに行く時は私から離れちゃダメってあれほど言ってるでしょ!!」

 

 

 

 

「すいません……」

 

 

 

 

「ブレインバーストの時の奨真さんとは大違いだね」

 

 

 

 

「っていうかあの2人って付き合ってるのかな?」

 

 

 

 

「付き合ってるよ。前会った時に言ってた」

 

 

 

 

「へえ、そうなんだ。奨真さんは将来尻に敷かれるだろうなあ……」

 

 

 

 

確かに最近の奨真は楓子に説教をされてばかりなので尻に敷かれると思われてもおかしくないだろう。

 

 

 

 

「フーコ。その辺でやめてあげてくれ。奨真君が小さくなってるよ」

 

 

 

 

「……はあ。わかったわ。奨真君!家に帰ったら説教の続きよ!」

 

 

 

 

「ええ……」

 

 

 

 

楓子と奨真は席に座り、黒雪姫は全員が集まったのを確認してから本題に入った。

 

 

 

 

「ハルユキ君たちにはもう言ったが、白夜君とあきら、フーコに奨真君を呼んだのは、梅郷中のローカルネット荒らしの調査に協力して欲しかったからだ」

 

 

 

 

「ローカルネット荒らし?」

 

 

 

 

「ああ、以前から下校時刻までダイブしていた生徒が何者かに襲われたらしいんだ」

 

 

 

 

「襲われたって大丈夫なのか?」

 

 

 

 

「襲われたといっても装備を剥ぎ取られただけらしい」

 

 

 

 

「それはそれで大丈夫じゃないと思うの。とりあえず、えい」

 

 

 

 

ブスッ。

 

 

 

 

何がとりあえずなのかはわからないが、あきらは手をピースしてから白夜がかけている眼鏡をとり、そのまま指を白夜の目に刺した。

もろに食らった白夜は地面を転がっていた。

 

 

 

 

「ぬおー!!目がああああ!!っというか何がとりあえずなんだ!!」

 

 

 

 

「装備を剥ぎ取られたって聞いてびゃーくんはエッチな想像したと思ったから」

 

 

 

 

「してねえよ……」

 

 

 

 

「奨真君。説教を時間、延長してほしい?」

 

 

 

 

「絶対嫌だよ!!」

 

 

 

 

どうやら楓子も奨真が変な想像をしたと思ったみたいだった。

 

 

 

 

「「「この4人についていけない……」」」

 

 

 

 

「ほら、夫婦喧嘩はそれくらいにして。早速調査を開始しようと思う。4人にはゲストIDを送ってあるからそれを使ってくれ」

 

 

 

 

「「「「「「「「ダイレクトリンク」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅郷中ローカルネット内にダイブしたみんなのアバターは、奨真は鍛冶屋の格好をしたアバター、楓子は背中から羽が生えた女神のようなアバター、白夜は西洋騎士の防御兵のアバター、あきらは頭にカワウソの耳を生やした探偵のようなアバター、黒雪姫は大きな蝶の羽を生やしたアバター、ハルユキは小さなピンクの豚のアバター、タクムはブリキ兵士のアバター、チユリは猫のアバターである。

ダイブした時はもうローカルネット内はもう暗くなっていた。

作戦通り、女性陣が囮となり、男性陣で捕獲する方法でいくためにそれぞれ場所でスタンバイした。

 

 

 

 

「はあ……これが終わったら説教か……」

 

 

 

 

「ドンマイ」

 

 

 

 

「「あははは………」」

 

 

 

 

奨真達4人は女性陣に誰かが近づかないか見張っていた。

女性陣はローカルネット荒らしに勘付かれないように普通に話していた。

すると突然、刃物が擦れる音がして、全員がそっちを見るとかぼちゃのマスクを被ったアバターが大きな鎌を持ってこちらに歩いてきていた。

 

 

 

かぼちゃアバターは女性陣を追い掛け、女性陣は作戦通り二手に分かれた。黒雪姫と楓子、チユリとあきらで分かれ、かぼちゃアバターはチユリとあきらを追っていった。

 

 

 

「かかったわね!」

 

 

 

 

「みんな!任せたの!」

 

 

 

 

射的の屋台の中へ上手く先導して、かぼちゃアバターは射的の的になった。

 

 

 

「くらえ!」

 

 

 

「観念しやがれ!」

 

 

 

「射撃は得意じゃないがなんとかなるだろ!」

 

 

 

「FPSなら誰にも負けないぞ!」

 

 

 

 

4人は銃を乱射し、かぼちゃアバターのかぼちゃの仮面を破壊することに成功した。

仮面の中身はなんと女の子だった。

 

 

 

 

「「「「お、女の子!?」」」」

 

 

 

 

「チッ!」

 

 

 

 

少女は高く飛び、奨真達とは逆の方は着地したがすでに楓子達が回り込んでいた。

 

 

 

 

「もう逃げられないぞ!」

 

 

 

「へっへーん!」

 

 

 

「おとなしく降参しなさい!」

 

 

 

 

「逃がさないの!」

 

 

 

 

逃げ場がなくなった少女はまた高く飛び上がり、大鎌を銃に変形させて銃口を奨真達に向けた。

少女は銃を放ち、全員に命中させる。

命中した奨真達は当たったところを見ると、何か模様のようなものが浮き上がっていた。

すると少女は呟いた。

 

 

 

 

「ゲート・オープン」

 

 

 

 

奨真達から浮き上がっていた模様は光り、そしてどこか別のところに転移させられた。

 

 

 

 

「「「「うわああああああ!!!!!」」」」

 

 

 

 

「「「「きゃああああああ!!!!!」」」」

 

 

 

 

 

別の場所に転移させられた奨真達は、辺りを見ると見たことのない世界だった。

 

 

 

 

 


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