アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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こんにちはこんばんは!

フラっぴーです!

アクセルワールド二期来ないかな……


第4話 歩く練習

カチャカチャカチャ

 

 

 

俺はいつもの公園のジャンクパーツを置いている場所でパーツの整理をしていた。いつも散らかっていたら楓子ちゃんに笑われると思ったからだ。数分後、整理し終わると楓子ちゃんが義足をつけて車椅子でやってきた。

 

 

 

「こんにちは奨真君」

 

 

 

「こんにちは楓子ちゃん」

 

 

 

挨拶をして楓子ちゃんは俺の隣にきた。

 

 

 

「これは何ですか?」

 

 

 

「楓子ちゃんの義足の調整をするためのパーツだよ。元々ここにあったやつだけど」

 

 

 

「わざわざごめんなさい」

 

 

 

「俺がやりたくてやってるから気にしないで。早速練習しよっか」

 

 

 

「うん」

 

 

 

楓子ちゃんは立ち上がったが、まだ慣れていないためぎこちなかった。俺は楓子ちゃんを支えながらゆっくり前へ進んだ。

 

 

 

「まずは右足から行こっか」

 

 

 

「う、うん。あの、奨真君。絶対に離さないでね」

 

 

 

「わかった。楓子ちゃんがちょっとずつ歩けるようになるまで離さないから。ほら、ゆっくりね」

 

 

 

「…う……うう…………うう………!?ああ!?」

 

 

 

「危ない!」

 

 

 

倒れそうになった楓子ちゃんを正面から支えた。元々支えてたからすぐに対応できた。

 

 

 

「大丈夫?」

 

 

 

「うん。ありがとう」

 

 

 

「まだ義足の動きが悪いな。ちょっと座ろっか」

 

 

 

「う、うん」

 

 

 

ベンチに座って俺は楓子ちゃんの義足を調整し始めた。義足の関節の部分をいじったりしてみた。

 

 

 

「どお?曲げれる?」

 

 

 

「う……うう………ダメ。曲がらない」

 

 

 

「俺が手でやれば曲がるけど自分の意思では曲げられないってことか。……意思?あ!そうだ!」

 

 

 

俺は閃き、ジャンクパーツの山からあるパーツを探した。必死に探していると楓子ちゃんが話しかけてきた。

 

 

 

「何か思いついたの?」

 

 

 

「うん!あった!コレコレ」

 

 

 

「それは?」

 

 

 

「制御チップだよ。これを義足に組み込んで楓子ちゃんのニューロリンカーで制御できるようにしようかなって」

 

 

 

「そんなことができるの!?」

 

 

 

「まだわからないから試しにやってみようかなってね。ちょっと義足をいじるよ」

 

 

 

俺は楓子ちゃんの義足にチップを組み込み始めた。

 

 

 

「あとは楓子ちゃんのニューロリンカーと接続すれば大丈夫だよ」

 

 

 

「うん」

 

 

 

楓子ちゃんはニューロリンカーを操作して義足の制御チップのIDを登録して接続した。

 

 

 

「どう?曲げれる?」

 

 

 

そう問いかけると楓子ちゃんはゆっくりと足を曲げ始めた。

 

 

 

「曲げれる……曲げれる!!ほら、奨真君!曲げれたよ!!」

 

 

 

「よかった!成功したんだ!よし、じゃあ早速歩いてみようか。さっきよりは上手く歩けれると思うよ」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

さっきと同じように俺は楓子ちゃんを支えて楓子ちゃんは歩き始めた。まだぎこちないが足が曲げれるようになったため、だいぶ歩けるようになった。夕方まで調整と練習を繰り返してもう支えなしでも歩けれるんじゃないかって思えるくらい歩けるようになった。

 

 

 

 

「ねえ奨真君。私頑張って一人で歩いてみるからあそこで待っててくれない」

 

 

 

「うん、わかったよ」

 

 

 

俺は楓子ちゃんから約30メートルぐらい離れたところに立った。

 

 

 

「……うう……うう………うう……」

 

 

 

(大丈夫かな?心配だ)

 

 

 

俺はそんな風に不安に思っていたがそれと同時に頑張れと応援していた。

 

 

 

「あと……ちょっと……」

 

 

 

楓子ちゃんは最後の一歩を踏み出して俺のところへ辿り着いた。その瞬間、楓子ちゃんは俺に向かって飛びついてきた。

 

 

「やったよ!私一人でここまで歩けたよ!」

 

 

 

「凄かったよ。よく頑張ったね」

 

 

 

「これも奨真君のおかげだよ!ありがとう!!」

 

 

 

そう微笑んだ楓子ちゃんは可愛かった。そんな楓子ちゃんに俺は見惚れてしまった。

 

 

 

「ん?どうかしたの?」

 

 

 

「その…楓子ちゃんの笑った顔が可愛くて」

 

 

 

「え!?」

 

 

 

「あ……ご、ごめん急に変なこと言って」

 

 

 

「あ、ありがとう」

 

 

 

「と、とりあえず今日はもう帰ろう。続きは明日にしてさ」

 

 

 

「う、うん」

 

 

 

俺は楓子ちゃんを車椅子に乗せて家まで送った。

 

 

 

「送ってくれてありがとう。家でも歩く練習をするわ。あの感覚を忘れないうちに慣れたいから」

 

 

 

「頑張ってね、でも無理はダメだよ。それじゃあまた明日」

 

 

 

「うん!また明日」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は奨真君が帰っていくのを見送って家に入った。家の車椅子に自分で乗り換えた。そのままリビングにいくと、お母さんがご飯を作っていた。

 

 

 

「おかえり楓子。奨真君に手伝ってもらったの?」

 

 

 

「ううん。自分で乗り換えたんだ。いつまでも奨真君に頼ってちゃダメだし、せっかく少し歩けるようになったんだから」

 

 

 

「本当に!凄いじゃない!これも奨真君のおかげね!!」

 

 

 

「本当に奨真君のおかげよ。奨真君がいたから私は歩くことに希望を持てた」

 

 

「でも歩けるようになったのは、楓子の努力もあるんじゃない」

 

 

 

「そうかな?」

 

 

 

「そうよ。私は直接見てないけど努力しなかったらそこまで歩けるようにならないわ」

 

 

 

「ありがとうお母さん」

 

 

 

「さて、お父さんが帰ってきたら驚かせましょ!」

 

 

 

「うん!」

 

 

 


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