朝起きたら俺はリビングで寝ていた。
「何で俺ここで寝てるんだ?」
とりあえず顔を洗いに洗面所に行き、鏡を見ると目が赤く腫れていた。ああそっか。俺は泣き疲れて眠ってしまったんだ。てことは父さんと母さんが死んだのは夢じゃないんだ。
「………ご飯食べよ」
冷蔵庫から卵を取り出して、フライパンにのせた。出来上がった目玉焼きをさらに乗せ、さっき焼いた食パンと一緒に食べた。
食べ終わると皿を洗って自分の部屋に閉じこもった。ただ静かなところで一人になりたかった。誰も部屋に入れたくなかった。そんなことを思っていると玄関のインターホンが鳴った。出たくなかった。出たくないが出らないわけにはいかない。俺は部屋を出て玄関のドアを開けた。そこには楓子ちゃんと楓子ちゃんの両親がいた。
「……どうしたんですか」
「君のことが心配でね」
「奨真君……」
「俺は大丈夫ですよ。ほら、楓子ちゃんもそんな顔しないで」
「え?」
俺の微笑みながら楓子ちゃんに言った。微笑みながらって言っても作り笑いだ。楓子ちゃんに心配をかけさせたくないから。
「……そ……いでよ」
「え?」
「嘘言わないでよ!!!」
「本当は辛いんでしょ!!なのに何でそんなに笑ってられるの!!!両親がいなくなって奨真君は何も思ってないの!!!」
「………辛いに決まってるよ。辛いに決まってるだろ!!!悲しいに決まってるだろ!!!でもこうでもしなきゃ自分自身が壊れてしまうんだよ!!だから……だから!!!っ!?」
続きを言おうとしたけど言えなかった。いきなり楓子ちゃんが抱きついてきたからだ。
「やっぱり辛かったんだね。でもあなたは一人じゃない。私がいる。辛かったらいつでも私がそばにいるから。だからもうそんな悲しい笑顔をしないで……」
楓子ちゃんは泣いていた。自分が泣いてしまうくらい俺のことを心配してくれていたんだ。なのに何で俺はあんなことを言ったんだ。そんな自分がバカみたいに思えてきた。
「……ごめん……ごめん……」
いつの間にか俺も泣いていた。楓子ちゃんの後ろを見ると楓子ちゃんの父さんと母さんも泣いていた。数十分後、俺は落ち着きを取り戻した。
「落ち着いたかい」
「はい。お騒がせしてすみません」
「いいのよ。そうそう、もし奨真君がよかったらなんだけど」
「?何ですか?」
「家の養子にならないか」
「え?」
「お父さん、どういうこと?」
「奨真君さえよかったら一緒に暮らさないかってことだよ」
「あの……いいんですか。俺が……その……一緒にいても」
「いいからこうやって言ってるんじゃないか。それでどうする?」
こんな嬉しいことを言われたのは初めてだ。俺の答えはもう決まってる。
「ご迷惑になると思いますが、これからよろしくお願いします」
「奨真君!これから一緒に暮らせるね!」
「これからは父さんって呼んでくれよな」
「私も母さんって呼んでね」
「はい!父さん、母さん!」
あ、養子になったのはいいけど苗字とか今俺が住んでる家はどうなるんだ。
「早速市役所に行くか。奨真君。この家のことは心配ないよ。売ったりしないからさ。いつかまた奨真君が戻ってこれるように残しておくから」
「ありがとうございます」
「じゃあ早速奨真君の荷物をまとめましょう!」
「奨真君!私も手伝うよ!」
「ありがとうございます」
なんか今日は感謝してばっかりだな。この恩はいつか必ず返さなきゃな。父さん以外で中に入って荷物をまとめた。三人でやったから直ぐに終わった。荷物を車の後ろに乗せて、俺は後部座席に乗った。隣には楓子ちゃんが座っている。
「奨真君」
「何?」
「これからもよろしくね」
「うん!」
俺は笑いながらそう言った。市役所に行き、俺は養子になった。でも俺の苗字は橘のままにしてもらった。家に帰って部屋に案内してもらって、荷物を片付けた。
「これからここで暮らすんだな」
父さん、母さん。俺、父さんと母さんが死んだのは悲しかったよ。でも楓子ちゃんの父さんと母さんが養子にしてくれたんだ。だから俺は
前を向いて進み続けるよ。