アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第5話 女神ニュクス

 

 

 

煉獄ステージ……

 

 

 

「前より範囲が広くなってるな」

 

 

 

「よし!早速試すぞ!来い!インビンシブル!!」

 

 

 

叫んだレインの周りに強化外装『インビンシブル』が現れ、レインはそれに乗った。

銃口を黒雲に向けてレーザーを放った。

 

 

 

「ヒートブラストサチュレーション!!」

 

 

 

少し穴が空いたが、人が通れるほどの穴は空かなかった。

穴も少しずつ消えていったから通るのは難しいな。

 

 

 

「何発も撃てば通れるが、その前に必殺ゲージが無くなっちまう」

 

 

 

「俺様のマシーンでも難しいぜ…」

 

 

 

「っ!?誰だ!!」

 

 

 

ロータスが向いた方向を見ると、ビルの上に緑の王『グリーングランデ』が立っていた。

そして飛び降りて俺たちのところにゆっくりと歩いてきた。

 

 

 

「………」

 

 

 

「ボス……」

 

 

 

「あの雲見覚えがある」

 

 

 

「「「「しゃ、喋った!?」」」」

 

 

 

いつも無口だからなんか新鮮なような……。

それよりも見覚えがある?

 

 

 

「どういうことだ」

 

 

 

「私も見覚えがあります」

 

 

 

「コスモスもなのか?」

 

 

 

「あれは女神ニュクスのものだ」

 

 

 

「ニュクスだと!?」

 

 

 

「ニュクスか…」

 

 

 

「エイトさん、ニュクスって?」

 

 

 

「お前らは知らなかったな。ニュクスはメタトロンよりも強い力を持っている神獣級エネミーだ」

 

 

 

「ちょっとお待ちなさい!!わたくしはあんな奴より劣っていませんわ!!」

 

 

 

「メ、メタトロン落ち着いて!!」

 

 

 

クロウの後ろから手のひらサイズのメタトロンが飛び出してきて、俺の目の前で怒鳴ってきた。

 

 

 

「しもべもしもべです!!あなたも何故言い返さないのですか!!」

 

 

 

「そ、そもそもニュクスのことがわからないし」

 

 

 

「落ち着け」

 

 

 

俺はメタトロンに軽くデコピンをお見舞いした。

 

 

 

「あいた!何するんですか!」

 

 

 

「少し落ち着けってことだ」

 

 

 

「エイト。話を戻してもいいか?」

 

 

 

「あ、ああ。すまんロータス」

 

 

 

話を戻してロータスたちはまた話しだした。

でもおかしいぞ…。

ニュクスは封印されたはずじゃ……。

 

 

 

「封印されたんじゃなかったのか?」

 

 

 

「また目覚めたんだろう。とにかく、これはもう放って置くわけにはいかない。すぐにニュクスの元に向かうべきだ」

 

 

 

「我々もそうしたいのだが、黒雲を通るには穴を開けなければならない」

 

 

 

「パーセクウォール」

 

 

 

「心意技?」

 

 

 

あれは絶対防御であるグランデの心意技『パーセクウォール』。

どんなものも寄せ付けない壁を放つようにしたものだ。

そのまま黒雲に突っ込んで、大きな穴を開けた。

あれならいけるかもな。

 

 

 

「ったく。可愛げのねえおっさんだな。なら、チェンジ!ドレッドノート!!」

 

 

 

レインのインビンシブルが変形して車の形になった。

これなら全員乗れるだろう。

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

「コスモス?」

 

 

 

「すみません、皆さんは先に行っててください。私も後から追いかけます」

 

 

 

「コスモスさん。それなら私も残ります!」

 

 

 

「アンクルさん?」

 

 

 

「何か用事があるんですよね?なら私も行きますよ」

 

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

「2人とも!後から追いかけて来いよ!」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

「勿論です!」

 

 

 

コスモスとアンクルを残して全員ドレッドノートに乗り込んだ。

 

 

 

「全員乗ったか?グランデ。黒雲に近づいたらあんたの出番だ!」

 

 

 

「心得た」

 

 

 

「振り落とされるなよ!しっかり捕まってな!」

 

 

 

ドレッドノートは動きだして激しい揺れが襲った。

あいつ必殺ゲージ貯めるためにわざとオブジェクトを破壊してるな。

 

 

 

 

「あはは!楽しい!」

 

 

 

「ふゆぅ……」

 

 

 

「メイデン大丈夫?」

 

 

 

「主よ。ここにいるみんなに安全を」

 

 

 

「今だグランデ!」

 

 

 

「パーセクウォール」

 

 

 

ドレッドノート全体に壁を張って黒雲に突っ込んだ。

 

 

 

 

「グランデ、どれくらいもつの?」

 

 

 

「あと2分」

 

 

 

「「「「ええ!?」」」」

 

 

 

「そ、そういうのは早めに言ってよねグッさん」

 

 

 

2分かよ!

それまでに着くのか!

ん、ちょっと待て。あれって!?

 

 

 

「レイン!!前見ろ前!!」

 

 

 

「ああ?ってうわあ!?」

 

 

 

レインは咄嗟にカーブして衝突を避けた。

けど、少しダメージを受けてしまったみたいだ。

 

 

 

「あと10秒」

 

 

 

はあ!?

あと10秒!?

 

 

 

「急いでレイン!!」

 

 

 

「わかってる!!」

 

 

 

「4……3……2……1……」

 

 

 

ゼロになる前にギリギリで黒雲から抜けることができた。

レインは停止して、俺たちはドレッドノートから降りて、近くにある建物の方に向かった。

 

 

 

「あれって、オリンピックスタジアム?」

 

 

 

「偵察に!」

 

 

 

「待てクロウ!迂闊に近づくな!」

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

オリンピックスタジアムの上に浮いている要塞から円盤型のエネミーが出てきて、エネミーはロケットのようなものを発射した。

クロウはすぐに引き返してきたが、転んで落ちていた。

 

 

 

ロケットのようなものは地面に突き刺さると、本来の形に変わった。

飛龍型のエネミーだったみたいだ。

 

 

 

「グギャアア!!!!」

 

 

 

「うわああああ!!!」

 

 

 

「ニュクス配下のエネミーなのです!」

 

 

 

「数が多すぎます!皆さん、とりあえず私の後ろに!!」

 

 

 

全員グランデとシルの後ろに回って様子を伺った。

円盤型エネミーは3体、飛龍型エネミーは複数か。

 

 

 

「まずは円盤型エネミーを落とすぞ!!」

 

 

 

「「「「おお!」」」」

 

 

 

「ネガ・ネビュラス!出撃!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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