「おおおお!!!」
「はああああ!!!」
固有結界の中で、俺とレイカーはエネミーと戦っていた。
数も残り少なかったおかげで相手にしやすかった。
「
「っ!?その剣は!?」
心意技で作り出した剣は青の王『ブルーナイト』が使っている大剣だ。
だからなのかレイカーは驚きを隠せなかった。
ブルーナイトの大剣はこの加速世界の中で一つしかない武器だから、それを作り出したことに驚くのも無理はない。
でも所詮偽物だから本物と同じ力を発揮することはできない。
それがこの心意技の唯一の弱点だ。
そして俺はこの大剣を使ってエネミーを倒していった。
すると突然、空に浮かんでいるスタジアムから、何かが出てきた。
「エイト、あれって…」
「あれが…ニュクス…?」
ニュクスが出てきたと同時に技の効果が切れて、元の風景に戻った。
その時、ナイトが俺たちを呼び戻した。
「ナイト。あれがニュクスなのか」
「そうみたいだな…。今ロータスとクロウが対峙しているみたいだ」
「今はロータスと鴉さんに任せるしかないわね」
俺、ナイト、レイカーの順で言って、俺たちはただただ見ていることしかできなかった。
けど、それもほんの少しだけだった。ロータスとクロウはニュクスを倒して、スタジアムが崩壊していって、元の形に戻った。
その上には白いデュエルアバターが立っていた。
ニュクスを倒したといっても神獣級エネミーが死ぬわけないか……。
すると俺の目の前に紫色の光が飛んでいた。
まるでこっちにこいと言ってるかのようだった。
俺は光についていくと光は止まった。
今度は人の形になって目の前に現れた。
「っ!?ニュクス?」
「どうも」
「みんなから離れたところに連れてきて何の用だ?」
「あの白いデュエルアバターは私がずっと守っていた。それを伝えたかった」
「エネミーがアバターを守る……か」
「おかしい?」
「いや……こっちにもそういう奴はいるからな」
メタトロンもその中の1人だしな。
「あと、あなたに伝えておかなきゃいけないことがあるの」
「うん?」
「聖杯って知ってる?」
「詳しくは知らないが、とんでもない力を持ったものだってことは教えてもらったな」
「そう、あれはとんでもない力を持っている。あれが目覚めてしまったら、この世界にあるエネミーが復活してしまう」
「あるエネミー?」
「英霊級エネミー」
「英霊級…?」
「詳しい力とかもわからない不明のエネミー。ただわかるのは私達の次に強い」
「神獣級エネミーのお前らでもわからないエネミー…か。とりあえずその聖杯についてなんだけど、復活させようとしてる奴は大体見当がつく。こっちで任せてくれ」
「わかった。それじゃあね…」
ニュクスは手を振ってその場から離れていった。
俺もみんなのところに戻ると、みんな白いデュエルアバターと話をしていた。
「ほら、エイトも自己紹介!」
俺はレイカーに言われた通り、自己紹介をした。
「ブラウンクリエイト。君は?」
「ナイトライドウニカ。よろしくお願いします」
「彼女は我々ネガ・ネビュラスに入ることになった。レギオンも入っていないらしいからスカウトしたんだ」
「やること早いなロータス」
これで14人だな。だいぶ増えてきたな。
「また賑やかになりそうですね」
「ええ」
「その方が楽しいよ」
シル、キング、フランの順に言っていった。まあ確かに賑やかになりそうだな…。
「元会長」
「はい?」
「俺加速研究会抜けるわ。ほんであんたについていくよ」
「期待してますよ♪」
「へいへい」
「さて、帰ろうぜ!」
俺たちは帰還ポータルに向かい、現実世界に帰った。
「あ、あの、いきなり大勢で行って迷惑じゃないですかね?」
「なに…入院生活は暇だ。大勢でいった方がいい。経験者の私が言うんだ」
「何自慢げに言ってんだよ」
「おい、俺も経験者だ」
「部屋とかわかるのか?」
白夜がサッチに聞くと、サッチは『もちろんだ』と答えた。
多分加速世界で教えて貰ったんだな。
「それじゃあみんな行こうか」
俺たちはサッチについていくことにした。
「あれ?あの人たちって……違う中学だよね…?」
「高校生の人もいるよ?」
「リサの知り合い?」
もうきてくれたんだ!
私は嬉しくなって車椅子から立ち上がり、窓の外を見た。
みんなが……あそこにいる。
「ま、友達……かな!」