レミに告白されて、俺たちはみんなのところに戻ろうとしたが、面倒な場面を見つけてしまった。
「姉ちゃんちょっとくらいいいじゃねえか」
「嫌!離してください!」
「暴れるな!おい!抑えろ!
楓子がナンパされていた。
ったく……人の彼女をナンパしやがって!!
「レミ!いくぞ!」
「はい!先生を助けましょう!って奨真さん!?」
なんかレミが驚いていたが、今はそんなことを気にしてる暇はない。
早く楓子を助けなきゃ!頭の中はそのことでいっぱいで、他のことは考えられなかった。
「おい!その手をすぐに離せ!!」
「あ?この女は俺たちが最初に見つけたんだよ。痛い目にあいたくなかったら諦めるんだな」
「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ!人の彼女に手を出しやがって!!」
男は殴りにきたが、俺は軽く避けて、義手である右腕で腹を殴りつけた。義手だから、すぐには立てないだろう。その勢いで、俺は楓子を抑えてる男に近づき、手を掴んで逆の方向に捻り、手が離れた隙に、楓子を抱き寄せて、腹を思い切り蹴飛ばした。
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう」
「おい」
「「ひい!ごめんなさい!!」」
男達は猛スピードで俺たちから遠く離れて、それと入れ違いでレミがやってきた。俺のスピードに追いつけなかったみたいだな。
「奨真さん速いです…。先生は大丈夫ですか?」
「奨真君が助けてくれたわ」
「それは良かったです!さ、みんなのところに戻りましょう!」
俺たちは気を取り直して、みんなのところに戻ろうとした。
戻ると、もうみんな集まっていた。どうやら俺たちが最後みたいだった。
「遅かったな、何かあったのか?」
サッチが尋ねてきたから、俺はさっきの出来事をみんなに話した。
「それならさっき私もナンパされましたよ?」
「アルトリアもか?大丈夫なのか?」
「返り討ちにしました」
「アルトリアさんなら普通に出来そうですね……」
「ハルユキ、それはどういう意味ですか?」
まあ確かにアルトリアなら簡単に出来そうだな…。
その時、ジャンヌが話を変えて、記念写真を撮ろうと言ってきた。もちろん全員が賛成して、海を背景にして並んだ。何故かわからないが、俺が真ん中だった。
「それじゃあ撮るよー!」
ジャンヌはボタンを押して、俺の隣に座った。
ボタンを押して3秒後、シャッターが鳴り、写真を撮り終えた。
撮り終えて、ジャンヌはカメラをいじっていた。
「何してるんだ?」
「このカメラで撮った写真をニューロリンカーの写真フォルダに入れてるんです。これをフランスにいる妹に送ろうと思って」
「妹がいたの?」
「うん!私にそっくりなんですよ!」
「へえ、それは見てみたいな」
「今度写真を見せますね!よし、送信っと」
「ん?何か来たわね。…………なにこれ?」
「どうかしましたか?」
「……なんでもないわ」
「ならいいのですが…。ああいったいいつ帰ってくるのでしょうか!!」
「知らないわよ。好きにさせてあげればいいじゃない」
「あなたは私から消えないでくださいね!」
「うっとうしいわね!離れなさいよ!」
「さてと……とりあえずどういう状況だ?」
俺と楓子はジャンヌと少し話して、その後、みんなのいるところに戻ると、訳の分からない光景が見えた。
「と、寿也!ひゃん!そこはダメェ!」
「いいじゃん!もっと触らせてよ〜」
「うがああああ!!!!」
「アルトリアさん落ち着いてください!」
「チーちゃんも手伝って!」
「わ、わかった!先輩もいきましょう!」
「ああ!」
「リサさん!私たちもいきましょう!」
「そうね!」
「目がああああ!!!」
「びゃーくんが悪いの!」
「また面倒なことが起きたな…」
「NP。楽しそうだから」
「そう言われればそうなのです」
えっと……本当にどういうことだ?
俺たちがみんなと離れたのはほんの数分だろ?
なのになんでこんなことに?
「奨真さんたちが戻るほんの数分前、寿也君がいつものようにマシュさんの胸を後ろから揉み出したのです…」
「それで…アルトリアさんは止めたのですが……その時に…ペチャパイと言われて…」
「それでみんなに抑えられてるんだね…」
「はあ……腹減ったなぁ……」
それから数十分が経過して、やぅと騒ぎが収まった。
その数十分の間、マシュは胸を揉まれすぎて、水着が脱げて、大変なことになり、男性陣は一斉に目潰しを食らうことになってしまった……。