アクセル・ワールド 君の隣にいるために   作:フラっぴー

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第8話 花火

 

マシュの水着が脱げるという事件は無事解決して、みんなで花火をしていた。花火は線香花火、ロケット花火、ネズミ花火などいろんな種類の花火があり、みんないろんなもので遊んでいた。俺と楓子は線香花火て遊んでいた。

 

 

 

「ねえ奨真君」

 

 

 

「んー?」

 

 

 

「野球拳しない?」

 

 

 

「ブフゥ!」

 

 

 

 

突然の爆弾発言に俺は思わず吹き出してしまった。野球拳って負けたら服を一枚ずつ脱いでいくやつだろ。今の俺たちは水着だ。そんなことをすればすぐに決着がつく。その前にそういう問題ではない。

 

 

 

 

「な、なに言い出すんだ!!」

 

 

 

 

「だって最近の奨真君、全然私に対してドキドキしてないじゃない。今日も私の水着姿を見ても、全然ドキドキしてなかったし。だからこれならドキドキすると思ったんだけど」

 

 

 

 

「やりません!!」

 

 

 

 

「むぅ…」

 

 

 

 

隣で楓子は拗ねてしまい、三角座りしていた。そんなにしたかったのか?でもこのままだとなんか楓子が可哀想に見えてくるな。そう思い、俺は楓子の頭を花火を持っていない右手でそっと撫でた。

 

 

 

 

「えっ?」

 

 

 

 

「あのな楓子。面には出してないけど、これでもドキドキしてたんだぜ。だから拗ねるなよ。今はこれしかできないけど、家に帰ったらちゃんと相手するからさ」

 

 

 

 

「ふふ、それじゃあ楽しみにしてるわね」

 

 

 

 

楓子の機嫌は無事になおって、丁度線香花火の火玉が地面に落ちた。

次は違う花火で遊ぼうと思い、取りに行こうとしたが、突然悲鳴が聞こえた。声のする方を見ると、猛スピードでこっちに走ってくる白夜とハルユキ、タクムがいた。さらにその後ろを見ると大量のネズミ花火とニコが3人を追いかけていた。

 

 

 

 

「しょ、奨真!助けてくれ!」

 

 

 

 

「ニコ!ストップストップ!!」

 

 

 

 

「やめてくださーい!!」

 

 

 

 

「こ、こっちくるなー!!」

 

 

 

 

3人は俺の方へ逃げてきたせいで、俺もそれに巻き込まれることになってしまった。俺も一緒に逃げていると、今度はアルトリアが見えてきた。このままだとアルトリアも巻き込まれてしまうと思い、逃げろと言おうとしたが、言うのが遅くなり、一緒に逃げることになってしまった。

 

 

 

 

「今日の私こんなことばっかりじゃないですかー!!」

 

 

 

 

「すまんアルトリア!!」

 

 

 

 

「それそれー!あはは、楽しいー!」

 

 

 

 

周りに助けを求めたいが、絶対に巻き込まれてしまうから求めようにも求められなかった。そんな時、美早がニコの後ろに回り込み、首を掴んで捕まえた。

 

 

 

 

「ニコ。そこまで」

 

 

 

 

「パド!いいところだったのにぃ…」

 

 

 

 

「みんな困ってる」

 

 

 

 

「わかったよ…」

 

 

 

 

 

美早のおかげで、俺たち5人は助かった。あとでお礼を言わなきゃ。

俺とアルトリアはそんなに走ってないからバテてないが、3人はバテバテだった。そんな3人を放って、俺は楓子のところに戻りにいった。すると、そこには楓子だけではなく、マシュとういういもいた。

 

 

 

 

「2人もいたのか」

 

 

 

 

「奨真君が追いかけられてた時に、2人がきたの」

 

 

 

 

「しょーにぃも一緒に遊ぶのです」

 

 

 

 

「折角ですし、4人で勝負しませんか?」

 

 

 

 

「勝負?」

 

 

 

 

「はい。線香花火で誰が一番長くもつのか、っという勝負です」

 

 

 

 

「よし、やるか」

 

 

 

 

俺たち4人はマシュから線香花火を受け取り、一斉に火をつけて、勝負がスタートした。勝負の間は全員無言で、集中していた。30秒が経過して、俺の花火が消えて、その5秒後にういういの花火が消えた。それから40秒、50秒が経っても、楓子とマシュの花火は消えなかった。1分が経過して、楓子の花火が消え、その直後にマシュの花火も消えた。

 

 

 

 

「私の勝ちですね」

 

 

 

 

「負けちゃったわ」

 

 

 

 

「凄かったのです!」

 

 

 

 

「俺が最下位か」

 

 

 

 

「マシュお姉ちゃんが優勝したんだね!」

 

 

 

 

「寿也?見てたんだね」

 

 

 

 

「うん!勝ったお姉ちゃんになにかご褒美が必要だね!」

 

 

 

 

ご褒美か……。なんだろう、嫌な予感しかしないんだが…。

 

 

 

 

「ご褒美?」

 

 

 

 

「えーい!」

 

 

 

 

「ひゃっ!?」

 

 

 

 

「やっぱりか…」

 

 

 

 

俺の予想は見事当たり、寿也がマシュの胸を正面から揉んでいた。これで何回目なんだ?5回くらいしてそうだな。

 

 

 

 

「と、寿也!これって、私のご褒美じゃなくて……寿也のご褒美じゃない!ひゃん!」

 

 

 

 

「マシュお姉ちゃんへのご褒美だよー!だって僕に触られてる時、いつも気持ちよさそうじゃん!」

 

 

 

 

「そ、そんなこと……ないよぉ…」

 

 

 

 

「寿也君。マシュが困ってるでしょ?」

 

 

 

 

「じゃあ楓子さんのを触らせてー!」

 

 

 

 

「やん!」

 

 

 

 

今度は楓子の胸を揉み始めたか…。ったくこのエロガキ…。

 

 

 

 

「やっぱり楓子さんのおっぱいも柔らかくて気持ちいいなー」

 

 

 

 

「も、もう……口に出さなくていいの」

 

 

 

 

「しょーにぃ、フーねぇ全然嫌そうには見えないのです」

 

 

 

 

「母性本能でも出てるんじゃないか?」

 

 

 

 

「しょーにぃ?怒ってるのですか?」

 

 

 

 

「全然怒ってないよ?」

 

 

 

 

「でも額に怒りマークが出てるのです」

 

 

 

 

「ちょっと楓子のところに行ってくるよ」

 

 

 

 

ういういの言う通り、俺はほんの少しだけ怒っていた。もちろん、なにも抵抗しない楓子に対してだ。とりあえず、寿也を白夜のところに連れて行こう。

 

 

 

 

「寿也。白夜が呼んでたぞ?」

 

 

 

 

「わかったー」

 

 

 

 

「さてと……楓子?」

 

 

 

 

「は、はい?」

 

 

 

 

「ちょーっとこっちにきてくれ」

 

 

 

 

「う、うん」

 

 

 

 

「2人ともどこに行くんでしょうか?」

 

 

 

 

「わからないのです」

 

 

 

 

 

 

俺は楓子を連れて、人目のないところにきた。そこで楓子を壁に寄せて、思い切り壁ドンをした。

 

 

 

 

「しょ、奨真君?」

 

 

 

 

「楓子、俺は怒ってるんだぞ。寿也に胸を揉まれて嫌そうにしなかったことに」

 

 

 

 

「もしかして嫉妬してる?」

 

 

 

 

「ああ、嫉妬してるさ。本当はすぐにでも楓子を俺の好きにしたいが、それは家に帰ってからだ。だから今はこれで我慢する」

 

 

 

 

俺は耳元で囁いて、楓子の唇に自分の唇を重ねた。軽いキスだから、すぐに唇を離した。

 

 

 

 

「奨真君をドキドキさせるどころか、私がドキドキしちゃったわ」

 

 

 

 

「そうか?」

 

 

 

 

「ええ。ちなみにさっきのことなんだけど、寿也君に触られてる嫌そうにしてなかったのは、母性本能が自然に出てきてしまったの。でも、やっぱり奨真君が一番かな?」

 

 

 

 

「自分で言い出しておいてあれだが……恥ずかしいな」

 

 

 

 

「ふふ。さあ、みんなのところに戻りましょう」

 

 

 

 

「ああ」

 

 

 

 

俺と楓子はみんなのところに戻り、シートなどを片付けて、ホテルに荷物を置きに行った。

 

 

 


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