聖杯と英霊級エネミーが加速世界に現れて3日が経った。現れてから奨真たちはまだ一度も加速世界にダイブしてなかった。そして今日は聖杯と英霊級エネミーを復活させてしまったのは自分のせいだと思い込んでいる白雪を励ますためにチユリの家に女性陣が集まることになっていた。
楓子side
「さあさあ、みんな集まったことだし、そろそろ始めましょう!『女の子だらけのお泊まり会』〜!」
「え、えっと……これはいったい?」
「姉さんは最近元気がないからな。少しでも元気になって貰いたくてみんなで企画したんだ」
「それにこういうことはまだ一回もやってなかったからね」
この企画は確かにみんなで考えたけど、本当はそれを言い出したのは綸なのよね。綸は白雪の親友だから、落ち込んでるところを見たくなかったのよね。でも、その気持ちがあるからお泊まり会とかを考えることができたんだけどね。
「白雪さん………元気…出してください……」
「綸さん…」
「白雪さんは……何も…悪くない……です…。悪いのは…加速研究会……のせい…です。だから…落ち込まないで……ください…」
「そうよ。それにね、英霊級エネミーも危険だけど、悪いエネミーばかりじゃなかったのよ。本当に危険なのは聖杯ね。あれだけをなんとかすればいいわ」
「楓子さん…」
「もー!今日はそんな話はナシナシ!せっかくのお泊まり会なんだからお題か何か出そうよー!」
そうね。せっかくのお泊まり会なんだから、暗い話はナシにして楽しまなきゃね。でもお題ね〜。何かいいお題があればいいけど……。
「あのー、ここは定番の恋バナとかどうですか?」
「レミさんいいですねそれ!」
恋バナか〜。早速定番のお題ね。私が話すとしたら奨真君とのイチャイチャやラブラブなことしかないけど……。他はどんなことを言うのかな?
「そういえばみんなって好きな人とかいるの?」
「私はもちろん奨真君♪」
「私はびゃーくんなの」
「アタシは今はいないかな〜。リサさんは?」
「私もまだ……」
「あたしもいねえな」
「私は好きな人はいませんが、料理を作ってくれる人が好きです」
私、あきら、チーコ、リサ、ニコ、アルトリアの順番で言った。サッちゃんはきっと鴉さんね。レミ、綸、白雪は奨真君かな?
「私は……その………」
「黒雪先輩はハルですよね〜」
「なっ!?何故それを!?」
「あれでバレないと思ったサッちんが不思議なのです」
「サッちゃんったら可愛いんだから」
「う、うるさい!」
「ミャアは誰なの?」
「NO。私はいない」
「私もいませんね」
「私は……お恥ずかしいのですが、白夜さんです」
美早、ジャンヌ、マシュの順番で言って、マシュの好きな人を聞いて私たちは驚いた。白夜君のことが好きだったんだ。孤児院も一緒だし、ずっと一緒に暮らしてたから惹かれていったのかもしれないわね。私と奨真君みたいに。
まだ言ってないのは、ういうい、綸、白雪、レミの4人ね。ういういは誰なんだろう?もしかしてういういもいないとか?
「私はしょーにぃなのです」
「ういちゃんも!?」
「あ、3人は知ってるのです。3人とも奨真さんなのです」
「「「え……ええーっと……」」」
3人ともういういの言葉で完全に黙ってしまったわね……。レミは口笛を吹いて、白雪は顔を両手で隠して、綸に関しては顔を真っ赤にして目を回していた。
3人の反応はなんだか面白いわね。レミは告白してたのをコッソリ見たけど、綸と白雪はしないのかな。
「わ、私たちのことより、先生!先生と奨真さんは普段どんなことをしてるのですか?」
レミは突然私に話を振ってきて、一瞬だけ反応に困ってしまった。うーん、そうねえ。普段何してるかよね……。
「私は朝は寝坊助の奨真君を起こしにいって、その後に朝ごはんを食べて学校に行って、授業受けて、お昼ご飯一緒に食べて、その後にキスして、放課後も一緒に帰って、家でまたキスして、奨真君に膝枕してあげて、ある時は部屋で一緒に」
「すすす、ストップストップ!!楓子姉さんそれ以上はダメな気がします!!」
私はチーコに口を塞がれて、話すのをストップされてしまった。ここからが一番のお楽しみなのに…。
ても、私ばかり言うのは不公平よね。まずはサッちゃんに聞こうかな。私はサッちゃんの後ろに回って抱きついて、サッちゃんと鴉さんのことについて聞くことにした。
「サッちゃんは鴉さんとどうなの?私ばっかり喋るのは不公平だから2人のことも聞きたいわ」
「こ、こらフーコ!」
「サッチとハルくんのことも聞きたいの」
「わ、私は別に何もない!第一付き合ってない!」
「でも、本当は付き合いたいはず」
「そうだ!本当は付き合いたい!……って何言ってるんだ私は!?」
「黒雪ちゃんの可愛いところが見れましたね」
ジャンヌがそう言うと、サッちゃんは白雪と同じように顔を両手で隠して地面をゴロゴロと転がっていた。やっぱり姉妹はどこか似てるわね。
「恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!」
「次は私なの。私はフーみたいなことはまだしてないけど、キスならしたの。たまに孤児院に行って、びゃーくんと一緒に子供達と遊んだり、マシュと一緒に院長さんのお手伝いをしてるの」
「院長さんはいつも助かってるって言ってました」
「私もフーには負けないくらいイチャイチャしてるの。けど、唯一負けてるものがあるの」
「あの……それって……」
綸が聞いてみると、あきらは手を自分の胸に当てて、そこからは動かなかった。他のみんなは気づいたみたいだけど、私はわからなかった。
「えっと……何なの?」
「胸なの」
あきらがそう言うと、みんな自分も勝てないと言うようにうんうんと頷いて、私の胸をジッと見つめていた。
「ちょ、ちょっと待って!ジャンヌと美早も大きいじゃない!」
「楓子ちゃんには負けますよー」
「YES、ジャンヌの言う通り」
「じゃ、じゃあマシュは!最近大きくなったって!」
「全然負けてますよ。ってサラッと恥ずかしいこと言わないでください!」
「綸さん、私たちはいつまでも同士ですよ!」
「は、はい!」
「「ムムム……」」
「楓子姉さんはスタイルいいですからね〜」
「さすが先生です!」
「あはは……」
「フーねえの胸のせいでいつも苦しいのです……」
綸と白雪は同士とか言って、アルトリアとサッちゃんはなぜか唸っていて、チーコとレミは尊敬の眼差しみたいな目で見ていて、リサは話についていけなくなって笑っていた。ういうい、なんだかごめんね。でもういうい可愛いから……。
「じゃあちょっと触らせてもらおうか!」
ニコが後ろに回り込んで私の胸を鷲掴みしてきた。
「きゃあっ!?」
「あ、私もー」
「それじゃあ先生!失礼します!」
その後はチーコとレミも混ざって、相手をするのが辛かった。終わった後はみんな疲れて寝ることにした。