フラっぴーです!
一週間ぶりです!
あとちょっとした設定です。
デュエルアバター状態の人を呼ぶときはアバター名。
ダミーアバター状態の人を呼ぶときは名前で呼ぶ。
以上です!
アーチャーたちと一度別れて現実世界に帰ってきた俺と楓子は、みんなに連絡をとり、ハルユキの家に集合することになった。アーチャーが俺たちを鍛えてくれると言ってくれたことをみんなに伝えるために。全員集合すると床に円を描くように座り、俺は話を振った。
「英霊級エネミーが私たちを鍛えてくれる?どういうことだ?」
「俺にもさっぱりなんだよ……。技を見せ合った後、鍛えてやるって言ってきたんだよ」
「で、でも、英霊級エネミーが鍛えてくれるってことはかなり強くなれるんじゃないですか?」
「ハル君の言う通りなの」
確かにハルユキの言う通り、あいつら英霊級エネミーに鍛えてもらえれば強くなることはできる。俺もあの時、すぐに答えを出すつもりだったが、みんなのことを考えると1人だけ強くなることなんてできなかった。
「ならば、一度会ってみてはどうでしょう?それで決めればいいだけです」
アルトリアは提案を出すと、みんなその提案に乗り、無制限フィールドに加速することにした。全員で直結用ケーブルをニューロリンカーにつけて、叫んだ。
「「「「アンリミテッドバースト!!」」」」
加速世界に来て、俺はみんなを連れて、アーチャーがいる場所に向かった。そこにはすでに、ネロが寝転んでその場にいた。
「むっ?おお!エイトではないか!もう余に会いたくなったのか!」
「そんなんじゃねえよ。アーチャーは?」
「アーチャーなら呼べばくるとか言ってなかったか?」
「あ、そうだったな。おーい!アーチャー!!」
大声で呼ぶと、ビルの屋上にアーチャーが姿を現し、飛び降りて俺たちのところに現れた。
「呼んだか?」
「みんな連れて来た。だから、そっちの仲間とやらを紹介してくれ」
「了解した」
アーチャーはそう言うと、弓を構えて、矢を空に放った。
「今のは?」
「ただの合図さ。ほら、みんな来たぞ」
矢を放って数秒で、俺たちの周りには何人かの英霊級エネミーが現れた。1人ずつ見ていくと、そこには驚かざるを得ないことがあった。その中にはアルトリアと瓜二つといえるエネミーがいた。
「嘘だろ……」
「なんで……アルトリアさんが……」
「あの……あなたは?」
ルークとチユリが驚いて声を漏らし、アルトリアは恐る恐るそのエネミーに問いかけると、エネミーは答えてくれた。
「私はランサー。真名はアルトリア・ペンドラゴン」
「なっ!?どういうことだ!私たちの目の前にいるアルトリアと名前が全く同じだなんてありえるのか!?」
「何を言ってるのだ。私はブリテンの王。同じ名前のものなんていない」
「あの!ここでリアルの名前を出すのはよくないとわかっていますが、私の名前はアルトリア・ペンドラゴンなのです!」
「ほう、なら貴様の剣を見せてもらおうか」
「こ、これです」
キングは強化外装であるエクスカリバーをエネミーに渡した。エネミーはまじまじとエクスカリバーを見て、小さく笑った。
「これはエクスカリバー。私が使っていた剣だ」
「あのー、もしかしてですが、ここにいるエネミーであるアルトリアさんは、私たちの知るアルトリアさんのご先祖ではないでしょうか?」
キングが使っているエクスカリバーがエネミーが使っていたエクスカリバーと同じとわかり、コスモスはもしかしてと思い、ご先祖ではないかと言った。
「…………」
「キング?」
「ご先祖様………?ご先祖様!」
キングはエネミーに抱きつき、涙を流していた。初めて会うご先祖様に感動したのだろうな。
「全く……しょうがない子だ」
「すまないが、話を進めてもいいか?」
アーチャーのことを完全に忘れていたな。他にも知らないエネミーがいっぱいいるから自己紹介してもらわないとな。
「ライダーです。真名はメドゥーサ」
「おう!俺はランサー!真名はクー・フーリンだぜ!」
「キャスター。真名はメディア。どいつもこいつも鎧ばっかりじゃない!」
「そして最後は余だ!余はローマ皇帝ネロ・クラウディウス!!」
ん?地味に少なく感じるのは気のせいか?
俺はアーチャーに他にもいないか聞くことにした。
「アーチャー、これだけか?」
「いや、他にもいるが、面倒だから来たくないとか言っていてな」
「なんだよそれ……」
「誰を鍛えるかは我々が決めることにした。この場にいる5人に選ばれなかったものも落ち込む必要はない。私が示した場所にいくと、私の知り合いがいる。もしかしたら力を見せろとか言ってくると思うが、まあ頑張ってくれ」
アーチャーたちが選ぶ……というのか……。アーチャーは俺を鍛えると言っていたが、4人は誰を選ぶんだ?
「私はキングにしましょうか」
「よ、よろしくお願いします!!」
「なら私は……この銀色にしましょうか」
「えっ!?ぼ、僕ですか!?」
「あなた以外いないでしょう?」
「よ、よろしくお願いします!!」
「メディアはどうするのだ?」
「うるさいわねアーチャー!今考え中よ!この中で誰が一番可愛いのか……」
このメディアとかいうエネミーは可愛いものならなんでもいいのか?そんな理由で決めるのかよ……。
「全員鎧を脱ぎなさい!!ダミーアバターになるのです!!男以外!!」
俺たち男は眼中にないということか?それはそれでなんか悲しいな。女性陣はダミーアバターになると、メディアは一人一人見ていった。あ、そういえば……。
「アッシュ、お前もならないのか?」
「何がですかアニキ?」
「いやお前のダミーアバターは綸だろ?」
「わ、忘れてやした!」
アッシュはダミーアバターになると、女性陣のところに並んだ。メディアはだんだん興奮してるように見えた。そして、綸を見ると、鼻血を出して抱きしめた。
「この子可愛いじゃない!!」
「ふえっ……?えっとぉ……」
「あのーメディアさん。あと1人残ってますよ?」
「あら?ごめんなさいね、えっとぉ……っ!?」
楓子がメディアにそう言って、メディアは綸の隣にいるういういを見ると、固まって動かなくなった。
「きゃあああ!!可愛い可愛い可愛い!!!!なんなのよこの子!!こんな可愛い子がこの世界にいるなんてえぇ!!私夢でも見てるのかしら!!!」
もう手がつけられないのではないかと思うくらいメディアは暴走していた。確かにういういは可愛いからあーなるのもわかるが……。その前にあの状態のメディアはどこか楓子と似ていた。
「決めたわ!!私この子を育てる!!優秀な子に育てるわ!!」
「よ、よろしくなのです!」
「きゃあああ!!ああもう!!本当に可愛い!!」
「なあアーチャー」
「どうした?」
「キャスターって魔法とかが得意なんだよな?ういういはアーチャーだから、アーチャーに鍛えてもらう方がいいんじゃないか?」
「その心配はいらない。メディアは遠距離攻撃もできる。それに魔術も使えるから、あの子にはピッタリだと私は思うが」
「余はもちろんレイカーだ!前から予約しておったからな!」
「よろしくね、ネロ」
「うむ!任せるがよい!」
「最後は俺だな。んー、できれば槍使いの方がいいんだが、槍使いがいないからなぁ……」
クー・フーリンはかなり悩んでるみたいだな。けど、悩むのを一瞬でやめて、パイルのところに向かった。
「お前に決めた!」
「あ、ありがとうございます!!」
「残ったものはこちらに来てくれ」
選ばれなかった12人はアーチャーのところに向かい、他の英霊級エネミーがいる場所を教えてもらっていた。そして、鍛えるために全員バラバラに散っていった。
俺とアーチャーも移動するために歩いていった。数十分歩くと、建物が崩れる音が聞こえてきた。
「な、なんだ!?」
「どうやら誰かが戦ってるみたいだ。私が見てくる、君はそこで待っていてくれ!」
「あ、おい!」
アーチャーは走って俺から離れていった。アーチャーは待っていてくれといっていたが、俺だって気になる。だから、俺も走り、爆風のするところに向かった。そこには弓を構えたアーチャーがいた。
「アーチャー!!」
「っ!?なぜきた!!」
「気になるからきた!それだけだ!」
「まったく………怖いもの知らずにもほどがあるな」
アーチャーが弓を構えて狙ってる方向を見ると、そこには見覚えのあるデュエルアバターが人型のエネミーと戦っていた。エネミーもきっと英霊級エネミーのはずだ。しかもあの凶暴っぷりはバーサーカーだ。
『ったくしつこい!!』
『ヴアアア!!!』
あの声って……まさか!?
「アーチャー!!まだ矢は撃つなよ!!」
「なにっ!?」
言うのは少し遅く、アーチャーは矢を放っていた。その矢は2人の間に落ちて、爆風を作った。俺はその場に行くために走り出すと、アーチャーも一緒に追いかけてきた。
「どうしたのだ!」
「知り合いがいたんだ!」
「痛たた……。ったくなんなのよ!!変な奴に襲われるし矢は降ってくるし!!」
「やっぱりダークか!!」
「何よ!!ってエイト!?」
「再開を喜ぶのはまだ早いぞ!バーサーカーはまだ動いてる!」
爆風は晴れていき、バーサーカーが姿を現した。そいつはかなり大柄な男で、片手で大きな斧を持っていた。
「君たちはそこで見ているんだ!!」
「1人で大丈夫なのか!?」
「大丈夫さ!私の力を見せてやろう!」
アーチャーは両手に剣を持ち、バーサーカーに突っ込んでいった。