バトライブ!~BattleSpilits × LoveLive!~ 作:果樹 椿姫丸
少しずつ
歪んでいく。
花陽「…………」ハァ
凛「かよちん?」スタスタ
花陽「凛ちゃん……」
凛「穂乃果ちゃんのこと?」
花陽「うん…………私、どうしたらいいかわからなくって。穂乃果ちゃん、あんなにもう一人の穂乃果ちゃんを倒すんだってやる気になってたのに………」
凛「…………」
花陽「私…………全然気付けなかったよ。穂乃果ちゃんはバトルが大好きで、だからもう一人の穂乃果ちゃんを倒したいんだって、そんな単純な話だと思ってた………」
凛「かよちん………」
花陽「…………私、馬鹿だよね。自分のことばかりで、周りのことなんか全然見えてなかった…………!ことりちゃんも穂乃果ちゃんも、私にあんなに気を遣ってくれてたのに………!」
花陽「私…………私、私なんか大っ嫌い………」ポロッポロッ
凛「かよちん」ヒシッ
花陽「凛………ちゃん…………?」
凛「大丈夫だよ、かよちん。今は凛がそばにいるよ。………絶対離れない。ずっとずっと傍にいてあげる」ギュッ
凛「かよちん、寂しかったんだよね?一年生はかよちんだけだったもんね?………凛も、かよちんがいなくて寂しかった」ギュー
花陽「凛ちゃん………」
凛「かよちんは馬鹿じゃないよ。……馬鹿だったらそうやって人のために泣いたりなんか出来ないんだよ」
花陽「…………」ポロッポロッ
凛「ごめん、かよちん。………もう一回だけ言うね?凛、絶対にずっとかよちんの傍にいるよ。……だからもう、今みたいに全部自分が悪いなんて決めつけはしないで」
花陽「うん、ありがとう………凛ちゃん」
凛「…………」
凛(穂乃果ちゃん、か………)
ことり「穂乃果ちゃん?」
海未「はい」
ことり「穂乃果ちゃんがどうかしたの?」
海未「とぼけないで下さい。……ことりは、どう考えてるんですか?」
ことり「私は………」
穂乃果「ことりちゃん、海未ちゃん、おはよう!今日は早いねぇ!」
ことり「穂乃果ちゃん………」
海未(酷い目のクマですね……)
海未「穂乃果、別に今日は早起きしなくてもいいんですよ?もう少しゆっくり寝ていても………」
穂乃果「大丈夫大丈夫!………穂乃果今、元気有り余ってるから!」
ことり(どうして、こんな………)
ことり「ねぇ、穂乃果ちゃん、」
穂乃果「何?」
ことり「…………私と、バトルしてくれる?」
ことり(ことりは…………私は、貴女だけは、絶対に救ってみせる)
穂乃果「え?ことりちゃ………」
ことり「…………お願い」
ことり(あの夜に、そう決めたんだから)
ことり「穂乃果ちゃん……分かってるよね?ちゃんと本気でバトルしてね?」
穂乃果「ことりちゃん………」
海未「ことり………」
ことり(穂乃果ちゃん………穂乃果ちゃんはっ、私が………!)
ことり「ごめん、海未ちゃんはここに残ってて」
海未「えっ………ちょっ、ことり!?」
ことり「ゲートオープン!」
穂乃果「か………界放!」
ヒュオオオオ
ことり「穂乃果ちゃん………覚えてる?私と初めてバトルした日のこと?」
穂乃果「…………」
ことり「穂乃果ちゃん………バトルに夢中になって、勝つまでやるんだーっ、て何回も私とバトルして………」
穂乃果「でも………結局ことりちゃんには勝てなかったんだよね」
ことり「うん!………でもね、穂乃果ちゃんすっごく楽しそうだった!」ニコニコ
穂乃果「………」
ことり「…………もう始めるね。スタートステップ!」
ことり「ドロー、メインステップ!」
ことり「コスト4を支払い、ネクサス、戦場に息づく命をlv1で配置!」
穂乃果「緑の………デッキ?」
ことり「穂乃果ちゃんはこのデッキ、見るの初めてだったよね?……本気でやらないと負けちゃうよ?……ターンエンド」
穂乃果「穂乃果のターン。………スタート、コア、ドロー、メインステップ」
穂乃果(どうして………ことりちゃんはこんな)
穂乃果「ねぇ………ことりちゃん」
ことり「なぁに?」
穂乃果「何で………こんなバトル、穂乃果には意味があると思えないよ………」
ことり「………意味があるかどうか、そんなこと、今はどうでもいいんじゃないかな?」
穂乃果「それは、どういう………」
ことり「このバトルが終わって、何かを穂乃果ちゃんが感じ取れたなら、きっとこのバトルには意味があったんだと思う」
ことり「……とにかく今は、ちゃんと私を見て。本気でバトルして。………ほら、今は穂乃果ちゃんのターンだよ♪」
穂乃果(このバトルにどんな意味があるのか………それは穂乃果が自分で考えなきゃいけないってことか)
穂乃果「3コスト支払い、灼熱の谷をlv1で配置!……ターンエンド」
ことり「私のターン!」
ことり「戦場に息づく命lv1、2の効果!」
ことり「コアステップ時、コアをボイドから増やさないことで、デッキからカードを一枚ドロー!」
ことり「ドロー、リフレッシュ、メインステップ!」
ことり「2コストを支払い、ダンデラビットをlv1で召喚!効果でボイドからコア一個をリザーブに追加!」
ダンデラビット lv1 BP1000
ことり「更に2コストを支払い、巻き上がるダンガロ山脈をlv1で配置!………アタックステップ!ダンデラビットでアタック!」
穂乃果「ライフで受ける!」パリィン
ライフ5→4
ことり「ターンエンド」
穂乃果「穂乃果のターン!」
穂乃果「スタート、コア、ドローステップ!……灼熱の谷の効果でカードを一枚多くドローし、一枚を破棄!」
穂乃果「リフレッシュ、メインステップ!……3コスト支払い、ホムラチーターをlv1を召喚」
ことり(あのカードは………)
穂乃果「更に3コスト支払い、手札からマジック、ブレイヴドローを使用!デッキからカードを二枚ドローし、デッキの上から三枚をオープンし、ブレイヴカード一枚を手札に加える!……輝きの聖剣シャイニング・ソードを手札に加えるよ。残りはデッキの上に。……バーストを一枚セットし、アタックステップ!」
穂乃果「ホムラチーターでアタック!アタック時効果でBP4000以下のスピリットを一体、よってダンデラビットを破壊!……ソウルコアの力で、相手のネクサス、戦場に息づく命を破壊!……このアタックは?」
ことり「ライフで受ける!」パリィン
ライフ5→4
穂乃果「ターンエンド」
ことり「私のターン!」
ことり「スタート、コア、ドロー、リフレッシュ、メインステップ!」
ことり「良かった。穂乃果ちゃん、本気でバトルしてくれてるみたいで」クスクス
穂乃果「それは、ことりちゃんが――――」
ことり「それに、すごく楽しそう♪」
穂乃果「え――――」
ことり「私は4コスト支払い、ナイトイーグルをlv2で召喚!」
ナイトイーグル lv2 BP7000
ことり「ナイトイーグルの召喚時効果!【分身:1】発揮!デッキの一番上のカード一枚を、BP3000の分身スピリットとして召喚する!」
ことり「ここで巻き上がるダンガロ山脈lv1、2の効果発揮!分身スピリットを召喚する時、リザーブからでなくボイドからコア一個を置くことが出来る!」
分身スピリット BP3000
ことり「そしてナイトイーグルlv2、3の効果!自分の分身スピリット全てのBPを11000として扱う!」
分身スピリット BP3000→11000
ことり「バーストをセットして、ターンエンド」
穂乃果(楽しい………?……でも、穂乃果は真剣に――――)
ことり「穂乃果ちゃん!」
穂乃果「えっ」
ことり「ほら、穂乃果ちゃんのターンだよっ?……もうっ」
穂乃果「……穂乃果のターン。スタート、コア、ドローステップ時灼熱の谷の効果で二枚ドローして一枚破棄!リフレッシュ、メインステップ!」
穂乃果「ホムラチーターをlv2にアップ!」
ホムラチーター lv2 BP5000
穂乃果「更に4コスト支払い、手札からアルティメット・ジークヴルムをlv4で召喚!……灼熱の谷をlv2にアップ!」
アルティメット・ジークヴルム lv4 BP13000
穂乃果「………ねぇ、ことりちゃん、さっき……穂乃果が楽しそうだって言ってたけど………」
ことり「うん、本当に穂乃果ちゃん楽しそうだよ!」
穂乃果「ことりちゃん………でもね、だけどね、穂乃果はもう一人の私とは違うんだよ。違わなくちゃいけない………だから、」
ことり「うん………」
穂乃果「もう一人の私を止める、そのために穂乃果は負けられないし、真剣にバトルしなきゃいけないんだ。………でも、穂乃果が信じたバトルスピリッツは楽しいものなんだ」
穂乃果「真剣にバトルすればするほど苦しくって、もう一人の私とのバトルだって………きっと楽しいものじゃなかった」
穂乃果「穂乃果………どうしたら良いんだろうね?やっぱり、バトスピを守るためなら、今は我慢して苦しいバトルをしなきゃいけないのかな?」
ことり「…………穂乃果ちゃん。……穂乃果ちゃんは一つ、大きな勘違いをしてるよ」
穂乃果「大きな勘違い………?」
ことり「真剣にしたバトルだって、楽しいってこと」
穂乃果「えっ」
ことり「穂乃果ちゃん、もう一人の穂乃果ちゃんと戦った時に感じたのは、本当に苦しさだけだったの?………自分のデッキが応えてくれた!そういう達成感みたいなものは……感じなかった?」
穂乃果「………」
ことり「穂乃果ちゃんはまだ気付いてないかもしれないけど、それは確かに"楽しい"っていう気持ちなんだよ?だからその気持ちを自分で押し潰そうとなんてしないで………。その感情は、宝物だよ」
穂乃果「宝物………」
ことり「話が長くなっちゃったね。……アタックステップに入ってよ」
穂乃果「うん……。アタックステップ」
穂乃果「アルティメット・ジークヴルムでアタック!アルティメット・ジークヴルムlv3、4、5の効果で、系統:星竜をもつスピリット、アルティメット全ては【真・激突】を得る!……更にアルティメットトリガー、ロックオン!」
ことり「コストは4」
穂乃果「……ヒット。……アルティメット・ジークヴルムのBPを+10000!」
アルティメット・ジークヴルム lv4 BP23000
ことり(真・激突か………、このバーストを伏せてて良かった!)
ことり「分身スピリットでブロック!」
アルティメット・ジークヴルムBP23000 VS 分身スピリットBP11000
穂乃果「分身スピリットを破壊!」
ことり「相手による自分のスピリット/アルティメット破壊によりこのバーストを発動!アルティメット・ウシワカ!……効果でホムラチーターを疲労!」
ことり「効果発揮後ウシワカをlv3で召喚!」
アルティメット・ウシワカ lv3 BP9000
穂乃果「………ターンエンド」
ことり「私のターン」
ことり「スタート、コア、ドロー、リフレッシュ、メインステップ!」
ことり「………ねぇ、穂乃果ちゃん?穂乃果ちゃんはさっき、負けられない、もう負けちゃいけないって言ってたけど……それって重要なことなのかな?」
穂乃果「………だって、もう一人の穂乃果に勝たなくちゃ」
ことり「…………そうだね。穂乃果ちゃんはもう一人の穂乃果ちゃんに勝ちたい。そこまでは良いんだと思う。……だけど、それと無敗であることの必要性とは、また違う話だと思うよ」
ことり「………どんなカードバトラーだって、負けたことのない人なんていない。一つの大きな勝利をおさめるためにはね、たくさん負けなきゃいけないんだ。………それはある意味、勝つことより重要なことだと私は思ってるよ」
穂乃果「ことりちゃん………」
ことり「だからね、穂乃果ちゃん。………そんなに気負わないで、素直にバトル一つ一つを真剣に楽しもうよ。……それはきっと今の、もう一人の穂乃果ちゃんには出来ないことだよ?」
穂乃果「もう一人の私に、出来ないこと………」
ことり「絵里ちゃんは、もう一人の穂乃果ちゃんと穂乃果ちゃんが同じ人間だって言ってたけど、それは多分どっちの穂乃果ちゃんも真剣なバトルを通して何かを変える事が出来るんだってことを言いたかったんだと思う」
ことり「でも――――ごめんね、私も勝ちたいからっ、本気でいくよっ!」
穂乃果(バトルを………真剣に楽しむ……)
穂乃果(そして、バトルを通して………何かを変える、か……)
ことり「私は3コスト支払い、北斗七星龍ジーク・アポロドラゴンをlv1で召喚!召喚時効果で手札の黒蟲の妖刀ウスバカゲロウを北斗七星龍にダイレクトブレイヴし、カードを1枚ドロー!」
北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン(ウスバカゲロウ) lv1 BP10000
ことり「北斗七星龍でアタック!……フラッシュタイミング!ナイトイーグル上から2コスト支払い、ストームアタックを使用!効果で北斗七星龍を回復!」
穂乃果「ライフで受ける!」パリィン
ライフ4→2
穂乃果「ライフ減少により、」
ことり「ウスバカゲロウの効果。………バトル時、相手はバーストを発動出来ないっ!」
穂乃果「なっ………!?」
穂乃果(せっかくの絶甲氷盾がっ………)
ことり「再び北斗七星龍でアタック!」
穂乃果(このアタックでライフが0になる。……手札の絶甲氷盾を使用した所でっ………!)
穂乃果(手札に天火烈刀斬があれば、或いは………いや、)
穂乃果「ライフで………受ける」パリィン
ライフ2→0
穂乃果(そっか…………穂乃果馬鹿だから、忘れてた)
穂乃果(これが………敗北か)
海未「穂乃果、ことり!」
穂乃果「海未ちゃん………」
海未「穂乃果………貴女は、」
穂乃果「ごめん、海未ちゃん。少し………外の風にあたってくるね」
海未「穂乃果………」
穂乃果「ごめん」
~数分後~
海未「ことり………話してもらえますか?」
ことり「うん。実はね――――」
~別室~
にこ「え?穂乃果が何だって?」
希「だから、穂乃果ちゃんあんな状態で………大丈夫なのかなって。何とかカードバトラーとして戦うつもりではいるみたいだけど……」
にこ「それは――――」
絵里「どのみちこの問題はいつかあの子がぶつかる問題だったわ。仕方ないのよ。………希も気づいてたんでしょ?穂乃果が無理してるって。まったくの自覚なしだし、本人も無理しないように気をつけてはいたんだろうけどね」
希「それは、そうやけど………」シュン
にこ「そんなにしゅんとしなくても、穂乃果なら大丈夫よ。いつだって私達を引っ張ってきたでしょ?きっとこれからも変わらないわ」
希「にこっち………」
絵里「………にこもこう言ってるし、大丈夫よ。きっと今日か明日には立ち直ってるんじゃないかしら?ことり辺りが助言して」
希(ことりちゃんか………)
希(ことりちゃんだけは………何かを隠してるような、あるいは全てが偽物のような、そんな気がするんは、何なんやろ………少し前まではそんなことなかったのに…………)
はい。穂乃果また敗北です。……ただ、ことりの言うようにバトルで勝つためにはあらゆる努力をしなければいけませんし、沢山負けて、負けた理由を追及しなければいけません。
現実であれば、大会に出るシーズンに流行するデッキの分析・それに対応するメタデッキの分析。……そして、結果を残してきた人のデッキと自分のデッキとの比較をし、違いを正しく理解・改善する必要があります。
ただ、それが正しいとも限らず、自分が正しいと信じた理論だけでデッキを組み立てることが出来る人もいます。
詰まるところ、カードゲームの大会は、自分の研究成果の発表の場のようなものなのかもしれませんね。皆和やかにバトルしながらも、腹の中では「何だあのデッキ………理論が滅茶苦茶だな」とか、「間違いなく俺のデッキが一番強い」等と思っているものです。
まぁ、長々と書いてきましたが、バトルでは「これが正しい!」という自分の主張を最後までぶれずに通せる人が強いんだと思います。勿論、これはデッキの構築上の話であって、これとは別にプレイング・運の要素が絡むのがカードゲームというものなのですが(笑)