バトライブ!~BattleSpilits × LoveLive!~   作:果樹 椿姫丸

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9.覚醒②

ハナヨ「リンちゃん!」

 

 

 

凛(もう一人のかよちん……)

 

 

 

リン「ん…………カヨチン………」

 

ハナヨ「良かった………まだ意識はあるみたいだね」

 

リン「良くないよ、全身痛いって………」

 

ハナヨ「でも………」ギュッ

 

リン「うん、わかってるよ。カヨチン、リンの重荷を背負ってくれて、ありがとう………」

 

ハナヨ「もう、そんなこと気にしなくて良いのに………」

 

ハナヨ「あの、後は………お願いします」

 

 

 

オイッハコブゾ!ハイッ!

 

 

 

リン「またね、カヨチン……」

 

 

 

 

 

??「凛さーん!」

 

 

 

凛「?……あっ、カティアさん!」

 

カティア「凛さん、まずは一勝……おめでとうございます、で良いんでしょうか?複雑な所ですね、ハハ……」

 

凛「いえ、ありがとうございます。カティアさんも見ててくれたんですね」

 

カティア「ええ、陰ながら皆さんのこと……特に、凛さん達のことは応援していますから」ヒシッ

 

凛「わわっ、カティアさん……恥ずかしーよ!?」

 

カティア「ふふっ………さぁ、皆さんの所へ戻りましょうか?」

 

凛「う、うん………」

 

 

 

ハナヨ「………」

 

 

 

 

 

~観客席~

 

凛「ただいまー」

 

 

 

穂乃果「凛ちゃん、まずは一勝おめでとう!」

 

凛「ありがとう、穂乃果ちゃん」

 

希「ほんとにおめでとなー!」

 

絵里「凛、かっこよかったわよ?」

 

凛「えへへ………恥ずかしいよ」

 

凛「そう言えば、次は誰が対戦するの?」

 

真姫「そろそろ出る頃ね………。あっ」

 

にこ「?」

 

真姫「あれ………」

 

希「あっ」

 

 

 

一回戦第六試合

 

 

 

のんたんvs東條希

 

 

 

 

 

希「ウチかぁ………」

 

穂乃果「希ちゃん、いつも通りにバトルだよ!」

 

絵里「あまり緊張しないでね」ギュッ

 

 

 

凛(あれ、何か………)

 

 

 

にこ「バシッと決めてきなさい」

 

真姫「しっかりね」カミノケクルクル

 

 

 

凛(何か………聞かなきゃいけなかった、ような)

 

希「皆ありがとう。……凛ちゃん?」

 

凛「希ちゃん、その………こんな時にする話じゃないと思うんだけど……、」

 

希「うん?」

 

凛「ほら、あのカティアさんの教会でバトルしたことあったよね?」

 

希「うん、あったね。……それがどうかしたん?」

 

凛「あの時、希ちゃんやたらあのA級カードバトラーの人にムッとしてたから………何でなのかなぁ、って」

 

凛(凛………何でこんなこと聞いてるんだろう?こんな話、希ちゃんのバトルが終わった後にでもすれば良いのに………)

 

 

 

希「あぁ………あれね。……まぁ、今なら話しても良いかな」

 

希「別に大した理由じゃないんよ。………少し前に、バトルスピリッツの公式ホームページ見ててな、S級カードバトラーの名簿欄にことりちゃんの名前があるのをたまたま見つけたんよ」

 

穂乃果「ええっ!?」

 

絵里「そんな話………初めて聞いたわよ!?」

 

希「本人に聞いたら退屈しのぎに大会に遊びにいったら優勝しちゃって、それで地区大会にも出て、有名になっちゃった、って………」

 

真姫「それは確かに凄いけど………それとそのA級カードバトラーとどう話が繋がるのよ?」ジトー

 

希「簡単な話や。ことりちゃんはS級カードバトラーなのに、ウチらとバトルする時その話一切しなかったし、いつでもウチらと対等でいてくれたやろ?ことりちゃんはS級カードバトラーだってこと、恥ずかしそうにすらしてたなぁ。………なのに、あのA級カードバトラーの人は自分のバトルの腕を見せびらかして、他のカードバトラーの人達を見下してたから、それで………」

 

凛「なるほど………」

 

希「納得してくれた?」

 

凛「うん、ありがとう!……希ちゃん、頑張ってねっ!」

 

希「うん、行ってくるなっ!」

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「ことりちゃん………今頃どうしてるのかな」

 

 

 

 

 

~病院~

 

ことり「凛ちゃん………」

 

ことり(そっか………凛ちゃんもこの世界に来て、前よりも更に強くなったんだね)

 

ことり「私だけこんな所でぼーっとしてちゃ、駄目だよね」

 

ことり「………っ!………くぅっ!」グググッ

 

ことり(お医者さんの話を聞いて、頭では分かっているつもりでも……脚が動かないという異常は、中々慣れないものだった)

 

ことり「はぁっ…………くぅっ!」ググッ

 

ことり(もう少し………)

 

ことり「あっ!」スルッ

 

 

 

ガシャン!

 

 

 

ことり「~~っ!!」ジンジン

 

 

 

???「………りっ!………こっ!!」タタタッ

 

 

 

ことり(看護婦さん………?)

 

ことり「ごめんなさい、一人で移動しようとして………」

 

 

 

???「………」ヒシッ

 

ことり(えっ?)

 

ことり(この髪………)

 

 

 

ことり「海未………ちゃん?」

 

 

 

~病院・廊下~

 

ことり「ごめんね、海未ちゃん………車椅子に乗せてもらった上に、押してもらって……」

 

海未「……」フルフル

 

ことり「そこで休憩しよっか?海未ちゃんとも話がしたかったし」

 

海未「……」コクッ

 

 

 

 

 

~休憩所~

 

ことり「私は脚を………海未ちゃんは、その……声が出せなくなっちゃった………ってことなのかな?」

 

海未「……」コクッ

 

ことり「そのホワイトボードは………」

 

海未「………」キュッ、サラサラッ

 

 

 

“これは周りの人と意志疎通を図るためのものです”

 

 

 

ことり「そっか……大変なことになっちゃったね………ごめんね」

 

 

 

“ことりが謝る必要はありません”

 

 

 

ことり「でも………結果として私は、海未ちゃん達を……」

 

海未「………」ギューッ

 

ことり「海未ちゃん?」

 

 

 

“皆自分の意志で戦っているはずです”

 

 

 

ことり「そっか………」

 

 

 

“私も後悔はありません”

 

 

 

ことり「うん、でも、やっぱりごめんね、海未ちゃん………これじゃあ、もう………」

 

海未「………」ヒシッ

 

ことり「海未ちゃん………」

 

ことり(喋れないから、言葉を発して自分の気持ちを表現出来ないから、だからなのかは分からないけど、今日の海未ちゃんはボディランゲージを使ってどうにか私とコミュニケーションを取ろうとしてくれているみたいだった)

 

海未「………」サスサス

 

ことり(慰めて、くれてるのかな?)

 

 

 

ことり「ありがとう、海未ちゃん………海未ちゃんも……」サスサス

 

海未「うっ…………くぅぅっ……」ポロッポロッ

 

 

 

ことり(多分、この傷は一生癒されることはないんだと思う)

 

ことり(今の私達に出来るのは、こうして痛みを分かち合うことだけ)

 

ことり(癒しの力を与えられたのは、私達じゃないのだから)

 

 

 

~数分後~

 

ことり「落ち着いた?」

 

海未「……」コクッ

 

ことり「それじゃあ、そろそろ……」

 

海未「……」ギュッ

 

ことり「?………どうかしたの?」

 

海未「………」キュッ、サラサラッ

 

 

 

“ことりに謝らないといけないことがあるんです”

 

 

 

ことり「えっ………私に?」

 

 

 

“ことりの正体について、穂乃果に話しました”

 

 

 

ことり「あっ………、あー」ハハハ

 

海未「?」キョトン

 

ことり「実はね、もうその話は前に穂乃果ちゃんから聞いちゃったんだ」ハハハ

 

海未「……」パチクリ

 

ことり「だから、別に私……気にしてないよ?」

 

ことり「いや、むしろ感謝してるくらい。私がもう一人の穂乃果ちゃんとのバトルに負けて、だから……海未ちゃんから話してくれたんだよね?」

 

海未「………」キュッ、サラサラッ

 

 

 

“私がバトルで負けるかもしれないという不安があったからでもあります”

 

 

 

ことり「そっか………ごめんね」

 

海未「………」ギューッ

 

海未「………?」

 

 

 

ことり(これは………「どうして謝るのですか?」って意味かな?)

 

ことり「私、多分穂乃果ちゃんにこのことを伝えるのが怖かったんだと思うの。それで、海未ちゃんにだけ伝えて……きっと、こういう結果になるのを心のどこかで望んでたんだ」

 

海未「………」キュッ、サラサラッ

 

 

 

“私から穂乃果に伝えるように……ですか?”

 

 

 

ことり「うん、本当に私、駄目だなぁ」

 

 

 

“良かったです”

 

 

 

ことり「えっ」

 

 

 

“ことりの役に立てました”

 

 

 

ことり「えっ、海未ちゃん………私、海未ちゃんを利用したんだよ!?」

 

海未「……」フルフル

 

海未「……」キュッ、サラサラッ

 

 

 

“前は伝えるのが遅すぎました”

 

 

 

海未「……」サラサラッ

 

 

 

“でも、今回は然るべき時に穂乃果に真実を伝えることが出来ました”

 

 

 

ことり「海未ちゃん………」ジワッ

 

 

 

“二人を繋ぐことが出来ました”

 

 

 

“穂乃果も成長していました”

 

 

 

“穂乃果は笑顔でした”

 

 

 

“三人いっし――――”

 

 

 

 

 

海未「……………」ポロッポロッ

 

ことり「海未ちゃん、もういいよ!」ギュッ

 

海未「…………」キュッ

 

 

 

“私は今ことりが隣にいてくれて嬉しいです”

 

 

 

ことり「…………。馬鹿っ」ヒシッ

 

海未「…………」サスサス

 

ことり「ありがとう、海未ちゃん………。私も、今海未ちゃんが隣にいてくれて嬉しいよ………」

 

海未「………」

 

ことり「また、三人一緒に………ううん、μ´sの9人皆で集まりたいね」ポロッポロッ

 

海未「…………」ギューッ

 

ことり「本当にありがとう、海未ちゃん。こんなに私達のことを想ってくれて」

 

ことり「それで、その………一緒に行きたい所があるんだけど……」

 

海未「?」

 

ことり「花陽ちゃんの病室に」

 

海未「………」キュッ、サラサラッ

 

 

 

“凛の話ですか?”

 

 

 

ことり「うん。花陽ちゃんは多分病室からほとんど動けないだろうし、ちゃんと私達から教えてあげないと」

 

 

 

“分かりました。行きましょう”

 

 

 

海未「………」スッ

 

ことり「ごめん、肩借りるね」スッ

 

ことり「ふー……」

 

 

 

 

 

ことり(それから、海未ちゃんに車椅子を押してもらい、廊下を進むと程無くして花陽ちゃんの病室の前にたどり着いた)

 

 

 

ことり「入ろっか?」

 

海未「………」コクッ

 

 

 

ガララ

 

 

 

ことり「花陽………ちゃん?」

 

 

 

花陽「その声……ことりちゃん、そこにいるの?」

 

ことり「海未ちゃんも一緒だよ」

 

花陽「ことりちゃんはここに来るの初めてだよね。……海未ちゃんは二回目かな?」

 

海未「……」コクッ

 

ことり「花陽ちゃん、その包帯………」

 

花陽「………うん。もう、何も見えないから、見えないくらいならと思って、そのまま包帯着けてもらってるんだ」

 

ことり「そう、なんだ………」

 

花陽「えへへ。そのせいで海未ちゃんが来てくれた時は、ちゃんとコミュニケーションが取れなかったんだけどね。ごめんね、海未ちゃん」

 

海未「………」キュッ、サラサラッ

 

 

 

“気にしてませんよ”

 

 

 

ことり「海未ちゃんは気にしてないみたい」

 

花陽「ふふっ………ありがとう、海未ちゃん」

 

花陽「それで………二人はどうしてここに?まさかただのお見舞いじゃないよね」ハハハ

 

ことり「うん、あのね………花陽ちゃん、今大会がどうなってるか分からないでしょ?」

 

花陽「うん……」

 

ことり「だから、今の大会の状況を、花陽ちゃんにも教えてあげようと思って………」

 

花陽「そっか。………ありがとう、今の私じゃ何も見れないから、本当に助かるよ」

 

ことり「結果から伝えるね?花陽ちゃんの後は凛ちゃんがもう一人の凛ちゃんとバトルする事になったんだけど………無事に凛ちゃんが勝ったみたい」

 

花陽「そっか、良かった。やっぱり、凛ちゃんだったんだね」

 

海未「………」?

 

ことり「やっぱり?」

 

花陽「今日、星空って名字の人が運ばれて………隣の病室に寝てるっていう話を聞いたから」

 

ことり「じゃあ、その星空って人は………」

 

花陽「うん。多分、もう一人の凛ちゃんだと思う」

 

ことり「もう一人の………」ゴクッ

 

ことり(もう一人の凛ちゃんは、私のことに気づいてるのかな……)

 

花陽「私は、その凛ちゃんが回復したら、ちゃんと会って話をしようと思ってるよ」

 

海未「!?」

 

ことり「えっ!?」

 

花陽「私、もう一人の私と戦って、もう一人の私達がどんな状況なのか、少しだけ知ることが出来たんだ」

 

花陽「………きっと、誰も悪くないんだと思う。……だから、今の私達はお互いに理解し合うことが大切なんじゃないかな?」

 

ことり「花陽ちゃん………」

 

花陽「穂乃果ちゃんは確かに皆を癒せる奇跡の力を声の女(ひと)から貰ったのかもしれない。けど………」

 

花陽「事態は多分、それだけじゃ丸く収まらないと思うんだ」

 

海未「………」キュッ、サラサラッ

 

 

 

“穂乃果が勝った後の事を考えているということですか?”

 

 

 

ことり「……」ウン

 

ことり「穂乃果ちゃんが勝った後のことを考えてる……ってこと?」

 

花陽「うん。……私達は確かに今まで何度も穂乃果ちゃんに引っ張ってもらってきたし、多分大会に出場した理由も皆同じで、穂乃果ちゃんならやれるし、穂乃果ちゃんだけに痛い思いはさせたくないからだと思うんだけど…………。でも、それだけじゃやっぱり駄目なんだよ」

 

花陽「もう一人の私は、正しいことだけをして、それだけで生きていくことが出来なかったって、そう言ってたよ。もう一人の穂乃果ちゃんが間違ったことをしてるのは分かってるけど、しょうがなかったって」

 

花陽「きっとそれは、もう一人の私達が諦めたからだって、私は思うんだ。……でも、多分それは誰も幸せにならないし、もう一人の穂乃果ちゃんを傷つけることになると思う」

 

ことり「………」ズキッ

 

海未「………」ギュッ

 

花陽「だから私達は、穂乃果ちゃんだけに何かを背負わせる事をしちゃいけないんだ。……穂乃果ちゃんだけの力じゃない、私達皆の力で、少しずつ変えていかなきゃ」

 

花陽「………なんて、少しかっこつけ過ぎちゃったかな」アハハ

 

ことり「ううん、」

 

ことり(嗚呼………)

 

ことり「私も、そう思うよ」

 

ことり(あの時に、こういう子が一人でもいれば、運命は変わってたのかな………)

 

 




皆少しずつ変わっていきます。それは成長ともとれるものですね。そのためタイトルは“覚醒”としました。
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