永劫の目覚め、悠久の眠り
「っ!痛ったぁ…、あれ?ここ、どこだ?」
目に飛び込んできたのは見知らぬ天井。
どうやら、俺はしばらくの間ここで寝かされていたらしい。
ベッドの傍らに置いてある濡れタオルや食器がそれを物語っている。
「うっ…、ダメだ、頭が痛む…。」
何も思い出せない。
どうしてここに居るのか、なぜ俺は寝かされていたのか、そして、
周りを見渡してみる。
部屋の大きさは6畳ほど。
俺が寝かされていたベッドは部屋の中央部にあり、その横には簡素な棚が置いてある。
ドアがある側の壁には作り付けの机があり、その上にはよく分からない生物の剥製や、得体の知れない液体が置いてある。
それ以外に目立った物はなく、全体的に整った印象を与える。
身体の状態を確かめるべく、ベッドから降りて探索してみる。
足が床に触れる。
どうやら感覚は正常らしい。
ざらついた感触がないことから、頻繁に掃除をしていることが伺える。
恐らくは俺の面倒を看ていたらしい家主だろう。
ドアと対角の位置には大きな窓がある。
外には葉を茂らせた巨木とレンガ畳が見える。
周囲に似たような大きさの建物—見る限り住宅だろう—が建ち並んでいる。
そうすると、ここは団地の中にある庭のようなものだろう。
窓に近づいてみる。
反射によって、俺は
どこにでもいそう、と記憶喪失の人間が思うのは少しおかしいような気もするが、長髪であること以外はいたって平凡な見た目をした、ごくごく普通の青年がそこにはいた。
サッシの部分にはいくらか埃が積もっていた。
積もり具合から見て、数日やそこらではないことが解る。
おそらくは数年単位での話だろう。
とすると、俺は随分と長い間昏睡していたことになる。
長髪なのも納得する。
窓を開け外を観察する。
穏やかな陽気と暖かな陽射しが肌に触れる。
室内に時計らしきものはなかったが、気温と太陽の位置から推測して、おおよそ春の昼過ぎであることが解った。
—
身の振りようで、容易にその在り方を
部屋のドアが開いた。
俺はすぐにそちらの方に向き直った。
そこには、1人の少女がいた。
歳は「俺」と同じぐらいだろうか。
ヘソ出しのノースリーブにホットパンツという出で立ち、金髪碧眼の顔は人形を思わせる。
腰には拳銃の入ったホルスター、そして大きな猟銃を背負っている。
少女は「俺」に気付くと、一直線に向かってきた。
「シンタ⁉︎ねぇシンタなの⁉︎ホントに?ワタシのこと分かる?リサよ、覚えてる?アナタの幼馴染のリサよ!すっごく会いたかったんだから‼︎だから—」
「あ、あぁ…、覚えてるさ…。」
俺は知らないが「俺」は知っている、彼女の温もり。
それは、触れたら消えてしまいそうな泡沫の如く。
そして—
「—だから、死んでね?」
体温は衝撃に奪われた。
どうやら、消えるのは俺だったようだ。
遠い。俺では彼女に遠すぎる。
せめて、
—せめて「彼」のように振る舞えたなら。
きっと届いただろうに—。
「あ…、ワタシ、
Fin.