この素晴らしいキャンセルに祝福を!   作:三十面相

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今回も駄文ですが、温かい目で見ていただけると、幸いです。


リザードランナー

 春。

 

 そうなると、モンスターも活発化する。

 春先は変態とモンスターが増えるという訳だ、最近、つやつやになってる事が多くなったカズマがその例だ。

 

 いくら金に困ってないからと言って、さすがに行き過ぎな気がする。まあいい。最近、カズマは新しいビジネスをしていて、日本にある物をこちらに持ってきている。

 

 割りと、他の人もしてるんじゃないか、なんて思ったりしてるのだが、誰一人としてやってない所を見ると、やっぱりチート持ちはこんな事をしなくても良いなんて考えているんだろうか。それにしても――。

 

「暖かい……」

 

 こたつ。これは魔の道具だ。俺はトイレ以外で俺はここから出ていない。そんなこんなで、俺は目の前の状況を眺めていた。

 そこにはダクネスとめぐみんが暖房の前に居るアクアを引き剥がそうとしていた。

 

「おい、アクア! 早くクエストを受けに行こう!!」

「そうですよ! いい加減爆裂魔法を放ちたいんですよ!!」

 

 おーおー、騒いでるなぁ……はぁ、しゃあない。そろそろ出るか。

 

「んあー……ふぅ、寒っ」

 

 俺は自室に一旦、戻って、着替える。いつもの冒険者スタイルだ。マントを翻し、ちょっとカッコつける。

 誰も居ないからこそ、できる。そのまま広間に戻ろうとしたら、ダクネスとめぐみんが倒れこんでいた。

 

「……? 一体何があったってんだ?」

「俺だって、数多の敵と戦ってきたんだ。この程度の連中、倒してしまう事だって……ッ!」

「……どうした?」

「いや、大変、虫の良い話をしているというのは、わかっているんだが……トイレの前まで、これを持っていってくれないか」

 

 とふざけた事を抜かす、カズマ。当然、そんなのは断るに決まって――。

 

「よし、めぐみんはそっちを持ってくれ」

「はい」

「あ、あれ? 案外素直なんだな……」

 

 とカズマもちょっと拍子抜けした感じだった。俺も驚いている。いつの間に、あそこまで、ふざけた事を抜かしても、許されるようになったのだろう。なんて、思ってたら。

 

「リュウト、ちょっとドアを開けてくれ」

「……ッ!? お、おい! お前ら、まさか俺を放り出す気か!? そ、そんな事しないよな!? な!?」

「ま、見てねぇから、知らないけど、カズマが悪ぃんだろ?」

「……ち、違う」

 

 目ぇ逸らすな、おい……。

 そんな悪ふざけをしていたら、ドンドンッ! と勢い良く、扉が叩かれる。全員がそれに反応したら、扉が開かれ、勢い良く、メガネ美人のセナさんが現れた。

 

「大変です! サトウカズマ! サトウカズマさん達は居ますか!!」

「どうしました?」

 

 俺が対応すると、メガネの位置を直して、今回、クエスト依頼に来たようだ。

 しかし、基本的に、ギルドから発注するのが、基本な訳だが……。

 

「いいえ、前にカズマさんが言ってたではありませんか。困ってる人を見捨てないのが、冒険者だと」

 

 あーそういえば……。ギロリとこちらを睨むカズマ、おーい、俺は悪くないぞー。本当だぞー。

 

 そして、俺達はリザードランナーを討伐する事になった。リザードランナーはもともと、そこまで危険ではない。

 だが繁殖時期に入ると、大きなメスである姫様ランナーが現れて、その姫様ランナーとつがいになる為に――――走るのだ。

 

 そう、走って、最も早いのが、姫様ランナーとつがいになれるのだ。そのトカゲが二足歩行で走るのだ。

 しかも、かなりの群れで、結構、ヤバい。

 

 それで、姫様ランナーとつがいになったものが王様ランナーと言うらしい。

 それにしても、なぜランナーなのに、姫様とか王様なのだろうか、本当にわからない。

 

 そして、俺達は迎え撃つ為に、まずは準備をする事にした。

 金が余っている俺はさっそく何を買ったかと言うと、剣を買おうと思ったのだ。

 だが、その前にカズマが何やら、面白そうな事をしていたので、俺はそちらに金をまわさせて貰った。

 

「さ、行こうぜ」

「おう! 楽しみだなぁ、どんなのできてんだろ」

 

 俺達はそんな事を話しながら、鍛冶屋の親父の所へと行く。そして、そこで、俺達用にと、『刀』を作ってもらったのだ。

 カズマとかが結構そういうのに、詳しくて、まあ俺も多少だが、手伝った。

 

 そんな事を話しながら、ついでにカズマは鎧とかも買ったりしていた。俺は身軽な方が良いので、鎧までは買わない。

 

「あとは銘を刻むだけだ」

 

 と紙を渡される。俺は最初から決めていた。『龍刀』だ。なんか、俺の名前には龍も付いてるし、こんなので、良い。俺はそのまま銘を刻んだ。

 

「うーん、どうしようかなぁ? 『小烏丸』? 『菊一文字』?」

 

 なんて、名前を思案していたら。

 

「ちゅんちゅん丸」

 

 そんな声が聞こえてきた。うん、こんなヘンテコな名前をつけるのは、たった一人だろう。

 

「は? お前、そんな名前をつけれる訳――」

 

 だが、そんな文句を言う間もなく、カズマが置いていた刀にその銘を刻んだ。

 

「あああああああっっ!!? お、おま!! おまえ!?」

「あぁ、嬢ちゃん、銘を刻んじまったか……」

 

 カズマは叫びながら、めぐみんに迫り。

 

「お前、これどうしてくれるんだ! これ……!! もし、俺がこの刀で魔王を倒したら、これは一生名前が残るんだぞ!?」

 

「違う。お前が倒す訳じゃない、俺だ」

 

「何おう!? この私の爆裂魔法で倒すんですよ!!」

 

 そんな誰が魔王を倒すか、で喧嘩をしていた。

 

「そもそも、私以上に火力が無いリュウトにできますか?」

 

「お前、何勘違いしてんだ? 俺は日に一度しか、放てない。最強魔法よりも、俺の『フルキャンセル』の方が明らかに格上だろ。お子様はそんな事もわからねぇのかぁ?」

 

「良いですよ! だったら、放ってあげましょう! 爆裂魔法を……」

 

「やめろー!! お前らぁぁぁぁああああ!!」

 

 カズマの制止もあり、とりあえず、ここで喧嘩は終了だ。

 

 

 

 

 

―――――

 

 

 

 

 

 そして、リザードランナーを倒しに行く事になった。

 俺達は、まず大きな木を見つける、そして、カズマがその上に登り、まずは狙撃で姫様ランナーと王様ランナーを倒す。

 

 そうすれば、自然と解散するらしい。それが失敗したら、ダクネスが盾になりつつ、そこから狙撃する。

 そして、それも失敗したら、俺の『フルキャンセル』の出番だ。やはり後ろにこういう大きな力があるのは、良いらしい。

 まあ俺も近づけば、ぶっ飛ばされるし、でも近くに行かなきゃ、『フルキャンセル』もできないし。ダクネスー! 頑張ってー!

 

「それにしても……」

 

 木の上から、眺めながら。

 

「姫様ランナーはわかるんだが……王様ランナーはどれだ?」

「あ、そうだ! 王様ランナーというのは、一番早いのが、王様なんでしょう? だったら、こうしてこちらに来て、一番早いのが、そうなんじゃない!」

 

 と言って、魔法を放って、こちらに反応を示したリザードランナー達。そして、こちらに向かってくる。

 

「おい!! お前は本当に、余計な事をしなくちゃ、行けないのかぁぁぁあああああ!!」

 

 カズマが怒鳴りながら、上から狙撃の準備をする。アクアは。

 

「私だって、良かれと思ってやったのよ!! そんなに怒る事ないじゃない!! どうせ、私がまた泣かされるんでしょ!! やりなさいよ、さっさとやりなさいよぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!」

 

 か、カオス……。っと、俺も準備しとかなきゃ。

 

「めぐみん! 早く爆裂魔法の準備を!」

「は、はい!!」

 

 カズマの指示でめぐみんは詠唱を始める。

 

「リュウト! ダクネス! できるだけ時間を稼いでくれ!!」

「任せろ! ハァハァ……」

「合点!」

 

 息が既に荒いのは、いつもの事なので、無視し、俺は剣を使って、斬りながら、突き進む。ちなみに鎧を身に着けて無いのに、こういう無茶をすると――。

 

「ぎゃあああああああ!!!」

 

 連続の突進が強くて、突進を連続に受けて、飛ばされるわ、飛ばされるわ。宙に浮いてる俺は静かに思った。

 

(あ、死ぬかも……)

 

 ドドドドッ!! と踏まれる。踏まれ続ける。ぐぎゃあああああああ!!! 

「『フルキャンセル』!!!」

 

 叫びながら、自分を踏んだリザードランナーの動きが止まる。

 俺はそのまま持ち上げて、ふっ飛ばしながら、一気に斬りつける。そして、そして、それを連続させて、なんとかしていた。

 そろそろ爆裂魔法を……なんて思っていたら。

 

「ば、爆裂魔法が撃てません!!」

「はぁ!!? なんで、こんな時に――あれかぁぁぁぁぁああああああ!!!」 

 なんだ!? 俺はその声に反応を示したら、他の連中が邪魔してくる俺を目掛けて、殴りかかってきたり、蹴りかかってきたりするが、そうやって俺を狙ってくるヤツはよりやり易い。

 

「『フルキャンセル』! 『フルキャンセル』!!」

 

 と2体のリザードランナーを倒しながら、俺はとりあえず、時間を稼ぐ。そのまましばらく時間を稼いでいたら、向こうから声がしたのだ。

 

「狙撃!」

 

 その瞬間。姫様ランナーを倒したカズマに俺はホッとしていたら――、木の枝が姫様ランナーがぶつかった衝撃で折れて、そのまま体勢を崩したカズマが首から――落ちた。

 

 

 

 

―――――

 

 

 

 

 その後、解散したリザードランナー達、ボロボロの俺は刀の切れ味とか楽しんでる余裕が無かったが、あの程度の敵だったら、スキルを使わなくても、結構いけるんだな、と思った。

 今なら、きっとベルディアとも良い勝負ができるだろう。剣技だけで。

 

「……はぁ、はぁ……」

 

 頭を掻きながら、カズマの方を見る。一切、動かなくなっているカズマを見て、俺は首がとんでもない事になっているカズマから視線を逸らす。

 

「あの、アクア。悪ぃんだけど、早く『リザレクション』をかけてやってくれないか?」

 

 大の字でぶっ倒れてるアクアに言う。ボロボロのアクアは立ち上がりながら。

 

「わかったわ」

 

 と言って、リザレクションをかける。俺はそれを見ながら、あんな感じなのかぁ、なんて思ってたりした。初めての時は俺も死んでたからな。

 

「……ちょ、ちょっと? 帰らないってどういう事よ!?」

 

 ……? 俺は首を傾げつつ、アクアに聞くと、どうやら帰る気が無いとか言っている。アクアとダクネスは慌てながら、ダクネスがちょっと悪戯しながら、気を引こうとしていると、めぐみんが無言で馬乗りになる。

 そして――。

 

 

 

 

―――――

 

 

 

 

「……なぁ、お前何したの? お前は名前と爆裂狂なところ以外はまともなのに、俺に何したの……」

「おい、名前に文句があるなら、聞こうじゃないか……戻らないとか……バカな事言ってるからですよ……」

 

 まぁ、正直、今回はふざけんなって言いたくなるな、俺に押し付ける気か、この野郎は……前、死んだ時は泣いてた癖によ、まあいいや。

 

「おい」

 

 と俺の方を見てくる。そう、俺はずっと顔を抑えながら、笑いを堪えていた。

 だが、俺は無言だ。うん、絶対に言わない。俺が言わないとわかると、次にダクネスの方を見るが、顔を真っ赤にして、何も言おうとしない。

 アクアの方を見ると、アクアが下卑た感じで。

 

「神聖な女神に何を言わせるつもりなの?」

 

 ふんっと顔を逸らす。

 

「本当に何されたんだ。俺は……!?」

 

 その後、ギルドに戻り、報酬を貰って、俺達は屋敷に戻った。屋敷に戻り、俺達が寛ぎ、カズマが風呂に入ろうとしていた、俺はまた笑いを堪える様に、顔を抑える。

 そしてしばらくして――。

 

「おい!! めぐみん!! めぐみんは居るかぁぁぁぁぁぁ!!! お前ふざけんなぁぁぁぁぁああああああ!!」

 

 タオルで大事な所を隠しながら、来たカズマ。

 

「めぐみんなら、友達と一緒にしばらく泊まると言って……たああああああああああっっ!」

 

 と顔を隠すダクネス。恥ずかしがってる、本当に羞恥どころがわからない……。

 

「あのさ、カズマ。自分に自信があるのは、構わないけど……そういう自己主張はどうかと思うの」

「バカ!! お前ら! 俺がこれをされてる時になんで止めないんだよ!! 特にリュウトぉおおお!!!!」

「あぁ? 面白いんだから、良いだろ」

「クソォォォォォオオオオオ!! 何が!! 聖剣エクスカリバーだぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 そう、カズマの大事な所のちょっと上に聖剣エクスカリバー↓が書いてあるのだった。

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。


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