俺は今、どこに居るでしょう。正解は宿屋という場所です。いや、聞いた事ぐらいはあるだろう。RPGとかではお決まりだしな、ちなみに現実はそんな甘くなく、決して一日寝たら、完全に体力回復なんてあり得ないからな、そこら辺、ちゃんと予習しとけよ。
そんなこんなで、俺は着替え、ギルドへと向かう。ちなみに『フルキャンセル』は俺のレベルに応じて上がっているので、今の俺のレベルは6で回数は36と増えていた。これを見る限り、おそらく一レベルにつき、一という感じだな。
そうして、俺はギルドへと入っていく。それはもう堂々として、だ。そして俺はクエストを受けようと思い、また張り紙が貼ってある所に行こうとした瞬間だった。
「お、お金……貰ってきたんですけど……」
「あ、あぁ……」
アイツ……クソ女神? クソ女神なのか!? クソ女神かぁぁぁああ!!!? 俺はおそらく今までで一番のハイテンションでクソ女神の所に走り出す。
「おい」
「ん?」
「何?」
二人が俺の呼びかけに反応する。ちなみに男の方は、来たか。なんて感じで待ち構えてた感じだったが、クソ女神の方は厄介事に関わりたくないのか、少し嫌そうな顔をしている。
「ちょっといいか? そっちに居る、女さ、女神……じゃねぇか?」
「ん? あぁ……もしかして、お前も転生者なのか?」
「あぁ、お前もか? つか、なんでクソ女神と一緒に居るんだよ?」
「クソ女神って言ったぁぁぁ!! 私は女神アクアよ!! クソ女神なんかじゃないわ!!」
とか、頭湧いた事を申しておる、変人アクア。んな事はぁ、どーでもいい訳ですよ、それよりも、だ。このクソ女神が俺の死因をバカにした事が許せねぇ!! それが一番腹立つ。
「あぁ、そういえば、カズマとリュウトって結構、死因、似てるわよね。バカな所が、プークスクス!」
「あぁ? カズマっつーのか、お前どうやって死んだんだ?」
「う……トラクターをトラックと勘違いして、女の子をかばって、ショック死した……」
「……そりゃ、まあ、あれだ……うん」
「お前こそ、どうなんだよ、えと、リュウトって言うのか」
「あぁ、俺は……軽自動車に轢かれそうになった子どもを助けて、轢かれたけど、とりあえずは生きてたらしく、帰り際にバナナの皮に足を滑らせて、頭打って死んだ」
「……」
「……」
両者、どちらとも無言になり、そして俺とカズマは握手する。
「……俺、カズマとは仲良くなれそうだ」
「俺もだ、リュウトと仲良くなれそうだ」
奇妙な友情ができた瞬間だ。
―――――
そんなこんなで、俺達はパーティーを組む事になった。ちなみに二人とも収入が安定してないとかそういうの以前に金が全然無く、俺自身も金はどちらかと言うと無いので、二人の分の装備を整えてやるなんて事もできないし、そもそも俺はショートソード買っただけで、まだ、シャツとジーンズのままだからね? こんな俺を頼りにする方が間違っている。
「てな訳で、お前らの明確な目標はとりあえず金だ。お前らは圧倒的に金が足りない。つか、こんな異世界に来て、金の心配するとか思わなかったんだけど……」
「俺もだ……」
そんな風にションボリするカズマにとりあえず、仕事を紹介する、つっても、ギルドに行けばわかるんだが、仕事は何も冒険者だけではない。確かに、俺はさっそくその職に就いたが、それよりも安定して生活できる仕事などいっぱいある。そもそもここは始まりの街と呼ばれるだけあってか、かなり治安が良い。
それこそ子どもが走り回れるぐらいに、だからこそ、モンスターってのは遠出しなきゃ、当然出会えないし、強さはさまざまだが、基本的に弱い。なんせ駆け出し冒険者しかいねぇからな。
「さぁてと、俺は俺で、他のクエストをやりますか……」
そんなこんなで、俺は俺で、やる事をやる。クエストだ。
―――――
俺は今、『ジャイアント・トード』というモンスターと戦っている。ちなみに見た目は完全に大きい蛙だ。だが、強さは俺も前に戦った事があるが、雑魚モンスターではある。だが侮るなかれ、繁殖の時期に入ると、体力をつけるために、山羊や子どもを丸呑みするらしい、そして当然だが、そんなのを丸呑みできる程のモンスターだ、俺も食われもする。
「ま、食われる前に殺るが」
バッサリと斬っていく、やはりソードマスターは良い、筋力が上がりやすく、スキルポイントは、もう100を超えている。そろそろ良さそうなスキルを取得するべきか? 『フルキャンセル』があるのだが、これだけだと、意味ねぇしな。ま、とりあえず、『片手剣』と『両手剣』は取得しとこう。
「さて、どうする? 小物共……悪いが、俺は簡単にゃ食えねぇぞ?」
徐々ににじり寄る俺。傍から見りゃ、どっちが悪役がわかんねぇな、まあいいが、俺はどちらかと言うと、こっちの方が似合ってるかもしれねぇがな、さてと、そろそろ遊んでないで、サクッと狩っちまうか。
そうして俺は、残りのジャイアント・トードもバッサリとぶっ殺す。ちなみに全部で五匹倒している。これでクエストは完了だ。そうして俺は一度、アクセルの街にあるギルドへと戻り、ささっと、これらを金に換え、俺はカズマ達が働いている所に向かい、歩き出す。改めて見回すと、やっぱりここは治安が良いんだな。
外には魔物がいやがるが、それでも街の外に出ても、そこまで心配は要らない。そもそも近くならば、そこまで問題は無いのだ。時期にもよると思うが、そんな感じで、俺が見ていると、土木作業をしているカズマ達を見つけた。
俺はそれを見て、軽く絶句した。なんというか、イキイキと仕事をしていた。冒険者家業よりもこちらの方が向いているのではないだろうか? と思わせる程に、俺は早めにギルドのクエストを達成し、暇になっていたので、近くのベンチでその様子を見ていた。だが、その内眠気に襲われ、俺は眠ってしまった。
声が……聞こえる?
「まずいってアクア。リュウトはチート持ちなんだろ? 最悪、ぶっ殺されるぞ!?」
「ちょっと黙ってなさい、カズマ、リュウトは私をクソ女神呼ばわりしたのよ、これぐらいの報いは受けるべきだわ!」
「人の死因を笑っといてそれはないだろ……」
そんな声が聞こえたので、俺はとりあえず、ガシッ! とアクアの腕を掴む。
「ぎゃああああああああああああッッ!!!」
おおよそ、女神様が上げるとは思えない声が轟く。俺はそんな事を思いながら、とりあえずコイツをどうしようか、と考えたが、その前に、だ。
「おい、カズマ、俺は一体どうなってる?」
「顔面に落書きされてる」
「ちょ、ちょっとカズマ!! なんでバカ正直に話しちゃうのよ!! バカなの!? バカなの!!?」
「『フルキャンセル』」
俺の顔面の落書きを消し、そして俺は、落書きを書いた張本人をぶっ飛ばしたくなってきた。無性にぶっ飛ばしたくなってくるぜ、違うな、ぶっ飛ばす。
「……おい、アクアァ……?」
「ヒッ!」
「『フルキャンセル』! はい動けねぇ。どうして欲しい?」
俺はその間、アクアの頭をギシギシと力を込めて、押していた。
「やめてぇぇぇぇリュウトさぁぁぁん!!!」
はぁ……徐々に涙目になるアクアが少しだけ不憫になり、俺はとりあえず放してやる。次、俺を怒らせたら、もっとすげぇ事しよう、エロい方向じゃないけど。
そうして、今日という一日は終わった。
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