「こうなったら力づくで奪い取ってやるぜ。みんなやっちまえ!」
「「「オーッ」」」
やあみんな、花吹雪香だよ。今、総合コースの沢渡シンゴと遊矢のデュエルが終わったところ。丁度LDSにいた私は途中から見てたからよくわからなかったんだけど、どうも沢渡がペンデュラムを奪ってデュエルを仕掛けたみたい。で、デュエルに負けてペンデュラムも取り返された沢渡が、取り巻きを嗾けて力づくでペンデュラムを奪い取ろうとしてるみたいだ。本当、クズだな。グールズポジか、こいつら。ストロング柚子りんはともかく、ゆうやんはリアルファイト弱そうだし、子供たちがいるし、助けた方がいいかな。
「うげっ!」
「ぎゃっ!」
はははー、私のダイレクトアタック(物理)をくらえー!私はアクションデュエルのためにそこそこ体鍛えてるから、運動神経は並じゃないぞ。ゆうやんと違って私のモンスターはアクションカード取りに行くのに向いてないから、自分で取りに行くしかないんだよね。
「ほげっ!」
「あぐっ!?」
ん?二人倒したと思ったら、もう二人やられてた。ストロング柚子りんの仕業かな?
「最後までかっこ悪いなあ、この人たちは」
「あなたがやったの?これ」
「ちょっと気を失わせただけだよ」
違った。誰だこのショタ。
「僕、紫雲院素良。ペンデュラム召喚、すごいね!ねえ、僕を弟子にしてよ!」
◆ ◆ ◆
あれ以来、素良っちはゆうやんの周りをうろついているらしい。ゆうやんがデュエルで勝って弟子入りは回避したみたいだけど、勝手に友達認定されちゃったらしい。遊勝塾に入ったし、LDSじゃないみたいだけど何故か融合召喚が使えるんだよね。いや、別の塾でも教えてるところはあるし、融合召喚自体ルールさえ知っててカードを持ってれば出来るから不思議なことではないんだけど。何か怪しさMAXだよね。
それ考えると弟子入り回避は英断だね。敵にペンデュラム使われるようになったら目も当てられない。
「お、素良っち。珍しいね、LDSにいるなんて」
「うん。ちょっと敵情視察みたいなものかな。でも、こう言っちゃなんだけど、LDSの融合って大したことないね」
やっぱり何か怪しいな。敵情視察……LDSが敵ってわけか。まあ、塾同士対抗してる所があるけど、でも敵って言い方には随分と棘があるなあ。
「あ、カオリとデュエルしたことは無かったよね。というか、カオリのデュエルを見たことがないや。ねえ、デュエルしない?」
「んー、いいけど」
ついでにちょっと本性を探ってみようか。
◆ ◆ ◆
アクションフィールド、オン 『ソフトトイ・パラダイス』
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!」
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」
「フィールド内を駆け巡る!」
「見よ!これぞデュエルの最強進化形!」
「アクション…」
「「デュエル!」」
カオリ LP 4000
素良 LP 4000
えーい、ランダム選択で素良っちに有利そうなアクションフィールドが出てしまった。まあいい。アクションデュエル自体そんなに慣れてなさそうだし、得意も不得意もないでしょ。あー、でも地面がふかふかしてて走りにくい。アクションカード取りに行くのしんどくなりそう。それでも取りに行くんだけどね。
「誰、あのかわいい子」
「さあ?」
「相手はカオリか」
「あんな子がカオリに挑むとは……無謀なことするなあ」
「こっぴどく負けちゃったら私が慰めに行ってあげようかしら」
「あ、僕が先攻を貰うね。僕のターン!ファーニマル・オウルを召喚!」
ファーニマル・オウル レベル2 ATK 1000
「ファーニマル・オウルの効果発動!召喚に成功した時、デッキから融合を手札に加える。カードを一枚セットしてターンエンドだよ!」
「融合!?」
「あんな顔して融合が使えるのか……」
「何者だ?あの子」
「私のターン、ドロー!」
うーん、手札に融合があるんだよね。まだ素良っちの融合モンスター、シザー・ベアしか知らないから何が来るかわからない怖さがあるなあ。
「私は永続魔法、魔法吸収を発動。それからアロマージ―カナンガを召喚」
アロマージ―カナンガ レベル3 ATK 1400
「バトル!カナンガでファーニマル・オウルに攻撃!」
「アクションマジック、ソーイングニードルを発動!バトルフェイズ終了時まで攻撃力を600ポイントアップする!」
ファーニマル・オウル ATK 1000 → 1600
「これで返り討ちだね!」
「それはどうかな?魔法吸収の効果!魔法カードが発動する度にライフを500回復するよ!」
カオリ LP 4000 → 4500
「うわあ、お互いがアクションマジックを使うたびに回復するのかあ。放っておくと大変そう」
「この瞬間、カナンガの効果発動。自分のライフが回復した時、相手の魔法・罠を一枚手札に戻す」
「うわっ、折角セットしたのに!」
「さらに自分のライフが相手より多い時、カナンガは相手の全てのモンスターのステータスを500下げる」
ファーニマル・オウル ATK 1600 → 1100
「ファーニマル・オウルが!」
「カナンガでファーニマル・オウルを撃破!」
「うわっ……」
素良 LP 4000 → 3700
「アクションカードにも備えてあったんだね」
「楽しんでくれた?カードを一枚セットしてターンエンド」
「僕のターン。それじゃ、僕も驚かせてあげるよ!
げえ、モンスターと融合を補充だと……。パワーカードだなあ。何か融合だから許されてる感じが凄くする。
「魔法吸収でライフを回復。素良っちの場に魔法も罠もないからカナンガの効果は不発になる」
カオリ LP 4500 → 5000
「へえ、そのモンスターの効果は強制なんだ。僕はエッジインプ・ソウを召喚!」
エッジインプ・ソウ レベル3 ATK 500
「エッジインプ・ソウの効果発動。手札のファーニマル・シープを捨てて、デッキからカードを二枚ドロー!よーし、それじゃ僕は魔法カード、融合を発動!手札のファーニマル・ライオとフィールドのエッジインプ・ソウを素材に融合!悪魔宿りし鉄の歯よ。牙剥く野獣と一つとなりて、新たな力と姿を見せよ!融合召喚!現れ出ちゃえ!全てを切り裂く百獣の王、デストーイ・ホイールソウ・ライオ!」
デストーイ・ホイールソウ・ライオ レベル7 ATK 2400 → 1900
「うわあ、何あれ!」
「怖っ!」
「あんな融合モンスター、見たことない……」
うわあ、なんか怖い。いきなりシザーベア以外の奴が来たなあ。どういう効果なんだろ?
「魔法吸収でライフを回復」
カオリ LP 5000 → 5500
「大分ライフが増えちゃったね……。でもそれもここまでだよ。ホイールソウ・ライオの効果発動!相手モンスター一体を破壊して、攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「なるほど……。アクションマジック、ミラー・バリア。カード効果による破壊を無効にする。さらに永続罠、渇きの風を発動。自分が回復した時、一ターンに一度相手のモンスターを破壊する!」
「えっ!?」
「ミラー・バリアで破壊は無効。魔法吸収でライフを回復」
カオリ LP 5500 → 6000
「渇きの風の効果が発動。ホイールソウ・ライオを破壊する!」
「うわぁ、えげつないなあ」
「子供にまで容赦ない。さすが無敗女王」
「鬼畜」
「悪魔の所業だな」
「そこまで言うほどかな……」
ぶえっくしょおい!……どこかで私の噂話でもしてるのかな?
「ああっ、逆にやられちゃったよ。すごいね、カオリ!」
「ありがとう。でも、まだもう一枚融合があるんだよね」
「そうだよ!やっぱり覚えてたんだね。もう一枚の融合を発動!手札のファーニマル・オクトとエッジインプ・トマホークを融合!魔物の爪よ。悪魔の使徒と1つとなりて、新たな力と姿を見せよ!融合召喚!現れ出ちゃえ!自由を奪い闇に引き込む海の悪魔!デストーイ・ハーケン・クラーク!」
デストーイ・ハーケン・クラーク レベル8 ATK 2200 → 1700
カオリ LP 6000 → 6500
「さあ行くよ!デストーイ・ハーケン・クラークでカナンガに攻撃!」
「ぐっ……」
カオリ LP 6500 → 6200
「これでハーケン・クラークの攻撃力は元に戻る!」
デストーイ・ハーケン・クラーク ATK 1700 → 2200
「まだだよ。ハーケン・クラークは一回のバトルフェイズで二回攻撃できる!」
「!!」
「ハーケン・クラークでダイレクトアタック!」
「きゃあっ!」
うわあ、湿ってる!布製なの!?いや、人形モチーフだけど……水につかってるから濡れておる!そしてぬいぐるみだらけのアクションフィールドなのに水があるのはどうなの?
カオリ LP 6200 → 4000
「うええ、それでもまだ4000を下回らないんだね……。早めに魔法吸収を何とかしないと。まずはハーケン・クラークのさらなる効果。僕のバトルフェイズ終了時に守備表示になる!」
デストーイ・ハーケン・クラーク ATK 2200 → DEF 3000
「僕はカードを一枚セットして、ターンエンド」
「融合を二連続とは……」
「それにライフを大幅に削ったわ」
「さらに防御も固めたな」
「だがカオリの優位は変わらないな……。増えたライフが減っただけだし、あの強力な罠はいまだ健在だ」
「私のターン、ドロー!グローアップ・バルブを召喚」
グローアップ・バルブ レベル1 ATK 100
「さらに魔法カード、超栄養太陽を発動!レベル3以下の植物族をリリースし、そのレベル+3以下の植物族をデッキから特殊召喚する。私はレベル1のグローアップ・バルブをリリースして、レベル3のローンファイア・ブロッサムを特殊召喚!」
ローンファイア・ブロッサム レベル3 DEF 1400
「そして魔法吸収でライフを回復」
カオリ LP 4000 → 4500
「この瞬間、渇きの風の効果も発動!ハーケン・クラークを破壊!」
「やっぱりそうくるよね。読んでたよ!僕もこれを拾ってたんだ。アクションマジック、ミラー・バリア!」
「躱されたかあ。でも魔法吸収でライフを回復!」
カオリ LP 4500 → 5000
「さらにローンファイアの効果発動。自分フィールドの植物族をリリースして、デッキから植物族モンスターを特殊召喚する。おいで、アロマージ―ジャスミン!」
アロマージ―ジャスミン レベル2 DEF 1900
「そしてライフが相手より多い時、ジャスミンの効果により私は植物族をもう一度召喚できる。ローンファイア・ブロッサムを召喚!」
ローンファイア・ブロッサム レベル3 ATK 500
「ローンファイアの効果をもう一回。私はローンファイア自身をリリースして、アロマージ―ベルガモットを特殊召喚!」
アロマージ―ベルガモット レベル6 ATK 2400
「おー。でも攻撃力はハーケン・クラークの守備力に届いてないね」
「だからこうするの。まずは墓地のグローアップ・バルブの効果発動。デュエル中に一度だけ、デッキトップを墓地へ送ることでこのカードを特殊召喚できる」
グローアップ・バルブ レベル1 DEF 100
「魔法カード、フレグランス・ストームを発動。表側表示の植物族を破壊して、一枚ドローできる。私はグローアップ・バルブを破壊してドロー!さらにそれが植物族ならもう一枚ドロー出来る。私がドローしたのは植物族のアロマージ―カナンガ。よってもう一枚ドロー!そして魔法カードが発動したため、さらにライフを回復」
カオリ LP 5000 → 5500
グローアップ・バルブが涙目で「またコストなの?」と訴えてきている。済まない。ジャスミンは次のターンにアクションマジックでドロー出来るかもしれないから、残すことにしたんだ。守備力まあまあだし。あとコストじゃなくて破壊するのは効果ね。
「この瞬間、ジャスミンとベルガモットの効果発動!ジャスミンは一ターンに一度、ライフが回復した時にドロー出来る。ベルガモットは一ターンに一度だけライフが回復した時、攻撃力を1000ポイントアップする!」
アロマージ―ベルガモット ATK 2400 → 3400
「わわっ、攻撃力3400!?」
「バトル!ベルガモットでハーケン・クラークに攻撃!」
「うわあっ!」
素良 LP 3700 → 3300
「貫通効果!?」
「ベルガモットはライフが相手より多い時、自分の植物族全てに貫通効果を与えるの。私はこれでターンエンド」
「あの少年、じわじわライフを削られてるな」
「それに対してカオリはライフがかなり増えている」
「これは勝負あったかな」
「ハーケン・クラークも倒されたか。所詮LDSだと思って舐めてた。僕もちょっとだけ本気になっちゃおうかな……」
アクションマジックの中身
ソーイングニードル → 飛翔