遊戯王ARC-V 転生少女の決闘   作:YM

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今回はデュエルなしです。


第六話 嵐(というか荒し)の少女

「フハハハ!先を読んで計算し先に罠カードを伏せておいた俺の勝ちだ!」

「易い戦略だ。児戯にも等しい」

「はい?」

「俺は墓地の永続魔法、幻影死槍(ファントム・デススピア)を除外して効果発動。相手の罠カードの発動を無効にして破壊し、相手プレイヤーに100のダメージを与える」

「ええ!待って待って、待て待て待て……うわぁ!」

 

 沢渡 LP 100 → 0

 

 槍が沢渡に命中する手前でデュエル終了のブザーが鳴る。同時にマスクの中の素顔が露わになった。

 

「遊矢!き、貴様だったのか……」

「やべえ、こいつやべえよ!」

「早く逃げろ!」

 

 沢渡の取り巻きが倒れた沢渡を連れて逃げる。柚子は逆に遊矢似の男に近づいた。

 

「あなたが例の……黒ゆうやん?」

「俺はゆうやんとやらではない」

 

 彼は嘆息し、続けて名乗ろうとして……その前に柚子のブレスレットが輝いた。

 

◆ ◆ ◆

 

 黒ゆうやんとデュエルして数日。柚子りんが黒ゆうやんに出会ったらしい。

 

 突然現れてネオ沢渡さんをぶちのめしたらしい。相変わらず過激な人物のようだ。

 

 私?今はLDSのロビーで寛いでるよ。

 

「やあ、カオリ」

「お、デニー。どう?こっちには馴染めてる?」

「君のおかげでね。君の交友関係の広さにはびっくりだよ」

「はっはっは。コツは初対面の相手の不快にならないようなあだ名をつけて勝手に友達認定することだよ」

「適当なこと言ってんじゃないわよ!」

 

 おお、ますみんだ。

 

「大体、初対面の相手じゃどういうあだ名で不快になるかもわからないでしょ!?」

「なんとなくわからない?」

「わかるか!」

「どしたのますみん、そんなにイライラして。牛乳飲んだ方がいいんじゃない?はい、これ」

「あんたの飲みかけなんていらないわよ!?しかも牛乳じゃなくてリンゴジュースじゃない!あとその呼び方やめてってば!」

「今日もキレッキレだね」

「おかげさまでね!」

 

 ますみんのツッコミが冴え渡るね。さすがいじり甲斐がある私の大親友。

 

「フフフフ……仲がいいね」

「仲が良くなきゃこんな口は利かないよ」

「いや、カオリは誰に対してもそんな感じじゃない……」

「そういえば僕も初対面でパフェ奢らされたっけ」

「呆れるほど凄まじい神経の太さね……」

「まあ、あれは冗談みたいなものだったけど。本当に奢ってくれるとは思わなかったよ」

「あれ冗談だったの!?」

 

 どうしたデニー。そんなに驚いて。

 

「いくら私でもいきなり初対面の人に無理やり奢らせたりしないって」

「ええええ……3000円もしたのに……」orz

「美味しかったよ。ご馳走様でした」

「傍若無人か。ああ、こんなことしてる場合じゃなかった。カオリを呼びに来たのよ。理事長からの呼び出しで」

「理事長?帰って来たばっかりとかいう?何の用だろ」

「知らないわよ。とにかく、ここで無駄話してないでさっさと行くわよ」

「ほいほ~い」

 

◆ ◆ ◆

 

「榊遊矢によるLDS塾生の襲撃、か……」

 

 うーん、黒ゆうやん案件だったか。LDSが悪い事してんのかと思って、LDS関係者に黙ってたら何かややこしいことになってる。今はエクシーズコースとシンクロコースのエリート志島(しじま)北斗(ほくと)刀堂(とうどう)(やいば)――私はホクティーとやーくんと呼んでいる――とますみん、私が理事長――赤馬日美香さんに説明を受けているところだ。

 

 ますみんは融合コースの代表として呼ばれたのがうれしいらしくてテンション上がりまくってる。

 

「このままではLDSの面目が立ちません。そこで、あなたたちに遊勝塾との塾対抗戦の代表を務めていただきたいのです」

「わかりました。LDSのジュニアユース融合コースの代表の名に恥じないよう、勝利を!」

「フフフ、丁度俺の連勝記録が40勝を達成したところです。榊遊矢への勝利を50連勝へのスタートダッシュとして見せましょう!」

「あ、私はパスで」

「俺が出れねえのは残念だが、頑張って来いよお前ら……ってええええええええ!」

 

 見事なリアクションだな、やーくん。でもリアクション芸はホクティーの役割じゃないかな?

 

「パスってお前……」

「ちょっとカオリ!?今回はふざけてる場合じゃ……」

「いやいや、別にいつもの悪ノリじゃないって」

「遂に普段の言動を悪ノリって認めたわね……」

 

 むしろ悪ノリ以外の何だと思っていたんだ、ますみん。

 

「それはともかく。私は遊勝塾の面々と交流してるからね。私が負けた時、わざと負けたとか言われてもやだし」

「勝てばよい話では?それとも自信がないと?」

「負ける気はしないね。でも、ただの塾対抗戦じゃないんでしょ?」

「フフフ……」

 

 腹黒いな、このハートの髪型した理事長。

 

「ん?どういうことだい?」

「……ああ、そういうことか。確かに融合、シンクロ、エクシーズはLDSが牛耳ってるようなもんだしな」

「榊遊矢を……ペンデュラム召喚を放っておくわけがないってわけね」

「ナチュラルに僕を会話から置き去りにするのやめてくれないかな……。今のやり取りで流石にわかったけど」

「ええ、確かに。榊遊矢を、ペンデュラムをLDSに取り込みたい。そのために遊勝塾をLDSのものにする必要があるのです」

 

 やっぱり買収的な話だったか。

 

「じゃあやっぱり私は出張らない方がいいね。わざと負けちゃうかも?」

「LDSよりも遊勝塾を優先する、と?」

「私は別にどっちの塾にも深い思い入れがあるわけじゃないけど……ちょっと気になることがあるからね」

「気になること?」

「最近ゆうやんによく似た、でも全くの別人に襲われてね」

「!!」

 

 お、流石に驚いたか。まあ、本当は私が最初に声をかけたんだけど。

 

「そんなことがあったの!?」

「おいおい、どうして黙ってたんだよ」

「さっきも言ったようにちょっと気になることがあったんだよ。……どうもその人、LDSを相当恨んでるらしくてね。何かLDSとかレオコーポレーションに後ろめたい事でもあるんじゃないかと思ってね」

「企業と言うものは多かれ少なかれ後ろめたいことはあるわ。我が社は他の塾の買収などもしていて、それ以前にそもそも規模が大きいのよ。恨まれる理由は星の数ほど。恨まれているというだけでは犯人の見当もつかないわ」

「いや、買収がどうとかじゃなくて……まるで親の仇のように憎んでる感じだったね」

「……」

「今回の事件もたぶんそいつの仕業だと思うけど、心当たりはないのかな?」

 

 黒ゆうやんにあってからLDSを探ろうかと思ったけど、調べる当てが全くなかった。噂も買収がどうだとかその程度。唯一気になるとしたら融合やシンクロとかの召喚方法の発信元らしいこと、それらを開発した経緯が不明なことくらいだった。不貞腐れてロビーで暇してたんだけど……折角だし探りを入れてみることにした。

 

「……」

「その件には私が答えよう」

 

 やってきたのは素足に靴を履き、重力を無視した季節外れのマフラーを巻いた男……。

 

「「「赤馬社長!」」」

「零児さん!」

 

 レオコーポレーション社長にして史上最年少でプロ入りした天才デュエリスト、赤馬零児!と、その秘書っぽい男の人。

 

 ……そのマフラー、風のない室内でなぜそんなに浮いてるの?針金でも入れてるんだろうか?そしてなぜ靴下を履かないんだ。ファッションにツッコミどころが多すぎる……。

 

 いや、それよりLDSが悪者だとしたらボスキャラやで!これはまずい展開か……?いや、でも話があるってことはすぐにどうこうってことは無いかな?うーん、考える時間が欲しい。

 

「シンクロコースのトップ成績保持者、花吹雪香だな。元々君個人に話があったが……」

「ごめんなさい、私には彼氏がいるから……」

 

 すぱーん、と小気味いい音を立ててますみんの平手が私の頭を直撃する。

 

「どう考えてもそういう話じゃないでしょ!?しかもあなた、恋人なんていたことないじゃない!!さっきまで真面目だったのに何故悪ノリした!?」

「さっきまでも話の内容は真面目だったけどふざけてはいたよ。真面目に話すならあんなに回りくどく話さないって」

「あなたは……本当に……」

 

 ますみん振動中。マナーモードか?

 

「漏れそうなの?我慢してないで花摘みに行ったら……ゴフッ!?」

「うお、真澄のボディブローだ!きれいに鳩尾に決めやがった!」

「蹲ってるけど、あれはしばらく立ち上がれないだろうね……」

「……大丈夫か?」

 

 若干困惑しながらも赤馬零児が手を差し伸べてくれる。紳士だ。あ、あだ名はレイ兄さんにしよう。

 

「全然平気」

 

 折角なので手を借りてすっくと立ちあがる。

 

無傷(ノーダメージ)……だと……」

「結構本気で……というかつい全力で殴っちゃったんだけど……」

「どういうことなんだ……。何かもう僕、話の流れにもこの空気にもついていけないんだけど」

 

 はっはっは、デュエリストたるもの坑道で爆破されて吹っ飛ばされて崖から落ちても痛いで済むくらいにしておかないとデュエルで死ぬよ?割と大真面目に。

 

「……話を戻してもいいだろうか」

「どうぞどうぞ」

「どうぞどうぞじゃねえだろ……」

「元々君個人にも話があったが、榊遊矢似の人物に出会ったというなら聞きたいことがある」

「私のスリーサイズ?」

「誰もそんなことは聞いてねえよ」

「上から93、56、76でカップはH」

「聞いてないって言ってるだろ!?」

「H!?どうりで形がくっきりと出てると……」

「北斗、あなた食いつきすぎ」

「本当の数字なわけねえだろ……」

 

 こういうところがホクティーのいじられる原因だよね。

 

「しまった、滅茶苦茶恥ずかしい……!」

「いや、本当の数字だけど」

「おい、カオリ。女子としてのデリカシーとかねえのかよ」

「恥じるようなところは何もない」

「恥じろよ!」

 

 堂々と胸を張る。どやー!あ、秘書の男の人がじっとこちらを見ている。えっち。

 

「……本当にHもあるの?確かに大きく見えるけど」

「多少寄せて上げてるけど」

「うう、少し羨ましい」

「マジマジ見つめてんじゃねえよ、真澄。お前までボケに回られたら俺は突っ込み切れる自信がねえ。あと北斗、顔真っ赤にして視線逸らしてる振りしながらチラ見すんな」

 

 初心だな、ホクティー。そんなチャラい格好してるのに。

 

「……それと、君の疑問にも答えよう」

 

 あ、無視した。秘書の人と違って真面目だ。まさに紳士。

 

「榊遊矢似の人物について詳しくはわかっていないから、推測の話になるがな……」

 

 ほむほむ。まあ、いいか。万が一でも逃げるくらいは出来るだろう。準主人公っぽい黒ゆうやんが関わってるなら割と世界規模の問題かもしれないし。このまま放置していて取り返しのつかないことになるくらいなら話だけでも聞いておいた方がいい。元々目をつけられてたっぽいからここで逃げても話が進まないだけだろうし。

 

 という結論に至った。ますみんたちとのやりとりのおかげで考える時間が出来て助かったぜ。

 

「ん、わかった」

「では、君はこちらに来てくれ。それと、塾対抗戦には彼女の代わりに刀堂刃、君が出てくれ」

「え、あっ、は、はい!」

「彼女が歴代のシンクロコーストップ成績者の中でも抜きんでているだけで、君も代表として十分な実力がある」

「わ、わかりました!」

「それじゃあ行こうか、レイ兄さん」

「私は君の兄ではないが……それとそっちは逆方向だ」

 

 バタム。

 

「……行ったか」

「何ていうか、すごく疲れたわ。これから塾対抗戦なのに」

「赤馬社長がいきなり現れたのも驚いたけど、それよりカオリがやりたい放題だったね。社長相手にもタメ口だし、いきなり自分のプロポーション自慢し出すし、勝手に兄呼ばわりしてるし、いつの間にか仕切ってるし」

「花吹雪っつーか、嵐みてえだよな……」

「……気を取り直して、あなたたちに代表をお願いします。志島北斗さん、光津真澄さん、刀堂刃さん。LDSの力を遊勝塾に、榊遊矢に見せてあげなさい」

「「「はいっ!」」」

 

◆ ◆ ◆

 

 連れてこられたのは社長室、かな?町が一望できるレオコーポレーション最上階の部屋だ。応接室じゃないってことはやっぱりあんまり外に漏らしたくはない話かな。

 

 こっから逃げ出すとなると大変かも。このむっつり秘書の……中島さんだっけ?に捕まったら大変なことになる。

 

「……さて、するべき話はいくつかあるが……順序を考えればまず君とデュエルした榊遊矢似の人物について聞かせてもらえないだろうか」

「おーけー。どうせネオ沢渡さんに聞けばわかることだし、隠すこともないでしょ」

 

 

 かくかくしかじか。

 

 

「エクシーズ使いにドラゴンの切り札、か……確かに彼の証言と一致しているな。強力なエクシーズ召喚反応が発見された位置も君の言う場所と同じだ。……確認するが、本当にそのモンスターが彼の切り札(エース)なのか?彼の扱うエクシーズは一体ではないようだが。それに、エクシーズ以外を操る可能性は?」

「まあ、あれより強力なカードを抱えてる可能性はなくはないけど。あの迫力はただのモンスターじゃ考えられないし、そもそもあのドラゴンには何か秘密があるね。あと他の召喚法も使う可能性はあるけど、メインはエクシーズだね」

「秘密?それにエクシーズを主体にしているという根拠は?」

「オッドアイズ・ペンデュラム(・・・・・・)・ドラゴン」

「……なるほど、言われてみれば確かに」

「社長?どういうことですか?」

 

 中島さん、鈍いなあ。えっちなことばっかり考えてるから気が付かないんだよ。

 

「榊遊矢のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン。彼の生み出した召喚法であるペンデュラム召喚の名を冠するドラゴン。そして榊遊矢と瓜二つの人物が操る、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンはエクシーズ召喚の名を冠するドラゴン」

「あっ!」

「付け加えるなら攻撃力が同じで、オッドアイズはレベル5以上(・・・・・・)のモンスターとの戦闘で与えるダメージを倍にする効果、ダーク・リベリオンはレベル5以上(・・・・・・)のモンスターの攻撃力を奪う効果なんだよね」

「ここまで共通点があれば無関係と考える方が難しい、か」

「そだね。ゆうやんがペンデュラムを作ったように彼がエクシーズの創始者なのかとかは知らないけど」

「いや、エクシーズはもっと古く(・・)から存在していた」

「古くから……ふーん」

 

 舞網市じゃLDSが持ち込んだのがつい最近なのに古くから、か。これがこれからする話に関わってくるのかな?

 

「まあ、とにかくあのドラゴンを使う彼はまず間違いなくエクシーズメインだよ。他の(・・)を持ってなければね」

「他の……シンクロや融合のドラゴンがいると君は考えているのか」

「まあね。ここまで来たらまず間違いなくいるでしょ。私からは今のところこんなところかな。これからレイ兄さんがしてくれる話次第だけど」

「……私は君の兄ではないが。そして君から話を聞いた後で付け加えて済まないが、私の話をするのには条件がある」

「条件?口外しないように、ってこと?」

「それもあるが……」

「他にもっと大事な条件がある、と。つまり、実力チェックってわけね」

 

 これデュエルする流れだな。要するにいつもの、って感じ。

 

「素晴らしい洞察力だな。流石だ、と言わせてもらおう」

「まあ、ヒントはいっぱいあったからね。そもそも私が呼ばれたのには理由があると思ってたし。黒ゆうやんの件と遊勝塾の面々と仲がいい事が最初に理由として浮かんだけど、黒ゆうやんの件とは別に話したいことがあるって言ってたから前者は除外。

 んで、遊勝塾との仲を利用してLDSに取り込もうって話なら順序が合わない。今理事長さんとますみんたちが殴り込みに行くところだし、レイ兄さんなら融和政策は喧嘩吹っ掛ける前の方がいいとわかるはず。実力を見せつけてからってのも考えられるけど今回は相手の弱みを突くからLDSが勝ったらそのまま取り込めるし」

「……私は君の兄ではないがな。その二つが消えて、次は?」

「そうなったらあと残ってる心当たりは素良っちが浮かんだ」

「紫雲院素良。彼のことは我々も目をつけていたが……」

「露骨に怪しいからね。でも敵対染みた行動をとっちゃったから、いくら私が遊勝塾と仲がいいって言っても私伝手で行動するのは悪手だろうし。LDSでの出来事だからたぶん把握してるだろうなって思ってね。彼の口振りからLDSとは敵対してるっぽいし」

「……彼のことは泳がせておく予定だ」

「まあ水面下で行動される方が面倒くさいもんね。んで、残った心当たりは実力ってなったわけ。自慢だけど私の成績は歴代でもかなりいい方らしいし?それにレイ兄さんはさっきの部屋で実力を気にしてる風があったからね」

「私は君の兄ではないが……」

「黒ゆうやんとの実戦(・・)もこなして……あ、エッチな意味じゃないよ、零児さん?」

「あっ、呼び方……」

 

 ん?どうしたんだ、中島さん。そっちの実戦を想像しちゃったか?

 

「……申し訳ありません、続けてください」

「……話を続けよう。それと、敬称は不要だ」

「じゃあ零児君」

「くん!?」

「どうかした?中島さん」

 

 さっきから様子が変だな。何か妄想しちゃってるのかな。さっきのスリーサイズの話でも思い出しちゃったのか?

 

「いえ、続けてください」

「じゃあ話を戻すね。実戦ではないし一応彼も本気じゃないとは思うけど、素良っちに勝ってることも理由になるか。あと根拠を上げるとしたらその値踏みするような視線と女の勘、かな。その理由で呼ばれたなら本当の実力を確認しておきたいと思うのは当然ってことね」

 

 本当は女の勘っていうより前世の記憶からこういうパターンでは流れ的にそうかなって思っただけだけど。

 

「それと今のやり取りで推測できたのは、少なくとも融合が古くからあるところ(・・・・・・・・・・・・)がLDSの敵で、LDSはそういう場所から融合、シンクロ、エクシーズを引っ張ってきた。黒ゆうやんはエクシーズが古くからあるところの出身っぽくて、融合とシンクロが昔からあるところに他の召喚法を名前に持つドラゴンを持ったゆうやん似の人がいるかも、ってところ?」

「……!」

 

 中島さん、驚きすぎ。そして私をガン見し過ぎ。むっつりさんめ。

 

「ああ、付け加えるなら。零児君はわざと推測できるように情報を落としてたってところ?」

「……先の部屋で意図的に会話を引き延ばして思考する時間を稼いでいたからな。どこまでできるのか試させてもらった」

「やっぱりバレてたんだね」

「それはこちらの台詞だ。その洞察力なら実力が伴わなくとも関わってもらうことにはなるだろう」

「もし洞察力が足りなければ私は情報を掴めない。洞察力があれば実力関係なしにある程度の話をすることは決定で、なおかつ話す内容を省略できるってわけね。かーっ、流石大企業の社長。頭の回転が早いね」

「そちらこそ。私の想定以上だった」

「デュエルでは想定じゃなくて想像を超えてあげるよ」

「それは楽しみだ。では行こう。実験で使用するデュエルルームを使う」

「へー。社会科見学みたいで何か楽しいな」

 

 バタム。

 

「……ただのふざけている少女かと思ったが、恐ろしいほどの洞察力だ。それに社長曰く公式戦では全力を見せていないとのことだが、実力者という雰囲気は全く感じられなかった。こちらが見ていてもあの態度を崩さない演技力も……いや、あれは素か。嵐のような少女だったな……」

 

 あっ、中島さんに言い忘れてたことがあった。ガチャリ。

 

「……何か御用ですか?」

「中島さん、女の子をガン見するのはよくないよ。サングラスかけてても丸わかりだよ。女子は視線に敏感なんだから」

「あ、ああ、申し訳ありませ……」

「中島さんのエッチ」

 

 バタム。

 

「……え?いや、そういう意味では!ちょっと!誤解!誤解だ!」

 

 ガチャリ。

 

「……もういなくなってる……。はあ、なんだか疲れたな……。まさに嵐だ……」




デュエルしてないのに主人公が暴れまくりました。非デュエル回の方が主人公が生き生きしてる気がする……。

次回は社長戦の予定です。DDD使いの社長は主人公とデュエルさせると大量のライフ回復とソリティアが両方備わり長文に見える。要するに、デュエルが長くなりそうです。
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