反逆のネギ 〜The Green Onions VS Human〜 (奇数回) 作:るてぃ
合ってるよ!
2186年5月18日、人間軍アフガニスタン制圧。
これにより、ネギ軍領タジキスタン、キルギス両部隊への物資補給が途絶えた為、2186年5月23日、人間軍タジキスタン・キルギス制圧。
ーーーイネギーは新たな領土を得なければならないと考えた。
「…先程、キルギスに立てこもっていた我らの同胞が、人間共により制圧されました」
「…了解した。ご苦労、下がってろ」
この戦いは、ネギ軍にとって相当な痛手であった。人間軍の急襲を受け、1度は有利になったものの、アフガニスタン、タジキスタン、キルギスを失った。また、かなり多くのネギ兵も失ってしまった。それでも、ネギ軍の領土は陸地の3割程を占めたままである。しかし、イネギーは危機感を覚えていた。イネギーはある事を理解していた。
…そう、「産業の中心地は人間軍のもの」である事を。
産業革命の起こったヨーロッパ。世界に大きな影響を及ぼすアメリカ。経済が急激に成長した中国。高い技術力を持つ日本。他にも、インドやオーストラリアなど、主要な国の殆どは人間軍の領土である。
一方、ネギ軍は、アフリカの国々を多く抱え、第一次産業が最も多くの割合を占めている。
しかし、非常に聡いイネギーは、とあることも承知していた。
「石油はネギ軍のもの」であると。
読者の皆様は、世界の主な産油国をご存知であろう。そう、サウジアラビアなどの中東地域や、ロシアである。
社会科の好きな方は分かるかもしれないが、実は、ロシアからは大量に石油が出る。しかし、殆どはロシア国内への供給へ回されてしまうのだ。
そして、昔日本も襲われた、「オイルショック」というものもご存知だろう。
…イネギーは、オイルショックを起こした。
「おい!サウジアラビア周辺地域の石油輸送ルートをアフリカ内陸を通るルートに変更せよ!また、アジア・ヨーロッパ地域への輸出は合計で0.5tまで減らせ!!」
訓練されたネギ兵は、迅速に動く。
「また、石油及びその他エネルギー源を5t、トルコのアンカラへ送れ!巨大レールガンは二台、トルコ東端へギリシャ方面へ向けて配置!また、18000の兵をイスタンブール、4000の兵を背後防衛の為テヘランに配置せよ!」
イネギーは、ギリシャ侵攻を考えていたのだった。
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ネギ軍の動きは、すぐに人間軍に伝わった。
「何!?ネギ軍がヨーロッパ侵攻の動きを見せてるじゃと!?…あやつらが居るのはトルコか…」
エマスが恐る恐る尋ねる。
「我々は今インドに駐屯しておりますが、動くべきなのでしょうか…」
「いや、ここからトルコへと向かうには、敵領イランを通るかカスピ海に沿って大きく迂回せねばならない。とてつもなく時間がかかる故、動かない方が良案じゃろう」
「しかし、敵軍は巨大レールガンを三台持っている模様。トルコには二台配置しているとの報告も入りました」
「…これは困ったことになった!そもそも石油産出国を占領されているだけで動きづらくなるのじゃが…。エマス!今から10人の護衛部隊を付けるから、ヨーロッパへ行けるか?」
はっきりと、しかしゆっくりと答える。
「もちろん、司令官の命令とあらば」
「その心意気、儂も見習いたいわい。エマス、東ヨーロッパ部隊にギリシャを捨て、ブルガリアへ7000の兵を入れろと伝えろ」
「ギリシャを捨てる!?そんな事をして大丈夫なのですか!?」
「大丈夫じゃ、ヨーロッパには
「あいつ、とは?」
「国連軍最高司令部ヨーロッパ駐屯部隊司令官、神野 知恵じゃ。あいつは所謂天才、という奴じゃ。戦いにおいて、勝率は9割越えという実績もある」
「ということは、シンパイ司令官と同等な方ですか!」
「下手したら儂よりも聡い奴じゃ。しかも困ったことに、あいつは32歳、若さで負けとるわい」
エマスが部屋を出ていった後、誰もいない司令室で、シンパイは1人考えていた。敵軍本部はエジプトのカイロにあり、兵隊自体もその周辺、イランやトルコなどに多くいる。対して人間軍の本部はニューヨーク。そして最高司令官であるシンパイは遠く離れたインドにいる。いくら頭の良いシンパイでも、遠い地の出来事に素早く関与することは出来ない。
ーーー帰るべきだろうか。
しかし、今はヨーロッパが侵攻されかかっている。
ーーー留まった方が良いのか。
この迷いは、シンパイに見ることの出来る老化の一つであると言えるだろう。
丁度その時、ネギ兵18000はトルコの攻撃拠点、イスタンブールへと到着した。
イネギーには策があった。
元々、ヨーロッパを制圧するつもりは無い。
イネギーは密かに南アメリカ駐屯部隊に命じ、アメリカへ向かい北上させていた。
目的は、新領土を得ること。
最近上手く書けなくて死にそう