星に導かれる妖精   作:鳥王族

1 / 5
楽園の塔編
第1話


サンサンと太陽が眩しく光るアカネのビーチで妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士、ナツとグレイとハッピーはエルザ監督のもと準備体操をしていた。三人はぶーぶーと早く海に入りたいと文句を零しながらも怒られるのは嫌なのでしっかりと準備体操をしていた。ルーシィはその隣で日焼け止めを身体中に満遍なく塗っていた。そして、その近くで今回の旅行メンバー最年少(ハッピーを除く)である赤髪の少年ライトは黙々と一人でパラソルを立てていた。

 

そして、準備体操が終わったナツたちは猛ダッシュで海に飛び込んだ。

 

「自分で誘っといてあれだけど、不安しかねえ」

 

ライトは溜息まじりにいうと二日前の惨劇を思い出した。

 

 

 

二日前、

 

「旅行券当てた⁉︎」

「いや、ナツ声でかい」

 

急にナツが叫んで耳を塞いでいると、先ほどのナツの声を聞いてぞろぞろとギルド内にいた仲間たちが集まってきた。

 

「ナツ、何を騒いでいる」

「ライトが街でやってたくじ引きで旅行券を当てたった」

 

注意しに来たエルザに目をキラキラして答えるナツ、それによって他のメンバーもナツが何に騒いでいたがわかるとメンバー達はナツと同様に目をキラキラさせ出し、ライトに向かった。するとやれ、俺を連れて行けだの、私を連れて行ってだのと騒ぎ出した。いつもならこんな時止めに入るエルザも旅行にテンションが上がったのか一緒に騒ぎ始めた。するとどんどん彼らはヒートアップしていき、しまいには

 

「ライト、定員は何人だ?」

「六人」

 

ライトがグレイの質問に普通に答えると

 

「残り五人決めるぞ‼︎かかってこいや〜」

 

ナツが言い出した。すると完全にみんなのボルテージは最高潮に達し、旅行券争奪戦が始まり暴れだした。さすがのエルザも止めようとしたが争いの余波で飛んできたケーキが顔にぶつかると、身体をプルプルと震え始めライトが嫌な予感がした瞬間エルザは怒りながら戦いに参加しだした。

 

「はぁー、またこうなっちゃった」

「だな」

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の常識人のルーシィと持ち主であるライトは離れたところに避難しながら仲間達の暴れっぷりに呆れていた。「漢なら姉ちゃん孝行だ‼︎」とナツと一緒に中心で暴れてるエルフマン、「「勝って、レビィと旅行だー‼︎」」と本人のレビィを置いて盛り上がるが瞬殺されてるジェットとドロイなどが特に目立っていた。

そして、結局堪忍袋の緒が切れたマスターにより事態は収拾し元々、以前仕事中に世話になったナツとハッピー、また、違う仕事で助けてもらったグレイとストッパーの役目ということでエルザとルーシィの計五人と一匹できたのであった。

 

 

そして、今に戻るが

 

「まっ、大丈夫か」

 

と細かいことは考えるのをやめてライトも一緒に遊び始めた。そして、大きな事件もなく日が沈みホテルで食事を済ました。

 

食事も終わり各自、自分の部屋に分かれて休憩していた。エルザもまた、バルコニーで休憩しながら今日の出来事を思い出していた。そして、疲れていたのかエルザは目をゆっくりと閉じて眠りについた。

 

 

周りが石で囲まれた不気味なところ子供の泣き声や鞭を叩きつける音が響き渡っていた。そこに一人の男の声が聞こえる。

 

「エルザ…この世界に自由などない」

 

「はあっ‼︎」

大量の汗をかきながらエルザが目覚めた。彼女はゆっくりと息を整えると鏡に映った自分を見て、微笑むと換装した。

 

「やはり鎧の方が落ち着く…私という女はつくづくどうしようもない」

 

などと一人で苦笑しているとルーシィが元気な声で呼びに来た。ルーシィはホテルにカジノがあることを伝えるとエルザはノリノリで先ほどのドレスに再度換装するとカジノに向かっていった。

 

その頃、ライトは部屋のバルコニーの柵に肘をつきながら海を眺めていた。すると、港の方に船がつくのが見えた。だが、漁船でもなく貿易船でもなさそうな船にライトは違和感を覚え一度部屋から出、旅行用に持ってきた単眼鏡で船を見るとちょうど乗組員が降りてくるところだった。そして、ライトはその乗組員を見て驚愕した。

 

「あいつは、シモン。それにあれはミリアーナ何でこんなところに」

 

ダラダラと嫌な汗をかきながらライトは全力で部屋を抜け出し、船に向かった。乗組員の四人がいないことを確認するとライトは船に潜入を始めた。だが、潜入を始めて10分くらいすると四人が帰ってくる音が聞こえたのでライトは大きめの樽を発見し素早くそれに入り隠れた。そのまま、樽の中にうまく隠れたことに一旦安堵していると乗組員の一人であるシュウとエルザの会話が聞こえエルザが捕まっていることがわかった。

 

そして、シュウはエルザにとって。また、ライトにとっても因縁のある男の名前が聞こえた。

 

「なんで…オレ達を…ジェラールを裏切った‼︎」

 

シュウの言葉にライトは眉間にしわを寄せる。

(ジェラールということは楽園の塔関係か今日こそ決着をつける)

 

ライトは樽の中で敵に見つからないよう決意を固めるのであった。

 

魔法評議員会会場ERAでは緊急会議が開かれていた。

 

「Rシステムがまだ残っているだと‼︎?そんなバカな‼︎!」

 

評議員の一人オーグ老師が机を叩きながら叫んだ。禁忌の魔法であるRシステム。全滅したはずのそれが存在してることがわかり評議員慌て出す評議員たち。

 

「Rシステムじゃねえ楽園の塔…だろ」

 

その評議員の面々の中でひときわ若い男ジークレインが発言した。すぐさま、オーグ老師が名前などどうでもいいと言い軍を送るように言うが敵の正体がわからず、唯一わかることはジェラールと呼ばれる男がリーダーということだけだった。しかし、その名を聞いたジークレインは少し顔色を変えたが評議員のメンバーは誰も気付かなかった。ただ一人隣に座っていたヤジマを除いて。

 

 

一方、その頃ナツ、グレイ、ルーシィたち三人と偶然…というよりグレイを追ってアカネに来ていたジュビアとともに楽園の塔を目指してボートで海を漂っていた。

 

「どこだよここはよォ‼︎!」

「ジュビアたち迷ってしまったんでしょうか?」

「なぇ…ナツ本当にこっちであってるの?」

 

ナツの鼻を頼りにボートに乗り込んだのはいいがいつものようにナツは船酔いでグロッキー状態になっていて鼻を使って方向確認ができる状態ではなかった。

 

「オメーの鼻を頼りに来たのに、しっかりしやがれ」

「グレイ様が頼りにしているのです。ナツさんお願いします」

 

だが、ナツは全然回復する気配がなかった。

 

「くそ、一気に三人も仲間が連れてかれるなんて情けねえぜ」

「本当ですね…エルザさんほどの魔導士がやられてしまうなんて…」

「やられてねえよ」

 

ジュビアの一言が気に障ったのかすごい勢いで睨みつけるグレイ。ジュビアは怯えたがルーシィが八つ当たり気味なグレイに落ち着くよう言ったら、グレイは「ちっ」と舌打ちをすると一応は冷静になった。

 

「それにしても、あいつらエルザの昔の仲間って言ってたよね。あたしたちエルザのこと全然わかってなかったね」

 

ルーシィはそう自信なさげに言った。

 

「あと、なんでライトまで攫われたんだろう?もしかしてライトも昔、あいつらの仲間だったのかな?」

「それだったら、エルザもライトのこと知ってたはずだ。でも、あいつらギルド内で初めて会ったとき初めましてって言ってたぞ。まあ、入る時期は確かに近かったが…」

「その、ライトさんってどんな方なんですか?ジュビア、よく知らなくて」

「そう考えるとあたしたち、ライトのことも全然知らないね」

「ああ、基本的に誰かと一緒に仕事行ったりしないしな。というか、俺はあいつが本気で戦ってるところを見たことねえな」

「確かに、あたしなんかどんな魔法使うかも知らない」

「そういえば、そうだな」

 

話していくうちにどんどん仲間の知らないところが出てきてどんどんテンションが落ちていく三人。そんなとき、グレイは遠くに海の上にポツンと一つだけ建っている塔を見つけた。

 

「あれが、楽園の塔か?」

「ジュビアもそう思います」

「あそこに行こう。エルザ、ライト、ハッピーを助けに行くため。そして、エルザとライトのことを知るため」

 

グレイとジュビアは無言でつぶやくと塔に向けてボートを漕ぎだした。

 

 

エルザは捕まり牢に捕らえられていた。ショウによると明日、儀式を開始し楽園の塔つまりR(リバイブ)システムを起動させるらしい。そして、その生贄にエルザが選ばれていた。

 

「姉さん、あの時はごめんよ。あの時の立案者は俺たちだったのに怖くて言い出せなかった。本当に卑怯だよね」

 

ショウの突然の謝罪に困惑するがエルザは何のことか理解した。

奴隷時代、同じ牢にいた。エルザたちはショウ達の立案で脱獄をはかった。しかし、それは見事に失敗。立案者だけを懲罰房に行きと言われたがショウは恐怖で言い出すことができなかった。それを見たエルザも庇おうとしたがまた恐怖で言い出すことができず、するとジェラールが言い出したがジェラールのあまりの堂々としていたため教徒たちはジェラールではなく震えてるエルザが立案者だと思いエルザが懲罰房に連れて行かれたのだった。

 

「そんなことは今となってはどうでもいい。それより、Rシステムで人を蘇らせることの危険性がわかっているのか?」

 

エルザはかつての仲間に人道に外れた禁忌の魔法であるRシステムの使用を止めるため、諭そうとするがショウは聞き耳を持たず感情を爆発させて言った。

 

「俺たちは支配者になる。自由を奪った奴等の残党に…俺たちを裏切った姉さんの仲間たちに…何も知らずにのうのうと生きてる愚民どもに…評議員の能無しどもに…全てのものに恐怖と悲しみを与えてやろう‼︎!そして全てのものの自由を奪ってやる‼︎‼︎

俺たちが世界の支配者となるのだァァァァ‼︎‼︎」

 

そんな狂気とも言える笑い声をあげているショウは隙だらけだった。エルザはそれを見逃さず膝でショウの顎を蹴り気絶させると口で自分を縛っていたミリアーナの管を噛み切ると怒りを爆発させた。

 

「何をすれば人はここまで変われる‼︎?」

 

エルザは思い出す。姉さんと自分をしたい笑顔の可愛いかったショウの姿を

 

「ジェラール…貴様のせいか…」

 

エルザは牢から出てジェラールの所に向かおうとした時、先ほどのショウの言葉が頭をよぎった。

 

(待て、ショウは先ほどあの時の立案者は俺たちと言った。だが、あの時は私、ジェラール、ウォーリー、ミリアーナ、シモン、そして立案者のショウの五人だけだったはず、誰だ?誰がいた?)

 

エルザは思い出そうとすると途中から頭の中にノイズのようなものが現れ頭痛がした。

 

「どういうことだ…いや、今はジェラールを止めなければ」

 

そして、エルザは今度こそジェラールの所に向かうために走り出した。

 

 

一方、エルザと一緒に連れてこられたハッピーは目を覚ますとそこにはネコグッズがいっぱいある部屋にいた。

 

「なんだこの部屋〜‼︎」

 

ハッピーが驚いて声を上げると自分の目の前にネコのコスプレのような服を着ているミリアーナが現れた。

 

「みゃあー‼︎!しゃべるネコネコだー‼︎!」

 

ハッピーを見て大はしゃぎするミリアーナに全身カクカクの男ウォーリーが現れてこう言った。

 

「ミリア…もっとダンディになりな。ネコがしゃべるんじゃねえしゃべるからネコなんだゼ」

「そっかー」

「ぜんぜん意味わかんないし‼︎!」

 

二人の意味不明なやりとりについついツッコミを入れるハッピー。そんなコントをしている所にシモンが入ってきた。

 

「ウォーリー‼︎ミリアーナ‼︎エルザご脱走した」

 

それを聞いてウォーリーが塔からは逃げられる訳がないと言うと

 

「逃げねえだろうな…ジェラールを狙ってくる」

 

それを聞いた。ウォーリーとミリアーナはエルザを探すために部屋から出てった。一人残されたハッピーは意味がわからず困惑した。

 

その頃、塔の最上階ではジェラールが笑い出した。

 

「エルザはいい女だ。実に面白い。

オレが勝つか、エルザが勝つか。いや、ここには奴もいるかつまり三つ巴か。いいぞ、楽しもう生と死…そして過去と未来を紡ぐ楽園のゲームを」

「しかし、評議員の動きも気になります」

 

ジェラールの部下のヴィダルダスが口を挟むとジェラールは焦るどころか彼の口角は上がった。

しかし、ヴィダルダスの言ったとおり現在評議員ではジェラール討伐のため軍を派遣する、させないで議論していた。だが、それとは別にジークレインが発言した。

 

「鳩どもめ」

 

突然の侮辱の言葉に一旦議論を中止し議員たちはジークレインを睨んだ。だが、ジークは構わずしゃべりだした。

 

「オレから言わせれば軍の派遣程度ハト派と呼ばざるを得ないと言ったんだ。あれは危険だ危険すぎる。あんたらは何もわかってない‼︎楽園の塔を今すぐ消すなら方法は一つだろ‼︎!

衛星魔方陣(サテライトスクエア)からのエーテリオン‼︎‼︎」

 

ジークの発言に顔を真っ青にする議員たち。それもそのはずジークが言ったのは評議会の中でも最終兵器中の最終兵器。それを使用するなどと言い出して評議員は慌てだした。そんな中、冷静に議員の一人ウルティアが賛成した。

 

「議員は全員で九人、あと三人の賛成でエーテリオンを撃てる。早くしろ、Rシステムを使わせるわけにはいかないんだ」

 

ジークに言われ評議員たちは考え始めた。ただ一人ヤジマだけは考える素振りも見せずただひたすらジークを睨んでいた。

 

(ズークめ、何を考えている)

 

 

その頃、ナツたちはついに塔の中へ侵入を成功したが、早速敵に見つかってしまった。仕方なく、敵を撃退すると上へと続く扉が一人でに開いた。

 

それはナツたちの戦闘を見ていた。ジェラールが開けたらしく、侵入者を中に入れたことにヴィダルダスは疑問感じた。すると、ジェラールは。

 

「これはゲームだと、奴らは一つステージをクリアしたから次に進んだ。それだけだ」

「しかし、儀式を早めないと評議員にかぎづけられます」

「いや、止められやしないさ。評議員のカスどもにはな」

 

ジェラールは不敵な笑みを浮かべて自慢気に言い放った。

 

だが、評議員では三人目の賛成者が手を挙げエーテリオン発射に向けてあと二人となっていた。

 

そして、ジェラールが開けた扉からナツたちは上に昇るとまた敵が向かってきた。戦闘体勢を取った瞬間、エルザが現れて一瞬にして敵を切り倒した。

 

「エルザ‼︎」

 

グレイの声に反応しエルザもナツたちに気づいた。

 

「お前たち、なぜここに」

「やられたまんまじゃ妖精の尻尾の名折れだろ‼︎」

 

ナツは理由を叫びながら進もうとすると

 

「帰れ、ここはお前たちのくる場所ではない

 

理由も言わずに彼らを帰そうとするエルザ、そのため、ルーシィが来た理由をいようとするとナツが割って入った。

 

「ハッピーまで捕まってんだ‼︎このまま戻るわけには行かねー」

「ハッピーが…ミリアーナか」

「そいつはどこだ‼︎」

「さ、さあな」

「よし‼︎わかった‼︎」

 

理屈はわからないが理解したナツにグレイはツッコんだが、ナツはそのままハッピーを捜しに走り出した。

そのため、ルーシィたちがナツを追おうとした。だが、エルザは剣を彼らの前に出し、行き先を封じてこの問題は自分だけの問題だから帰るよう言った。

しかし、ルーシィたちは勿論納得できずルーシィはエルザに仲間だから話して欲しいと言った。するとエルザは目を潤わせながらルーシィたちに話し出した。この塔のこと、ジェラールとの因縁を…

 

エルザがグレイたちに話してる時ERAではまた一人エーテリオンに賛成者が出た。発射まであと一人。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。