星に導かれる妖精   作:鳥王族

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第2話

そして、エルザはグレイたちにことの真相を話した。自らの過去と今、ジェラールがしようとしていることで彼女が知っていること全てを。その時、偶然通りかかったショウにもこの話が耳に入った。ショウは困惑しながら、叫んだ。

 

「正しいのは姉さんで間違ってるのはジェラールだというのか‼︎⁉︎」

「そうだ」

 

すると、今度はシモンが現れてショウの発言に答えた。シモンは唯一ジェラールに騙されていることに気づき八年間ずっとシモンはエルザを信じてきたのだった。そして、シモンは再会を心から喜びエルザとハグをし和解した。そして、シモンはジェラールの言葉に騙され、エルザを信じきれなかった自分に嫌悪し、また様々な情報が一気に入ってきたため混乱し、泣き崩れた。

 

「くそぉぉぉ‼︎うわぁぁぁ‼︎

何が真実なんだ。オレは何を信じればいいんだ‼︎」

「今すぐに全てを受け入れるのは難しいだろう。だが、これだけは言わしてくれ。

私は八年間お前たちのことを忘れたことは一度もない」

 

エルザの優しい声とともに抱かれ、ショウは少しずつ泣き止んでいった。そして、泣き止むとシモンとともに決意する、今このみんなでジェラールを討つことを。

 

 

ハッピーを探して塔の中を歩き回っているナツはネコグッズがいっぱいある部屋に来た。そして、そこにあるネコの被り物を興味本位で被ると頭が抜けなくなってしまった。その後ろで一人背後からナツを撃とうとする男ウォーリーがいた。そして、ウォーリーが引き金を引いた瞬間、ミリアーナが被り物をしているナツを本物のネコと思いウォーリーの邪魔をした。すると、弾丸はナツを横切り壁に当たった。ナツはそれに気づき後ろを見るとウォーリーに気づき、ホテルのことを思い出した。

 

「あん時はよくもやってくれたなァ‼︎四角野郎‼︎」

 

ウォーリーはミリアーナを振り払うと自らの身体を複数のブロックに分解するとナツに攻撃を開始した。ナツは攻撃を避け、避けれないものは近くにあったネコのぬいぐるみでガードした。

 

「敵?ネコネコなのに?」

 

一人、状況が理解しきっていないミリアーナはまだ、ナツをネコだと思っていた。しかし、ウォーリーがネコじゃなく被り物をした人間だと説明すると、怒りに燃えて自らの魔法であるチューブをナツの左手首に巻きつけた。

 

「よくやったゼミリアーナ‼︎」

「ウォーリー‼︎うそネコやっつけちゃってー!」

「秒間32フレームアタッーク‼︎」

 

二人のコンビネーションにより、ウォーリーの攻撃が当たった。それどころかミリアーナのチューブのせいでナツは魔法が使えなくなっていた。魔法が使えなくなったナツはなすすべなく二人にやられさらにチューブでグルグル巻きにされてしまった。そして、動きの止まったナツにウォーリーが決めゼリフを言いながらトドメを刺そうとした瞬間、ハッピーがウォーリーの頭をぬいぐるみで叩いた。決めゼリフを止められ怒ったウォーリーはハッピーに向かって発砲した。しかし、ニ、三発撃ったところで愛猫家のミリアーナにハッピーがネコであるため攻撃の邪魔をされた。その間にハッピーがチューブをほどこうとしたが硬くてなかなかほどけなかった。するとナツは身体を起こすと、

 

「にゃあああ」

 

ネコが泣いてるモノマネを開始した。すると、ミリアーナはついついネコが苦しんでいると思い、ナツの拘束をといてしまった。ナツはその隙を見逃さなかった。

 

「火竜の翼撃‼︎」

 

両手に炎を纏わせ二人に攻撃すると二人は一撃で同時にノックダウンした。

 

 

ナツとウォーリーたちの戦いを見ていたジェラールはウォーリーとミリアーナを模したチェスの駒のようなものをナツの駒で倒した。

 

「やはり、ゲームはこうでないとな」

 

不気味な笑顔でジェラールがなぜか喜んでいるとヴィダルダスが遊んでいる暇はないと口を出すと。

 

「ならば、お前が行くか?ヴィダルダス」

「よろしいので?」

「次はこちらのターンだろ?」

 

そして、ジェラールが盤の上に新たに三つの駒を置いた。すると、ヴィダルダスは変身すると暗殺ギルド髑髏会特別遊撃部隊三羽鴉(トリニティレイヴン)が現れた。

 

 

ウォーリーを撃破したナツは被り物を外してもらおうとハッピーに思いっきり引っ張られていた。すると、急に抜けそのままハッピーは引き抜いた勢いで投げ飛ばした。すると、ウォーリーに偶然スッポリと入ってしまった。ウォーリーはすぐさま取ると戦闘を開始しようとした。しかし、ナツは戦うそぶりをまったく見せなかった。

 

「もうカリも返したし、エルザもハッピーも無事ってんならこれ以上やる意味はこっちにはねーんだけどな」

「オレたちは楽園に行くんだ…ジェラールの言う真の自由人々を支配する世界へ」

 

ウォーリーは必死で立ち上がり戦おうとしている時、塔中に気持ちの悪い口が無数に現れた。すると、口は喋り出しそこからジェラールの声がした。

 

「ようこそ、楽園の塔へ。オレはジェラール、この塔の支配者だ。互いの駒は揃えたそろそろ始めようじゃないか。楽園のゲームを」

「ルールは簡単、オレはエルザを生贄としゼレフ復活の儀を行いたい。すなわち楽園の扉が開かれたらオレの勝ち。もし、それをお前たちが阻止できればそちらの勝ち」

「ただ、それだけでは面白くないのでなこちらは三人の戦士を配置する。そこを突破しなければオレにはたどり着けん。つまりは三対八のバトルロワイヤルだな」

「最後にもう一つ特別ルールの説明をしよう。評議員が衛星魔方陣(サテライトスクエア)でここを攻撃してくる可能性がある。全てを消滅させる究極の破壊魔法エーテリオンだ」

 

「聞いてねえぞジェラール‼︎そんなモンくらったら全員地獄行きじゃねーか‼︎」

「ヴィダルダスはん、臆したのどすか?」

「逆さ‼︎逆‼︎リバース‼︎最高にハイだ‼︎こんなあぶねー仕事を待ってたんだぜーー‼︎」

 

「残り時間は不明だ。しかし、エーテリオンが落ちた時、それは勝者なきゲームオーバーを意味する」

 

「そんな、何考えてんのよ。自分まで死ぬかもしれないのに」

 

一通りの説明が終わり、ジェラールの狂気ぶりに震えるルーシィ。

 

「エーテリオンだと?評議員が?あ、ありえん」

 

エルザは先ほどの説明に違和感を感じていた。その時、再度ジェラールが喋り出した。

 

「では、ゲームを開始しよう。特に期待してるぞエルザそして、ライト。いや、ジークフリート」

「ジークフリート?ライトのことなのか?だが、どこかで…うっ!」

 

ジェラールが言ったジークフリートを思い出そうとするとまた頭痛が起きた。そして、倒れそうなエルザをシモンが支えて、質問した。

 

「エルザ、ジークを覚えていないのか?」

「ジーク?誰だそれは」

「奴隷時代、同じ牢に一緒にいたじゃないか」

「同じ…牢に…ウッ‼︎」

「大丈夫か⁇エルザ⁉︎」

「ああ、おかげで思い出せた。ジークフリート・フェルナンデス。私たちの仲間でジェラールの実の弟だ」

「ライトが、ジェラールの弟⁉︎」

「ああ、私が思い出せなかったのはたぶん彼自身の魔法で記憶を変えられていたんだと思う。そして、あのライトの顔も変身魔法だ」

「なんで、そんなことをしたんだろ」

「たぶん、エルザを守るためだろう」

「エルザを守るため?」

 

シモンの言葉に引っかかったルーシィは質問をした。

 

「なんで、そんなことするの仲間なんだから一緒に戦ったら」

「あいつは、人一倍優しい男だ。だから、エルザを巻き込まないために、一人で戦うためにエルザを避けるためにそんなことをしたんだろう」

「そうなんだ」

「本当に困ったものだ」

「さっきまでエルザも一人で行こうとしていたけどね」

「ああ、すまない。おかげで目が覚めた」

 

ルーシィとエルザは微笑んだ。

 

「急ごう、ジークやナツと合流しないと」

 

そうして、エルザが走り出そうとした時、ショウは魔法でエルザをカードに閉じ込めた。

 

「姉さんは誰にも指一本触れさせない。ジェラールはこのオレが倒す‼︎」

 

そして、ショウはエルザのカードを持ち走り出した。シモンもショウを追って走り出した。

 

「だー‼︎ドイツもコイツも」

 

あまりの周りの身勝手な行動にグレイはついに癇癪を起こした。

 

「では、グレイ様。ジュビアたちも行きましょう。あっ、ルーシィさんはあっちね」

「ちょっと‼︎いちばん弱いの一人にする気‼︎」

 

結局とグレイとジュビア、ルーシィペアに分かれて動き出した。

 

一方、ナツとハッピーたちはジェラールの話を聞き、

 

「ハッピー‼︎ゲームには裏技があるよな」

「あい」

「一気に最上階までいくぞー‼︎」

「あいさー‼︎」

 

ハッピーはナツを持ち上げ塔の窓から出ると最上階に向かって飛び上がった。

しかし、しばらく飛んでいると横から猛スピードでミサイルを背負った鳥男がぶつかってきた。ナツとハッピーは体当たりの勢いで塔の中へ入って行った。すると、ちょうど上がってきたシモンが二人を見つけ駆け寄った。そして、鳥男もナツたち目の前に着地した。

 

「ルール違反は許さない正義(ジャスティス)戦士梟参上‼︎」

「とりだー、とりが正義とか言ってるー」

 

梟と名乗った男の姿を見て驚くナツとハッピー。一方でシモンは震えていた。

 

「こいつは」

 

梟が何者か思い出したシモンはナツを引っ張って逃げ出そうとした。

 

「ナツ、こいつ敵だよ」

「今は、お前たちの味方だ。それより、今はあいつだ。あいつには関わっちゃいけねえ‼︎」

「闇刹那‼︎」

 

シモンは魔法で光を消すと二人を連れて逃げ出した。だが、梟は迷うことなくシモンに追いついた。そして、シモンの頭を押さえると

 

「ジャスティスホーホホウ‼︎」

 

梟はシモンに強烈なパンチを放ちシモンは口から血を吐きながら後ろにふき飛んで行った。

 

「これほどとは、暗殺ギルド髑髏会」

「暗殺ギルド‼︎」

「ああ、まともな仕事がなく行き着いた先が暗殺依頼に特化した最悪のギルド。中でも、三羽鴉(トリニティレイヴン)と呼ばれてる三人組はカブリア戦争で西側の将校全員を殺した伝説の部隊」

「あいつが、その一人…一羽だって‼︎」

「奴らは殺しのプロだ。戦っちゃいけない‼︎」

 

シモンは梟の危険性をナツに伝えた。だが、それを聞いたナツは怒りに燃えていた。

 

「ギルドってのはオレたちの夢や信念の集まる場所だ。くだらねえ仕事してんじゃねーよ」

「よせ‼︎火竜。暗殺ギルドなんかに関わっちゃいけねえ‼︎」

「暗殺っていう仕事がある事自体が気にいらねえ、依頼者がいるってのも気にいらねえ、ギルドとか言ってんのも気にいらねえ、気にいらねえからぶっ潰す‼︎‼︎

かかってこいやーー鳥ーーー‼︎‼︎」

「ホホウ、若いな火竜この世には生かしておけぬ悪がいる。貴様もその一人死ぬがいい」

 

梟がクラウチングスタートの構えを取ると背中のミサイルがジェット噴射し始めた。そして、勢いよく飛び出すとナツの身体をつかんだ。

 

「火力なら負けてねえぞ」

 

ナツはその腕をふりほどいて投げ飛ばしたが梟はジェット噴射を利用して空中で方向転換するとナツの足を掴みそのまま浮かび上がった。そして、ある程度浮上すると、ナツを床に向かって投げつけた。ナツはなすすべなく勢いよく床に激突した。

 

「いってえ」

「ホホウなかなか頑丈だ。これはやりがいのある仕事だな。ホホ」

三羽鴉(トリニティレイヴン)、噂以上だ。こんなのが、あと二人もいるのか」

 

その頃、最上階ではジェラールが梟のコマでシモンのコマを倒していた。

 

「情けねえな、シモン。ゲームは始まったばかりだというのに、そして、次は梟VSナツ・ドラグニル。うーむ、ナツにはここまで来て欲しいが少し分が悪いか」

 

また、その頃ジュビア、ルーシィはナツを探していた。その時、急に恐ろしいほど馬鹿でかい騒音が聞こえてルーシィは反射的に耳を塞いだ。

 

「な、何?ギター⁉︎てかうるさ!」

「ジュビアは上手いと思うわ」

「アンタ、本当にずれてるわね」

 

そんな騒音がする方からゆっくりと気持ち悪いほど髪の長い男が現れた。

 

「暗殺ギルド髑髏会‼︎スカルだぜ‼︎イカした名前だろ。その三羽鴉(トリニティレイヴン)の一羽。ヴィダルダス・タカとは俺の事よ‼︎」

「ロックユー‼︎」

 

タカは髪を鞭のように使い全体を攻撃した。それをルーシィは間一髪で避け、ジュビアは身体を水にし、受け流した。

 

「ジュビアにはいかなる攻撃も効かない‼︎水流拘束(ウォーターロック)‼︎」

「ロック?お前もROCKか⁉︎」

 

すると、タカは球体の水に囚われてしまった。しかし、タカの髪が水流拘束の水を吸収し脱出した。

 

「寝グセには水洗いが朝シャンはよくねえ、髪がいたむ」

「貴様、どうやって水流拘束(ウォーターロック)を?」

「俺の髪は液体を吸収する。油やアルコールはごめんだぜ、髪が傷んじまう」

「水が効かない⁉︎」

「そんな‼︎」

「それにしても、いい女だな二人とも」

 

すると、タカは指を交互にジュビアとルーシィを移動させながら言葉を言っていくとジュビアで止まった。

 

「決めたぜ‼︎お前が今日のサキュバスだ‼︎」

 

そう言うと、タカはギターを弾き始めた。すると、ジュビアが苦しみだした。そして、演奏が終わるとジュビアの様子が変わりタカに操られてしまった。

 

そして、その様子を見ていたジェラールはタカのコマでジュビアのコマを倒した。

 

「水女はここでアウト。そして、星霊使いもアウトだ」

 

ジェラールはルーシィのコマも倒した。

 

そして、ルーシィはジュビアに一方的にやられていた。

 

「あんた妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入りたいんでしょ‼︎だったら仲間に攻撃なんて…」

 

ルーシィは説得を試みたがジュビアは聞き耳持たず身体を水に変えて突撃しそのままルーシィを飲み込んだ。

 

(ダメだ。完全に操られている。どうしよう‼︎ジュビアになんて戦って勝てるわけないし)

(ルーシィさん)

 

打開策を見つけられず落ち込んでいるルーシィにジュビアの声が聞こえた。

 

(仲間なんておこがましいかもしれないけど、ジュビアは仲間を傷つけたくない。妖精の尻尾(フェアリーテイル)が大好きになったから、仲間思いで…楽しくて…あたたかくて…雨が降っててもギルドの中はお日様が出てるみたい)

(ジュビア)

(せっかく、みなさんと仲良くなれそうだったのに、ジュビアはやっぱり不幸を呼ぶ女)

 

ルーシィはジュビアの水の中で泣いているジュビアの姿を見た。その時、タカからの指示でジュビアは人の姿に戻った。中に入っていたルーシィは床に倒れこんだ。しかし、すぐさま立ち上がった。

 

「仲間のために涙を流せる人を妖精の尻尾(フェアリーテイル)が拒むはずがない」

(ルーシィさん…)

 

操られているはずのジュビアに少量だが涙が流れた。

 

「胸張っていいわよ‼︎アンタのおかげでいいこと思いついちゃった‼︎」

「くだらねえなとっととイカしてやりなジュビアちゃんよォ‼︎」

水流激鋸(ウォータージグソー)でバラバラになりなァァ‼︎」

 

ジュビアは水になり回転することで斬撃性を持たしてルーシィに突っ込んでいった。ルーシィはそれを足で止め、その間に鍵を取り出してジュビアの身体に突き差した。

 

「開け‼︎宝瓶宮の扉‼︎アクエリアス‼︎」

「ジュビアの水を使って星霊を⁉︎」

「水があれば最強の星霊のアクエリアスが呼べる。アンタのおかげよジュビア‼︎」

「やかましいわあ‼︎小娘どもが‼︎」

 

出てきたアクエリアスは力を貸すどころか怒り任せに水を大量にだした。だが、タカの髪はどんどん水を吸収していった。その時、ジュビアとルーシィが手を繋ぎ合わせた。

 

その時、最上階のタカのコマに亀裂が入った。

 

「何‼︎この魔力は、あんな小娘どもが魔力融合、

合体魔法(ユニゾンレイド)だと‼︎」

 

ジェラールは想像を超えた魔力に驚いた。

 

タカは減る勢いが全くない水についに吸収できる容量を超えて耐えきれなくなった髪が抜けてタカは倒れてしまった。そして、タカは気絶し、ジュビアも元に戻った。そして、ジュビアとルーシィが喜びながらハグをしていると、アクエリアスが怒りながらルーシィにせまった。

 

「どこから呼んでんだよ‼︎しまいにゃトイレの水から呼び出す気じゃねえだろうな?殺すぞてめえ‼︎」

 

アクエリアスの怖さに二人は震え上がった。

そして、アクエリアスが星霊界に帰るとルーシィは戦って疲れたのか寝転がった。

 

「あたしたちが一人やっつけたのよ。ジェラールの思い通りになんかならないわよ」

「いいえ、倒したのはルーシィさんですよ」

「二人でよ。あと、さん付けなんかしなくていいよ。だって、あたしたちもう仲間でしょ?」

「あれ、ジュビア…目から雨が」

「面白い表現ね」

 

ルーシィに仲間と認められたジュビアは嬉し涙を流した。

 

合体魔法(ユニゾンレイド)だと?偶然とはいえさすがはエルザの仲間ということか。こちらももう一歩コマを進めよう」

 

ジェラールは不敵な笑みを浮かべた。

 

その頃、ERAでは、エーテリオン使用について四対五によりエーテリオンの使用が見送りなりそうだった。だが、その時ジークレインは血相を変えて立ち上がり再度説得を開始した。だが、完全に議論は終わったとみている議員たちは聞き耳を持とうとしなかった。だが、「黒魔道士ゼレフ」この人物の名を出した瞬間、皆血相を変え始めた。そして、ジークレインはジェラールの使用としていることを話し始めた。ただ一人ヤジマだけは冷静にジークレインの話を聞いていた。

 

そして、場所は戻って楽園の塔ではルーシィとジュビアがまだ休んでいた。

 

「あっ!思い出しました」

「どうしたのジュビア?」

「ライトという名前。まあ、本名はジークフリートさんでしたけど思い出したんです」

「知り合いだったの?」

「いえ、そうではなく数年前新聞を読んでいた時に載っていたんです。その名前が…確かその記事は「若き天才魔導士」だったと思います」

「「若き天才魔導し」か。あっ、思い出した。あたしも読んだことあるけどそうなのライトっていうかジークフリート?めんどくさいからジークでいっかエルザたちもそう呼んでたし。で、話戻すけどジークは魔法学校を歴代最高成績で卒業した天才って言われてたの」

「ということはやはりかなり強いのですか?」

「それなんだけど、あんまりジークが戦ってるの見たことないんだ。そういえば、ナツもジークが本気出してるとこ見たことねえとか言っていたよ。たぶん、距離を置いていたんだと思う」

「そうなんですか」

 

二人がジークについて会話している時、張本人であるジークフリートは最上階に向けて走っていた。だが、その時ジークは直感で危険を察知し後ろに飛んだ。だが、少しタイミングが遅く、お腹のあたりに切り傷が入った。

 

「誰だ?」

 

ジークフリートが尋ねると、前から着物を着て刀を持った女が現れた。

 

三羽鴉(トリニティレイヴン)の一人、斑鳩ともうしますぅ」

三羽鴉(トリニティレイヴン)か、めんどくさいのが来やがった」

「そんなめんどくさいなんて、女性に対して失礼ちゃいます?ジークフリートはん」

「やっぱり、もうバレてんのかじゃあわざわざ変身しておく必要ねえか」

 

そう言うとジークフリートは自らにかけていた変身魔法を解いた。すると、水色よりの綺麗な青髪でジェラール、ジークレインたちと瓜二つの少年になった。ただ一つ違うところはジークフリートはタトゥーがなく左目の上に妖精の尻尾の紋章のスタンプがあった。

 

「ジェラールはんと似て美少年やね」

「それは、一種の侮辱か?あんま、嬉しくねえぞ」

「そうですか」

 

たわいもない会話が終わった瞬間、ジークフリートの腹に切り傷が入った。

 

「よう避けはったね。完全に殺したと思ったのに」

(こいつ、マジかよ。全く殺気を感じなかった)

「じゃあ、こっからは手加減なしで行きましょか」

「クソが!」

 

斑鳩は踏み込んでジークに切りかかった。それを、ジークは全て紙一重で避けてるつもりだったが、ところどころ傷が増えていっていた。

 

(くそ、これじゃやられる一方だ。アレを使うか?いや、ジェラールがどこで見てるかわからない以上。手の内を明かすのは避けたほうがいい)

「随分と考え込んだはるらしいけど、そんな余裕ありますか?」

 

さらに一歩斑鳩は踏み込んでジークとの間合いを詰めた。

 

「ちっ、仕方ねえ‼︎」

 

ジークは舌打ちをすると手を斑鳩の目の前に持っていき、斬られる直前手から強力な閃光を出すと斑鳩は手を止めて、急いで目を閉じた。しかし、間に合わず視界を奪われた。そして、目を開けるとジークはどこかへ逃げてしまっていた。

 

「獲物を逃したのは初めてやわ。流石、ジェラールはんの弟」

 

そう言って斑鳩はジークを追うのを諦め適当に歩き出した。

 

逃げたジークは追ってこないと確信すると壁にもたれかかり腹の傷を抑えた。

 

「これじゃ、ジェラールと戦えない。仕方ない少し休むか」

 

 

魔法評議会ERAでは賛成票を八票獲得しエーテリオンの使用が認可されていた。だが、それに納得のいかないヤジマが異議を申し立てた。

 

「待て、本当にエーテリオンを撃つのか?」

「ヤジマさん、納得いかないかもしれないが…」

「ジーク、お前の言ってることが真実ではないことはワスはわかっているのだぞ」

「‼︎⁉︎ヤジマ、ジークどういうことだ‼︎」

「みんな、ワスが面倒見ていたライトは知っているか?」

「ああ、魔法学校をあんな輝かしい成績で卒業した者を忘れるわけなかろう」

「そう、そのライトの正体はジェラールの実の弟ジークフリートだ。そして、ワスとジークフリートはジェラールの悪事を追っていた」

「それと、どう関係あるんだ?」

「大有りだ。そのジークフリートが言っていた。自分に兄は一人だと。ということはジークレイン、お前の言ってることは嘘だ」

「ヤジマさん、だったら俺は何なんですか?」

「それは、ワスとジークフリートで出した結論は主はジェラール・フェルナンデスの思念体だ」

「バカですか、ヤジマさん。だったら俺はなんで自分自身を殺さないといけないんですか?」

「そ、それは」

「それに、ジークフリートが俺の弟なのは確かです。向こうが覚えていなくても俺はしっかり覚えてます。昔のひどい行為で記憶が曖昧なんでしょう」

「だったら、なおさら実の弟を殺す気か⁉︎」

「はい、俺はジェラールとジークフリートの二人の弟の十字架を背負って行きます」

「だが…」

「ヤジマ‼︎」

 

ジークレインとヤジマの話に議長が割って入った。

 

「お前の言ってるいることは意味がわからん。これ以上議会の邪魔をするのであれば出て行ってもらう。いや、今すぐ出て行け」

「議長、ワスは…」

「衛兵、早く連れて行け」

 

すると、兵たちはヤジマに腕を掴み外に出そうと引きずって行った。

 

「では、仕切り直してエーテリオン発射の準備にかかれ!」

 

議長が叫ぶと全員動き出した。

 

 

そして、楽園の塔ではナツを飲み込み、ナツの魔力を手に入れた梟。しかし、偶然通りかかったグレイにより倒されたのであった。

 

そして、エルザのカードを持ったショウは最上階に向かって走っていた。その時、正面から斑鳩が現れた。

 

「てめえなんかに用はねえ」

 

ショウは迷いもなく斑鳩にカードを投げた。しかし、カードは綺麗に一枚を二枚にスライスされて勢いがなくなった。それどころかショウが気づかぬ間に胸が×印に斬られていて、ショウは倒れてしまった。そして、ショウの胸ポケットからエルザのカードが飛び出した。それを見た斑鳩はカードを斬った。すると、特別なプロテクトをかけているはずのカードの空間を超えて斬った。そして、連続でそれを繰り返していると、エルザはカードにできた隙間から出てきた。

 

「貴様のおかげで空間に歪みができた。それを利用して出てきた」

「そうでっか。でもな、全部見切れてはいまへんな」

 

斑鳩が自信満々に一旦瞬間エルザの鎧が砕けた。それを見たエルザは斑鳩を強敵として認識し目つきが鋭くなった。そして、二人は激突した。エルザは換装し攻撃をしたが斑鳩の凄まじい斬撃でほとんどの鎧が破壊されてしまった。そして、エルザはある決断を下す。

すると、エルザは何の魔力を帯びないただの服と一本の刀に換装した。

 

「あれだけの剣技を見せられてそんなんするなんて舐めたはりますな」

「舐めてなどいない。この一撃に全てを込める‼︎」

 

二人は同時に走り出し、すれ違いざまにそれぞれ斬った。そして、エルザは肩に負荷がかかったが斑鳩はもっと斬られていて気絶した。

 

そして、三羽鴉は全滅した。

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