星に導かれる妖精   作:鳥王族

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今回で楽園の塔編は終了です


第3話

斑鳩により傷を負ったジークフリートは目を覚ました。そして、状況を確認するため空を見ると頭上に巨大な魔法陣が描かれていた。

 

「まさか、エーテリオン!やばい!」

 

ジークフリートは魔力を最大限利用し高速に移動を始めた。だが、時すでに遅く塔全体が光に包まれ強大な魔力が塔に降り注いだ。

 

 

 

 

 

しかし、生きている感覚があり光が収まり周りを見渡すとそこには塔の石造りの塔の姿はなく巨大な魔水晶(ラクリマ)が現れた。

 

魔水晶(ラクリマ)、エーテリオン、ジークレイン、Rシステム、27億イデア…」

 

ジークは今までを振り返りワードを次々に口にする。そして、一つの結論にたどり着いた。

 

「まさか、吸収したというのかエーテリオンの魔力を!?ということは後必要なのは生贄。エルザが危ない!」

 

再度魔力を使用し最高速度で上を目指した。

そして、最上フロアにたどり着くとそこには倒れているエルザとナツの姿を見つけた。

 

「ナツ!、エルザ!」

「ジーク…なんで来たんだ」

「エルザが戦ってるのに逃げられるかよ!」

「ナツを連れて逃げろ」

「出来るか!俺はここでジェラールを倒す」

 

二人に駆け寄ると息をしているのがわかり一瞬安心をするとジェラールを睨んだ。

 

「遅かったな。ジーク」

「来させる気なかったくせによく言う。クソ兄貴。やはりジークレインはお前の思念体か」

「そうだ。記憶が曖昧になりジークレインの存在を忘れている。なんて嘘よく信じたな」

「確信が持てなかった。それほど俺はここでゼレフ教やお前にひどい目にあった。それと、もし本当なら優しい兄がいたらいいと思う俺の甘さが招いた。だが、もう迷わない。お前を今、ここで殺す!」

「やってみろ。だが、俺は知っているのだぞ。評議員のヤジマの協力によりライトという偽名と変身魔法を使い魔法学校で天才と呼ばれていたことを。そして、お前の使う魔法も!お前は俺に触れることも出来ん!流星(ミーティア)!」

 

ジェラールは天体魔法の流星を利用し高速でジークの周りを動き始めた。

 

「残念ながら魔法学校時代とは違う魔法を使えるようになってな、星神の流星(ミーティア)!」

 

ジークもジェラールと同様に光を纏い同程度のスピードで動き出した。ただ、違うことはジェラールの光が黄色なのに対してジークの光は黒い。

 

「天体魔法だと!?」

「お前みたいなチンケな魔法と一緒にするな!」

 

二人は高速で動きながら互いにぶつかり合い攻撃を加えていた。しかし、ジェラールの方が体格がよく空中で叩きつけられジークフリートは床に叩きつけられた。

 

「何がチンケな魔法だ。お前と違い俺はただ動いていたわけではない!これを書いていたのだ!」

 

ジェラールが叫ぶとジークの頭上に北斗七星の魔法陣が描かれた。

 

七星剣(グランシャリオ)!」

 

圧倒的な魔力の七つの光線がジークを襲いかかった。直撃すれば致命傷どころではない威力の魔法に避けるかジークはそのまま立ち上がった。

 

「…待っていた。この時をお前が大技で俺を仕留めようとする時を!」

「…何!?」

 

魔法がジークに直撃しようとしたその時ジークはこれでもかというほど口を開けて魔法を食べ始めた。

 

「魔法を食うだと!まさか…貴様、滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)か!?」

「滅竜魔法?違うな。失われた魔法(ロスト・マジック)、滅神魔法。天体の滅神魔導士(ゴッドスレイヤー)だ!」

「滅神魔法だと!」

「神の裁きを受けるがいい!星神の怒号!」

 

黒い光のブレスがジェラールに襲いかかった。ジークの魔法に驚愕したジェラールは防御が出来ず直撃し倒れ床に叩きつけられた。

 

「はあ、はあ、くそ!滅神魔法とは…」

「終わりだ。あんたの攻撃は俺には通用しない。とっとと降伏しろ」

「はははは、はははは!」

「何がおかしい!?」

「実の弟だ。殺さず気絶で済ましてやろうと思ったが気が変わった。殺してやる!」

「負け惜しみは…うっ!ぐは!」

 

ジークは急に心臓が締め付けられるような痛みが走り血を吐き倒れた。そして、身体中に鎖のようなボディペイントがジークを縛るように広がってきた。

 

「何をした?」

「いつか脅威なるかもしれんお前をただで逃したと思うか?いつでも殺せるようにお前がここから逃げ出す前つもり8年前から仕込んでいた。身体を拘束し地道に魔力と体力を奪い終いには死に至る」

「く…そ…」

 

ジークは抵抗しようと試みたがついに倒れてしまった。

 

「はあ、はあ、二人も邪魔が入って塔も傷ついたがこれでいい。やっとゼレフに会える」

「ジェラール、貴様!実の弟まで殺すのか!」

「弟など関係ない。ゼレフ復活が第一」

 

ジェラールがエルザに近づきエルザを立たせようとエルザの腕を掴んだのと同時にジェラールの腕を誰かが掴んだ。ジェラールはその人物を確認しようと横を向いた時炎を纏った拳に顔面を殴られ飛んで行った。

 

「ナツ・ドラグニル。まだ動けたのか」

「エルザは渡さねえぞ」

「貴様らは何度もなんども俺の邪魔をしやがって…天体魔法の塵となれ!」

 

ジェラールが魔力を溜めだす。すると光源が逆になり始めた。

 

「気持ちわりい」

「この魔法は…」

「無限の闇に落ちろォォォォ!」

 

すると、エルザがジェラールの前に立ちはだかった。

 

「ゼレフ復活には私の身体が必要なのだろう!」

「ああ、聖十大魔道クラスの肉体が必要なのだが今となってはもう必要ない」

「エルザ!」

「大丈夫だ。私がお前を必ず守る」

 

ジークは力を振り絞り立ち上がろうと試みるが全然立ち上がれない。

 

(くそ!あれは天体魔法。二人が攻撃くらう以前に俺が食いきれば…だから、だから動け!俺の体!)

 

願いとは裏腹にどんどん体力と魔力が抜けていき倒れてしまった。

 

(ちくしょー、何にもできないのかよ!)

 

「終わりだ!天体魔法 暗黒の楽園(アルテアリス)!」

 

ついにジェラールの魔法は放たれた。黒球の魔法はエルザたちに向かって直進しそして、大爆発を起こした!

 

「エルザー!」

「エルザ!」

 

魔法に直撃したであろうエルザを心配し叫ぶナツとジーク。そして、煙が晴れてエルザの姿が見えたが無事だった。しかし、その真ん前に大きく手を広げボロボロな姿のシモンがいた。

そして、力が尽きシモンは倒れ込んだ。

 

「まだ、うろうろしてやがったのか虫ケラが」

「シモン!」

「ずっと、お前の…ゴホ、役に…ガハ、たちたいと思っていた」

「わかった!もう喋るな!」

「お前は優しくて…だい…」

 

シモンは生き絶え、身体がガクと倒れた。

 

「イヤァァァ!」

 

シモンの死に絶叫するエルザ。対象的にジェラールはシモンをバカにし大口を開けて笑っている。

 

「黙れ!」

 

ナツが立ち上がり右手でジェラールを殴り飛ばした。今まで以上の拳にジェラールは血を吐いた。

態勢を立て直しジェラールはナツを見てみるとその左手にはエーテリオンを取り込んだ魔水晶(ラクリマ)を持ち食べているナツの姿がいた。

 

しかし、複数の属性が混ざるエーテリオンの魔力に身体が拒絶をし苦しみだす。

 

(炎の代わりに大量の魔法を食べればパワーアップすると思ったか。その短絡的な考えが自滅を招く)

 

一瞬、驚いたが脅威がないとジェラールは思ったのも束の間ナツはエーテリオンを取り込み自らの力へ変換した。

 

「何!」

 

床を蹴り一瞬にしてジェラールとの距離を詰め殴る。その拳は先ほどよりも速く、そして強く。ジェラールは血を吐く。危機を感じたジェラールは「流星(ミーティア)」で距離をとる。このスピードにはついてこれまい。そう考えての行動だったがナツは再度床を蹴るとそれに難なく追いつきジェラールの胸に頭突きをする。

 

(くそ、エーテリオンを食って力にするか。ナツ(滅竜魔導士)が出来て(滅神魔導し)に出来ないわけがない!)

 

ジークも勢いよくその場の魔水晶のかけらを口にする。

 

「ごはっ!」

 

心とは別に体がエーテリオンを拒絶し吐くジーク。だが、それをさらに気力で押さえ込みかじりつく。すると、ジークは魔力の高まりを感じた。

 

(イケる!)

 

そして、ジェラールの方を向くとジェラールは煉獄砕破(アビスブレイク)の魔法陣を書いていた。

 

「塔ごとお前たちを消滅させてやる。また、8年。いや、今度は5年で完成してみせる。待っていろゼレフ」

 

(やらせるか!)

 

ジークは立ち上がり渾身のブレスを吐き出した。そして、それは煉獄砕破(アビスブレイク)発動の直前にジェラールに当たりジェラールは体勢を崩し発動を阻止した。

 

そして動きの止まったジェラールに今度はナツが殴りジェラールの体は塔の床を貫通し気絶した。

 

(私の(俺の)…8年間の戦いが終わった)

 

戦いが終わり安心するジークたちであったが一箇所に集めていたエーテリオンの強大な魔力が暴走を始めた。

 

「早く脱出せねば」

 

エルザは立ち上がり力を使い果たしたナツを支え歩き出した。ジークは自力で歩きジェラールの元へと歩き出した。

 

「ジーク何処へ行くんだ!?」

「エルザはナツを連れて先に出てくれ、俺はジェラールを…兄さんの所へ行く。殺すつもりでいたのに放っておけば死ぬとわかると見捨てられないらしい。やっぱり、兄弟だから。それに罪を償わずに死ぬなんて許さねえ、だから先に行ってくれ必ず追いつく」

「わかった。必ずだぞ」

「ああ」

 

エルザはまた歩き始めた。そして、ジークはジェラールの所までたどり着くとエルザがいないことを確認した。

 

(エルザ、ごめん。このままじゃ全滅だ。…俺がこの魔水晶と一体化してこの暴走を止める)

 

ジークは覚悟を決め魔水晶(ラクリマ)に手を置いた瞬間体は吸い込まれ始めた。

 

(よし、これならいける)

 

ジークがそう思った時視線を感じた。何かと思い確認するとジェラールが目を覚まし立ち上がっていた。だがジェラールの目は先ほどの野心に満ち溢れた目をしておらずどこか虚ろだった。

 

「兄さん!?」

「評議員を騙しお前やエルザたちの自由を奪い、シモンを殺してまでして得たかった理想は崩れた。もうおしまいだ」

「そうだな。…じゃあ兄さんここで黙って死ぬのを待つなら最初で最後の俺のワガママを兄貴らしく聞いてくれよ」

「…いいぞ。お前は何がしたい?」

「共に…罪を償おう」

「…そうか」

 

ジェラールも魔水晶(ラクリマ)に手を置くと二人は吸い込まれた。するとエーテリオンは大きな魔力を放出し出した。しかし、ジェラールとジークの力によりそれは上空へと放出され爆発よる被害が起こらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事件から一週間後、ジークとジェラールは帰って来ずナツたちはギルドに戻り今回の事件について話しジークは死亡扱いとなった。

そんなジークに対し評議員は命をかけてエーテリオンによる被害を抑えた功績や魔法学校を最高成績で卒業した実績などからジークレインつまりジェラールによって抜けた聖十大魔道の称号を永久的に与えることを決定したのだった。

 

 

 

だが…彼らは思いもよらない再開を果たす。

 

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