もう一人の劣等生   作:@マークマン

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吸血鬼

今俺の前には、一人の吸血鬼がいる。

と言っても実は可愛い吸血鬼のコスチュームを着た深雪なのだが。

「深雪、一体どうしたんだ?」

『いえ最近、リーナがお兄様に猛アタックしているのを見ていて、負けていられないと思いまして』

こんなところでも、ライバル意識むき出しだ。

「そうか、まあ可愛いから別に良いのだが」

『そんな、可愛いだなんて』

深雪がクネクネと身を捩っている。

「それで、吸血鬼について達也は何か言っていたか?」

『ええ、お兄様は魔法師のしわざかもしれないと、そう言ってました』

「魔法師のしわざかー、一体何の為に体中の血を抜く必要があるんだろうか、何かの実験なのか?」

『私には、分かりかねます』

「そうか、また何か分かったら教えてくれ」

『はい』

 

 

*****

 

ある日の朝の事だった、エリカから連絡が来た。

「ああ・・えっ、レオが・・ああ、そうか、後で向かうよ・・ああ、また後でな」

エリカによると、レオが吸血鬼に襲われて入院したと言う事だった。

エリカの兄さんの手伝いをしていたらしい、ちなみにエリカの兄さんは警察官だ。

なんにせよ放課後に見舞いに行く事にした。

学校で達也達とも相談して、一緒に見舞いに行く事にした。

 

 

*****

 

放課後 病院

 

達也達と病院にやってきた、レオの病室の前まで移動するとエリカが待っていた、ノックをして病室に入る。

すると、若い女性がいた、エリカがレオのお姉さんだと教えてくれた。

全員で挨拶をした。

「災難だったな、大丈夫か?」

『ああ、なんとかな』

『怪我は無いみたいだが、どこをやられたんだ』達也が聞く

『それが分からないんだ、ただ突然体の力が抜けて立っていられなくなった』

『よく助かったな』

『ああ、ただでやられた訳じゃ無いからな、一応は反撃したからな』

「なんにせよ無事で良かったよ」

『ああ、サンキュー』

今日の、エリカはやけに大人しい終始無言だ、責任を感じているのだろうか?

「おい、エリカ元気無いな、どうしたんだ」軽い調子で尋ねる。

『別に、何でもないわよ、私だって大人しい時だってあるんだから』

「ああ、なんかすまん」

『気にしないわ』

「ああ」

やべ、失敗した~、空気が少し重くなったみたいだ。

俺は、みんなが話すのを大人しく聞いておくことにした。

達也がレオに詳しく話を聞いている。

俺は、ぼんやりと吸血鬼のことについて考えて見たが、全然考えがまとまらない、逆に先日の深雪の吸血鬼コスチュームが浮かんできて困った、本当に可愛かったな。

あまり話し込んでも迷惑なので退散する事にした。

 

 


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