落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚〘本編完結〙   作:どこかの超電磁砲

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今回は一輝があの子と出会う?そして後半から
桐原君との試合っす。


第十四幕「剣使いの少女と試合」

 

―僕は孤独だった。入学して既に僕の噂は

生徒達に広まっていた。能力不足につき

危険だというレッテルを貼られて、僕は

どんどん孤立していった。

 

僕を排除しようとする理事長達で空気に

呑まれ誰も寄り付こうとはしない。

 

挫けそうで、途中までは苦しかった・・・けど

 

『お前黒鉄って言うんだろ?』

 

『・・・君は?』

 

『ん?俺は綾崎翔真って言うんだ!多分

俺達の両親が知り合いだと思うけど、面と

向かって喋るのは初めてだからさ』

 

僕と同じ境遇に置かれても決して挫けない

翔真。一人ぼっちだった僕にとって初めて

出来た友達。

 

『いつか見返してやろうぜ。Fランクの

騎士が強いって事をな!』

 

『ああ!』

 

何時までも逃げてちゃいけない――桐原君との

試合・・・戦わなきゃ・・・

 

 

――――

 

 

一輝が静矢と戦う日。遂にこの日が来たのだと

実感する一輝は受付を済ます為会場を目指していた。

 

「・・・・・・」

 

過去に受けた静矢による陰湿な攻撃が

フラッシュバックする。やはり自分は彼と

戦う事を恐れているのだと自覚してしまう。

 

「(勝てるのか・・・僕は)」

 

その事を考えながら歩く一輝。下に俯いたまま

歩いている彼の前方に一人の女子生徒がこちらに

向かい走っていた。

 

「はぁ、はぁ・・・キャッ!」

 

「おわ!?」

 

とっさにぶつかる。尻餅をついた一輝と

女子生徒。先に立ち上がった一輝は手を

差し伸べる。

 

「ご、ゴメンね!考え事してて前を見てなくて」

 

「・・・あわわ」

 

突然話し掛けられ困惑する少女。

 

「こ、こここちらこそすいません!

お怪我はありませんか!?その・・・」

 

「えっと・・・僕は大丈夫だよ。ただ

君は怪我してない?」

 

「わ、私は・・・なんとも」

 

「良かった。なら僕は行くね」

 

時刻が迫る中、一輝は走り去る。

 

「・・・素敵なお方・・・」

 

『おーまゆっち!顔が赤いぜ!』

 

「ままま松風!何を言って!こここれには

訳があって、なんて言うか!」

 

少女―――『黛 由紀江』は一輝の

顔を思いだし、再び顔を赤くした。

 

 

場所は変わり、選手控え室。そこには

翔真――ではなく明日菜がいた。

 

「頑張ってね一輝君。あと・・・はいこれ」

 

「?・・・これは」

 

「ステラちゃんお手製のミサンガだよ。

それはお守りだよ」

 

「そっか・・・ステラ」

 

彼女のぬくもりが伝わる。そんな気がした。

一輝は精神を集中させる。気を落ち着かせて

立ち上がる。

 

「じゃあ私達応援してるね!」

 

「ありがとう明日菜さん・・・ステラ・・・」

 

ステラのミサンガを握りしめて、いざ試合に

挑む。会場へ行くと生徒の喝采が響く。

 

一輝が出て来たと同時にマイク放送が開始される。

 

『さあ次の試合ですが、かつてない盛り上がり!

やはり注目度が高いのかァァ!?』

 

生徒の喝采が響く最中、マイク放送は続く。

 

『選手を紹介しましょう!二年桐原静矢選手!

彼は昨年の七星剣武祭に出場を果たしています!

そんな彼に対するはFランク騎士!しかしただの

Fランク騎士じゃない!Aランク騎士に模擬戦で

勝利を収めています!』

 

『これは見物だね~・・・さて、どうなるやら』

 

 

実況席に座る西京寧音のコメントが終わり

一旦静まり返る会場。一輝と静矢は互いに

黙ったまま。

 

「本当に出てくるなんてね・・・黒鉄君。

今でもまだ間に合う。辞退したらどうだい?

負けて無様な姿を晒したくはないだろう?」

 

「そんな事しないよ。僕は・・・戦うよ」

 

その言葉を聞くと、静矢はニヤリと笑う。

 

「結構・・・なら、遠慮なく殺らせてもらうよ」

 

「ッ!」

 

発言を機に二人は固有霊装を展開する。

 

「さあ、狩りの時間だ《朧月》」

 

「来てくれ《陰鉄》」

 

『それでは!試合開始です!』

 

 

試合開始の合図が鳴る。一輝は構えたまま

動かない。

 

「来ないのかい?なら僕からいくよ」

 

そう言うと静矢は伐刃絶技を発動する。

狩人の森―エリア・インビジブルーが

発動され、静矢の姿が消える。

 

「ッ!」

 

矢が放たれすかさず斬り落とす。そして

静矢の姿を見つけると走り出し力一杯に

陰鉄を振るう。

 

「セェアッ!」

 

「よっと」

 

一輝の一振りを交わした静矢。余裕な表情を

見せながら口を開く。

 

「こっちの位置まで見切ってくるとは

大した集中力だよ黒鉄君」

 

「・・・・」

 

「おーおー怖い目だ。君は僕に勝つつもりで

いるのかな?」

 

「そうでなければ、ここには来ないよ」

 

「フハハハ!なるほど・・・確かに黒鉄君の

剣の腕は大したもんだ」

 

静矢は姿を消しつつ話を続ける。

 

「でも、そんな小手指が通用するのは

無能力者のグズ共だけさ。伐刃者の戦いは

能力が全てなんだよ!」

 

姿を現し朧月を構える。

 

「なのに、君といい綾崎君といいFランクの

分際で身の程を弁えもしない・・・実に不愉快だよ」

 

 

 

 

矢が放たれ、一輝に再び向かう――。

 

 

 

 

 

 

 

 

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