落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚〘本編完結〙   作:どこかの超電磁砲

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私には分からない―――何故兄さんはFランク
だと言われながらも何故前に突き進むのか。

私・・・綾崎愛理は幼い頃からお母様や
お父様に伐刀者に関する教育を教えられた。
『この世の全ては、高ランクで決まるのだ』
『強者が全てを制する』・・・私は期待に答える為に
様々な技を覚えて、学んで、全ては家の為に
生きて来た。

Fランクは何も出来ない・・・そう思う。なのに
何故兄さんは・・・そう笑顔で生きてられるの?


私は・・・




第十七幕「戦慄の綾崎兄妹 後編」

 

 

「はああァァァァ!!」

 

愛理の放った斬撃を食い止め、打ち消す翔真。

しかし反動により手から血が滲み出ていた。

 

「(これが高ランク低ランクの違いって訳か・・・

それにしても・・・)」

 

暴言吐いていようと、いくら見下されようと

自分の妹に違いはない。ここまで強くなり

自分にダメージを与えられるまでに成長した

愛理に、内心何処か安心していた。

 

「愛理・・・お前は強い・・・けどな」

 

瞬時に加速。そして天鎖斬月の刃が迫る。

 

「見下して、人をバカにするようじゃ・・・

強くなれないぞ」

 

「ッ!」

 

迫る刃を追い払い、愛理は再び氷の斬撃を放つ。

繰り広げられる攻防に生徒達は熱狂する。

 

「愛理・・・次第に焦りが見え始めてますね」

 

「え・・・?」

 

珠雫の言葉に明日菜が反応する。すると

シャルロットが口を開く。

 

「恐らく、翔真の力を誤解してた可能性があるね。

Fじゃ何も出来ないからって油断してたんだろう

けど、翔真はそんな簡単にやられないよ」

 

「シャルロットさんの言う通り、愛理は

防御しながら得意の遠距離攻撃を行うのが

得意です・・・ですが、お兄様と同じく近接戦闘を

得意とする翔真さんでは、既に勝負は決まってます」

 

「でも・・・あの子の力は相当な物だよ?もし

翔真君の身に何かあったら・・・」

 

過去の事を思い出し、明日菜は身体を震わせる。

だがシャルロットが彼女の手を取る。

 

「大丈夫だよ明日菜。今は翔真を信じようよ。

ボク達の好きな人だもん・・・負けないように

今は祈ろうよ」

 

「そうだね・・・翔真君・・・」

 

シャルロットと明日菜は胸の前で手を組み

翔真が勝つ事を祈る。側で見ているアリスは

ニヤニヤしながら翔真の戦闘を見ている。

 

「(さて、そろそろお遊びはおしまいかしら)」

 

―――

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」

 

「もう終わりか?大した事ないな・・・

綾崎家期待の星なんだろ?俺に偉そうな

口を利いておいてそれか?」

 

「ッ!黙れッ!」

 

袖白雪を振るい、次の舞い・白漣で

翔真に攻撃する。氷の破片が幾つも散らばる中

愛理は巧みにミサイルのように操り発射する。

 

「貴方は何なんですか!いくら、見下されても

私が何を言っても挫折しようとしない貴方はァァ!」

 

「ごちゃごちゃと・・・うるせえな」

 

振るいながら次々と氷の破片を破壊してゆく。

だが、愛理の攻撃はまだ続く。

 

「なにも背負っていない貴方に!

私は負けないッ!綾崎家の誇りにかけて!」

 

「誇り・・・か」

 

何度も聞き慣れた言葉。愛理の言葉に苛立ちを

覚えながらも翔真は全ての攻撃を防ぎ切る。

 

「愛理・・・お前さっき、俺には背負うもんが

ないって言ったな?俺にもあるんだよ・・・

背負う物がさ・・・ッ!」

 

一気に気を高め、翔真の周りに風が集まる。

 

「俺は、この学園に入る前色んな所を

旅してきた。それで見たんだよ・・・俺や

一輝と同じように、Fランクで苦しむ奴らを」

 

「・・・ッ!」

 

次第に歩み始める。愛理は警戒しながら翔真の

言葉に耳を傾ける。

 

「Fランクで居場所を失った奴もいれば

挫折して、伐刀者の夢を諦めた者を・・・

俺はこの目でハッキリ見た」

 

旅をして分かった事。自分や一輝と同じように

自身の魔力値により全てを失ったものを・・・そして

翔真はこの惨状を見てある夢を立てた。

 

「背負うもの・・・それは・・・同志達の誇りだッ!!」

 

「(同志達・・・)」

 

「俺はいつか世界に示してやるんだよ・・・

Fランクでも、最強の伐刀者になれるんだって!」

 

それが翔真の夢だ。低ランクでも最強の

伐刀者になれるんだと、夢を与えたい。

だから歩み続ける――伐刀者として。

 

「む、無理に決まってますッ!貴方は

何も分かっていないッ!」

 

愛理は氷の柱を砕き、再び放つ。

九つの氷の弾丸が迫る。

 

「分かってないのはお前だァァァァァァ!!!!」

 

叫びと同時に走り出す―――そして

 

「飛天御剣流・・・九・頭・龍・閃ッ!」

 

九つの弾丸を九つの斬撃で打ち消す。

そこからラストスパートに走る。

 

「一歩音超え、ニ歩無間、三歩絶刀ッ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――無明三段突きッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え・・・・・・」

 

「愛理・・・魔力値が全てじゃない。それを

忘れるな・・・」

 

 

一瞬の事で愛理は何が起きたのか分からない。

ただ、分かるのは自分の制服に血が滲み

次第に意識を失い掛けてる事だけ。

 

「俺の・・・勝ちだ」

 

その言葉の通り、勝負は翔真が勝ったのだった。

 

 

 





次回は和解です!あ、ちなみに拒絶ルートも
オマケで書くのでお楽しみに!
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