落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚〘本編完結〙   作:どこかの超電磁砲

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第三十幕「刃鳴散らす Ⅰ」

 

 

絢瀬はあの事件以降、一輝達のもとに姿を現すことはなかった。更に

一輝の次の対戦相手がまさかの絢瀬だった。翔真や朱乃から彼女の真意を

聞いた一輝は迫る時間の中である決意を固めた。一方で、翔真は当分の間

部屋で安静にするようにと、黒乃から言われていた。出血多量の影響で

貧血の症状がある為である。明日菜、シャルロット、朱乃に看病されながら

翔真は部屋で静かにしていた。だが・・・・・・

 

 

「甘いな明日菜ッ!俺は手札から魔法カード、ダークフュージョン発動!

手札のフェザーマン、バーストレディを融合する!現れろ!」

 

「ま、まさか!?」

 

「その通り!E-HERO、インフェルノウイング召喚ッ!更に手札から

魔法カード融合発動!場のスパークマン、ネクロダークマンを融合する。

現れろ!E・HERO ダークブライトマンッ!」

 

「あらあら」

 

「明日菜がピンチだね」

 

 

今から友人が試合に出るというのに、呑気に遊◯王をしていた。翔真は

HEROデッキを駆使して明日菜を追い詰める。一方の明日菜はD・HEROデッキで

対抗していたが、一気に強力なモンスターを召喚された為窮地に陥る。朱乃や

シャルロットは遊◯王は知らない為、観戦している。

 

「うぅ~・・・翔真君強すぎだよ~」

 

「ゲームも試合も全力で行くのが俺だぜ?さて・・・」

 

攻撃宣言をしようとした時、脳裏に絢瀬の顔が過る。

 

「(一輝の奴・・・大丈夫なのか?。警告はしといたが・・・)

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

既に盛り上がる試合会場。生徒達の間では一輝は今注目株として人気が

急上昇していた。客席には珠雫やアリスにステラ。今回は兄達の代行として

愛理・麻衣姉妹が来ていた。珍しいメンツである。翔真の代行として愛理は

来たが、同時に勉強を兼ねている。手元にはペンとメモ用紙がある。

 

「珍しいですね。まさか貴女が来るなんて。麻衣は分かりますが」

 

「今回は兄の代行で来ただけです。それに今回は貴方のお兄さんの

実力をこの目で見る為にわざわざ眠いのを我慢して来てあげたのです」

 

「随分と偉い口の利き方ですね愛理?あとで裏に来てください。

その口、私が封じてあげますよ・・・永遠に」

 

「やれるものなら、やってみてくださいよ」

 

「こら二人共~?喧嘩はダメよ」

 

「お、お姉ちゃん、珠雫・・・アリスさんの言うとおりだよ」

 

「(なんだかんだで、似てるわね)」

 

喧嘩に発展しそうな勢いにアリスと麻衣は止めに入る。呆れながらも

ステラは珠雫と愛理の二人に、思わず笑みを溢す。しばらくすると

一輝と絢瀬が会場へと入って来た。歓声が上がる中で一輝の表情は

とてもつもなく、真剣な表情である。それは絢瀬も同じだ。

 

「(怖い顔だ。それはそうだよ・・・ボクが綾崎君にあんな事すれば・・・

それに、本来の目的すらもバレてるだろうしね・・・)」

 

今回は翔真が居たからどうにか出来た。それは絢瀬にとって誤算に過ぎない。

事前に試合の対戦相手が一輝であると知った彼女は、一輝に妨害行為をしようと

準備していたが、翔真の介入で未遂に終わる。作戦が未遂に終わった以上は

全力で挑むしかない。一足先に絢瀬は《緋爪》を展開する。一輝も《陰鉄》を

展開して構える。試合開始の掛け声と共に、一輝が動いた。

 

「(かかった)」

 

「・・・!?ぐっあああ!!!」

 

試合実況を務めるアナウンスや観客席の生徒達は何が起きたか分からず

騒然とする。次から次へ、一輝の腕や太ももに風の斬撃が直撃する。それは

翔真の時と似ていた。絢瀬の固有霊装《緋爪》には厄介な能力がある。

緋爪による刀傷を自在に開く力。ひとたび相手に、追わせた傷を自由自在に

開くことでどんな小さな傷でも重傷化させることが出来る。更に彼女が持つ

伐刀絶技《風の爪痕》を用いれば相手に大ダメージを与えることが出来る。

 

 

しかし一輝は怪我をしていない状態だった。絢瀬は先に《風の爪痕》で

彼に斬り傷をつけて、緋爪の刀傷を開く力でダメージを与えた。翔真すら

あんな状態にした剣撃は一輝を追い詰めてゆく。交わしきれない攻撃に

膝をつく一輝。息を整えながら彼女を見る。

 

「(翔真の言っていたことが本当なら・・・)」

 

 

陰鉄を再び構えて、走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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