落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚〘本編完結〙   作:どこかの超電磁砲

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第三十三幕「天剣対二刀流飛天使い 後編」

 

 

明日菜達が見守る中、翔真は翼との斬り合いに発展していた。

翼は目に見えない神速で翔真を翻弄してゆく。容赦なく降りかかる

刀を二刀の天鎖斬月で交わす翔真も、神速で翼に挑む。

 

「もっと本気を・・・出してくださいよ先輩」

 

「・・・・・・」

 

「それとも、大切な人を傷つければ本気出します?」

 

翼は挑発的な笑みで明日菜達の方に、技を放とうとした・・・だが

そんなことさせまいと翔真は翼のみぞおちに一撃入れる。唾液を

吐き出す翼に構わず、翔真は殺気を放ち近づいてゆく。

 

「(なんだ・・・!?この速さは!)」

 

「明日菜達に手を出したら・・・・・・命は無いと思え」

 

「ッ!?」

 

警告すると同時に『双龍閃・雷』を食らわせる。左手に持った天鎖斬月で翼を

浮かし、右手に持ったもう一本の斬月で翼を叩き伏せる。一輝、ステラ、明日菜達が

静かに見守る中、翔真はゆっくりと離れる。だが・・・・・・

 

「逃がさないッ!」

 

「ツーくんッ!」

 

「翔真危ない!」

 

「・・・!」

 

縮地による超神速で、翔真の前に回り込む翼は氷輪丸を振るった。しかし既に

先程の双龍閃によるダメージがあり、小猫の心配をよそに翼は翔真を殺しに向かう。

シャルロットの声と同時に、空中へジャンプ。翔真は左手に持った天鎖斬月が

煙となって消えてゆく。時間切れによるもので、コピーした斬月は消滅した。

 

「・・・飛天御剣流・・・龍巻閃・嵐・・・」

 

「なに!?・・・くそッ!」

 

龍巻閃の攻撃を超神速で交わす翼。だがそれはただの陽動に過ぎなかった。

壁を蹴り上げ、スピードを上げた翔真は斬月を構えて突入する。

 

「九・頭・龍・閃ッ!」

 

「・・・ッ!」

 

繰り出される九つの乱撃。容赦ないその乱撃は翼を苦しめる。いくら縮地を

利用していても九つの斬撃『唐竹』『袈裟斬り』『胴』『右斬上』『逆風』

『左斬上』『逆胴』『逆袈裟』『刺突』・・・壱・弐・参・肆・伍・陸・漆・捌・玖

という九つの乱撃から翼は逃げられなかった。一足早ければ交わせたが肋骨や腕に

激痛が走り、一瞬の隙を突かれてしまった翼は地面に倒れ伏せる。

 

「何故だ・・・僕と同じ低いランクなのに・・・どうしてそこまでの技量が・・・」

 

「・・・簡単な話だ。いくら速さがあっても、同じ攻撃パターンを繰り出されたら

反撃の一手くらい思い付くさ。それくらい常識・・・なんだが?」

 

「(なに・・・いつもの翔真君じゃない・・・なんだか・・・怖い)」

 

翔真の目付きは鋭くなり、冷酷な性格へと変わっていた。明日菜は初めて見る

冷酷な一面に恐怖を覚える。蔵人や一輝は静かにこの戦いを見守っている。

 

「くっ・・・僕は負けてない・・・負けてない・・・負けてないんだッ!!」

 

「(アイツ・・・・・・)」

 

何時か失ったはずの怒りという感情が翼の顔に出る。それを見た蔵人は少し

驚く。翼は再び、縮地で姿を消す。あちらこちらから床を蹴り上げる音が

響く中で・・・・・・翔真は目を瞑り、身構える。

 

「(もらった・・・!)」

 

「・・・遅い」

 

「・・・!?」

 

 

攻撃を交わされる。そして迫る翔真は翼に最後の一撃を食らわせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(飛天御剣流奥義・・・天翔龍閃)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・そん・・・な・・・」

 

「加宮・・・1つだけ教えてやる。強さだけを求めても意味はないんだ。

本当に大切なのは・・・・・・優しさと誰かを守りたいという気持ちが大切だ。

低ランクだろうが関係・・・ない・・・だからさ・・・ッ・・・」

 

「・・・翔真君?」

 

「いけませんわッ!翔真君ッ!」

 

気付けば宙を舞っていた。超神速を破り、自分をここまで追い詰めた人物・・・・・

綾崎翔真。蔵人や他の者にはない迷いのない強さを、身で感じた翼はそのまま

床に倒れた。これこそが、翔真が超神速に対応する為に繰り出した渾身の一撃。

飛天御剣流奥義・天翔龍閃は手の振りや腰の捻りの勢いを一切殺さないように

抜刀の後に左足を踏み出し、その踏み込みによって生まれる加速と加重が斬撃を

更に加速させ、神速の抜刀術を「超神速」の域に一撃に昇華する技なのだ。

 

「ツーくんッ!ツーくんッ!」

 

「翔真君ッ!翔真君ッ!」

 

 

翼はそのまま倒れて気を失い、翔真は傷を悪化させてその場に倒れた。

 

 

 

 





すいません。今回はここまで。次回は蔵人と一輝かな。
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