落第騎士の英雄譚 破軍剣客浪漫譚〘本編完結〙   作:どこかの超電磁砲

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第四十四幕「男の意地」

 

 

「飛天御剣流、龍槌閃!」

 

「ぐっ!?」

 

「双龍閃!」

 

「かっ!?」

 

 

静かな屋敷に響く衝突音―――ヒルダとヨルダは翔真の剣撃に圧倒され、手を出せずにいた。翔真は二刀流で二人を追い込み今までとは違い殺しにかかる。

 

 

「お前達に優しい攻撃は伝わらない・・・だから」

 

「「いつの間に!?」」

 

「飛天御剣流、龍巻閃!」

 

 

龍巻閃による攻撃でヒルダとヨルダは互いに壁へ激突する。剣斗との修行により基礎から鍛え直し二人を圧倒出来る力を身に付けていた・・・誰よりも優しく、誰よりも痛みが分かる翔真は本気になっていた。

 

 

「俺はどうだっていい。けど、愛理や麻衣は違うだろ・・・アイツ等には明るい未来がある。二人から未来を奪うなら、俺は誰であろうと斬る・・・」

 

 

翔真は二人にそう告げて去ろうとした―――――しかし、ヒルダは立ち上がりクラレントを構える。

 

 

「何故だ・・・」

 

「・・・・・・」

 

「何故そうまでして他人の為に必死になれる。お前はお前の為に生きれれば!」

 

「・・勘違いすんなよ。俺は愛理や麻衣・・・俺の仲間や女の為に命を張るだけだ」

 

「―――変わらないな、貴方は」

 

「ヒルダ・・・」

 

 

ヒルダはクラレントを構えて翔真に近付きヨルダもまた立ち上がり背後を取る・・・・・・しかし翔真は飛天無限斬を活用した斬撃で二人を再び吹き飛ばし、次々にダメージを与える。

 

 

「(貴方は何時だってそうだ!貴方は!)」

 

 

ヒルダは脳裏で思い出す。両親から酷い仕打ちを受けながらも、己を否定せずに生きてきた翔真を傍らで見てきたヒルダにとって翔真の生き方は憎らしく羨ましくもあった。当主である時雨の命令で教育という名の暴力を振るっても決して幼き翔真はめげなかった。

 

『そんなの・・・間違って・・・るよ・・・』

 

『貴方はまだ分からないのですか。自分が低ランクであることを』

 

『そうかもしれないよ・・・だけど・・・それでも僕は!』

 

「(そんなこともあったな・・・ふっ)」

 

「きゃ!?」

 

「もういいか・・・俺はお前達に用はない。俺は奴と会わなきゃならない・・・綾崎時雨に」

 

「待って・・・待って翔真様!」

 

 

奥の部屋へ向かおうとした時、ヨルダが声をかける・・・

 

 

「貴方は死ぬ気なの!?当主様に逆らえばどうなるか知ってるはずよ!?」

 

「・・・どうなろうが知ったこっちゃねーな。俺は愛理や麻衣にとって邪魔になる存在を倒すだけさ。アイツ・・・いや綾崎家があったら愛理や麻衣は将来必ず苦しむ。その前に俺が消す・・・兄としてやれることをやるだけさ」

 

 

「バカよ・・・死にに行くようなものじゃない!?・・・貴方は貴方の人生を生きればいいのに、そうやって・・・」

 

「ありがとうよヨルダ。けどさ・・・そんな怯えていたら前に進めない・・・お前等もこんな家に縛られてたら未来なんてないぞ?」

 

「未来?あるわけなかろう・・・そいつ等は所詮物なのだから」

 

「「当主様・・・・!?」」

 

「お出ましか。久しぶりですね・・・くそ親父」

 

「久々だな。元気にしていたか・・・低ランク風情が」

 

 

髪をオールバックにして白いスーツに身を包んだ男・・・綾崎時雨は両手に拳銃を構えながら奥の部屋から現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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