影から見守る、ソードアートオンライン 作:karusiumu
時間軸は、八幡が雪ノ下に最後の依頼を受けた後です。ソードアートオンラインの時間軸とは、全然違いますが、ご了承ください。SAOのキャラクター自体は、たくさん出てきます。
季節は冬、俺は、自宅のベットで、雪ノ下雪乃の出した最後の依頼内容について考えていた。
「はぁ…」
もう何度目のため息だろうか、確かに俺は、本物が欲しかった。しかし、突き詰めてしまえばそんなものはないと分っている。それでも、俺は今までしてきたように、一人で策を模索する。
「だめだこりゃ・・・」
この問題は学生である俺の身分からすれば、どうにも手に余る問題で、通常なら俺にどうこうできる問題ではない。
考えても、考えてもいい案が浮かばない。実はもう何通りかの策は考えてあるが、このやり方ではまた、彼女たちをまた悲しませてしまう。だから俺は、考え続け、模索する。
そんな中、俺の部屋の扉がノックされる、
「お兄ちゃん、入るよ~」
俺の許可なしに、入ってくる妹の小町
「もう入ってるじゃねぇか...」
「いいじゃん、で?お兄ちゃんまた悩み事?」
「よくねぇよ...って、なんでわかる!?」
ヤダこの子エスパーなのかしら怖い・・・
俺が怯えていると、小町は俺の転がっているベットのすみに、ちょこんと腰を下ろす。
「悩み事なら小町に話してみてよ、いい案が浮かぶかもよ~」
「うっ…」
どうやら、八方ふさがりになっていることもお見通しらしい。俺は、意を決して小町に、これまでの経緯を話した。
・・・
「ふぅ~ん」
俺の話を聞いた小町は、一人で納得した様子でこちらを見て、黙って部屋を出ていった。かと思えばすぐに俺の部屋に何かを抱えて帰ってくる。
「お兄ちゃん、今の話小町には重すぎて分かんないや。でも、小町はいつでもお兄ちゃんの味方だよ・・・今の小町的にポイント高い!!」
と言いつつ、小町は手に持っていた、バイクのヘルメットのようなものを俺に手渡す。
「なんだこれ?」
俺は、謎のヘルメットに困惑する。
「あぁ、お兄ちゃんアニメとかは見るけど、MMORPGとかしないもんね...」
「いや、多少は齧ったことあるが...」
「ちっ、ちっ、ちっ、甘いんだな~お兄ちゃんは、これはただのMMORPGをする機械じゃないんだよ~」
小町が、自分の指をふり挑発的に言うので、俺もこの手の知識は、少ないが総動員して答えを導き出す。
「あぁ、これあれか?VRの奴か?」
「そう!!」
「これ、どうしたんだ?」
「昨日ね、パパからもらったの!だからそれお兄ちゃんにあげるね!」
「くれるのか?」
「うん、勿論これは貸しにしといてあげる、だから、いい案が出ないときは、これで気分転換してね!」
小町の優しさに不覚にも、感動して涙が出そうになってしまった。俺こんなに涙腺弱かったか?もしかしたら、年取ったのかもしれん…年金はよ…
「な、何ていうか、小町…サンキューな…」
俺は、小町の頭をポンポンと数回撫でると、小町は擽ったそうにしていた。
「じゃ、お兄ちゃん!いい案浮かぶといいね!」
それだけ言うと、小町はウインクした後、俺の部屋を出ていった。なにあれ可愛い…俺も真似しようかな...いや、やめておこう…
俺は、早速気分転換をするために、小町からもらったゲームをすることにした。
・・・
各種設定が終わった後、俺は、ゲームの中に入る為の、魔法の言葉を言う。正直恥ずかしい気がするが、せっかく小町がくれたゲームだ。やらないのは、申し訳ない。
「リンクスタート!!」
魔法の言葉を叫ぶと、俺の視界の先で、自動で言語選択と、ログインIDを入力された。俺は、自分の名前を入力とキャラメイクをした後、吸い込まれるようにして、仮想世界へと入っていく…
眩しい光の中、目を開けるとそこは、大きな町だった。まるでおとぎ話に出てくるような、ファンタジーの世界だ。さすがの俺も、これには興奮せざる追えない。
「すっげぇ…」
俺は、リアルで読んだ、説明書に書いてあった通り、右手をひょいと開き、ウインドウを開く。そこには、入力した名前の通り、hatimannと書いてあった。俺は、親からもらった自分の名前が気にいっているし、自分で言うのもなんだが、八幡なんて変わった名前本名だと、誰も思うまい。故に俺は、このかっこいい名前、hatimannを使わせてもらう。かっこよくないとは言わせない…
俺がウインドウ操作をしていると、俺の横をぬるりと駆けていく、人影があった。俺の鍛えられた観察眼が言ってる。あれは、かなりこのゲームをやりこんでいる奴だと。丁度、戦闘操作が分からなかったんだ、教えてもらうことにしよう。教えてもらうと言っても、話しかけるわけではない。自慢じゃないが、たとえゲームだったとしても、ボッチな俺が積極的に、人に話しかけるなんてありえない。ではどうやって教えてもらうか、答えは、簡単見ることだ。ボッチスキルの熟練度が高い俺は、そうやっていつも現実世界も切り抜けてきた…
先ほどの人影を、追っていると俺と同じ考えの奴がいたのか、そいつに技をレクチャーしてもらうために、話しかけているではないか。すごいな、あいつフランクすぎる、外人かよ...
どうやら奴らは、街を出るらしい。
…
街を出た俺は、広大な大地と、美しい風景に圧倒されながら、遠くで赤髪の無精ひげの男が、黒ずくめのイケメンに、レクチャーされているのを見てソードスキルなるものを学んだ。
俺は、先ほど赤髪の男が、やったようにモーションを溜め、ソードスキルを発動させる。手始めに。イノシシぽいモンスターに、使ってみることにした。
「うおおおおおおおお!!」
日頃のストレスが溜まっていたのだろう、思ったより大きな声が出てしまったが、俺のソードスキルは、イノシシに命中する。イノシシは、エフェクトとなって消えていった。
「ふぅ…」
これ結構ストレス発散になるな…そんなことを考えてると、いつの間にか、無精ひげの男と、黒ずくめのイケメンが此方に拍手をしながら歩み寄ってきた。先ほどの叫び声が聞こえてしまったのだろう…
「コングラテーション!!、やるじゃねぇかお前!お前も初心者か?」
そう言いながら、無精ひげの男が俺の肩をたたいてくる。なに、この気安い感じ…友達かと思っちゃうだろ…、やめろよ...
「君さっきから遠くで見てただろ?」
「なぜ、分かった!?俺のリアルで鍛えられた潜伏スキルを見破るとはなかなかだな…」
「いや、リアルとこの世界のステータスは比例しないから…」
黒ずくめのイケメンが、呆れたように言う。
「言ってくれれば、俺がレクチャ―したのに」
「まぁ、遠くでジロジロ見ていたのは、悪かったと思う。さっき、そこの無精ひげの人が言った通り、俺は、初心者だからな、すまない…」
「いや、全然いいよ、気にしてない…」
「そ、そうか、さ、サンキュな…」
何この人めっちゃいい人なんだけど、逆にそれが怖い・・・
「よかったら、これからでも教えるけど?」
黒ずくめのイケメンが願ってもないことを言ってくるので、此処は素直に善意を受けておこう。人の善意を無下にするほど、俺の性根も腐ってない。
「そ、そうか、よろしく頼む、俺は、ハチマン、お前は?」
「キリトだ、よろしく頼む」
「俺は、クラインよろしくな!」
俺達は、名乗り終えたあと、キリトと名乗る、黒ずくめのイケメンにレクチャーされながら、狩りをしたのであった。
・・・
ひとしきり、狩りを楽しんだ俺たちは、一旦クラインが落ちるということになったので、即席パーティーを解散することになった。
俺も一旦落ちるか…
そう考え、メニューを開きログアウトボタンを探す。しかし、ログアウトボタンは、何処にもなかった。
どうやらクラインも同じ状況らしく、ピザやら、ジンジャーエ―ルやらがどうタラと騒いでいる。
俺は、熟練者であるキリトさんに、ログアウトボタンがないか、聞いてみることにした。なんで、さんづけか?俺は、上の物には徹底して、逆らわない主義なのだ
「キリトさん、ログアウトボタン見つからないんすっけど?」
「キリトでいいって言ったろ…GMにコールしたか?」
「してないけど…クラインはどうだ?」
「いや、したけど繋がんねぇ…」
キリトさんが、おかしいな…と言いつつ、顎に指をあてる。妙に様になっていて、うらやましいまである。
そんな時、遠くから大きな鐘の音がした。低い鐘の音、それは少し不気味にも感じた。
鐘の音と共に、システムアナウンスが告げられる。
俺達は、システムアナウンスに導かれるまま、始まりの街の広間に向かった。
・・・
広間には、すでに大勢のプレイヤーが集まっていた。うわっ、人ゴミ…
俺が、人ごみに酔いそうになっていると、突如空が暗転する。
不気味な空の色に困惑する、人ごみたち。俺も例外ではない。
そして、フードを被った、大きな人影が上空に現れる。
フードを被ったそいつは、茅場明彦と名乗るソードアートオンラインの制作者だった。
茅場からは、このソードアートオンラインが、ログアウト不能のデスゲームになったことが告げられた。脱出するには、ゲームをクリアする必要があるそうだ。
そして茅場からの贈り物、手鏡が渡される。俺は、わけの分からない状況だったが、メニューを開き手鏡を選択した。その瞬間体が輝きだす。光り出したのは俺だけじぁない、周りを見る限り、ほとんどのプレイヤーだろう。
「うわぁ!!」
「うおぉ!!」
「ハチマン!!クライン!!うわぁああ!!」
キリトさんが何か叫んでいるようだが、どうやら少し経つと、光が収まったようだ。そして、手元に残っている鏡を見てみると、驚くことに、仮想世界で作った、俺のアバターとまったく違うものになっていた。気づくと、現実世界の俺の姿になっていたのだ。
「なんじゃこりゃ!」
俺が驚いていると、隣にいたキリトさんに指摘される。
「お前誰だ??」
「いや、お前こそ誰だよ??」
隣にいたのは、キリトさんだったはず、ということは、この黒髪黒目の少年がキリトさんだと!?俺ぜったい年上だと思っていたが、明らかに、年下かタメじゃねぇか、諂って損したぜ…
「お前キリトか??」
無精ひげのツンツン頭の、おっさんが、黒髪黒目の少年に質問する。
「じゃあ、無精ひげのお前が、クラインなのか…ということがこっちが…」
「ハチマンだ…」
「そ、そうか」
なに動揺してんだよ…俺の顔は目が腐っている以外、顔立ちは整っているだろうが!!
俺達が、話している間に茅場明彦は、捨て台詞を吐き、消えていった。
その瞬間、広間は恐怖と困惑にかられ、悲鳴を上げるもの泣き叫ぶもの、同様のあまり口をあけっぱなしもの。多種多様な、プレイヤーがいた。中でも、ネカマプレイしていて、元の姿に戻ったやつは、大変いたたまれないと思う。
俺も人のことを言っていられない、このゲームから抜け出さなければ、戸塚と小町に会えなくなってしまうではないか...それに、雪ノ下との約束もあるし…
混乱の渦の中、俺の隣にいた、キリトが突然走り出した。
「ハチマン!クライン!付いて来い!」
「はぁ?」
「ちょっと待て、キリト!」
俺とクラインは、キリトの後を追う。
キリトは、細い街路時に入ったかと思うと、立ち止まり振り向いた。
「ハチマン、クライン、聞いてくれ」
キリトは、マップを取り出す。
「この始まりの町周辺のモンスターは、すぐに狩りつくされてしまう、だから俺と一緒に次の街に移動して、そこを拠点にしないか?俺は、そこまでの安全な道を知っている」
このソードアートオンラインがデスゲームになったということで、キリトもどこか切羽詰まった様子だ。
「悪い、キリト…俺は前のゲームで知り合った仲間と、落ち合うことになってるんだ。それにあいつらを放ってはおけない…」
「そうか…」
「もし、よかったらお前もどうだ?ついでにハチマンも…」
俺は、ついでかよ...まぁ、誘ってくれるだけありがたいとは思うが…
「いや…それは…」
「俺もパスかな...」
「そうか、無理に誘って悪かったな…キリト、ハチマンありがとよ!!」
クラインはそう言って、少し悲しそうな顔で、広場の方に戻っていった、かと思うと振り返る。
「キリト!お前、案外かわいい顔してるんだな!前の顔より俺は好みだぜ!」
「…お前の野武士ズラも嫌いじゃないぜ!」
「ハチマン!何ていうか、その目…うん…いんや、やっぱり何でもない!!」
「おい!!」
そうして、クラインは俺に失礼極まりないことを言って、広間のほうに消えていった。たぶん奴なりの、何処か寂しそうなキリトへの、励ましだろう。だから俺は、今回は許してやることにする。
「で?お前はどうする?ハチマン?」
キリトが俺に聞いてきた。
「そうだな…」
俺は、考える。こいつは、どうやらベータテスターとやらで、狩りをしているときの会話で、8階層までの道のりまで知っていると言っていた。人を利用するようであれだが、俺は、早くこのゲームをクリアして、小町と戸塚に会いたかったいのだ。ついでに、雪ノ下の依頼のこともある、、、だから今は、なり振り構ってられない・・・
「キリト、恥を忍んで頼む…俺と…俺と一緒に行ってくれ!」
「あぁ、もちろんだ!」
キリトは、どこか嬉しそうな表情をして、俺と握手を交わしあった。
初めての二次創作