思い付きのネタ集   作:とちおとめ

43 / 45
原作:催眠性指導

厳密には寝取られものではないと思いますけど、好きなヒロインなので書いてみました。
既にいくつかありますけど、こんな風に寝取られではない作品との話も書いてよろしいでしょうか笑


倉敷玲奈の場合

 俺には幼馴染が居る。

 見た目は凄く派手な……そうだな、ギャルと言ってもいいだろう。スタイルは抜群で胸はとても大きく尻もデカイ。こう言うと変態みたいに聞こえるかもしれないが、その幼馴染とヤることは既にヤッているので今更だろう。

 まだお互いに小さな頃、それこそ性別なんて全く気にしなかったガキの頃から一緒だった。俺は常にあの子の傍に居て、その逆もしかりだった。

 彼女はギャルのような見た目だが勉強は出来て、しかも母親が大企業の社長みたいなもので物凄い金持ちの家なのだ。

 

「凄く気後れしそうになるけど……凄い気に入られてるんだよなありがたいことに」

 

 親子揃って高飛車に見えるものの、俺に対しては二人揃ってとても甘いのだ。娘とは付き合っていて恋人同士、母親は本当の息子のように可愛がってくれるのだから。

 

「……って、何俺はボーッとしてんだ!」

 

 柄にもなく過去のことを思い浮かべていたら待ち合わせの時間に遅れそうになっていることに気づく。彼女はあまり怒らないだろうけど、その分人目を憚らずにスキンシップしてくるから周りの目が怖いんだよ本当に。

 俺は急いでベッドから降りて支度を始め、家から出てダッシュで待ち合わせ場所に向かう。そこそこ息が上がってきたところで目的地が見えてきた。

 

「……いた」

 

 待ち合わせ場所に彼女は居た。

 上着を腰に巻くスタイルは相変わらず、キッチリとシャツのボタンを留めては居るがその胸元はとても窮屈そうで、短いスカートから覗く足は通り過ぎる男の視線を集める。そんな彼女こそ俺の大切な恋人である倉敷玲奈である。

 

「……あ! 隆久!!」

 

 鋭かった視線を一気に和やかなモノへと変え、嬉しそうに俺の元に玲奈は駆けてきた。そしてそのまま抱きついてきたことで、朝から俺は素敵な感触と温もりを味わうことになった。

 

「ふふ、おはよう隆久」

「おはよう……なぁ玲奈」

「どうしたの?」

 

 抱きついてきてくれて凄く嬉しい……嬉しいんだけど、俺は今急いで来たわけだ。だから少し汗を掻いてしまっているので、変な匂いがしないか気になってしまったのだ。

 それを伝えると、玲奈はあぁっと納得したように離れ……ることはなく、首元に流れる汗を玲奈は舐めとった。

 

「っ!?」

「ぺろ……ふふ、ちょっとしょっぱいね。でも隆久の汗の味は好き、何なら汗だくのシャツの匂いとかも好きだよアタシ」

「……………」

 

 そうだった……玲奈はこういう子だった。

 一度始めたら中々止まることは出来ないのか、玲奈は次から次へと汗を舐めとっていく。首元を舌が這う感覚はくすぐったいが、ゾクっとする感覚は癖になる……って流石にマズイだろ!

 

「玲奈、流石にここでは……」

「はいはい。隆久は照れ屋なんだから」

 

 絡めていた足、背中に回していた腕を外して満足そうにペロッと唇を舐める仕草は妖艶だ。……認めるしかない。付き合ってから数年経つしセックスだって何度もした。その上で言わせてもらうと、この子は相当エロい女の子だということだ。

 他の男子には冷たい……のは普通かもしれないが、俺を前にしたこの子はようやく本当の姿を見せてくれる。可愛くて、綺麗で、そしてエッチな俺だけが知る姿を。

 

「ねえ隆久、今日ウチに来ない?」

「玲奈の家に?」

「うん。ママも会いたいって言ってたし」

「麗華さんが……まあいいよ。明日から休みだし泊まろうかな」

「決まりだね!」

 

 嬉しそうに玲奈は俺の腕を取りながら笑みを浮かべた。思えばこうして玲奈の家に泊まりに行くことも珍しくはない。それこそ事あるごとに泊まりには行くし遊びにだって行く。

 

「……ってことは夜凄く疲れそうだなぁ」

 

 基本的に泊まりに行った夜は必ず夜の営みが待っている。俺と玲奈の体の相性はかなりいいらしく、一度始めたら疲れてしまうまで止まることがない。

 

「今日もたくさん気持ちよくしてね? もちろんアタシも隆久を気持ちさせてあげるから♪」

 

 耳元で囁かれたその言葉に下半身に力が入りそうになったが何とか堪える。そのつもりはなくても、少しでも臨戦態勢に移行しようものなら物陰に引っ張られて一発抜かれるのは最早お約束だからだ。

 そのまま俺たちは腕を組んで学校に向かうと、俺は“またか”という気持ちになった。

 

「……こんな朝から性指導か。田中も大変だな」

「そうね。よくやるわ」

 

 教室で一人の女子とセックスしている男、田中の姿があった。最初はこんな光景変だと思ったんだけど、何でも田中は直々に性指導と呼ばれる役目を担っているらしい。今抱かれて喘いでいる女子の彼氏が複雑そうに見つめる中、田中たちはフィニッシュを迎えた。

 息も絶え絶えになりながらも、嬉しそうに表情を蕩かせる女子の姿を見ると……俺は何だかなと思う。

 

「……っ」

 

 これは前からだけど、田中の指導に疑問を思うたびに酷い頭痛がするんだ。立っていられないほどではないが、それでも隣に居る玲奈を不安から抱きしめてしまうほどには……なんだこれは。

 

「ちょっと待っててね隆久」

 

 俺の様子を見ていた玲奈は安心させるように笑い、やり終わったばかりの田中の元へ歩いて行った。

 

「田中」

「っ……倉敷さん? な、何だい?」

 

 相変わらず俺以外の男子に対する当たりはキツい、けど心なしか田中には更にキツい。それに田中もどこか玲奈のことを必要以上に怖がっているような印象だ。

 思えば玲奈が一度指導に呼ばれた時からあんな感じだ……結局その時もそうだし、今までもそうだが玲奈は田中とヤッてはいないし呼ばれることもなかったが。

 

「アタシと隆久はちょっと授業抜け出すからさ。先生によろしく言っといてよ。出来るわよね?」

「……どうして僕がそこまで」

 

 そこでダンっと大きな音が響き渡った。田中もそうだし、全裸の女子もその体を白濁に塗れた状態で彼氏に抱きつくという光景……この場に居る俺以外の存在が恐れているのは音を出した張本人である玲奈だ。

 

「アンタに拒否権はないんだよ。やれ、いいな?」

「わ、わかりました!!」

 

 田中が不憫に思えてしまうが、止めようとしない俺自身が心の中に居る。昔から田中はクラスメイトに弄られていたけど、俺は特に触れることはなかった。なんというか、ずっと玲奈とイチャイチャしてたようなもんだからだ。

 

「さ、行こう隆久」

「行こうってどこに?」

「決まってるじゃん。空き教室よ♪」

 

 

 

 

 

 

 授業が始まった校舎内、静寂が満ちる空間の一画では淫靡な空気が醸し出されていた。

 隆久と玲奈、二人が己の欲望のままにお互いの体を貪っていた。

 

「ねえ、早く入れて?」

「分かった。行くぞ」

 

 一気に腹の中を貫かれる感覚、それが玲奈は本当に好きだった。自身が望む場所を叩かれる快感もそうだし、好きな人を一番近いところで感じれる幸福もあった。

 隆久に求められる中、大きな声を上げながら快楽を享受する玲奈だったが、その内心は驚くほどに冷静だった。

 

(田中のやつ、本当に役に立つよ)

 

 田中とはさっきのセックスしていた男だが、玲奈はあの男に対していい感情は持っていない。それどころか底を突き抜けそうになるほどの嫌悪感を抱いている。

 公衆の面前でセックス、性指導なんて言われているがそれがおかしいことに気づいているのは玲奈だけだ。玲奈の心を動かすのは愛する恋人である隆久のみ、それ以外に玲奈は全くの関心すら見せることはない。

 いつだったか、田中はその魔の手を玲奈に伸ばしたことがあった。一時でも隆久の元を離れるのは嫌だったが、この訳の分からない現象が何かなのか興味はあった。だから玲奈は一度だけ田中の呼び出しを受けたのである。

 

『倉敷さん、君にも性指導をしないといけないんだ』

 

 何かを田中がしたと思ったら、脳内に入り込む嫌な何かを感じ取った。まるで脳内を犯されるような得体の知れない感覚だった。でも玲奈にはそれだけで特に変化は起きず、その様子に狼狽えたのは田中だった。

 

『……なるほどね。常識を改変するほどのものだし何かあると思ったけど、田中……アンタ面白い力を持ってるのね』

 

 おそらく、田中にとって玲奈はそれこそ未知数の化け物にでも見えたのかも知れない。何かしらの力……催眠術か、そう当たりを付けて核心を突いた玲奈に田中は恐れしか抱かなかった。

 不可思議な力、でも同時に玲奈の心を支配したのはとてつもない怒りだった。その力を自分に使おうとしたこと、万が一にもあり得ないが自分と隆久の間に入り込もうとしたこのクズを殺してやろうかと思ったくらいだ。

 

『田中、アタシに協力しなさい』

 

 目を丸くした田中に玲奈が持ちかけたのは協力関係だ。田中のやることに口を出さない代わりに、好きな時に自分が望めば隆久と好きなことが出来るように改変すること、それを玲奈は一方的に叩きつけた。

 田中とてその提案に頷くつもりはなかったが、玲奈が唯一自身の持つ絶対的な力の及ばない存在となると怖くて仕方ないのだ。元々田中はそんな臆病な性格だから。

 

「……今日は一段と激しいな」

「ふふ……っ! それはきっと、嬉しいからよ!」

 

 さっきのことだけじゃない、隆久は明らかに田中の催眠術を跳ね除けようとしている。これがおかしいことだと、たとえ常識を改変されても田中に玲奈は渡さないのだという強い想い、そんな姿を見せられてはそれだけで玲奈は濡れてしまう。それこそ大洪水だ。

 

(何となくだけど、ママも効かない気がするのよね)

 

 母である麗華も田中の力は効かないのだと何故だか分からないが確信を持っていた。何故なら麗華も同じだからだ……玲奈と同じ、隆久に大きな愛を向ける一人だからだ。

 ただ麗華は玲奈の母としてその気持ちに蓋をしている。娘と彼氏の情事を想像しながら一人で慰めているのだ。それを玲奈は知ってるし、母のことも大好きだからどうにかしたいと思っている。

 

(ねえ隆久、アタシとママを愛して? 絶対に不自由なんてさせない、ママだって隆久を……)

 

 だからこそ、新たな一歩を進むために今日家に呼んだのだ。自身と同じく気の強い性格をしてるくせに、好きな人を前にしたら初々しい生娘になってしまう母を変えるために。

 死んでしまった父には申し訳ないが、それだけ隆久が魅力的なのがいけないんだと玲奈は責任転換し、隆久の放つ熱いそれを全て受け止めた。

 

「さいっこう……♪」

 

 普段の美しさを損なわせるような表情、舌をだらんと出して下品な顔を見せながら玲奈は愛する男の体に倒れ込むのだった。




次回、親子丼

そして我のパソコン、マザーボード御臨終。
たぶんデータは大丈夫って言われたけどどうなんやろね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。