「まったくあいつは」
そもそも普通輻射波動で花火を上げるか?勿体ないだろう。
クレーエはロランの率いる騎士団の数名と、帝都警備隊の隊員を連れてセノアとナイトレイドが戦っているであろう場所まで走っていた。
「ロラン、騎士団を使って公園を包囲。俺は直接援護に行く」
「承知した。御武運を」
~~~
「シェーレ!」
「わかってます」
マインの放つパンプキンの一撃を輻射波動によって発生する振動波でガードする。
シェーレの攻撃は防御せずに、回避に専念する。
(やはり強い。戦闘調整を施しただけでは、食いつくのがやっと・・・・・・)
「・・・・・・」
セノアは軍服のポケットから何らかの薬が入った瓶を取り出すと、勢いよく投げつける。
「邪魔よ!」
それをマインが撃ち抜き、中の液体が霧状になる。
先ほどセノアが投げつけた瓶の中に入っている薬品は万能溶解薬だ。
「へ?」
霧に触れたシェーレの服が急に溶け、肌が炎症する。驚きと痛みからか魔の抜けた声と共に立ち止まるシェーレ。それに対して踏み込むセノア。
「終わりです」
輻射波動機構腕で攻撃しようとする。出力は最低、気絶させる。
「―――――――っ!
即座に体勢を立て直し帝具の奥の手を発動する。
「―――――発光金属!?」
思わず防御態勢をとる。輻射波動を使わず、両腕を交差させて。
通常の鋏なら防御できただろう。しかし万物両断の刃は容易くセノアの腕を切り落とした。
「人形なのに、血が!?」
「出ますよ。私は限りなく人間に近い人形なんですから」
切り落とされた腕の切断面から、長剣サイズの針が飛んでくる。それを器用に掴み、シェーレに向かって突き刺そうとする。
「させるか!」
砲音が轟き、光がセノアの腰を撃ち抜いた。瞬間、糸が切れた人形のように倒れたセノア。
「姿勢制御器が、破壊された?」
倒れたまま起き上がれなくなる。肩の稼働歯車に異常は無い。なのに腕が動かない。さっきの一撃で
「失敗したかな、私」
「いや、成功だ」
~~~
「―――――っ!」
シェーレが振り向くと、そこには雷芯を持ったクレーエが立っていた。
雷芯が腕に押し当てられ、電流が流れる。人間を平然と気絶させるに足る電撃を受け、倒れる。
「シェーレ!」
「確保」
気絶したであろうシェーレを縄で拘束し、マインに目を向ける。
「こんのおぉぉぉぉ!」
パンプキンの標準をクレーエに向け、発砲する。将軍との一対一という状況がピンチなのか、かなり威力の高い一撃をクレーエは
「温い!」
素手で弾いた。
ただ、無傷と言う訳には行かず、手からうっすらと血が出ている。
「こんなの・・・勝てる訳・・・」
「問答無用だ。気絶してもらう」
クレーエは自身の敏捷に加え、魔力放出によるジェット噴射で距離を詰め、マインの背中を蹴り飛ばした。
「あ、ロランに譲ってやればよかったかな?」