ゆかりんと僕の美醜逆転録 作:白夜
「ふぁ〜、あぁ〜。」
「紫様、欠伸し過ぎです。今日でもう64回目ですよ。」
「何で数えてんのよ!!」
そうツッコミを入れるのは、「
幻想郷最古参の妖怪で幻想郷の境界を操る能力を持つ実力者。賢者の異名も持つ。式として八雲藍を従えている。
この世界において「スキマ妖怪」という通称で呼ばれることもあるが、基本的に種族名はない。
そして、紫に仕えているのが紫の式神「
と、そんな彼女達にもある問題があるのだ。
彼女達の容姿は、白い綺麗な肌。そして、整った顔。胸もいい感じに膨らんでいてスタイルも良く、くびれもしっかりついている。だが、そのスタイル、容姿の良さはこの世界で言う、
「籃〜、今日も私の運命の人はいないのかしら〜?」
「えぇ、居ませんね。残念な事に。」
「そう。じゃ、昨日仕掛けておいたスキマに誰か引っかかってるかな〜?」
紫はそう言いながら、スキマを仕掛けたと思われる場所に鼻歌交じりに向かっていく。
これが紫の日常的な動きで、紫は毎日スキマを外の世界の何処かに繋げて置いて、朝確認しに行く。と言う謎の行動を繰り返しているのだ。
そんないつも通りの紫を籃は呆れるように見つめて、一言ポツリと呟いた。
「紫様、幻想郷に男はあまり来てはいけない筈では.....?でも、まぁ、私達
☆★☆
「っ痛てて.....ここは、何処だ?」
目を開ければ一番最初に目に入ったのは、知らない木目の天井。
床には、布団が無造作に敷かれており、ここで寝ている人は、寝相が悪いと言うのが見て分かる様子だった。
「そう言えば、何でここにいるんだっけ......」
男は記憶を辿ろうとするが、一向に思い出せない。
唯一覚えているのは、自分の名前や、容姿のみ。他に関することは、記憶に鍵がかかったかのように、知る事、思い出す事が出来なくなっていた。
と、そんな時だった。部屋の襖が勢いよく開いたのは。
髪は金髪ロングで、先を結んでいて、瞳の色は金色。顔立ちは整っていて、容姿も完璧。日本に一人いるかいないかぐらいの美少女。
その女の人は、目を見開き暫くの間動かず、硬直していた。
「えっと、誰ですか?」
「お、男.....や、やったわ!!ついに私にもこの時が!!」
その女性は、その場で感極まったように号泣しだす。
その女性に男の声は聞こえていないらしく、男が何度呼びかけても反応しなかった。しかし、男はめげずに、ありのままの事をしっかりと伝えた。
「そんなに泣いてると、綺麗な顔が台無しですよ?」
綺麗.....その言葉に反応した紫はその場でピタッと立ち止まると、男の方を恐る恐る振り返る。そして、訪ねた。
「わ、私の顔が?」
「えぇ、そうですよ。って言うか、顔と言うか容姿全て、ですけどね。」
男は笑顔でそう言う。
そんな男に何を感じたのか。紫はいきなりその男に飛び付いたのだ。
流石の男もこれは予想外だったそうで、驚いた様に目を見開いている。
「えっと、どうしたんです?」
「うわーん。」
「えっと、嘘泣き、ですよね?」
「えへへ。」
男は少しだけ、紫の髪に触れる。また、紫も少しだけ彼の頰に触れていた。
そして、紫は顔を上げると、男に自己紹介をした。
「本当に突然でごめんなさい。私の名前は、「八雲紫」。貴方は?」
「僕の名前は、「
「そう.....それは、悪い事をしたわ。」
紫は罪悪感からか、少しだけ頭を下げてポツリとそう言う。
しかし、何が悪いのか分からない白蓮は、紫に尋ねた。
「どう言う事?」
「実は.....」
☆★☆
「そ、そうなんだ。」
「本当に申し訳ないわ。」
白蓮の前には、地面に膝をついて頭を下げている、いわゆる土下座姿の紫がいた。
しかし、紫の話を聞いても別に何も感じなかった白蓮は、膝を曲げしゃがむと紫に声をかけた。
「いや、謝らなくていいよ。そんな事より、さ。」
「な、何かしら?」
紫は彼から「嫌われた」。と思っていたのか、少しだけ怯えた様に聞き返す。
「僕ってここに住んでもいい?」
「も、勿論よ!!」
紫は顔をパアッと明るくさせ、白蓮の方を見上げると、早速と言うか再びまた地面を蹴ると白蓮の胸めがけて抱き着いた。
「わっ、とと、危ないですよ。紫さん。」
「んーん、ゆかりんって呼んで。」
紫は白蓮の胸元に頭をスリスリしながらそう言う。
過去の記憶がないせいか、こう言う体験に慣れていなかった白蓮は少しだけ斜めの方向を向きながら言った。
「これからよろしくね。ゆかりん。」
「えぇ、よろしく白蓮。」
二人は、そう言って笑うと暫くの間その体制で動かなかったのだった。