Colorful Star Project   作:SIVERREX

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SIVERREXです。
今回は色んなアイドルとの出会いのお話です。


第2話「All of the beginning」

―346プロダクションビル―

 

先程のせいで機嫌は悪かったが、少し歩いていたら、期限の悪さは収まり、いつもの感覚に戻っていた。ポジティヴ万歳。

 

RV「さて、まだ昼な訳だが…何するか…」

 

実際のところ何をしたら良いのか全く分かってません、はい。取り敢えずほっつき歩くしか無いな…

 

RV「しかしいきなり過ぎて言葉がポンポン飛んだけど、正直言葉の選択ミスった感有る」

 

口からそんな言葉が出る位後悔していた。それが熱くなった方が良かったのか、それともやんわりと言った方が良かったのかは分からない。ただミスった感が有る。

 

RV「取り敢えず…プロデューサーの仕事とやらを観察してみるか」

 

その仕事を見るのが一番の方法だと思ったその時

 

??「あ、居た居た、ちょっとそこの人―!」

 

RV「うん?私ですか?」

 

誰かに呼ばれた。こんな所で私を呼ぶなんて誰なんだろう。

 

??「貴方です!リヴェルさんで間違いないんですよねー!」

 

RV「如何にも私がリヴェルですが…何か用で?」

 

元気に私を呼んでくれた女の人の方に振り返る。…トレーナーさんなのかなこの人、来てる服とか靴がスポーツ系っぽい感じがする。

 

??「黒崎部長から連絡が有りまして、この一週間のサポートを務めさせて頂くルーキートレーナーの青木慶と申します!」

 

青木慶と名乗る女の人はそう自己紹介してくれた。元気な人だなぁ。

 

RV「あ、どうもコレは御丁寧に。…慶さんって呼んで良いですかね」

 

??「えっ、慶ですか?」

 

あ、気軽に呼び過ぎただろうか…

 

RV「そっちのが呼びやすいですし…もしかして呼び方変えた方が良いです?」

 

慶「あ、いえ構いませんよ!そう呼ばれるのが珍しかったもので」

 

RV「良し、なら慶さんと呼ばせて頂きます」

 

慶「はい、御願いします!」

 

慶さん、歳は幾つなんだろうと聞きたいが女性に歳を聞くのはNGなので黙っておくことにする。

 

RV「話は戻りますが、どうしましょうか。実は私先程此処に来たばっかりで右も左も分からないのですが」

 

慶「あ、案内に関しては大丈夫です!まずは…アイドルの宣材の写真撮影スタジオに行きましょうか!」

 

ほう、頼もしいな。…ん?アイドルの宣材写真?

 

RV「宣材写真…アレ、これ私もうプロデューサーになるの前提の案内か?」

 

慶「アレ?リヴェルさんってまだプロデューサーではないのですか?」

 

RV「どっから聞きましたそんな情報!?」

 

もしかして社内全員に伝わってるとか無いよなぁ…

 

慶「黒崎部長にはプロデューサーが関係する所をリヴェルさんに全て教えろとの御達しを頂きましたので…」

 

RV「あのオッサン…」

 

いずれ一泡吹かせてやる、何れだけど。

 

慶「ま、まあ取り敢えず案内しますね!」

 

RV「あ、慶さんその前に(スッ)」

 

慶「はい?手、ですか?」

 

ああ、すっかり忘れていた。初めて会った相手には必ずしなければいけない事が有るんだった。

 

RV「握手だけ。これから1週間世話になります」

 

慶「あっ、はい!こちらこそ全力でサポートさせて頂きますね!」

 

RV「よろしくお願い致します。ではスタジオの方から」

 

慶「はい!こちらです!」

 

どうにかこうにか慶さんのお陰で色々と見れそうだ。人選はもしかしてエリさんなのかな…?と考えながらスタジオの方へ足を進めた。

 

--------------------------

ー撮影スタジオー

RV「まーーー大きいスタジオで。流石本社、ビルの中にこんなスタジオ持つか…」

 

一言で表すのならば、デカイ。流石東京本社。スケールが桁違いだ。

 

慶「大阪の方には無いのです?」

 

RV「有るっちゃ有りますが、こんな大きくは無いですねぇ。スタッフの人の多さも段違いです」

 

慶「やっぱり東京って凄いですねぇそう考えると」

 

仰る通りで。来る度にカルチャーショックを受けるとは聞いたが正にそれを今実感してる。

 

RV「…ん?丁度撮影やってるみたいですね。ちょっと覗いても良いのかな?」

 

慶「あ、リヴェルさんその前にコレを首から下げてください」

 

そう言うと、慶さんから名札の様な物を渡された。あ、これカードか。

 

RV「ん?ああ、スタッフ証明カードか」

 

慶「コレが無かったらつまみ出されちゃいますので」

 

そりゃ勘弁だ、入れって言われたのに摘み出されたら笑い話…になるか、うん。

 

RV「スタッフなぁ…」

 

慶「…どうしました?」

 

RV「後スタッフが出来るのが1週間だけだと思うとですね、何かこう、しんみりと」

 

急にやってきたスタッフ勤務のカウントダウン、やっぱり動揺はする訳であって。

 

慶「それは…プロデューサーになるからですか?」

 

RV「いえ、黒崎部長から聞いてませんかね?」

 

慶「うーん、部長から聞いたのは未来のプロデューサーとしか聞いてませんからね…」

 

んな事言ってやがったのかあのオッサン。ますますあの頭シバきてえ…

 

RV「まあ簡単に言うと、私は大阪でスタッフやってたのですが、今回…いや、今日大阪スタッフ解雇になりましてね」

 

慶「え!?」

 

当たり前の反応だと思う、98.5%そんな反応する。

 

RV「話はここからです、大阪スタッフ解雇の代わりにプロデューサーやってくれって言われましてね、半強制的に。勿論この誘いを断れば私は無職まっしぐらです」

 

慶「…」

 

RV「まあ流石に職を失うのは嫌ですがプロデューサーになる願望なんか一切無かったので困惑してるのが今です。まあ流石に向こうもいきなりは酷だと思ったのか、1週間猶予をくれた訳です。週間本社のスタッフとして雇って欲しいとお願いしました」

 

慶「そんなのって…幾らなんでも無理矢理過ぎません…?」

 

今はそんな風に同情、というか共感してくれる人が居るだけで本当に心が楽になる。

 

RV「エリさんもその事を知ってたらしいですが、あの人には返しきれない恩が有ります。あの人の指示には従います。けれどもあのオッサン…じゃなかった、黒崎部長には従いたくはないですね」

 

慶「な、何故ですか?」

 

RV「あんまり慶さんの前で悪口言うのもアレなのでオブラートに包むと、私とアイツは相容れない。たったそれだけです」

 

慶「う、うーん、人間関係って難しい…でもあんまり大きな声で言っちゃいけませんよその事…」

 

慶さんの言う通りだ、社内でこんな事言う物じゃなかった。

 

RV「勿論、私だって自分から立場崩す様な事はしませんが…プロデューサーになるという事は、アイツの言いなりになるという事になるので腹立つというか…」

 

慶「シーっ!聞かれますよ!」

 

私はケラケラと笑う、まあ流石にこれ以上はやめておこう。

 

RV「ま、何にせよこの1週間次第ですね。…話してる間に誰か撮影終わった様ですが……ってあのピンクの髪のアイドルってもしかして…」

 

慶「リヴェルさんも御存知でしたか、あの人が自他共にカリスマJKアイドルと呼ばれる城ヶ崎美嘉さんです」

 

おいおい、城ヶ崎美嘉って言ったら私でも知ってる位のトップアイドルだぞ。ウチのスタッフにもファンが多い位だし…リアルでは初めて見たぞ。…アイツ等に話したらメッチャ羨ましがられそうだが。

 

スタッフA「OKです!城ヶ崎さんありがとうございました!」

 

美嘉「終わり?うーん、このポーズ疲れたー!」

 

どうやら撮影が終わったらしく、伸びをしている。…スタイル抜群だなオイ。

 

スタッフA「お陰様で素晴らしい写真が撮れました!お疲れ様です!」

 

美嘉「はいはーい、お疲れ様!…っと、そこの2人アタシに何か用?」

 

RV「ん?私らの事か?」

 

どうやら見てたのに気付いたらしい。

 

慶「お疲れ様です城ヶ崎さん。隣の方は今日から1週間本社のスタッフとして働いて頂く方です!」

 

美嘉「1週間?職場体験か何か?」

 

絶対その発想になるよな。説明するの面倒なので誤魔化しとくか。

 

RV「あながち間違っていないのがアレだな…おっと、申し遅れました、私はリヴェルと言います。諸事情で本社のスタッフとして勤務してます」

 

美嘉「まあ、あんまり詳しい理由は聞かないけども、アタシに何か用は有った?」

 

RV「用、というよりは聞きたい事が今出来ましたね」

 

インタビューみたいだが、聞いておきたい事は聞いておくのがベスト。此処でトップアイドルに会えたのも何かの縁、心構えとかでも聞いておくか

 

美嘉「良いよ、カリスマJKアイドルのアタシがなんでも答えてあげる!」

 

自信満々だな…いや、この自信に満ち溢れる姿がカリスマ所以たるものか。

 

RV「では早速。アイドルをやってて良かった事って有ります?」

 

小学生の質問みたいだが重要な事だ。コレを聞かなければ何も始まらない気がするからな。

 

慶「思ったよりマトモな質問だった」

 

慶さん私をケダモノか何かと勘違いしてません?

 

美嘉「そりゃ決まってるじゃない。ライブで歓声を貰うあの瞬間、まるで何かが弾けたようなあの感覚!それがアタシにとっての喜びなの!」

 

RV「良い顔してるなぁ…本当に心から楽しんでるんですね」

 

素直に関心する、そりゃ眩しい訳だ。

 

美嘉「アイドルが楽しまなきゃ、ファンも楽しめないでしょ?だからライブは全力で楽しむ。それがアタシ!」

 

RV「成程、素晴らしい答えを貰いました。ではもう1つよろしいです?」

 

美嘉「オーケー、って言いたい所だけどゴメン!この後すぐ予定詰まってるから今度でも良い?」

 

予定の詰まり具合もトップレベルか。致し方無い、邪魔する訳にもいかないしな。

 

RV「あら残念、また今度お願い致します」

 

慶「城ヶ崎さんお疲れ様です!」

 

美嘉「うん、じゃーねー」

 

開幕から良いアイドルと出会ったな、このまま色々見ていこう。

 

RV「さて、慶さん次の場所行きましょうか」

 

慶「そうですね、次はレッスンルームでも見てみましょう」

 

--------------------------

―レッスンルーム―

慶「ところで先程城ヶ崎さんに聞きたかった事って何だったんです?」

 

あー、聞けなかった質問か。

 

RV「あの人にとってのプロデューサーとはどの様な存在か。それを聞きたかった」

 

慶「…結構大事な事聞き逃しましたね」

 

仰る通り。今度で良いとは言ったが、プロデューサーになった時、アイドルからはどう見えてるか聞きたかった。そんなこんな話してる内にレッスンルームへ着いた。

 

RV「まあ、また聞きますよ。お、ここかなレッスンルームは」

 

慶「此処ですね!今ならダンスレッスンが行われてる筈です」

 

RV「どれどれ…」

 

覗いて見ると、其処にはトレーナーらしき人と、2人のアイドルらしき女の子2人が踊っていた。片方は知らないが、もう片方は間違い無い、"あの子"だ。

 

??「島村!動きが遅れているぞ!渋谷!動きが硬い!」

 

??「り、凛ちゃんごめん…合わせれなくて…」

 

??「私もごめん…どうしてもあのパートの動きが…」

 

どうやら四苦八苦しているようだ。

 

??「少し休憩にする、休んでからもう1度合わせてみるぞ…ん?そこに居るのはどちら様かな慶?」

 

慶「あ、気付いてたんですかお姉さん」

 

どうやら気付いたらしい。此方の方を向いている。…ん?お姉さん?

 

RV「お姉さぁん!?」

 

??「…?凛ちゃん知ってるあの人?」

 

??「いや、私も見た事無い」

 

慶「こちらは今日から1週間本社のスタッフとして勤務して頂くリヴェルさんです!」

 

??「ほう、初めまして。私はベテラントレーナーの青木聖と申します」

 

どうやらこの人は青木聖さんというらしい。青木って事は姉妹確定だよな…

 

RV「あ、どうも御丁寧に、リヴェルと申します。ところで妹さんと顔が似過ぎやしませんかね?」

 

しまった、思った事が口からポロっと出てしまった。

 

慶「そこ聞きます!?」

 

聖「良く言われるよ、未熟な妹と似ているってね」

 

慶「ううー姉さん酷いー」

 

このお姉さんキツい人だ絶対。でもお互い信頼はしてそうだ。

 

RV「仲が非常によろしい事で!其方の2人の名前…いや、片方は知らない筈が無いな、初めまして島村卯月さん」

 

卯月「わ、私の事知ってるんですか?」

 

知らない筈が無かった。だって、昨日はステージの上でアレだけ輝いてたんだから。恐るべきはそのバイタリティ、昨日ライブでまた今日もレッスンとは恐れ入る。大丈夫なんだろうか。

 

RV「そりゃあ昨日の大阪のライブの時のスタッフでしたからねぇ私。本当に素晴らしかったですよ」

 

卯月「えっ、き、気付けなくてごめんなさい…」

 

こんなスタッフ1人1人覚えれたらそりゃ聖人か何かな気がする。

 

RV「いやいや、照明係ですし、スタッフってだけだったので気付ける筈も無いです、其方のもう1人の方の名前は?」

 

凛「渋谷凛です、初めまして」

 

もう片方の青いジャージを着てる女の子はそう名乗った。ああ、そういや見た事は有る。凛々しいな、クールの権現か?

 

RV「あら、貴女が渋谷さんでしたか。活躍振りというか、話は大阪にまで届いてますよ」

 

凛「大阪…?」

 

RV「あ、一応私昨日まで346プロダクション大阪支部のスタッフでした」

 

卯月「…もしかして今日から東京勤務とかですか?」

 

察しが良い。これは将来大物になりそうだ。

 

凛「でも1週間だよね、職場体験とかそんな感じですか?」

 

本日二度目の職場体験といわれる事案、ありがとうございます。

 

RV「その表現は正しい!けどもちょっと違うって言いたいのだが説明が面倒なので簡単に言うと、1週間経ったら大阪に戻るかもしれないし、東京に残るかもしれない」

 

改めて思うけれどもこの事情死ぬ程面倒よな。

 

聖「複雑だな」

 

RV「結論、プロデューサーになるのなら東京に。ならないのなら大阪に。そんな状況です」

 

あっさりと言いました。

 

卯月「プロデューサーに…?」

 

慶「はい、だからこそプロデューサーになった時の為に、今色んな場所を案内してるんです」

 

聖「ほう、良い心構えだ。リヴェル君、もし君がプロデューサーになったらその時はよろしくお願いする」

 

…この人味方に付けたら相当心強いだろうな。なった時は、だけど。

 

RV「…なったらですけどね」

 

凛「プロデューサーには…なりたくないの?」

 

地味に痛い所を付いてくる。いや、実際問題なりたくないって訳じゃないのよ、向いてないと思うだけであって。

 

RV「なりたくないわけでは無いが…」

 

卯月「なら、プロデューサーになるきっかけを見つければ良いんです!」

 

RV「きっかけ…きっかけか」

 

世の中何が起こるか分からないからな、そのきっかけが今のこの状況なのかもしれないけど。

 

慶「リヴェルさん?」

 

聖「む、そろそろ休憩が終わるな。二人共、まだ見るなら見ていっても良いが」

 

RV「なら、少しだけ見させて頂いてからまた他の所回ります」

 

慶「お忙しい中すみません姉さん」

 

なんだかいろんな人に時間とって貰ってアレだな。だらだらするのは良くないな。

 

聖「構わん、リヴェル君をしっかり案内してやってくれ…渋谷、島村、行けるか?」

 

凛「大丈夫です」

 

卯月「大丈夫です!」

 

聖さんがそう言うと、2人は立ち上がってまたレッスンの準備をする。

 

RV「それでは二人共、縁が有ればまたお会いしましょう」

 

卯月「はい!楽しみにしてます!」

 

凛「…はい」

 

慶「じゃあ最後に少し見てから行きましょうか」

 

RV「オーケーです」

 

ステップの音が心地良く聞こえる。正直いつまでも見ていられそうだった。

 

 

--------------------------

慶「遠目で見てても姉さんのレッスンって改めて思うんですが、凄い厳しいですよね…」

 

身近に居る妹さんが言うんだから間違い無いんだろう。

 

RV「まあそうでもないと本番の時に成功しないんだろうなぁ…にしてもあの2人のレッスンの時の顔すっ ごい必死なのに、ライブの時には今の様はレッスンの厳しさが分からない位、良い顔で歌って踊るんだから改めて凄いって思います」

 

慶「ですよねぇ…姉さんって凄いや」

 

姉妹…今このタイミングなら聞けるかも知れない。

 

RV「アレ?そういえば慶さん歳ってお幾つ?」

 

慶「19ですけども?」

 

案外若かった。

 

RV「ありゃ、未成年でしたか、20かなーと思ってたり」

 

慶「まあ1歳程度誤差ですし!リヴェルさんはお幾つです?」

 

RV「何歳に見えます?」

 

慶「うーん、4年スタッフやってる…としたら27とかでは!」

 

27…27かぁ…

 

RV「軽いショックを受けてますよ私!?」

 

慶「あれっ違いました?」

 

RV「これでもピチピチの22歳です!」

 

慶「…鯖読んでません?」

 

RV「ひっどい!ガラスのハートが砕け散りましたよ!」

 

良く言われるからもう慣れてしまったけど私ってそんなに老けて見える?

 

慶「だって外見とか話し方とかが…」

 

RV「コレでも若々しく見えるように話してるつもりですよ!?」

 

振る舞いとかもほら、寧ろ童心溢れかえる行動ばっかり取ってますし

 

慶「えー…」

 

RV「慶さんのバカ!もう知らない!」

 

慶「そんな某ジ◯リ作品みたいなこと言われても!」

 

ワーキャーとやり取りしながら、次の場所へ向かうのであった。

 

 

--------------------------

―ラジオ収録現場―

RV「さて、冗談は置いときまして、これ、何処に向かってるんですかね?」

 

騒ぎながら歩いていたら、ビル内の人達に変な目で見られたが気にしない。

 

慶「そうですね、次はラジオの収録現場に向かってます」

 

RV「おっ、良いですね。さてさて、次はどんなアイドルが居るやら」

 

割と乗り気で色々と見学しているが、やっぱり不安もまだ残る。

 

慶「…リヴェルさん楽しんでません?」

 

と、心の中ではそう考えていてもどうやら顔に出る程今は楽しいらしい。…ああ、新しい人にドンドン出会うからか。

 

RV「そりゃ楽しいですよ、色んなアイドルが居るって分かったら気になるじゃないですか。増してやこんな機会もう無いかもしれませんし」

 

慶「…もう心はプロデューサーじゃないですか」

 

心は…か。益々分からなくなってきた。

 

RV「…かもしれませんね。とは言ってもまだ返答は出来ない状況ですけど」

 

慶「まあ…難しいですよねこんな状況じゃ…」

 

RV「全く、考える暇1ヶ月は欲しい位ですが…お、此処かな?」

 

そんな事を愚痴りながら2人で歩いていると目的の場所らしい所に着いた。

 

慶「ええ、此処が収録現場ですね!今丁度ON AIR中ですね」

 

RV「あら、タイミング悪かったか…後になるかな?」

 

収録中となると今お邪魔するのはよろしくない。他を当たってみようかな。

 

慶「スケジュールだともう終わりの時間ですが…あ、ON AIRランプ消えましたね」

 

慶さん時間管理すげえ。

 

RV「タイミングバッチリっすか、流石だ!」

 

慶「もう、褒めても何も出ませんよ」

 

と、言いつつも顔を赤くしてるので出るものは出たなと思った時、中から2人の女の子が出て来た。…白衣?

 

??「にゃはー!スタッフさんも驚いてて大成功だったねー!」

 

??「き、キミは毎度無茶をして…頼むからボクまで巻き込むのは勘弁してくれ…」

 

片方はご機嫌そうに、片方は呆れ顔で収録の部屋から出て来た。

 

??「でもでも、飛鳥ちゃんも楽しかったでしょ!」

 

??「楽しかったというか…それ以上にボクは冷や汗をかいたよ…ん?慶さん、どうして此処に?」

 

慶「お疲れ様です一ノ瀬さん、二宮さん。どうでしたか収録は」

 

慶さんがそういうと、二宮という女の子は溜息を大きく吐きながら、

 

??「アレは…居なくて正解だったよ…そういえば右の男の人は誰だい?」

 

私の方を見て言ってくる。仕方の無い事なのだが、自己紹介が多いな…

 

RV「申し遅れました、リヴェルと言います。今日から1週間本社勤務のスタッフとして働くので慶さんに案内をして貰ってました」

 

??「1週間…?職場体験か何かかい?」

 

本日三度目の職場体験という言葉。最近の流行語か?流行語なのか?

 

RV「オーケー、この返し多過ぎて慣れてきたぞ。まあそう思って頂ければ」

 

慶「リヴェルさん、此方の方々はアイドルの一ノ瀬志希さんと二宮飛鳥さんです」

 

志希に飛鳥か…良い名前だ。

 

RV「一ノ瀬さんに二宮さんね、了解」

 

志希「志希で構わないよ~。敬語も無しの方が話しやすいでしょー?」

 

飛鳥「ボクも構わないよ。何故かキミからは敬語だと違和感を感じるんだ」

 

ほう、割と柔軟な正確な2人らしい。それとも私が敬語使うの苦手なのバレてたかな…?

 

RV「そう言って貰えるとありがたい、結構敬語使うの苦手でね…ところで志希。何故私の服の匂いを嗅いでいる」

 

なんかメッチャ近い。おまけにハスハスしてる。何だコイツは。

 

志希「スンスン…リヴェル君、もしかしてー…お昼に鰻食べたでしょ?」

 

RV「!?」

 

エスパーかよ。

 

飛鳥「リヴェル、気にしないでくれ。彼女の鼻はそれこそ警察犬級なんだ。」

 

RV「それにしても今日の昼飯当ててくるって…とんでもねえな…」

 

鼻が良いと言っても有りえねえ…別に服に零してもいないし、そんな乱暴に食った訳でもないんだがなぁ。

 

慶「リヴェルさん鰻食べたんです!?ずるいですよ!」

 

RV「私に言われてもなぁ!?新幹線の中の駅弁ですよ!?」

 

怒られた。けど確かに鰻なんて滅多に食える物でも無いからなぁ。

 

志希「良いね~、アタシも鰻食べようかなー。飛鳥ちゃん夕ご飯鰻にする?」

 

飛鳥「唐突過ぎるだろう…」

 

志希「ええー良いじゃーん」

 

どうやら2人の今日の晩御飯は鰻になるらしい。

 

RV「…また鰻食いたくなってきたな」

 

慶「リヴェルさんずるい」

 

…今度食べる時は慶さんも連れて行くとしよう。だが、気軽に食べれないのも事実だからな。

 

RV「会社の経費で落ちるなら鰻食いてぇな…」

 

慶「…もしかしたら落ちるかもしれませんよ(ボソッ)」

 

RV「…マジすか(ボソッ)」

 

禁忌のやり取りが小声で行われている。経費で落ちる物なのか…?交際費的なアレか?

 

志希「なになに?鰻食べに行くの?志希ちゃんも行きたいでーす!」

 

どうしようか、折角の機会だし一緒も有りか。

 

RV「真面目に夕方空いてるのなら行くか?」

 

慶「えっ本当に行くんですか?」

 

RV「折角ですしねぇ、慶さん予定どうです?」

 

予定が合えば、だけども。

 

慶「確かに空いてますが…経費で落ちるかどうかもまだ決まってませんよ?」

 

RV「大丈夫、私が手続きしておきます。交際費で通るでしょう多分」

 

慶「なら行きます!絶対行きます!」

 

がっつり食い付いたぞこの人、だが飛鳥はどうかな。

 

志希「決定だね!飛鳥ちゃんも行こうよー」

 

飛鳥「まあ良いが…本当に良いのかいリヴェル」

 

大丈夫そうだった。そもそも志希と飛鳥からは何も聞けてないし、この際飯の場で聞ける事を有りったけ聞いてみようか。

 

RV「何かの縁だ、色々とアイドルの話とかも聞きたいしなぁ」

 

飛鳥「…ならお言葉に甘えよう。4人で行くのかい?」

 

飛鳥は少し嬉しそうに笑う。取り敢えず4人で…良いよな?

 

RV「4人だな。とは言ったものの残念ながら私はこの辺りに詳しくないのだが…慶さん良い場所知ってます?」

 

慶「あっ私知ってますよ!最近出来た評判の良い鰻のお店知ってるんです!そこ行きましょう!」

 

慶さんはスマホで場所を示しながら言った。成程、此処からかなり近いな。

 

RV「良し、じゃあ其処行くとして…時間どうする?二人はこの後は?」

 

飛鳥「今は3時だが…この後報告だけ有るから4時には空くと思うよ。」

 

志希「アタシも大丈夫だよー。それ位にフリーになるよ!」

 

2人の時間の都合も良いらしい。確定だな。

 

RV「なら私も…と言いたいがこの後次第だな。慶さん後何処回ります?」

 

慶「実はこの後リヴェルさんが見たい所というか、私は少し話し合いが有るので小一時間程度自由行動して頂こうかなと思ってたのですが…」

 

RV「なら丁度良いか。一応定時までは此処に居たいから、6時辺りに集合にしようか。あ、お忍び用意とかは大丈夫なのか?」

 

アイドルにはお忍びの服が有ると聞く。二人にもあるのだろうか。

 

飛鳥「問題無い。ボクはその服を持ってきてるのでね」

 

志希「アタシも大丈夫だよ―」

 

RV「良し、決まりだな。なら2人に私の連絡先を渡しておく。何か有ったら連絡してくれ」

 

そう言って二人に連絡先の書いた紙を渡す。

 

飛鳥「ああ、了解した。じゃあボクのも渡しておくよ」

 

志希「じゃあ後でね!」

 

そうして志希と飛鳥は去っていった。

 

 

 

RV「いや、思い返したら会ったばかりのアイドルと飯行くって割と普通じゃないぞ?」

 

慶「良く良く考えてみたらそうですね…」

 

普通に考えたらコレってナンパになるのかな

 

RV「周りの目が気になるが…まあ良いか。その時はその時だ、なんとかなるでしょう」

 

慶「結構リヴェルさん行き当たりばったりな性格してますよね」

 

あら、慶さん私の本質分かってるじゃないか。

 

RV「良くお分かりで!人生流れですよ」

 

慶「今の状況は?」

 

RV「とても、つらい」

 

いきなり仕事失いそうになったら誰でも辛いです、はい。

 

慶「(でも楽しそうな顔してるなぁ…)」

 

RV「さて、私はちょっくらこのビル回ってみますわ。そっちの用が終わったらまた連絡してください」

 

慶「分かりました。あ、コレ私の連絡先です」

 

RV「あ、どうも。ならコッチも渡しておきます」

 

お互いの連絡先を交換し合い、そのまま慶さんは去ろうとする

 

慶「ではまた後程!」

 

RV「アイサー」

 

さて、私ものんびり彼方此方回ってみるか。

 

--------------------------

―本社ビル廊下―

 

RV「さて、どうしたものやら。ぶらぶらするとは言ったが、アテも無いな」

 

あんまり時間を無駄に出来ないのは分かってるが、1人になるとこうも何も出来なくなるか。直近は取り敢えず慶さんに頼った方が良さそうだな…。

 

RV「うーん、それにしても広い、広過ぎる。こんなの1日では回れないな絶対」

 

流石は346本社ビルである。その広さ、大阪の5倍である。

 

RV「しかし館内図的なのも貰ってないしどうしたものやら…ってウォア!?」

 

??「きゃっ!」

 

ふらふらと歩いていたら女の子とぶつかってしまった。私は大丈夫だったが、向こうは転びそうになっていた。

だが、後になって思えばコレが無ければ私はもしかしたら違う道を歩んでいたかも知れない。

 

RV「っと危ない!」

 

??「あっ」

 

セーフ。何とか手を掴めたので向こうは転ばずに済んだ。

この時触れた手に感じたんだろうか彼女は。

 

RV「大丈夫ですか?ふらふら歩いてて申し訳ない」

 

??「え、ええ。すみません、だいじょうぶ…です…。」

 

RV「…思い切って手を握ってしまいましたが…立てます?」

 

思い切って手を掴んだのだが、大丈夫そうだ。

その時の手の強さは、私も何かを感じたんだろうか。

 

??「あ、ありがとう…ございます…。なんとか立てそうです…」

 

RV「良かった…ん?どうしました?」

 

ずっと私の目を見てくる、何か顔にでも付いてるのか?

 

 

 

―否。彼女の目は私の目を深く覗き込んでいた。

 

 

 

??「な…なんでもありません…。大丈夫です…」

 

RV「何にせよ申し訳ない。怪我したら大変だったので…」

 

??「いえ…まゆも不注意でしたので…」

 

RV「よいしょ。では私はこれで…」

 

大事無さそうなので去ろうとすると

 

??「あっ…」

 

RV「ん?」

 

何か呼び止めたい様な、何か言いたい様なそんな声がした。

 

 

 

―彼女は止めたかったのだろう―

 

 

 

??「いえ、なんでもありません…」

 

 

 

―そしてそれは

 

 

 

??「見つけた…。」

 

 

 

―私が担当する最初のアイドルとの出会いだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

志希「続きまーす」

 

飛鳥「何故キミが締めるんだ…」

 

 




さて、最後に出てきたキャラとは…?(バレバレですけども)
次回お楽しみに!
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