Colorful Star Project   作:SIVERREX

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SIVERREXです。
今回はとある二人のキャラとのお話です。前回出てきたあの二人です。


第3話「Secret Love」

―中庭―

RV「中庭に来てみたのは良いものの、広いな…流石だ…敷地が広過ぎる」

 

先程の女の子は去って行った。何か私に用が有ったのかな…?

 

RV「おっ良い所に椅子と自動販売機が有る。成程、のんびりしろって事だな、うん。がっつり休ませて貰おう、実際足疲れたし」

 

実際今日は非常に疲れた。気持ちの問題は置いておいても、肉体の疲労が結構来てる。疲れた体には炭酸。これ常識。

 

ガチャコン(缶が落ちてくる音)

 

RV「ペ◯シとコカ・◯ーラが一緒に売ってる自動販売機って中々やるな…」

 

そのまま一気に飲み干したいが、実は炭酸に弱かったりする。何故それを選んだかと言うと、たまには飲みたかっただけだった。

 

RV「うーん、炭酸系も悪くない…ペ○シの方が好きだな」

 

??「私はコカ・◯ーラ派ですね」

 

派閥戦争が起きそうな事を言うと、何処からか女性の声が聞こえてきた。

 

RV「ほう…これは戦争ですな…ってウォアバァ!?!?」

 

??「あら、驚かせてしまいましたか?」

 

たまったもんじゃない。飲み物零しかけたし、椅子からひっくり返りそうだった。

 

RV「死ぬ程びっくりしましたけど…どちら様で?」

 

??「申し遅れました、私、高垣楓と申します」

 

高垣楓…何処かで聞いた事有るな…。いや、ちょっと待て、馬鹿か私!?思い当たるの1つしか無いじゃないか!?

 

RV「高垣楓って言ったら…あのアイドルの!?」

 

楓「まあ、ご存知なのですね、光栄です」

 

少なくともこの業界に居たら知らない人なんてまず居ないレベルだ。トップアイドルの中でもトップレベルであろう。

 

RV「知らない人そうそう居ませんよ…此方こそお会い出来て光栄です。私はリヴェルと言います」

 

楓「リヴェルさん…ふふ…」

 

RV「どうかしました?」

 

意味を含んだ笑い方をしている。何か私の名前に心当たりでも有ったのだろうか。

 

楓「いえ、なんでも有りません。ところでリヴェルさんはどうして此処に?」

 

RV「ああ、ただの休憩がてら此処に来ました。初めてこの敷地に入ったのですが凄いですな此処は」

 

楓「あら、此方には何しに?」

 

RV「詳しい話すると長くなりますが、簡単に言うと今日から346プロの本社勤務になりまして。それで今日は体験みたいな感じで此処に来ました。」

 

強ち間違っては無いだろう。多分。

 

楓「今日からですか…それまでは何方で?」

 

RV「大阪ですね。元々3年間大阪に居ました」

 

楓「まあ、大阪ですか!私は出身が和歌山でしたので良く大阪の方に出たりしていましたね」

 

出身を聞くと、高垣さんはとても嬉しそうに言った。関西方面の人って此処は少ないのかな?

 

RV「和歌山ですか。母方の実家が和歌山だったので私もそっちには良く行ってましたね」

 

楓「ふふ…案外共通点が有るものですね…」

 

RV「世の中狭いですなぁ…おっとすみません、電話が」

 

楓「ええ、どうぞ」

 

携帯が鳴り出したので急いで取る。…飛鳥からだ。

 

RV「もしもし…えっもう終わった?…今中庭に居るから其処で集まるか?…了解した」

 

どうやら飛鳥と志希の用事がもう終わったらしい。思ってた以上に早かったな。

 

楓「ご友人さんからです?」

 

RV「いえ、今日会ったアイドルの子が一緒にご飯食べたいって言いまして。折角なので一緒に夕飯でも行こうかなと」

 

傍から聞いたら結構なトンデモ事案な気もしなくもないが、まあ成り行きだったので良いとする。

 

楓「あら、良いですね。私も予定が無かったらご一緒したかったですが…」

 

RV「また今度一緒に行きましょう。その時はお酒の1つでも如何です?」

 

歳は聞いていないが、この人は成人してそうだ。何よりゆっくりと、この人から聞きたい事も有るから一度その席を設けてみたい。

 

楓「まあ!良いですね!是非宜しくお願い致します」

 

どうやら乗り気らしい、良かった。

 

RV「では私はこれで。お忙しい中話に付き合ってくれてありがとうございました」

 

楓「いえいえ、此方こそ」

 

この人もまた城ヶ崎の嬢ちゃんとは別のカリスマ性を感じる。成程、実際に話してみるとより一層世間の人気が理解出来た。ますます今度が楽しみになってきた。

 

 

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RV「早かったな」

 

飛鳥「ボクも驚いたよ、まあ確かに報告だけだったけどもこんなに早くフリーになるとは…」

 

志希「アタシも同じ時間に終わったんだよねー。で、もう行くの?」

 

高垣さんと別れた後、10分位したら飛鳥と志希がやって来た。二人共準備万端のようだ。

ふむ、飛鳥は帽子にサングラス。志希は帽子にコート。お忍び用の服って結構大変なんだな…

 

RV「いや、まだ慶さんが終わってないっぽいからそれまでどうするか…」

 

連絡がまだ来てないので用が終わってないのだろう。そうなると少し暇になりそうだ。

 

志希「ならアタシに良い考えが有るんだけど、どう?」

 

飛鳥「嫌な予感しかしないのだが」

 

志希が提案して来たと同時に、飛鳥が志希に呆れた視線を向ける。苦労人だな飛鳥。

 

志希「大丈夫大丈夫。危ない事はしないって」

 

寧ろ普段は危ない事をしているのか。まあ、一応聞いてみよう。

 

RV「その考えとは?」

 

志希「リヴェル君の事をもっと知りたいので心理ゲームでもどう?」

 

ほう、心理ゲームと来たか、生憎とその手のゲームは苦手なのだが…

 

RV「予想斜め上過ぎる提案だ」

 

飛鳥「何を言い出すかと思えばこの天才娘」

 

志希「良いじゃん良いじゃん、やろうよー」

 

子供の様なおねだりだ。コイツ一体何歳なんだ…?とはいえ心理ゲームと言うのは個人的には今はその気分じゃないので少し提案を変えてみる。

 

RV「心理ゲームというよりかはクイズゲームなら、それなりに自分の事をテーマにして問題出せそうだが」

 

志希「んーじゃあそれでも良いっか」

 

どう答えるのかと思ったら、あっさり了承した。

 

RV・飛鳥「良いんだ…」

 

これには飛鳥もまた呆れ顔である。

 

志希「じゃあもし当てれたら…今日の夕御飯リヴェル君が払ってねー」

 

RV「ほう、良いだろう。乗ってやる」

 

元々会社の経費で落とそうかと思ってたが、賭け事は大好きだ。

 

飛鳥「生憎クイズは苦手なのだが…」

 

と思ってたら飛鳥がどうやらクイズゲームは苦手らしい。

 

志希「大丈夫だって、気楽に行こうよ」

 

RV「まあお遊びだからな。良し、ならまずは簡単というかシンプルなの行こうか」

 

賭け事であろうと暇潰し程度だ。でも一応は手抜きは無しでやるけども。

 

飛鳥「ああ」

 

志希「はーい」

 

返事と共にどんな問題を出題しようか迷う。そうだな、シンプルに行くのならば…そうだ。いつも私が気にしてる事が有ったじゃないか。

 

RV「私の年齢は?」

 

飛鳥「…ノーヒントかい?」

 

ヒント…出し様が無いな。ヒント=答えなのがどうにも多い。

 

志希「25でしょー」

 

心にグサリと刺さった。自分で聞いたから自業自得だけど。

 

RV「…飛鳥は?」

 

飛鳥「勘で言うしかないが、22?」

 

RV「お前良く分かったな」

 

一発で当てれたのは飛鳥が初めてかも知れない。何故分かったのか。

 

志希「え、22なの?」

 

RV「22だよ、25って言われてちょっぴりショックだわ!」

 

少なくとも慶さんに言われるよりかはダメージは小さかったが、どちらにせよショックだった。いや、大人びてるって言われれば嬉しいんだけど、悪い言い方をするので有れば老けてるって事になるから、それはよろしくない。

 

志希「全然見えなーい」

 

RV「泣いていい?私泣いていい?凄い傷付いたんだけど。ガラスのハート壊れてるのに粉々にされた気分」

 

心の涙の雨は土砂降りである。

 

飛鳥「まあ…キミの葛藤は分かる気がするよ」

 

同情された、優しいじゃないの飛鳥君。しかしアレだな、こっちの歳の話をしたら向こうの歳も聞きたくなってきたのでこう切り出そう。

 

RV「折角だから私だけってのもアレだし、私が問題出した後にそっちの2人から私に問題出してみるか?」

 

飛鳥「此方から?…ならボク達の歳を当ててみなよ」

 

ビンゴ、そう来ると思ったが…何歳位なんだろうなぁ。

 

RV「飛鳥は14歳、志希は…16歳か?」

 

志希「ざんねーん、はずれだよ」

 

飛鳥「何故、ボクの年齢が分かった…?」

 

志希はにゃははと笑いながら、飛鳥は驚愕の表情を浮かべていた。

 

RV「似たようなモノを感じるからなぁ」

 

まあ実際厨二とか言うアレである。本当にあっていたとは。

 

飛鳥「キミはボクの事を何も知らない、それで居て似たようなモノを感じるとは…その根拠はどこから出てくるんだい」

 

御尤もな意見だ。だが人の直感というのはこの世で一番信じられないと言われているが、この世で一番恐ろしいものでもある。

 

RV「簡単な事さ、飛鳥も私の事を何も知らない。ほら、似た者同士じゃないか。…まあ冗談は置いといて、根拠を言うなら雰囲気と喋り方かな?」

 

飛鳥「…フフ、面白いな君は。正解だよ、ただの中学生さボクは」

 

私はこの飛鳥の雰囲気は嫌いじゃない。寧ろ好ましい。あ、フェチとかでは無いからね?

それにしても中学生でアイドルとは恐れ入った。世の中はまだまだ広いんだなぁ。

 

RV「いやいや、アイドルの時点でただ者じゃないだろう…志希は幾つだ?」

 

志希「ヒントあげようか?」

 

優しいじゃねえの、貰える物は貰っておこう。

 

RV「おう、流石にノーヒントだと辛い」

 

飛鳥「君の時はノーヒントだった気持ち分かってくれるかい」

 

ごめんな飛鳥。

 

RV「申し訳。とは言っても私の場合ヒント出しようが無いぞ」

 

飛鳥「高卒とか大卒とか有るだろう?」

 

あー、まあ答えじゃないにしろヒントにはもってこいだったな。

 

RV「御尤もだわ…すまんな。それで志希、ヒントとは?」

 

志希「そうだねー、アタシ、大学行ってたよ」

 

大学!?まさかそんな経歴が有るとは…いや、待てよ。

 

RV「マジか!?いや、"行ってた"と言うのなら途中で辞めたって線も濃いな…成人はしてないと見たから19歳か?」

志希「はっずれー」

 

むむう、この線でも無かったか…と、飛鳥の方を見ていると私を見ながら何故か笑いを堪えている。…もしかして結構な意地悪問題か?

 

RV「じゃあ私と同じ歳の22歳とか?」

 

志希「ぶぶー」

 

手で大きなバツを作って掲げられたよチクショウ。

 

RV「…ますます分からん、今は学生じゃないんだろう?」

 

志希「普通の高校生だよ?」

 

意味が分からん、私の耳が駄目になったか?それとも最早私が時代に追いつけていないのか?

 

RV「…理解に苦しむからもう一度言ってくれ」

 

志希「アタシは大学生だった事が有るけど高校生だよ?」

 

あ、まさか。

 

RV「まさか飛び級?」

 

志希「正解!海外の大学に行ってましたー」

 

なんてこった。この志希という娘はどうやら思っていた以上にトンデモ娘だったらしい。

 

飛鳥「リヴェル、ボクは一応ヒントを出していたぞ」

 

なんだって?

 

RV「飛鳥が?どの時だ…」

 

飛鳥「君と初めて会った時だね。ボクは志希の事を天才娘と言った筈だよ」

 

あーそういう事ね。って

 

RV「気付くか!じゃあ大目に見ても18歳?」

 

志希「正解!18歳だよー!」

 

ウッソだろオイ、この天才娘どんな頭してやがるんだ。しかも飛び級して帰ってきた?経歴が尋常じゃない。

 

RV「世の中どんでもない奴が居るもんだな…」

 

飛鳥「ボクと同じ歳の時に飛び級なんだろう?とんでもないスペックの中学生が居たもんだ」

 

RV「嘘ォ!?」

 

何回驚かせられれば気が済むんだ。これが神の申し子って奴か?

 

志希「アタシはテストの点が良かっただけ。たったそれだけの事だったんだよきっと」

 

志希は寂しそうに、そう言いながら何故か空を仰いだ。…何か思う所でも有るのだろうか。

 

RV「何故飛び級してまで国外に出たのかって聞きたいが…複雑な事情が有りそうだから聞かない事にする」

 

その事情を聞くのは野暮だなと思ったので気にはなるのだが聞かない事にした。

 

飛鳥「…そうだね、次の問題を出してみてくれ」

 

志希「了解―。じゃあコレで今日のご飯代決めようか。ズバリ!リヴェル君の出身地!」

 

ほう、私の出身地か。当てれるかな?

 

飛鳥「リヴェル、ヒントをくれないか」

 

志希「あ、飛鳥ちゃんちょっと待って」

 

飛鳥が私にヒントを求めようとした時、志希が制止した。

 

RV「どうした志希?」

 

志希「質問にたった1つ答えてくれるだけで良いから」

 

ほう、思い切ったな。そのヒント1つだけで絞れる物なのか。

 

RV「良いぞ、当てれるか?」

 

飛鳥「…本当にそれでいけるのかい?」

 

私もそれは疑問に思う。だって1つだけだと流石に絞り込め無さ過ぎる。

 

志希「じゃあ、質問というよりか御願いなんだけど~…服匂わせて」

 

何を言い出すかと思えばこの天才娘。飛鳥と同じ台詞が出た。

 

飛鳥「ああ、成程」

 

飛鳥はこの意味を理解しているらしい。

まあ服位なら。

 

RV「何に使うか分からんが…ホラよ」

 

そう言って一枚だけ服を脱いで一枚志希に渡した。

 

志希「ありがとーハスハス」

 

RV・飛鳥「なんだこのビジュアル」

 

傍から見たらただの変質者だった。そう思っていたら志希の体が震えた。

 

志希「にゃはは、これは確定だなー。返すね!」

 

志希はそう言いながら服を返してきた。今ので分かったのか?

 

飛鳥「…リヴェル、負けを覚悟した方が良い」

 

RV「は?」

 

飛鳥がそういうと流石に変な声が出た。

 

RV「…なら志希。答えを言ってみろ」

 

志希「この服にはたこ焼の匂いが染み付いてる。ズバリ大阪」

 

当てやがったコイツ。それ以上に私の服そんなに匂い残ってたのか!?思わず自分で匂ってもそんな匂いはしなかった。

 

飛鳥「リヴェル。志希は警察犬並かそれ以上の嗅覚持ってるんだ。君が服を渡した時点でもう負けさ」

 

RV「理不尽過ぎて笑うしかない」

 

乾いた笑いが中庭に響いた。

 

 

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志希「という訳で今日はリヴェル君の奢りで!」

 

飛鳥「ボクは何もしてない気がするが…そういえばリヴェル、個人的な質問をしても良いかい」

 

負けは負けだがトンデモ娘が規格外だった故に負けた勝負に落ち込んでいたら、飛鳥が質問を求めてきた。

 

RV「構わんが」

 

飛鳥「何故キミは東京に来たんだい?」

 

ああ、尤もな疑問だ。まだ時間も有るしゆっくり話すとしよう。

 

RV「ああ、話すと長くなるって言ったな、詳しく話すと大阪勤務のスタッフだったんだが、上の指示で東京に呼ばれた挙句、プロデューサーになれって言われてな。突然そんなこと言われてもOKと言う筈も無く、首を横に振ろうとしたが、この話を断るなら無職まっしぐらって言われてな」

 

飛鳥「…何故またキミを呼んだんだい?」

 

飛鳥の質問が刺さる、やっぱり似ているからか…?

 

RV「私が聞きてえ…何にせよプロデューサーになるか無職になるか、このどちらかだ。」

 

志希「複雑な事情だねー。なったら良いんじゃない?」

 

と、志希は簡単に言う。無茶言ってくれるな、私も前途有る若者だ。無職と聞いて怯えない筈が無いだろう。

 

RV「簡単に言ってくれる、確かに変な意地が有るのは確かだが」

 

…でもまだ踏ん切り付かないんだよな。何か最後の決め手が有ればどちらか選択出来るのだが。

 

志希「実験と一緒だよ、やるかやらないかって言われたらやって結果出した方が有意義でしょ?」

 

成程、その考え方には一理有る。だが失敗にリスクは付き物だ、私はそれが怖い。

 

飛鳥「キミの実験はやって酷い目に遭うけどね」

 

志希「それはそれ。でもやって分かったでしょ?今リヴェル君は目の前にいつでも実験できるセットが用意されている。でもそれは人類で誰も試した事の無い実験。リヴェル君はそのまま立ち去る?それともそのまま実験開始する?」

 

突拍子も無くそんなシチュエーションを出して来た。

ああ、志希も私の本質分かってるのかなこりゃ。

 

RV「…」

 

志希「此処で立ち去るのなら危害は確かに無いのかもしれない、けど一生その実験の結果が気になってしまう事も有る。さてさて、リヴェル君は未知の実験に対してどう思うのか?」

 

コイツは人を振り回す天才なのかもしれないな全く。

 

RV「ああ…成程な」

 

飛鳥「リヴェル?」

 

ますます自分の顔から笑みが零れていく。

 

RV「志希、私はその考え方をしていなかった。プロデューサーとは正直な話、とても難しい職だとは思ったが…成程なぁ…」

 

殆ど決心が今付いた。後はちゃんとした理由が欲しかったり。

 

志希「うん、リヴェル君今それ良い顔してるよ~。まるでオモチャを目の前にした子供みたいな顔だね!」

 

RV「例え方もう少し他に無いのかよ。…確かに結果の分からない実験程気になる事も無いし、目の前にオモチャを出されて遊ばない奴も居ないな…私もせっかち+欲望に忠実なんでね」

 

例え方に難は有るが間違ってはいない。

 

飛鳥「なるのかい?プロデューサーに」

 

RV「やってみるか、完全に人生の分岐点な今だが此処で博打張ってみるのも悪くない、ダメならその時はその時だ」

 

志希「良い顔してるよ本当に、キミの根はそれなんだね!」

 

どうやらあのオッサンのせいで不機嫌だった自分は吹き飛んだらしい。こいつ等と会えたのも何かの縁だったのかもしれない。

 

飛鳥「昨日までスタッフだった男がプロデューサーか…前例なんて殆ど無いだろうね」

 

RV「なら私が手本になるしか無いな?」

 

第一人者とまではいかないが、それでも充分だ。

 

飛鳥「ポジティブだなキミは…」

 

ポジティブこそ私の本質だと思う。

 

志希「さて、話も良い感じになってきたけどもそろそろ時間かな?」

 

RV「あ、そうだ、慶さんから連絡は…無いな。まだみたいだな…」

 

飛鳥「こんな話してたらもう5時前だけどね」

 

だらだらと話していたら日も暮れ始めた。結構話してたんだな。

 

志希「アタシお腹空いた~」

 

志希がまるで充電が切れたかの様に座り込む。…なんかこの自由さ猫みたいだ。

 

RV「そうだなぁ…ってアレ?あれもしかして…」

 

と、ふとビルの方に目を向けると、見た事の有る人影がこっちに向かってくる。アレは…慶さんかな?

 

慶「リヴェルさ~ん!」

 

RV「ああ、あの走ってくる人慶さんだ。お疲れ様です」

 

慶「ハァ・・・ハァ・・・遅れてすみません!」

 

一体どれだけの距離を走って来たのかは知らないが、とんでもなく息切れをしていた。

 

RV「イヤイヤ、そんなに急ぐこと無いですって!」

 

急ぐ用事でもないのだ、それともそんなに鰻が早く食べたかったのかな。

 

飛鳥「どうする?もう行くかい?」

 

RV「慶さんの呼吸が落ち着き次第行くか」

 

流石にこの息切れだとまだ辛そうだからちょっと時間置かないとな。

 

慶「私はもう大丈夫です!」

 

大丈夫そうだった。

 

RV「復活早っ」

 

志希「行こ行こ~」

 

志希が起き上がってそう言うと、私は全体を見回した。うん、全員準備良さそうだな。

 

RV「良し、じゃあ行くか!」

 

 

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―鰻料理専門店 UNA MAMIRE―

OPENSALE中!全てのメニューが本日まで半額!

 

 

飛鳥「…リヴェルの財布が助かったみたいだね」

 

思ってたより2倍以上高かった。ブルジョアか?

 

RV「経費で落ちない前提として来たが…流石鰻、値段もトップ級だが助かった」

 

志希「うなぎ~♪」

 

私の財布事情を知ってか知らずか志希は上機嫌だ。…まあ楽しそうなら良いか。

 

慶「今日までですって、タイミング良かったですね!」

 

RV「良し、なら頼むか、私普通のセットで」

 

初めてくる店は取り合えず定番と書いてあるメニューを選びたいので至って普通(値段はヤバイ)のを頼む。

 

飛鳥「じゃあボクもそれで」

 

慶「私もそれで!」

 

二人は私と同じのを頼んだのを聞いて志希の注文を聞こうとすると、

 

志希「じゃあアタシ特上セットで」

 

RV「テメエ一番高いの頼みやがったな!?」

 

コイツ、何か注文見る時間長いなと思ったらこの店で多分一番高いメニューを頼みやがった。食べ物の恨みは恐ろしいぞ志希。

 

志希「今日はリヴェル君持ちでしょ~」

 

RV「ぐぐ…反論出来ねぇ…」

 

私だって男だ。言った事は曲げねえが、これ財布に偶々余裕が有ったから良かったものの、余裕が無かったらATMに直行レベルの会計になりそうだ…。

 

飛鳥「…同情するよ」

 

慶「勝負に負けたら言い訳出来ませんもんね」

 

飛鳥「しかもこれ値段時価って書いてあるね」

 

成程、絶望とはこういう事か。

 

慶「うわぁ…」

 

さようなら、私のお小遣い。こんにちは、貧困生活。にならない為にも会社の経費で絶対落としてやる。

 

RV「絶対経費で落とそうな!」

 

 

---------------------------------

注文が届いたので一口食べてみる。

 

RV「あ、でもこの鰻クッソ美味しい」

 

そう、人生で早々出せる金額でない食事なのは分かっているのだが、やはり値段相応の美味しさだった。なんだろう、これ勝負勝ち負け云々抜きに普通に来て良かったと思える美味しさだ。

 

慶「鰻久し振りに食べました…!美味しいです!」

 

慶さんも満面の笑顔で鰻を頬張りながら、幸福感を全身で表している。

 

飛鳥「早々食べれる物では無いと分かってるけども…願うことならば何度でも食べたくなるねコレは…」

 

飛鳥も唸っている。そりゃこんな美味しい物何度も食べれたら他の食べ物食えなくなるわ。それ以前に財布がオーバーロードだが。

 

志希「うなぎ~もぐもぐ」

 

コイツはもっさもっさと食べている。いや、美味しそうに食べるのは良いのだが…いや、美味しく食べる姿はとても良い物だ。見てると嬉しくなる。

と、そんな感じに皆で楽しく、そして味わって食べるのであった。

 

 

---------------------------------

店員「お会計12800円になります」

 

RV「…半額でしたよね確か」

 

マジで言ってんのかってレベルの金額が店員さんから聞こえてきたので改めて確認してみる。なんてこった、想像以上だった。

 

店員「ええ、適用済みです」

 

慶「アレ幾らだったんでしょう…」

 

時価というのは恐ろしい言葉だ。決める人の匙加減で値段がガッツリ変わるからな…いや、まあ。美味しかったから良いのだが。

 

志希「美味しかった~」

 

飛鳥「当の本人はご満悦みたいだけども」

 

これ以上無い満面の笑顔してやがるコイツ…

 

 

---------------------------------

RV「ハイというわけで今日はお疲れ様でした」

 

店を出て、ちょっとした広場で締めの挨拶をする。

 

慶「お疲れ様です!そしてご馳走様でした!」

 

志希「ゴチになりました!」

 

飛鳥「…本当に良かったのかいリヴェル」

 

飛鳥は割と本気なトーンで心配してくる。14歳に財布事情心配されるって中々情けないぞ私。

でもそれ以上に良い経験が出来たし、今日のこの3人との出会いは本当に良かったと思う。

 

RV「構わん構わん、負けたのは悔しいが折角だしな、色々話せて良かった。それに志希のお陰で色々決心がついた」

 

志希「明日言うの?」

 

明日か…ちょっと早い気もするが…どうするか。焦りは禁物だしまだ様子見も有りだと思う。

 

RV「いや、最終日まで待とうかと思う。変に早めに言うのもアレだしな。残りの期間はこの本社をもっと見てみるとするよ」

 

その言葉を聞いた慶さんは私の方に顔を向け、驚いた顔をした。

 

慶「決心ってリヴェルさんまさか」

 

RV「ええ、私プロデューサーやってみますわ」

 

慶「…!」

 

慶さんはとても嬉しそう顔をしている。…どうして慶さんが嬉しそうな顔をするんだろうか?

 

RV「まだどうなるかは分かりませんが、コレからもよろしくお願い致します、慶さん。改めて握手を」

 

…深くは考えないでおこう。今は慶さんの力が必要だし、長い付き合いになると感じた。

 

慶「はいっ!お願いしますね!」

 

力強い握手を頂いた。慶さんやっぱりトレーナーさんってこう、鍛えてるんだろうか?というかジムみたいなのに行ってる勝手なイメージが有るのだがどうなんだろう。

 

 

RV「飛鳥も。何かと会う事になるとは思うがこれからよろしく。ほい、握手」

 

手を差し出すと飛鳥は握り返してくれた。失礼な事に少し意外だと思った。

 

飛鳥「…今日会った筈なのに何故かキミとは打ち解けてしまったな」

 

RV「多分似た者同士なんだろう、飛鳥も自分を持ってるだろう?」

 

考え方は違えど…多分私と同じ頑固で、アレなタイプなんだろうな。

 

飛鳥「フフ…分かってるね、よろしく」

 

RV「志希、会ったばかりなのに諭されてしまったな。行けるところまで頑張ってみるよ、ほい」

 

志希にも同じく手を差し出す。

 

志希「アタシは何もしてないよースンスン…リヴェル君の手、鰻の匂いがする、食べたい」

 

台無しだアホンダラ。

 

RV「食うなアホ!!」

 

飛鳥「さて、そろそろ解散しようか」

 

全員と握手を交わすと飛鳥が言った。まだ夕方だが外で居ると飛鳥や志希がファンに見つかりかねない。用がないなら早々に立ち去るのが吉だろう。

 

RV「ああ、3人共気を付けて」

 

慶「リヴェルさんは何処に?」

 

RV「予め予約してもらってるホテルに行きますわ」

 

エリさんが予約を取ったらしいホテルへ向かうことにする。あの人が言う限り、結構高級なホテルらしい。経費で落ちると聞いたのでさらにウキウキ気分だ。心の中でスキップすることにする。

 

慶「分かりました!ではまた明日は今日お会いした場所で!」

 

慶さんはいつも通りの元気な声で別れの挨拶をする。

 

RV「ええ、宜しくお願い致します」

 

志希「じゃーねーリヴェル君」

 

RV「ほいほい」

 

軽く手を振って私はホテルへ足を進めた。

 

 

---------------------------------

RV「広ッ!クッソ豪華!何だ此処!?」

 

ホテルへ着いたものの、その豪華さときたら私の人生でトップクラスに入るんじゃないかっていうホールの広さ、そして綺羅びやかさ。なんて事だ、私が場違いに思えてくる。

はーん、コイツはまずいな。此処に居ると私が浄化されてしまう。

 

フロント店員「ご予約の方でしょうか?」

 

と、唸っているとフロントの店員の方が声を掛けてきてくれた。オーケー、此処はお淑やかにはとはいかないが、落ち着いて対応してみよう。

 

RV「あ、はい、リヴェルと言いますが…予約って取ってますかね?」

 

店員「はい、承っております。此方へ」

 

RV「あ、どうも」

 

店員さんは丁寧に案内してくれた。取り敢えず部屋に帰ってゆっくり休むとしよう!

 

 

 

 

店員「ではごゆっくり」

 

RV「ありがとうございます」

 

店員さんは凄く大きい部屋に案内してくれた。なんでこの部屋!?いや、タダだから良いのだが。ほら言うじゃない、タダより高い物は無いってね。

 

RV「…これ本当に一人用?」

 

なんでダブルベッドが有るの?何?分身しろって?…まあ良いや寝るか。今日は色々有り過ぎて疲れた…。

にしてもプロデューサーか…面白くなってきやがった。楽しいなぁ、来月の飯すら食えないのかもしれないのに何故か笑えてくる。

なるからには、良いプロデューサーになってやる、アイドル達に慕われるような、そんなプロデューサーでありたい。そしてプロデュースして良かったと思えるアイドル達に出会いたい。それが今の一番の願いかな…?

さあ、寝るか…明日も早いしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




続く。(短い)
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