異世界に行こう(凍結)   作:紺色メガネ

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12話 2回目の依頼

 

 

初めての依頼を達成した次の日。今日も依頼を受けるべく、朝早くにギルドの職員寮から出て冒険者ギルドに向かった。

 

ギルドの中を見渡すとサラさんは居らず、若い男性職員の前が空いている。ちょうどいいから彼に任せよう、年も近そうだし。

 

 

「迷い人のソーヤだ。良ければなんだけど、昨日みたく良い依頼を見繕ってくれないか?」

 

「あーはいはい、サラ先輩から聞いてるっすよ。俺はカラーク・スラドです、カークって読んでください。んで、今回の依頼はこれです。」

 

 

依頼の内容はスライム10体の討伐で推奨ランクはG級、依頼主はタルクスギルドだ。最初は使いっぱしりだもんな、こつこつやろう。

 

 

「解った、これを受けるよ。今日は早く帰ってこれるように頑張るってサラさんに伝えといてくれ。」

 

「了解しましたー。……あのーお兄さん、これは相談なんすけどね?」

 

 

席を立とうと浮かせた腰を椅子に下ろす。相談とは何だろうか。カークに早く話せと促す。

 

 

「依頼には達成期間ってのがありますよね?その期間内で達成可能な依頼があれば、掛け持ちで受けるのは冒険者の中では当たり前なんですよ。お兄さんも早くF級に上がりたいでしょう?だったら効率良くGP稼がなきゃいけませんよ。」

 

「確かにいつまでもギルドのお世話になってる訳にはいかないからな。内容次第だけど受けるよ。」

 

 

ギルドのお世話になってる訳にもいかないし、なにより俺のことを男扱いしてくれているカークには好感がもてる。そのカークが俺のためを思って言ってくれるんだ、その話にのろう。

 

 

「そう言ってくれると思ってましたよ!それでですね昨日行った方向とは真逆で、ちょっと遠い村なんですけど、そこでの依頼が2件入ってるんです。スライムは道中でも出るでしょうし、簡単な依頼ですから余裕ですよ!これで50GPゲットしてF級まで突き進みましょう!」

 

 

彼の見せてくれた依頼の内容はゴブリン10体の討伐と、薬草と癒花5本の納品の2つ。どちらも推奨ランクはF級。

 

最近、夜になると森からゴブリンが出てきて畑を荒らすので数を減らして欲しいとのことだ。もう1つはその畑を荒らすゴブリンと戦って怪我した人の治療に使うらしい。どちらも報酬は金ではなく、あちらで現物支給されるみたいだ。

 

 

「依頼の内容は実力的には大丈夫。ただ、距離があるんだったら今日中には無理かな。依頼の場所はここからどのくらいの距離なんだ?」

 

 

「タルクスから歩いて半日ってとこですね。バノス村って言って小さな村です。この依頼を受けてくれた冒険者には無料で宿屋を貸してくれるらしいんで、費用は問題ないです。ここまでの厚待遇ですよ、受けるっきゃないですって!」

 

 

カウンターから乗り出して熱弁するカークを見ると、そんな気もしてくる。半日かけての旅に、タルクス以外の居住区、色々と楽しむ要素がありそうだ。

 

 

「そうだな、この依頼受けよう!」

 

「はい、それでは2階の資料館でじっくり情報読み込んでから行ってくださいね!」

 

 

笑顔のカークにサムズアップして2階にあがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルド2階の資料館でタルクスからバノス村間の薬草などの分布や種類、出てくる魔物などをしっかりと読み込んだ。

 

そしてギルドを出てユーちゃん家の宿屋に向かう。長旅になるのでご飯を作ってもらうのだ。

 

 

「……と、言うわけで大銅貨6枚で2食分作ってもらえません?」

 

「2食で大銅貨6枚か、サンドイッチくらいしかできないが良いか?」

 

 

あちらでご飯も面倒見てもらえるので、お金を渋る必要もない。替えの衣服を買って余った分全部だ。それでも1回の依頼分がサンドイッチ2食分と衣類に消えるのは悲しいな。頑張って稼げるようになろう。

 

親父さんにそれで頼むと、そこで待ってろとだけ言って厨房に引っ込んでいった。

 

しばし待っていると親父さんが包みが2つ入ったバケットを持ってくる。

 

 

「朝飯のは大丈夫だろうが、昼の分は早めに食えよ。」

 

「昼飯と夕飯のつもり何だけど?」

 

 

朝飯はギルドの職員寮の食堂で食べた。なぜかギルドの男性職員の方たちに奢ってもらったのだが。

 

2食分頼んだのは、着くのに時間がかかって夕飯を食べられなかった時のため。必要なかったら帰りに食べれば良いかなとか思ってたんだが。

 

 

「ソーヤ、お前は迷い人だから知らないのかもしれないがな、サンドイッチってのはそんなに長持ちしないんだよ。しかもこれには生物も使ってる。悪いことは言わないから早めに食べろ。」

 

「いや、長持ちしないのは知ってるけどさ。それならアイテムボックスに入れとけばいいだろ?入れとけば腐ることはないんだし。」

 

 

アイテムボックスに入れておけば時間が止まった状態になる。それは昨日摘んだ薬草や癒花が萎れてないことで確認している。

 

 

「……いいか、ソーヤ。アイテムボックスには3種類あるんだ。入れた物体を通常状態と同じにするもの。時間の経過を送らせるもの。そして完全に止めるものだ。

 通常のも温度などが関係なくから重宝されるが、時間を遅らせたりするものほど需要はない。それでも珍しいことにはかわりないから2つともスキル持ちは優遇されたりする。

 しかしな時間を止めるのはなかなかいないんだ。お前、それを隠さないと色んなところから目をつけられるぞ。」

 

「……例えば?」

 

「そりゃあ、大手の冒険者パーティーなんかからは勧誘される。商会も黙って見ちゃいないだろうな。なんせ距離も鮮度の心配も、大きな荷物を運ぶ必要もなしで輸入輸出し放題だ。ともかく、静かな暮らしがしたいなら隠すことだな。」

 

 

なるほど、俺のアイテムボックスは重量無制限の鮮度100%保存だ。バレたら楽しむどころじゃなくなるだろう。

 

 

「そうするよ、親父さんも黙っててくれよ?」

 

「そうだなその代わり、宿屋はうちにしてくれよ。」

 

 

それに最初からそのつもりだ、と答えて宿屋を出る。

 

まだ昼前だし、ギルドから近い門を使うとじじぃに会うことになる。どのみち逆方向なんだ、バノス村の方向の門から出よう。

 

2度目の依頼はどんな事が起こるのだろうか。できることなら平穏に、楽しい冒険となりますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソーヤがバノス村に出発してから半日と少ししたころ、タルクスの冒険者ギルドにて。

 

 

「ただいま!」

 

「サラ先輩、お帰りなさい。どうしたんすか?そんなに慌てて。」

 

「カーク、皆も聞いて!バノス村方向にゴブリンが群れが向かってるらしいの、被害を受けたハルバー村から早馬での報告よ。バノス村付近に行く冒険者に通達。ランクが低ければ即刻取り止めさせて下さい。ギルドからも依頼を出します。推奨ランクはマスターと相談して決めますけど、恐らくパーティーでD級以上になるかと。それから……

 

「あ、あの!」

 

「なに?カーク、今は急いでこの事を……

 

「そのことなんですけど……あのー、ソーヤさんが朝早くにバノス村に行っちゃいました。」

 

「………………え?」

 

「これ、受注書です。」

 

「………………えぇ!?」

 

 

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