異世界に行こう(凍結)   作:紺色メガネ

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14話 ゴブリン多すぎじゃないですかねぇ?

 

俺が森に踏み込むと同時に、左右の木の影からゴブリンが2体ずつ飛びかかってきた。

 

左の2体をファイアーボールで牽制し、右の2体の前におどりでる。既に右手には換装(かんそう)によって愛刀が握られている。

 

最初に攻撃してきたゴブリンのこん棒を跳ね上げ、もう1体の攻撃を加えようとしてきているゴブリンをこん棒ごと両断した。切れ味が良くなっているとは思ったけど、これ程とはな。

 

こん棒を跳ね上げられ体勢を崩しているゴブリンに向かって横凪ぎ。首が胴体からするりと落下した。

 

即座にゴブリンの死体2つをアイテムボックスに収納する。戦場で死体を転がしとくとつまづいたりしてしまい危険だ。

 

左のゴブリン2体に目を向けると、ファイアーボールで顔半分を火傷したゴブリンがこちらに駆け寄るところだった。随分とご立腹みたいだな、でもその顔の方がイケメンだぜ?

 

激昂しこん棒を振り上げる火傷ゴブリンに今度は首もとにファイアーアローをお見舞いする。

 

喉を焼かれのたうち回るゴブリンの横をすり抜け、残り1体となったゴブリンに肉薄する。

 

ゴブリンはこん棒でのガードを試みたが、俺はこん棒ごとゴブリンの喉を突き刺した。

 

更に2つの死体を収納し、森の奥を目指す。

 

 

「これで4体、あと6体だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バノスの森は薄暗く、天を多い尽くす木々の隙間から漏れる月光がたよりだ。

 

森の入口から車2代ほどの幅があった獣道は、大きな空間につくと途切れた。その空間だけは木が生えておらず、月明かりを一心に受けている。更にその空間の先には4本の獣道が繋がっている。分岐点って感じだ。

 

足元を見てみると薬草が群生しているようで、ここで栽培しているみたいに見える。バノス村の人たちがここで育ててるのかな?それなら薬草の納品依頼がくるはずないか、後で聞いてみるとしよう。

 

足元の薬草を鑑定しようと腰を屈めると風切り音が聞こえた。反射的に左に飛び退き数回地面を転がる。回転の勢いを殺さずに立ち上がると、自分の立っていた場所を見る。そこにはボロい矢が十数本刺さっている。

 

刺さっている矢の向きから、飛んできた方向を検討をつける。見ると木の上部の枝にゴブリンらしき影がいくつも見える。予想はつくけど、鑑定してみるか。

 

 

 

 

 

種族:ゴブリン・アーチャー

性別:オス

状態:怒り

レベル:6/20

HP:46/46

MP:15/15

SP:15/20

《スキル》

・初級弓術(1/10)

 

《称号》

 

 

 

 

 

 

やっぱゴブリン・アーチャーか。ゴブリンはともかく、なんでゴブリン・アーチャーまで怒ってるんだ?もしかして同族がやられたから?あいつらにそんな感情あるのか疑問だったけど、情に深いやつもいるのかな。

 

SPが減ってるのはスキルの弓術ってのを使ったからだろうな。あの距離で音がしてから着弾するまでの時間を考えると、速くなる系ではないだろうな。

 

討伐依頼のある魔物ではないけれど命を狙われているんだ、返り討ちにしてやろう。

 

ファイアーアローにも慣れてきたし、詠唱破棄でいけるだろう。相手は30体ほど、こっちは1人。射程と矢の速度はこっちが勝ってるみたいだし、射ち負けることはないかな。

 

刀を戻し盾を装備する。飛んでくる無数の矢をよけ、避けきれなければ左腕の盾で弾く。その合間に右手でファイアーアローを飛ばす。

 

1体ずつしか落とせないので、じり貧だな。そらそろ盾を装備してる左腕が辛い。

 

8体目のゴブリン・アーチャーを落としたところで頭の中にファンファーレが鳴る。

 

 

『火魔法のレベルが上がったよー。』

 

 

良いタイミングだ、使えるやつであることを祈ろう。鑑定にかけると火魔法並列起動と表記されてる。並列起動ってことは2発でも3発でもいけるのかな?やってみよう。

 

飛んできた矢を盾で弾き次の矢が飛んでくる前に、慌てて木の影に入る。火の魔法使い入門書を取りだし、並列起動についての項目を読み進める。暗くて読みにくい!ファイアーボールを発動させ光源を確保する。詠唱は最後に付け加えるだけか。

 

装備を元に戻し、また広い空間出る。

 

 

「我、自らの魔素を糧として世界に力を顕現する。願うは火、形は矢、数は二つで並列起動【ファイアーアロー】」

 

 

2つのファイアーアローが木の上で矢をつがえていたゴブリン・アーチャー2体を射ぬいた。

 

2つなら余裕っぽいな、3つでどうだろう。

 

 

「我、自らの魔素を糧として世界に力を顕現する。願うは火、形は矢、数は三つで並列起動【ファイアーアロー】」

 

 

3本のファイアーアローは全てが対象にあたりその命を燃やし尽くした。

 

3つでも全然いけるな、どんどん増やしていこうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

まだいけそうだったが、すでにゴブリン・アーチャーは残っていなかった。並列起動が7つまで試して全滅だから、35体いたってことかな。

 

火の矢を受けて落ちても、まだ生きていた奴等もついには生き絶えたらしい。呻き声がやんだからな。

 

 

『おめでとー、レベルが上がったよー。

 あ、あとね、火魔法のレベルも上がってたけど、まだ上がりそうだったから放っておいた。2つ上がってるよ。』

 

 

あんだけの数の火魔法打ち込んでもファンファーレ鳴らないのはこう言うことね。まぁ戦闘が終わるまではゆっくり見てられないからちょうどいいか。

 

ゴブリン・アーチャーの死体をアイテムボックスに収納しながら、ステータスを開くと基本的なものは上昇している。しかし大幅といのもではないな、やっぱり5の倍数で大幅アップかな。

 

火魔法の方はファイアーウォールと火魔法威力上昇(小)か、さっき解っていれば威力を試したんだけどな。

 

 

「グ……ギギ、ギャ。」

 

 

お?まだ生き残りがいたんだな、34体は収納したからラストだ。ついでに威力上昇を試してやろう。詠唱破棄して数は1つでいいか。

 

 

「【ファイアーアロー】」

 

 

火の矢はゴブリン・アーチャーに突き刺さると、炎上した。威力上昇(小)なのに結構火力上がってるな。これじゃ素材も何もない、今後は使うのを控えよう。

 

一応黒焦げになったゴブリン・アーチャーも収納する。これはこれで使い道があるのかも知れないしね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「道は4つ。何れに進めばゴブリンと会えるかな。」

 

 

見渡しのいい空間の真ん中で4つの道を吟味する。無駄な戦闘は望まないのでゴブリンのみと事を構えたい。のだが、何故か奥の獣道からは無数の足音がする。多分ゴブリンがこちらに向かっているのだろう。

 

 

「この森、案外ゴブリン多かったのか。」

 

 

実際は100を越える数がいるのだが、そんなことは、今の俺は知るよしもない。

 

広場の真ん中で愛刀を腰に携え、頭上にはファイアーアローを8つ準備している。慣れてきたら更に4つずつ増やすつもりだ。

 

獣道から出てきた影が月明かりに照らされたのを確認したあとファイアーアローを放射する。発射した瞬間に次の矢を準備しているので、ゴブリンらしき影は月の光を浴びるまもなく死体にかわる。

 

無詠唱で魔法を垂れ流しなので暇すぎる。4つずつ数を増やしても手間はあまり変わらない。そう言えばレベル上がってるんじゃないかな?サンダエラ様曰く、まだ上がりそうだから通達しない、らしいし。

 

 

「初級火魔法だけオープン。」

 

 

 

 

 

・初級火魔法(7/10)

 →火の球(ファイアーボール)

  火魔法消費MP減少(小)

  火の矢(ファイアーアロー)

  火魔法並列起動

  火の壁(ファイアーウォール)

  火魔法威力上昇(小)

  火の槍(ファイアーランス)

 

 

 

 

 

新しい魔法覚えてたみたいだ。魔法の垂れ流しは放っておいても可能なので、火の魔法使い入門書を取り出して火の槍のページを開く。

 

火の矢を一旦止めて詠唱を始める。

 

 

「我、自らの魔素を糧として世界に力を顕現する。願うは火、形は槍、数は八つで並列起動【ファイアーランス】」

 

 

身の丈ほどもある火の槍が、火の矢が止んだことで顔を出せた人に近い大きさのゴブリンの腹に風穴を開けた。

 

刺さって効力を発揮するんじゃなくて、焼き切るような形みたいだ。風穴の縁が焼かれていて血が出てきてないし。

 

それにしてもあれもゴブリンだろうか、人と同じくらいの大きさはあるんだけど?確認したいけど、まだまだゴブリンは来そうだ。残り6体だけで良かったんだけど、大量になっちゃうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10分ほどファイアーアローとファイアーランスどっちが良い試しながら打ち続けていると、足音が聞こえなくなった。

 

ついでに言えばサンダエラ様の通達も聞こえない。こんだけ倒したしレベルアップしてるはずなんだけどなぁ。

 

4つの獣道にはそれぞれ死体の山が積み上げられており、どれほどの数がいるのか見当がつかない。

 

今いる広場にも血の臭いが充満しており、早急に死体をアイテムボックスに納めなければ他の魔物が寄ってきそうだ。

 

4つある内の左端の獣道に進み、どんどん収納していく。その際に生き残りがいたが刀で喉を貫かれ絶命した。

 

左端の山は収納し終わったが、まだ奥にいるかもしれないので奥に進んでみる。

 

 

「あとで何体倒したのかカウントしないとな。……アイテムボックス内でできるか?」

 

 

すでに5分前くらいから当初の目的を見失っている。有り余るMPをフル活用して半ば楽しむ方向にシフトしているのだ。

 

入ってきた道と同じくらいの幅の獣道を歩いていると、数本ほど左側に別の細い道がある。そちらは後で散策するとして、今はこの道を進む。しかしこの獣道は緩やかにカーブしているようで徐々に右に曲がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

しばらく道なりに歩くと、目の前に死体の山が現れた。

 

 

「あれ?これ全部ゴブリン系だ。」

 

 

ゴブリンの山を片っ端からアイテムボックスに送り込むと、先程までいた空間にでる。左右にまだ片付いてない山があるので、この道は左から3番目の道ということになる。

 

一旦広い空間まで出ていき確認すると、その推察で当たっていた。左端の道と左から3番目の道は繋がっている。

 

なら次は左から2番目の道に行こうか。とりあえず道を通るために山を収納していく。

 

幸いだったのはその途中で依頼のことを思い出したことか。すでに依頼された討伐数は達成したがここまでやったからには最後までやろうと思い、歩を進めるのだった。

 

 

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