「はぁ~部屋の掃除も終わったし、何もすることがないな……」
そう言ってベットに寝転がる。メルティは今買い物に出かけていて、家には俺しかいない。なのでこうやってゴロゴロすることが出来る。
「あぁ~……このまま、ゴロゴロしてた~い」
そう言ってるとピンポーンというチャイムが鳴り響く。多分メルティではないだろう。この場合、裕二か宅配便しかない。
「でも、何か頼んだ記憶も無いし、裕二だろうな」
そう結論が出ると俺は居留守を使おうと決心した。ゴロゴロしてたいのもあるが、
そう思っているともう1度チャイムが鳴る。休日は平和に過ごしたいんだ。出てやるもんか。
そう思っているとまたチャイムが鳴る。少ししてチャイムが鳴らなくなった。
「ふう、裕二の奴諦めて帰ったかな?」
そう思っていると、
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
と連続でチャイムを鳴らしてきた。くそっ諦めの悪いヤツ! 俺の負けだよ、出てやるよ!
そう思いながら、玄関のところまで行って扉を開ける。
「はいはい、何の用ですか!」
そう言って鳴らした本人に目を向けると、立っていたの裕二ではなく自分より年下であろう女の子であった。
「……えっと、誰でしょうか?」
俺はそう聞くと、女の子はこう言ってきた
「……覚えてないの?」
会った記憶も無いしなぁ。人違いとかじゃないのかな.
「はて、何処かで会いましたか?」
そう言うと女の子は、小さな声で
「とぼけないでよ……」
と言ってきた。とぼけてるつもりは無いのだが……
「世界で自分の妹を忘れる兄なんている訳ないじゃない!」
と叫びながらどこからか剣を取り出して……って剣っ!?どこから持ってきたんだよっ!それに妹ってなんだよ!俺に妹がいたなんて聞いたことねえよ!内心テンパりながら女の子振りかぶった剣をギリギリで避ける。
「あっぶねっ!? いきなり何するんだ!」
そう言うと女の子が
「やっぱりそうだ! 私の剣を避けるなんて兄貴しかいないんだから!」
そう言って続けて剣を振ってくる。
「だから君とは会ったこともないし、それに兄に剣を振り回してくる妹も世界にいないと思うけどな!」
そう言いながらなんとか振ってきた剣を避け続ける。何なんだこの子は。一体どうなっているんだ!
そう思いながら俺は部屋に急いで入り鍵を閉める。これで少しは持つだろう。しかし、妹なんているはずがないしなぁ……まさか隠し子って奴か? っていうか何であの子、剣なんか持っているんだ……。殺す気満々じゃないか。そう思っているとドアノブがガチャガチャと鳴る。
「鍵が付いているとしても、こじ開けられたら不味い。何か物を置いて扉を防がなければ……」
そう思い、棚を扉の所に移動させようとした瞬間、扉から
剣の刃が飛び出してきた。
「……まじかよ、こういうのは漫画だけだと思ってたけどな」
すると、扉に刺さった剣を動かして扉が綺麗に真っ二つになる。
「なんでも漫画だけとは限らないんだよ?」
「ていうかなんで君は俺に剣を向けるんだ!」
俺はそう聞くと女の子は
「兄貴を1回殴らないと気が済まないから」
と俺に言った。
「殴るって嘘だろ! その剣はなんだ! 刃の付いた鈍器ですってか!」
「とりあえず、殴らせろ!」
そう言って剣を振り下ろしてくる。俺はそれを避ける。まじで剣(鈍器)じゃないか! とりあえず、なにか武器になるものはないのか! そう思いながら辺りを見回すと鉄パイプを見つける。なんであるのか分からないけど、これで対抗するしかない!
そう思いながら鉄パイプを取る。
「鉄パイプ如きでなんになるって言うんですか!」
そう言って剣を縦に振り下ろしてくる。鉄パイプでも打ち合いはできるはずっ!
そう思いながら、剣に向かって鉄パイプを振る。
「えっ……? うっそだぁ~!鉄パイプがこんなにあっさり切れるなんて! 少なくともヤンキーの主武器なのに!」
折角、水道管の修理の為に買ってきたのに買い直しとはな。
「私の剣は鉄パイプ如きでは止まりません!」
と女の子はそう言ってくる。じゃあなんで止まってくれるのかな?
俺はそう思いながら剣を避けていたが、脚を滑らせ、体勢を崩し地べたに座る体勢になる。
「……こんなにも兄貴って弱かったんだね。私が勝てる程に」
そう言って俺の首元に剣の刃が向けられている。
「前はあんなに強かったのに……今じゃこんなになって……」
「いや、兄貴じゃなかったのかもね」
「だから、言ってるだろ……俺は君を知らないって」
「ふふっ、じゃあ私の勘違いって奴かぁ。それにしても似すぎだよ。私の兄貴とそっくりだもん」
「私の兄のこと思い出させてくれてありがとう」
そう言って彼女は顔を笑顔にする。あぁ……俺は此処で死ぬのか。そう思った途端、いろんな思い出が蘇ってくる。これが走馬灯って奴かな……。俺の家にメルティが来てからとても楽しかったなぁ。俺が死んだらメルティはどう思うんだろうか。また他の人でも探そうかなとか思うのかな。いや、ちょっとは悲しんでくれるのかな。
そう思っていたとき、あることを思い出した。
『メルティは、もし俺が死んだらどうする?』
そういえば、ヴァンパイアと人間の寿命は違うから俺はそうきいたことがあったな。この時メルティはどう返事を返したんだっけ……
そう思っていると、メルティが
『もし、十夜が死んでも私は十夜から離れません。』
そう聞いたとき俺はとても驚いた。
『なんでそこまでしてくれるんだ? 俺は人間なのに』
『だって十夜は私に親切にしてくれたじゃないですか。あんなの初めてだったんです。だから恩返しをしたいんです!』
とメルティが言ってくる。あぁ……これじゃ、こんな所で死ぬ訳にはいかないじゃないか。そう思っていると現実に引き戻される。
「それじゃ、さよなら」
彼女はそう言って剣を振り下ろしてくる。こんな所では死ねないんだっ! だからっ!
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「それじゃ、さよなら」
私はそう言って剣を振り下ろす。街中で見たとき最初は兄貴が生きていると思とても嬉しくてたまらなかった。それで今日家に来たのだが、聞いた言葉は、誰?という言葉だった。最初は兄貴がふざけているのかと思い剣を振ってみたのだが、そいつは私の剣を避けるものだから兄貴だと思い込み、余計に腹が立ち剣を振り回してしまった。結果は、私が勝った。でも、私は今まで兄貴に勝った事なんてなかったしこんなにも弱くなかった。そう思った途端私はこの人は兄貴ではないと分かってしまった。それが分かって私はとても悲しかった。でも今は涙を堪えている。やっぱり、兄貴は死んじゃったのかな。
そう思っていると振っていた剣が何かに当たっている感覚がした。何だろうと思い、思考を止め、振り下ろしていた剣の方を見ると剣はその男の前で止まっている。何が起こっているんだ!? そう思っていると、その男が剣で受け止めていたのだ。
「っ!……その剣は……やっぱり私の兄貴なんじゃないか。」
あの男が持っているのは、深紅に染まっていとても美しい剣であった。あれは、世界にたった一つしかない兄が自分で作った剣なのだから。
「俺は死ぬ訳には行かないんだっ!……」
そう言いながら彼は、剣を持ちながら地面に倒れ込む。すると持っていた剣は消える。私も持っていた剣を消して、私は倒れている彼をベットに運んで寝かせる。寝ている顔を見てやっぱり、私の勘違いではなくこの男は私の兄貴なのだ。そう思うと涙が出てくる。私は涙を止めようとするが
「あれっ……可笑しいな涙が止まらない……」
幾ら止めようと思っても涙がずっと出てくる。今はたくさん泣いておこうと思う。彼と話してるときに泣かないように。私はそう思った。