拝啓父さん、母さん 出張先でも元気にやってますか? 今、自分の家はとても賑やかです。
「何で、兄貴のベットにメルティがいるのさ!」
「別にいいじゃないですか!」
「いいわけないでしょ!」
事の発端は、俺を起こしに来た妹が俺と一緒のベットで寝ていたメルティについて言い合っている。
あまり現実逃避をしていられないので、意識を戻すと通学鞄を持って学校に行こうとする。
「「何処に行くんです?」」
メルティとサリアが声を合わせて俺に聞いてくる。
「いや……そろそろ学校に行かないとな〜」
早くここから出たい俺はそう言ってみる。
「仕方ないですね。私にも準備があるので、この事は家に帰ってからゆっくりと聞きますから」
サリアはそう言って、部屋に戻る。ちなみに部屋は来客用の部屋を使って貰っている。
それにしても、いつもならそんなの関係ないとか言ってややこしくなるのだが今日は準備があるとか言って部屋に行ってしまった。どこかに出かけるのだろうか……そう思いながら俺は家を出た。
_______________________
___________________
「おはよう」
俺が教室に入って、挨拶すると、クラスの男子が挨拶を返す。そして席に座ると裕二が俺に席の近くにきて、話しかけてきた。
「おい、聞いたか十夜」
「何をだ?」
「このクラスに転入生がくるらしい」
「へぇ〜……だからクラスが騒がしい訳だ」
「お前は興味ないのかよ!」
「別に……」
そう言う会話を広げていると、先生が入ってくる。
「お前ら、席に座れ〜」
先生がそう言うと、皆、席に座る。
「HRの前に転入生の紹介をする」
先生がそう言うとクラスの全体が騒がしくなる。
「静かにしろ、それじゃ入ってこい」
先生が外の人にそう言うと、扉がゆっくりと開く。
「初めまして、青崎サリアと言います。イギリスの方に住んでいて、一週間前に日本に来ました。これから宜しくお願いします」
その自己紹介を聞いた俺は固まってしまった。えっ……何で
そう考えているとサリアの横にいるメルティがこう言ってきた。
『彼女の戸籍は私が作りました!』
(おまえのせいかああああああ!!)
俺はそう思っていると、クラスの人達が質問を始める。
「十夜くんとどんな関係なの?」
「好きな食べ物は?」
「趣味は何?」
「好きな人はいる?」
等と色んな質問が飛んできていた。
「えっと……十夜は兄で、好きな食べ物はハンバーグで趣味は……本を読むことで好きな人は……いないかな?」
うん、間違ってないな。確かに俺とサリアは別世界で兄妹だったみたいだし、好きな食べ物はハンバーグ。そして
俺はそう思っていると先生がサリアに席を教えていた。どうやら俺の隣らしい。まあ何かあった時にはすぐに聞けるしいいのか……
「さっきぶりと言った方がいい?」
「いや、別に」
そう言って会話が終わる。なんか家の時と違って気まずいな……
「なんでお前はこの学校に来たんだ?」
とりあえずなんで此処に来たのか気になっていたので聞いてみることにした。
「えっと……暇だったのもあるけど、此処の世界の学校はどういうことを学ぶのかなって思って」
成程、そういうことか……しかし何も変わらないと思うけどな。
『うーん、私達の方だと魔法学校ばっかりでこういうことは学ばないんですよ』
それは、ハリー〇ッターみたいな感じか?
『そうそう、あんな感じですね!』
メルティはそれだと言わんばかりに頷く。ていうかいつハ〇ーポッターを見たんだよ……
「それでは朝のHRを終わる」
先生がそう言うと起立、礼と号令が掛かり、終わりの挨拶をする。
そして、先生が居なくなると皆が一斉にサリアの元に集まる。そして、サリアは皆から質問攻めにされていた。それは授業の先生が来るまで続いた。
そして授業が始まったので、俺はサリアがちゃんと勉強に追いついているか心配していたが、全く問題なかった。というか暇な時に俺のノートとか教科書を見ていて勉強していたらしい。通りで俺の教科書に引いた覚えのないマーカーとかが付いているわけか。
そして何事も無く昼休みの時間になった。
「さて、俺は購買にでも……」
「何処に行くの?」
そう言われて手を掴まれてしまう。
「いや、何か食べる物でも買ってこようとしただけだ」
そう言うと、サリアは無言で布に包まれた箱を差し出す。
「これは……まさか作ってきてくれたのか!?」
「かっ勘違いしないで! 別に兄貴の為に作ったわけじゃないし、自分の分作ってたら余っただけなんだからっ!」
そう言ってそっぽを向く。俺の妹はツンデレか……まあ作ってきてくれたのは有難いので喜んで頂こう。
『私もお腹空いたんですけど……』
メルティが俺達にそう言ってくる。
「はいはい、一応メルティの分もあるわ」
『ありがとうございます!』
メルティはそう言ってサリアにお礼を言う。しかし……そうなると、何処か人気のない場所にいかないとな……
『それなら大丈夫ですよ』
メルティがそう言って指を鳴らした後、認識阻害を解く
「おいおい、解いて大丈夫なのか?」
「ちゃんとこの学校にいる人全員に、私がいてもおかしくないように魔法を掛けました!」
「魔法って物凄い便利だな……」
思わずそう口にする
「別に兄貴もこの位出来たんだけど」
何っ!?俺にも魔法が使えるのか……いつかもう一度使える様にならないかなー。そう思いながら俺は布をほどき、弁当箱を開ける。
「すごい美味しそうだな」
中には、小さいハンバーグや玉子焼きといった物が入っている。というか全部俺の好物ばっかりだな。何故俺の好物を知っているんだ。そう聞いてくると
「妹なんだから兄貴の好物ぐらい知ってても当たり前でしょ? 」
と何を言っているんだと言う感じで言われた。大体、知ってるものかねぇ……。まあ、いただくとしよう。
「いただきます」
そう言ってハンバーグを箸で掴んで食べる。
「どうかしら?」
「とっても美味しいぞ」
そう言うとサリアは
「そう、なら良かった」
と言って顔を逸らした。別に恥ずかしがらなくてもいいのに…
『とっても、美味しいです!』
サリアの弁当はメルティにも大絶賛のようだ。それにしても本当に美味しいな。そう思いながら食べていると、あっという間に食べてしまった。
「ご馳走様でした」
そう言いながら、片付けをする。食べてから思ったが、あんな弁当を作る為に朝早く起きてから作ったんだろうなと思うととても嬉しい。以前、クラスメイトに妹のよさを全力で語ってるやつがいて、思わず引いてしまったが今ならあいつの気持ちがわかる気がするなあ……
俺はそう思いながら弁当を片付ける。そうすると、丁度いいタイミングで昼休み終了のチャイムが鳴る
「さて、残りも頑張るぞ!」
「よくそんなやる気になるわね」
俺がそう言うとサリアがそう言ってくる。まあ、やる気を出さないとやっていけないよ……
「ふ〜んそうなんだ」
俺がそう思っているとサリアがそう言ってきた。……ナチュラルに俺の妹が心を読んできたんだが。
「そんなの一々気にしてたらキリがないわよ」
サリアが俺にそう言ってくる。
「兄貴、さっさとしないと授業が始まるよ?」
おっと……次の授業の準備をしなければ……
そう思いながら俺達は午後の授業を受けた。……ちなみに午後の科学の実験でサリアがこっそり魔法を使っていたのは内緒にしておこう。