青の大狼《記録されない英雄》   作:綾式

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遅くなりましたー


第12話 ギルランダイオ要塞防衛戦7

<ギルランダイオ要塞防衛第2陣地>

 

「流石にそこそこ居るな…よし、戻るか」

 

地下連絡道を制圧しそのまま第2陣地に出る出口付近に身を隠して陣地内を偵察していたアルフォンスは直ぐに身を翻すと真っ直ぐ連絡道に潜んでいたイムカ達の元に戻った。

 

「イムカ、陣地の様子を見てきた。戦車の姿は確認できなかったが、そこそこ数が居るぞ。少なくとも偵察4、突撃5を確認した。それから、要塞の味方の様子も見てきたが…警備隊第3中隊の軍旗が確認できなかった。恐らく壊滅した可能性が有るな。まだ持ちこたえてる状態みたいだが…ゆっくりはできそうにないな」

 

アルフォンスの報告を聞いたイムカは周りのみんなの顔を見て頷くとクレアに話しかけた。

 

「クレア、陣地攻略に向けて何か作戦有る?」

「そうですね…第2陣地に出る出口は二箇所ありますから、今私たちが居るこの出口から敵の注意を引きつけるのでその隙にもう一方から少数で出て挟み撃ちで殲滅。これならいかがでしょうか?イムカ隊長」

「背後から挟み撃ち…じゃあ私が注意を引く陽動になる」

「いえ、隊長は背後からの強襲でお願いします。メンバーとしては連携の取れてるアルフォンスさんとガルドさんを連れて行ってください」

「…わかった。じゃあアルフォンス、ガルド、ついてきて。

「「了解」」

 

<ギルランダイオ要塞正門>

 

夜襲に成功し、二つの防衛陣地を簡単に落とした帝国軍だが、正門攻略を開始してすでに3時間が経とうとしていた。だが、正門を硬く閉めさらに城門側の防衛陣地攻略に手間取り予想以上に長引いていた。

 

「まだ突破出来ないのか!?前線は何をしている!」

「はっ、前線は現在反撃に転じてきたガリア軍の連中により防衛線が構築されていて粘り強く抵抗しており未だ突破出来ておりません」

「そんなことは見ればわかる!その事に対しての行動はしておるのか!と聞いているのだ」

「は、現在突破に向けて第2陣地の連絡道を通って敵を内側からも攻撃するために部隊を送っています。一番新しい報告で抵抗してきた部隊を壊滅させたと報告が来ています。まもなく攻撃が開始できると思われます」

「内側からの攻撃までしばらく待機か…」

 

<ギルランダイオ要塞防衛第2陣地>

 

要塞攻略に向けて侵攻してる部隊の攻撃を見つつ待機していた帝国軍は突然降って湧いたガリア軍の攻撃に対する反撃を行なっていた。

 

「報告!連絡道よりガリア軍の攻撃を確認。数は少数ですが攻撃力が高く、現在偵察2名が負傷しております」

「直ちに援軍を送れ‼︎ここは前線の味方にとってすぐ退がる事ができるための拠点だ!後方の憂いを無くすためにも速やかに敵を殲滅せよ!」

 

指揮官の命令に応じてさらに突撃4名偵察4名がクレア達が陽動を行なっている進入口に援軍として行動した。それを確認したクレアが周りに伝えた。

 

「総員に通達。敵はさらに勢いを増して来ます。土嚢などに隠れなさい。被弾しないように攻撃から守りなさい」

「「「イエス、マム!」」」

 

クレアの命令に合わせて隊員が一斉に防衛に向けて行動を開始し火力を集中し始めた。それを別の進入口から見ていたアルフォンスがイムカに話した。

 

「イムカ、敵は完全にクレア達に集中し始めた。今なら行けるぞ」

「わかった。アルフォンス、ガルド、2人ともついて来て、一気に殲滅を開始する」

「「了解」」

 

イムカの命令に合わせてアルフォンスとガルドがイムカと共に地上に出ると、敵陣に突っ込んでいく。

 

「イムカ、11時方向敵の指揮官らしき姿確認。士官クラスだ、突っ込むか?」

「問題無い。一気に終わらせる。ガルド、ついて来て。アルフォンスは周辺警戒」

「了解だ!姐さん。敵確認、突撃2随伴だ。いくぜぇぇぇ‼︎」

 

ガルドとイムカが同時にマグスを撃ちながら一気に距離を詰め敵突撃兵を仕留めると、すぐさまイムカが指揮官に肉薄して、ブレードを首筋に突き立てた。

 

「き、貴様…ガリア軍のダルクス人か…くそ、ダルクス人ごときに…」

「おまえは運がない。これでおわりだから」

「ま、まっー」

 

何か言おうとした指揮官をブレードで斬りつけた。指揮官はその場に倒れた。

 

「指揮場を落とした。このままクレア達と挟撃する。いくよ、2人とも」

「了解、隊長」「了解した。姐さん」

 

それからイムカ達が挟撃した帝国軍は背後からの強襲に対応できずに次々に倒されて行った。さらに陽動をしていたクレア達も一気に攻撃を開始。短時間で第2陣地の敵の殲滅に成功した。

 

「イムカ隊長。今回の戦闘報告ですが、敵の陽動中に第4小隊は私を除く生き残り2名も戦死しました。被害は軽微とは言えませんが一応成功と言えるでしょう。そして、第2陣地内の迫撃砲ですが、どうやら鹵獲しようとしてたようです。そのおかげか大して壊されておらず、直ぐに砲撃可能です」

「わかった。クレア砲撃準備を開始して。アルフォンス、観測をお願い。ガルドは私について来て周りの警戒。グロリアとハーキュリーはクレアの手伝いをお願い。みんな、もう少し頑張ろう」

「「「「「了解!」」」」」

 

帝国軍による夜襲開始から3時間半、イムカ達による第2陣地攻略により停滞していた戦場が動こうとしていた。




リアルが忙しくなって来て書く暇が…

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