<国境警備隊駐屯地近い森>
「なんでみんなここにいる?」
寝ぼけた頭をフルに回転させて寝る前の記憶を思い出して行く。
「たしか…森で休んでいたら隊長が来て、それから…」
と考えていると、駐屯地の方から昨日の夜に来た男が近づいて来て、
「おはよう、イムカ。よく眠れたか?」
「ん、隊長。ところでこれはどういうこと?」
イムカは周りで眠っている仲間を指差して言った。すると、隊長と呼ばれた男が、
「おう、これか?昨日あの後戻るとな、おまえを捜してたみんなが戻って来ててな、んで、どいつもこいつもおまえを見つけたのかと凄く聞かれてな。仕方ねぇからおまえの場所を教えたのさ。そしたらすぐにすっ飛んで行ったよ。よほど心配だったのかねぇ〜」
と言いながら他の寝ている者らに近寄り、
「おう、おまえら!、起きろ!」
と大声で起こして言った。
それを聞きながらイムカは駐屯地の方に歩いていった。その後、
駐屯地に着くとすぐに3人組が近づいてきた
「よう、ダルクスのメス。今日は森の洞穴ででも寝てたのか?」
「違いない。ダルクス人なんぞそこらの野良犬とおんなじだからな」
そう言うと3人でイムカを嘲笑うように笑った。それを見ながらイムカはさも、道草を見るように立ち去ろうとすると3人の1人がイムカに
「なんだ?文句あんなら手出してこいよ。それとも怖いのか?」
「ハハハ、怖いのならダルクスの仲間の元にでも引きこもってろ。油臭いメス犬がぁ」
そう言いながら3人が笑っていると、駐屯地の方から1人の男が、きて、
「おまえら、そこで何やってやがる」
と言いながら近づいてきた。その男はかなりガタイの良い体格をしていて、伍長の階級章を着けていた。
「うげっ、第1中隊の…」
「フートン伍長…」
フートン伍長と呼ばれた男はまっすぐこちらに歩いてくると、三人組に対し、
「おまえら、またくだらないことをしてるのか。この要塞に配属となりながらもそんなことをしているなんて、バカバカしいと思わんのか」
「しかし、伍長。こいつはダルクス人ですよ。いくら元々ここに配属されていた第1中隊所属の貴方が言おうと、こいつがここに居ることに納得行きません。直ちにこいつを追い出すべきかと。聞けば帝国側から流れてきたそうじゃないですか。こいつが間諜ではないという証拠がない以上、とっとと追い出すべきです」
「ふん、くだらんな。イムカが間諜?それこそありえん。イムカは我ら警備隊の第2中隊のエースだ。帝国側から前から攻撃に来てた連中を
我らと共に倒してきた。元々ここに居た警備隊2個中隊の中でもトップクラスの戦績と戦闘力を持ってる。俺たちはこいつを信頼してるんだ。おまえら増援部隊とは違ってな」
そう言って居るうちに元々ここに居た2個中隊の隊員が少しずつ集まって来ていて遠目から明らかに警戒した視線を見せていた。
そのことに気づいた三人組は舌打ちをすると、そのまま自分たちの駐屯地に戻って行った。
「おう、イムカ災難だったな。しかしあいつらもしつこいな。大丈夫だったか?」
「ん、問題ない。でも、ありがとう」
「おう。まぁイムカもあまり気にすんな。あいつらもそのうちわかるだろうしな)
イムカの口調が安定しない。というかむずいね。