向日葵の姉妹   作:水代

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実は三話までは去年くらいに書いてた。
四話からは最近また書き始めた。
そしてまた勝手に新作始める水代を許してくれ。
月兎騙もちゃんと書くし、のどまもそろそろ次書くので。


01 夏の記憶

 

 

 お姉ちゃん。

 ふと振り返ると、そんな声が聞こえた気がして。

 けれど、そこには誰もおらず、そんな幻聴を聞いた自分がバカらしくなってきて。

 そして結局、何も言わず、今日も向日葵の咲くこの地を歩くのだ。

 独り、日傘を指して。

 

 

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 チラチラとこちらを見る少女の存在は、少女が自分の領域に入ってきたその瞬間から気づいていた。

 けれど、特に何をするでもなし、ただこちらを見るだけの少女に構うことも無く、黙々と花たちの世話を進めていた。

 しばらく様子を伺っていたが、少女はじっと動かず、いつまでも構っていられないと、少女を意識から外してしまう。

 夕暮れ時にふとまだ少女がこちらを見ていることに気づいたが、気にせず帰り支度をする。自身のその様子を見て少女ももう終わりなのだと気づき、結局、その日一日ずっとこちらを見たまま、何もせず日暮れと共に帰っていった。

「何だったのかしらね」

 特に言うことも無いし、思ったことも無い。ただの人間にそんな興味を抱くはずもないのだから。

 

 

 次の日、少女はまた自分を見ていた。

 そしてその日もまた、何をするわけでも無く、少女は日暮れと共に帰っていった。

 次の日も、その次の日も、何をするわけでも無く、少女はやって来た。

 

 けれど、自分には何の興味も沸かない。あれはただの子供だ。花たちに悪戯しないのなら、特に気にする存在でも無い。

 

 そして一週間を過ぎたある日。その日も少女はやって来た。

 何をするわけでも無く、ただじっとこちらのほうを伺うだけ。いつも向日葵の後ろにいるが、あれで隠れているつもりなのだろうか。

 けれど、いつものように興味も無く、ただ花の手入れをしていた。

 昼。向日葵が咲くだけあり、この時期の昼はとても暑い。けれど少女はそこでじっとこちらを見ていた。

 少女を無視して、花の手入れをしていると、ふいに少女の体が倒れるのを視界の端で捕らえた。

 

 溜息を吐く。

 ここで無視するのはいいが、人間の死体なんて置いておけば妖怪がよって来てしまう。

 低脳な小妖怪が来てはせっかく育てた花が荒らされる。

 それだけは嫌だったので、仕方なく少女を畑の外に連れて行く。どうでも良かったが、ついでにとばかりに木陰に置いてやる。このまま復調するかそれとも妖怪の餌となるのか、そこまでは知らない。自身の領域を荒らさないのなら興味も無い。

 そこに少女を捨て置き、その日はそのまま家へと帰った。

 翌日、気まぐれに見に行ってみると、そこに少女の姿は無かった。血の臭いはしなかったので、どうやら助かったらしい。

 正直、どうでも良かったので、気に留めず、その日もまた花の世話をする。

 

 そして、その日の昼過ぎに、少女がまたやって来た。

 面倒ね、と愚痴りながら少女のほうを向く。

「出てらっしゃい。隠れて無いわよ」

 呆れたような声でそう言うと、少女がびくりとして、そのまま数秒固まり、やがて恐る恐ると言った感じで出てくる。

「昨日倒れたのに、どうしてまた来ているのかしら?」

「…………だって、お花のお世話のやりかたが、見たかったから」

 何とも呆れた話だと思った、自分の花の世話のやり方を見るためだけに、この真夏の暑い中日がな一日中じっと見ていたというのだから。

「はあ、そんなもの人里で聞きなさい。ほら、さっさと帰りなさい」

 適当に追い払うが、少女が動く様子を見せないので、少し脅す。

「この辺りには、怖い妖怪が出るわよ。食べられたくなかったら、早く帰りなさい」

 そう言うと、少女はびくりと震えるが、それでも。

「だ、大丈夫だもん」

 そう言って留まる。

 いよいよ面倒ね。殺すかしら?そんなことを考える…………が、そんなものただの弱い者苛めでしかない。それはそれで矜持が許さない。

 仕方ないので、怒気を込め、強い口調で言う。

「昨日みたいに倒れられても、迷惑なのよ。いいからさっさと帰りなさい」

 そう言うと、少女が悲しそうな顔をして、すごすごと帰っていった。

「ようやく帰ったわね」

 これで平和に過ごせそうだ、そう思った。

 

 はずだったのだが。

 

「どうしてまたあなたは来ているかしら?」

 翌日、少女はまた来ていた、今度は麦藁帽子を被って。

「えへへ、お帽子あるから、平気だよ」

 そう言って、無邪気に笑う少女に、私は呆れるしかなくて。

「勝手にしなさい」

 幸い、この一週間と少しで、この少女が花に何かしたことは無い、だから、いい加減面倒になり、そんな風に投槍に言ってしまった。

 殺すか、とも考えたのだが、やはり矜持と言うものがあるし、こんな吹けば飛びそうな弱者を殺して何も得るものも無い。そんなつまらないことに時間を使うのも無駄だと思った。

 

 

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 ふと、目が覚める。

 どうやら、転寝(うたたね)をしていたらしい。

 自分にしては珍しいと思ったが、自身のいる場所を見て、ああ、と思った。

「そう、ここ…………なら仕方ないわね」

 懐かしい夢を見たのも、全部この場所が原因なのだろう。

「もう少し…………もう少しだけ…………あなたを思い出させて…………咲」

 そんなことを、考えながら、そして再び意識は落ちていった。

 

 

 




この物語の主人公は誰なんだろう?
最初は幼女のつもりだったけど、書いてるうちに完全に視点が幽香で固定になってた。
なのでオリ主タグいらないかな? と思ったけど、どうなんだろ?
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