ハリー・アップッ!!   作:炉心

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 久し振りの投稿は、IFシリーズの第3弾です。

 この話、11巻でのなのはさんの『ママ力全開モード』のハイテンションっぷりを見ていて、『他のキャラで似たような状態にしたらどうなるんだろう?』と思ったのが切っ掛けでした。……切っ掛けだったんです(汗

 今回の警告&忠告事項

Ⅰ;ヒロインも主人公も今回は色々とブッ飛んでます(特に主人公が珍しくかなり強気モード)。
Ⅱ;後半がかなりキワどいです。正直、ギリギリ過ぎるかもしれません。読んだ結果、受け付けられない方がいらっしゃったら……ホント、スミマセン。
Ⅲ:サブタイトルな内容と表現がちょこっとだけあったりします。

 以上を踏まえた上で、どうぞお楽しみください。






IF ~即ち、妄想的でフェティシズム?も含んだ何か~

 

 

 別段に何か特別なこともない、日常のヒトコマとして過ぎ去るようなある日のこと。

 

 気楽で気侭でちょっぴり苦労も多い学生生活を鋭意謳歌中のセアレは、バイトも講義の予定も一切ない完全終日休業日な一日を、悠々自適な一人暮らし生活の拠点となるマンションの自室にて過ごしている。

 

 趣味のひとつにバイクでのツーリングがある為か、周囲の知人達からはどちらかと言えばアウトドア派に見られがちなセアレではあるが、実際には一人静かに読書を楽しんだりゆったりと部屋で音楽を聴いたり、時にはゲームをしながらインドアな一日を過ごすことも嫌いではないタイプだったりする。要するに、インドア派やアウトドア派といった区分けはセアレの意識の中にはなく、自分が今楽しむことが重要であり、その為の手段や状況はあまり気にしない気質なのだ。ただ、端的な快楽主義者や道楽嗜好野郎という訳でもないのだが。

 

「セ~ア~レ~、入るぜ~~~」

 

 玄関扉の鍵が開錠される音と扉が開く音。そして、ほぼ同時に聞こえてきた少女の間延びした声に、セアレの意識が読んでいた本の世界から少しだけ引き戻される。

 

 目を通していたのは管理局のある有名女性魔導師の波乱に満ちた年少期を綴ったノンフィクション作品の第二部で、数年前に映画化もされ、近々第三部の公開予定もあると聞く人気シリーズ。物語も佳境に差し掛かり、敵対している騎士達に思わぬ悲劇が訪れたところだった為、先が気になって仕方ない気持ちを抱きつつ、パタパタと軽い足音を立てて近づいてくる気配に注意を向けようとしたセアレだが、

 

「はっけ~ん~~~♪♪」

 

 勢い良く開け放たれた部屋の扉の向こうから疾風の如く飛び込んできた存在が、茜色の髪を馬の尻尾の呼び名通りに跳ねさして、ちょうど本を閉じた直後のセアレの背面に突進するようにして抱きついてきた。

 

「あ~、久し振り~~。オレに会えなくて、寂しかったか~?」

 

 「何?」と思う間もなく、ソファーに身を預けていたセアレの首に縋り付くように両腕を回し、振り向ききれなかったセアレの背中左肩越しにグリグリと少女の持つ柔らかな部分を押し付けて、ピッタリと抱きついてくる少女。

 

「――――ああ、久し振り。だけどハリー、急にどうしたんだよ? 確かにここ数日は忙しくて会ってなかったけど。……妙にテンションが高いんじゃないか?」

 

 「酔っ払っているのか?」と、問い質したくなるほどに上機嫌でハイテンション気味なニコニコ顔を見せているハリーに困惑しながらも、自然な動作で背後から首を回って正面で交差されていたハリーの手を取るセアレ。

 

 少女特有の瑞々しい肌触りの手の甲を数度なぞってから、ハリーの繊指を解きほぐすようにしつつセアレが己の指を絡めていくと、それに応えるように優しくも確かな反応でハリーの指が絡み返されてくる。

 

「まぁな~。なんでか知らねえけど、メッチャ気分が高揚しているってな!! もう、なんつーの? 全力全開絶賛稼働中? 『我が世の春が来たー』って感じだ~~♪」

 

「マジでテンション高いな……」

 

 何かに憑かれたかのようなハイテンション。

 

 気分屋と言うわけではないが、ハリーの快活な性格上、時折テンションが急上昇してベタベタとひっついてくること自体は少なくない。寧ろ、ここ最近に至っては盡有ることではあるのだが。

 

(別に俺も嬉しいから、文句も何もないんだけどね)

 

 セアレの知らないところで相当に良い事があったのか、唯単に機嫌が良いだけの延長線上なのかは判断が出来ないが、何にせよセアレにとっては悪いことではない。

 

 数日振りに堪能するのは、鼻腔を擽るハリーの持つ甘い匂いと背中越し感じる弾力に富んだ極上の感触。少し高めの体温と、それ以上の熱気を持った親愛の情緒が伝わってくる。

 

「だからセアレ……あれだ。このオレが今感じている幸せエネルギーを、折角だからお前にも分け与えてやろうかと思ってな! 因みに、受付拒否は出来ないぜ~」

 

 セアレの左耳の真後ろから囁きかけながら、熱い吐息を吹き付けてくるハリー。その表情が笑顔以外の何ものでもないことは、セアレがわざわざ振り返って確認するまでもないことだった。

 

「『分け与える』って、なんでまた突然。……いや、別に拒否する気は更々ないけどさ」

 

「あははっ! そんなもん、答えは何時だって決まってるだろうが? お前だって、分かってるはずだろ? たったひとつだけしか……ないだからよ!!」

 

 予定調和な遣り取り。幾度となく繰り返された出来事。

 

 それでも、何度でもしてしまう不思議。

 

 嘗てのセアレとハリーの間柄では決して叶わなかった、今の二人の関係だからこその夢の様な時間。

望み、望まれた二人の想いが導いた現在。

 

 ハリーの弾むようで、それでいてしっとりと染み渡るような声が紡がれる。

 

「お前が好きで好きで堪らない気持ちが、今この瞬間にも溢れまくってるからだよ……バカセアレ」

 

 真っ直ぐに、素直に、全身に響き渡ったハリーの感情に、知らず知らずの内に笑みが溢れ、何故か声を上げて叫びたくなる感情を、セアレはギュッとハリーの手を握り込むことで代弁することにした。

 

「……それなら、いつもじゃないのか? ハリー?」

 

 皮肉気味な台詞が口を吐いて出たのは、単に照れ隠しとかだけではきっとない。

 

 子供っぽいだろうか? ――――いいや、仕方ないことなのだ。男であるなら誰しも、そんな風に言ってしまうこともあるんだ。複雑なのが女心の専売特許と言うわけではない。男心だって存外に繊細だし、真実に複雑怪奇なものなのだ。

 

「うっせ。確かにいつもそう思ってるし、この気持ちが変わったりするなんてこと、オレは絶対に有り得ないって確信もしてるけどな」

 

 随分と素直な言葉だった。ストレートな性格のハリーでも、ここまで大っぴらげに言葉にすることはそうそうあることではない。……行動や身体の反応で示す機会は、然程珍しくはないのだが。

 

(あ、マズイな。俺の方もおかしくなりそうだわ)

 

 ハリーの全身から発散される混じりっけのない想いの混じった空気に当てられたのか、セアレの方も衝動的な感情で理性のタガがはずれそうになる。

 

「それでもよ……」

 

 急に声のトーンが変わった。

 

 昔馴染みとして随分と長くハリーと付き合いがあったにも関わらず、長らくセアレが知ることのなかった響き。今までにセアレだけにしか知られていない、セアレだけにしかハリーが晒さない深愛の声。

 

 繊麗な相聞歌を口遊むように想いの声を紡ぎ出しながら、蕩けそうなほどに優しげで甘美な笑顔を浮かべたハリーは、

 

「いつもよりもっと……大好きでしょうがねぇって思う時があるんだよ」

 

 セアレの頬に自分の頬を擦り合わせるようにして、世界で最も甘ったるくて艶やかな声で囁く。

 

「んっ……うんん……ん~~……」

 

 スリスリとお互いの頬の肌と肌が擦り合わさり続ける。

 

 奔放でいながら愛くるしさを纏った子猫がジャレついてくるような仕草で擦り寄り続けるハリーに、様々な意味でセアレの感情と欲望が刺激される。

 

(狙ってやってるわけじゃ……ないよな?)

 

 チラっと覗き見たハリーの表情から即座にそう判断し、すぐに己の欲求を満たす為の算段を考え始めるセアレ。彼の脳内は今、稀代の策謀家達も間違いなく脱帽するくらいに無数の策略とシミュレーションが展開されていた。

 

 そうして、

 

(よしっ!! もう我慢とか無理だし。手っ取り早い方法でいいや!)

 

 早々に面倒くささと忍耐の限界に達して、さっさと策を巡らすことを放棄した。

 

「ハリー~。いい加減にソファーに座らないか? 凭れかかるってるとは言え、何時までも立ち続けているのもしんどいだろ?」

 

 セアレは気さくで何気ない口調でもって、ハリーに移動することを促す。

 

 ポンポンと己の横のスペースを右手で叩き、邪気のない笑顔で勧めつつ、左手は脇に置いてあったソファーの背凭れの角度を調整するリモコンへと持ってゆく。今この場でのポイントは、相手に何かしらかの意図を悟らせないよう自然に振舞うことだ。

 

「そうだな。そうすっか」

 

 セアレの言葉に頷き、スっとセアレの首に回していた腕の輪を解き、前面に回り込んでなんの警戒もなくソファーに腰を降ろそうとするハリー。

 

(今いざ逝かん、俺!!)

 

 あと数センチでハリーの臀部がソファーに接触するところで、左手でリモコンのボタンを押し、素早く伸ばした両手でハリーの腰付近を背後から抱えると、そのまま後方に引っ張る勢いを利用しながら身体を撚って反転。

 

 不意の事態に踏ん張りが効かなかったハリーの身体を、セアレは自分の身体でもつれ込ませるようにしながら、背凭れが完全に後ろに倒れたソファーに倒れ込ませる。

 

「きゃっ!!??」

 

 予想外に可愛らしい悲鳴が上がる。

 

 俯せの体勢でソファーに身を押し付ける格好となったハリー。

 

 抱き締めた腕から伝わる温もりと、耳に届いたギャップの有るハリーの声に、セアレの中に潜む嗜虐心が容赦なく煽られる。

 

「……ハリー、随分と唆る声を出すじゃないか。ひょっとして、狙ってたりする?」

 

 上半身でハリーの身体を押さえ付けながら、這うような動きで素早く移動し、ハリーの耳元付近まで己の唇を寄せると、セアレは揶揄するような声色で囁きかける。

 

「なっ!? ふ、ふざけんな、行き成り!! セアレ、お前が当然に――――んぁ!!」

 

 突然のセアレの行動に先程までのハイテンションが消し飛び、普段に近い調子でセアレに苦言を発したハリーだが、耳の縁を襲った感触に言葉が途切れる。

 

 一瞬だが、セアレの舌がハリーの耳の外周を這い、次いで軽く甘噛みしたのだ。

 

「や、やめ――――そ、そこはダメっ!! 触るぅぅぅんんんっ!!!」

 

 不意打ちに戸惑い、どうにかしようと身を捩らせたハリーに、更なる追撃の手が加わる。

 

 淀みのない見事な手捌きでブラウスの下部のボタンを二つ外し、開いた隙間から差し込まれた左手が下に着ていた薄手のシャツをたくし上げ、届いた素肌を滑り上がり、ハリーの敏感且つ繊細な部分を撫でる。

 

「相変わらず、ハリーはこの辺りが弱いみたいだな」

 

 おそらくハリー本人を除けば世界中で唯一人、セアレのみが知っているハリーの隠された弱点のひとつ。脇腹の少し上。肋骨から脇下に続く部分こそが、ハリーの最も敏感にして高い刺激を与えることを可能とする場所だった。知らざる性感帯なのだった。

 

「あっ! うあっ!? …んっ! だ、だぇ…っ!? ……うはぁぁぁ…っ!………」

 

 引き締まった肉体が故に少し浮き出た肋骨部分を、1本1本の骨を確かめるように皮膚の上から指で直接なぞると、その度にハリーの口から弾けるような反応と甘い嬌声が漏れる。

 

 奔る感覚に反応するように擦り動くハリーの両足を、ミニスカートから伸びるスラリとした太股付近にセアレは下半身を下ろして拘束。結果、セアレの自然と熱く滾る部分が、ハリーの肉付きの良い臀部にズボン越しに密着することとなる。

 

「ハリー。折角だからさ、俺の今の意見も聞いてくれないか?」

 

 休むことを知らぬように動き続ける手でハリーの理性の殻を剥ぎ取りながら、茜色の髪に埋めるように口を付け、少しだけ甘ったるく、それ以上に意地の悪く聞こえる声を発するセアレ。

 

 そして、セアレは獲物に止めを刺すが如く、ハリーの耳元を一瞬掠めるようにして囁いた。

 

 

 ――――俺も、今日はいつもよりもっとハリーが大好きだよ――――。

 

 

「ッッッ!!!!!!!!! お、おま、なっ――――」

 

 瞬時に沸騰する心悸。顔全体を真っ赤に染め上げたハリーは、勢い良く頭を振って背後を振り向く。

 

 それは、彼女にしては余りにも無防備と言わざるを得ない行為。

 

「――――んぶぅっ!!!」

 

 セアレの顔を視界に収めるやいなや、狙いすましていたかのように唇を塞がれ、半開きだったハリーの唇をこじ開けて侵入してくる熱くねっとりとした物体。小言を発する暇を与えぬ、絶妙なタイミングでの急襲だった。

 

「……うにぃ……ちゅ…ぅ……つぷぁ…………」

 

 加えて、素早く的確にハリーの弱点をつくような動きを見せる二つの手が、事ある毎にビクッと弾けるような反応を見せるハリーの身体を弄る。

 

 まず先行したのは左手だった。はだけさせたシャツから覗いた滑らかな曲線を描くお腹へと触れ、脇腹部分を軽く撫であげてから、徐々に中央部周辺の肌へと大きく螺旋を描くようにしてなぞり込む。一定の速度を保ちながらも、時折ハリーの柔肌を押し込んだり、人差し指と中指で小さく挟んだりを繰り返し、決して短調な刺激だけを与えるに留まらない。

 

 小さく喘ぎを漏らす少女の鋭敏化する身体を、ジワジワと嬲るような心持ちでもってセアレの左手は突き進み、終には浅く凹んだお腹のある一点に辿り着く。

 

 繊細で柔らかく、乱暴に扱えばすぐに傷がついてしまうようなどこか可愛らしさを感じてしまう少女の秘密の部分を、時に擦るように、時に周囲を軽く摘むようにして、容赦のない少年の指による蹂躙が続く。

 

「くはぁ!……んっ…ひぃぅ……あぅ!!……いやはぁぁぁ…………」

 抑えきれず漏れ続ける吐息と嬌声。

 

 だが、弱々しい身動ぎでしか抵抗の意思を示さないハリーに対して襲い来る次なる魔の手に、当然の如く躊躇や遠慮が生まれることなどありはしない。

 

 セアレの右手は最初、ハリーの右手を握り込むようにしてソファーに押さえ込んでいたが、徐々にハリーが抵抗力を失うに従ってその位置を下へとずらし、柔らかくも弾力のある二の腕あたりで何度も触感を味わうように摩っていたが、遂には誘惑に負けたセアレの甘噛みによるダブル攻勢を仕掛けるに至る。

 

「んひっ!? あっ!? バカセア…っ!! 喰べるぅぅなぁぁぁ!?! ……あぁあ!? ちょ…まっ……あんっ!?」

 

 ハリーの抗議の声もなんのそのと、今だプリプニとした肉の感触を楽しみ続ける口をその場に留めつつ、更に下へと移動する右手は、そのままXY染色体保有者の大半が求める楽園へと果敢に進撃する。

 

 可憐な刺繍の施された淡いピンクの布地に束縛された双丘の右側、麓部分から這い上がってくる感覚と僅かな圧力に、ハリーは身を震わせる。

 

 大き過ぎもせず、小さ過ぎもせず、ある種の理想的な張りと形容を見せつけ、僅かにはみ出す程度で手の平にほぼピッタリと収まるサイズのハリーの胸が、五指を開いたセアレの右手の平に覆われ、一時の休む間もなく激しく揉み込まれる。

 

「あぅっ!?……んぁ!……セア…レっ!…うんんぁぁ!!………」

 

 踊るような弾力。それは、布越しですらハッキリと確かめることができた。

 

 摩訶不思議にして人類永劫の神秘の権化。飽きることなどきっと有り得ない、圧倒的で絶対的な吸引力を持つ存在を、セアレの手は雄性本能の赴くままに揉みしだく。

 

「ハ…ハリー……力…抜けよ……さあ…………」

 

 熱を帯びだした息と荒い声をハリーの後頭部から降り注ぎながら、セアレの攻めの時間はまだまだ終わらない。いや、寧ろ加速してゆく。

 

 時に荒波のように激しく、時に春風のように優しく。セアレの意思によって如何様にも形を変え続けさせられるうちに、徐々に双丘の先端部分の硬度が増し、それはハリーが漏らす声の色に含まれる艶っぽさが増していくのと相乗しているようにも感じられる。

 

「んんんうんんんっっっ!!!」

 

 思わず顔をソファーに埋めて、ソファー生地を噛むハリー。

 

 セアレによって嬲られ続ける己の身体から奔る感覚。段々と強くなるその度合いは、瞳に映る世界を幾度となく霞めさせ、脳髄が焼き切れる錯覚すら憶えるような刺激を伴うようになっている。

 

 グリグリと押し付けられ続けるセアレの熱いソレをお尻にハッキリと感じ、既にハリーは身体の異変にも否応無く気付いていた。女としての芯の部分に、全てを焦がす炎が猛々しい勢いで灯り始めていることに。

 

 「切っ掛けが欲しい」と、「早く次に進みたい」と、白濁に染まりつつある頭の中で延々と訴えかけるものは、恋の感情なのか愛の本能なのか。

 

「……ハリー。質問。答えて。今すぐ」

 

 もう止まらないし、止められない。加速し続ける感情の中で、驚くほど冷静に今の状態を自覚している自分がいる。そしてそんな沈着な認識とは裏腹に、セアレは捲し立てるように切れ切れな言葉を発する。

 

「ただし、俺、ハリーからの返事は、『イエス』か『はい』しか認めないから。絶対に」

 

 傍若無人過ぎる台詞を一気に最後まで言い終え、同時に右手の親指と人差し指が、布地の奥にある硬さを増した突起部分を捻り上げる。

 

 瞬間。

 

「あ、あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 それまでにない一際大きな少女の昂まりの声が、二人っきりの部屋の中に響き渡る。

 

「…………ハッ、ハッ、ハヒュッ、ヒュゥッ……ウヒュッ…………」

 

 一瞬の高みから降りてきて、薄らと浮かび上がった涙に視点がボヤけ、絶え絶えな呼吸を繰り返すハリー。

 

 もう、グチャグチャになっていた――――思考も、感情も、身体も。

 

 もう、メチャクチャになりそうだった―――――理性が、胸懐が、羞恥が。

 

 そんなあわや耽溺寸前のハリーの耳に届くのは、情け容赦のない誘惑の声。

 

「今すぐ俺と――――たい?」

 

 酷薄でありながら、どこか愉悦に満ちたようなセアレの声。

 

 思わず振り返った視線の先に見たのは、獲物を前にした捕食者を想わせるような滅多に見せない鋭い視線。

そこいらの男なんぞ何十人束になって掛かってこようと一蹴出来るような彼女だが、この瞬間に自分を見詰める視線には、何一つ抵抗することもかなわずに射竦められてしまう。

 

 訴えかけられる猛然とした問いと、求められるのは真摯な答え。

 

 寸時前にセアレが発した台詞以上に、雄弁に語り続ける視線。

 

 逡巡する時間など……刹那ほども有りはしなかった。ハリーは己の心と身体の声に素直に従うことにする。

 

 ソファーに組み伏せられ続けている身体の上半身を無理矢理捻り、伸ばしたハリーの右手がセアレの頬へと優しく触れる。

 

 見上げた先でかち合い、絡め合った二人の視線は、瞬時に剥き出されたお互いの想望を溶け合わせる。

 

 そして、

 

「――――――――て」

 

 あまりにも彼女らしく、それでいてどこまでも彼女らしくない極上の笑みを浮かべて、とめどなく溢れる感情を乗せた睦言の葉が宙を舞う。

 

 与えるのも、与えられるのも選ぶのは少女の自由。束縛されることを望むことも、今の彼女には皆無ではない。

 

 ならばこそ、今宵は自ら捧げられるべき贄となることを選んだ少女は、解き放たれた獰猛なる獣に一晩中喰い尽くされることとなる。

 

 夕日が射し込みだした部屋の中には、激しく絡み合う二つの影と声があった。

 

 

 






 ……どうしてこうなったのか?

 きっとすべては忙しさからくるストレスと深夜テンションの所為なんです。

 そう、信じたいんです。


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