和田塚くんの純愛ロード   作:昼寝猫・

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 あらすじの続きで申し訳ないんだけど、九鬼のあずみと英雄っていつくっつくのかな?Aのあずみルートはとってもたいへん嬉しかったけど大和とくっつくのは正直もにょる。
 あとみk・・・クッキールートはあるのに亜巳姉さんがいないってのはどういう事ですかねェ(#^ω^)ビキビキ

 最後にもう一つだけ・・・Aの黛大成さん・・・最強な弟子の師匠の哲学の人ですよね・・・?・・・・・・・・こO~ずさん乙です!でも楽しみに待ってます!


夏の始まり

湘南の夏が平穏に過ぎたことはない。

 

 

 ビイイイと静かな音を響かせながら、日が落ちて暗くなった134号線沿いのカレー屋近くに一台のバイクが停車した。

 

カーキと黒で構成されているそのモタードは、前後ライト周りにはスチールパイプのバンパーがあり、フットペダルの前にも大きな鉄製のプロテクターが付いている。チェーン周りやバッテリー周りもカバーが増設されており、機械部分の徹底的な防御措置がなされている。

 

荷台も専用に増設されており、外見はさながら陸上自衛隊の偵察バイクといった外観をしているが、車体横にはKLXではなくZeroDSと黒字でプリントされている。

 

 

そのバイクの運転手は留め具を外して、0-21と大きく書かれたコヨーテタンカラーのヘルメットを脱ぐとジャケットの前を開け、口元までカバーしていたネックウォーマーをずらして一息ついた。

 

精悍な顔つきだがまだ若く見える、少年から青年へと移り変わる途中といったさまだ。

 

 

 

「ふいい、ようやっと帰り着いたぜ湘南。やっぱ16号と129号伝って延々と降りてくるのは面倒だな・・・途中寄った八王子駅で一停見逃しで二点取られたし。トホホ、親父に一発くらい殴られるな・・・」

 

 

 

 埼玉の上の方を経由して長距離を運転してきたらしく、少し疲れた表情をしている。体格は良いが、流石に長距離運転と原点のダブルパンチには辟易したように見える。

 

 

 

「そもそも日本の駅付近って、後先考えずに建て増ししまくるからごみごみしすぎなんだよ!!説教食らって、郵便局探して、罰金払ってたらもう九時過ぎじゃねえかよ!」

 

 

 

クソッ、地図確認で停車してなければ撒いてやったのに、などと物騒な事をつぶやきながら、腕のアームカバーのようなシースルーのPDF入れに入った携帯のナビを切っている。どうやらこれと、片耳につけた無線イヤホンで道を確認しながら高速を下ってきたようだ。

 

 

 

「流石にバッテリーも30%切ったか・・・オール電化のバイクってのははじめての試みだけど、いいよな・・・この国は電気が財産っていう考えが呆れるほど退化してるから、電気窃盗の現行犯でタイーホなんてポリ公でもやらねえ・・・だから、燃料ほぼただだしウハウハだな・・・最初は振動無いし、エンジン音しないのがどうかと思ったけど・・・中々どうして」

 

 

 

 ゲスイ顔でゲスイ事をのたまうこの少年は、どうやらいわゆる不良のレッテルを貼られている人種のようだ。

 

携帯でバイクのバッテリー残量を見ながら、メットを荷台に置きカバンからペットボトルと□ーンソのグリルチキンを取り出すと、小休止を取り始めた。

 

 

 

「・・・そろそろ夏だっつのに暗くなるとまだまだバイクは寒いな~、これで雨でも降られた日には風邪確定だな。ATVならルーフ付けられるけど、高速乗れねえしなー・・・」

 

 

 

 天気予報通りで良かった、グリルチキンうめ~などと言っている少年は、白のVネックに黒色のフライトジャケット、紺のジーンズの上にニーパッドを着けている。靴はタンカラーのコンバットブーツ。

 

手袋はM-pactを左手は赤色のオープンフィンガー、右手に黒色のフルカバーのものを着けて携帯やメットの留め具を操作しやすく工夫している。利き手の右手だと咄嗟に手をついてしまい、オープンフィンガーだと怪我をしてしまうため、左手をオープンフィンガーにしているというのが味噌だ。

 

また荷台のダッフルバッグの他に、ジャケットの中にはウェアラブルなセカンドバッグを着けていて、長距離でもかなり余裕のある運転が出来るようになっている。

 

 

 がしかし、バッグ類やジャケットは防水加工がされているが下半身はそういうわけにはいかず、少年の言うとおり雨が降っていたならば相当悲惨なことになっていただろう。

 

 

 もっとも、雨が降らずとも今日は悲惨な目に会うのではあるが。

 

 

 

「ヒャッハー!!!」

 

「来たぜ湘南んんんんん!!!!!!!!」

 

「きゃっ!」

 

「うわ、なんだ!?」

 

「あ・・・私の、肉まん・・・」

 

「ん?」

 

 

 

 後ろから改造マフラーの悪趣味な音を鳴り響かせながら、よからずが金属バットを振り回している。道を歩いていた人たちも被害を受け、制服を着ていた少女は肉まんをたたき落とされた。

 

 ひでえことしやがると、思いながらも少年は他人事であった。バイクは道路から少し離れていたし、相手もバイク乗り。バイク乗りならバイクに酷いことをしようとは思わないだろう、安易にも少年はそう思ったのだ・・・その甘い考えを、すぐに後悔することになるとも知らずに・・・。

 

そのまま食べかけの肉を食べようとした瞬間、その危険を察知して少年は可能な限り低くダッキングした。

 

その動きは、見る者が見ればそれだけで目を見張るような見事な「沈み」の動作であり、鉄パイプで殴りかかろうとした男も、少しバランスを崩してよろけながらバイクは走っていった。

 

 

 

「ふー、やれやれ。見境なしかよ・・・よろけてからのリカバーは出来てたし乗り手はまあまあだが、ケツの野郎は走り屋じゃなくてクズの方だったか」

 

 

 

 少年は、吐き捨てるようにそうつぶやいた。

 

 後ろからもう一台来ていたはずだ、と警戒してバイクから降りると、案の定もう一台金属バットを振り回しながらこっちに近づいてきていた。

 

 

 

    いっそぶん殴ってやろうか、と待ち構えたその瞬間にそれは起こった。

 

 

 歩道の段差によろけたバイクが、少年の近くを通るコースを外れてしまったのだ。

 

 

 

「っち!だが調子のんじゃねえ・・・よっ!!」

 

「あ」

 

 

 

ガンッ!ガッ、ゴッ、ズザザ・・・

 

 

何をどう調子にのるのだかはわからないが、バイクの後ろに乗って金属バットを振り回していた男が、ギリギリ届いた荷台に乗っていたヘルメットを金属バットでぶっ叩いたのだ。

 

 

 

「ひゃっはー!ホームランだぜええ!!」

 

「さっすがタケチャン!!ざまーみろインポ野郎!!」

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あ、ああああああ!!!!??俺のメットおおおお!!!!!!」

 

 

 

 

 

 イタリアのフライトヘルメットを元々作っていた、OSBE社がバイクヘルメットを手がけた一品であり、その形、追加オプションのマスク、どれをとっても最高にかっこいいヘルメット。

 

 その最高にかっこいい割に、お値段リーズナブルなヘルメットは、時速60キロの速度から振り回された金属バットによって、路面に叩きつけられ無残な姿を晒していた。

 

 フルフェイスではないことから、日本の安全推奨基準を満たしていないヘルメットではあるが、十二分に強度を保持している。その頑丈さは痛撃な一撃を食らったにもかかわらず、内側まで壊滅的なダメージを受けていなかった事ことからも見てとることができる。

 

 

 

「あ・・・あ・・・」

 

 

 

少年は、よたつくように飛んでいったオプション付き六万円相当の「まあチョット高かったがSh〇ei程でもないし、満足のいったお気に入りヘルメット」、の元に近づくと崩れるように膝をついた。

 

 そのまま数秒ばかり俯いて呆然としていたが、偶然、同じタイミングで後ろにいた肉まんを叩き落とされた女学生とわなわなと肩から震え出し、同じ言葉を呟いた。

 

 いわく

 

 

 

「「・・・殺す」」

 

 

 

そうつぶやくと、その女学生は走り出し、もう片方はダッフルバッグから予備のジェットヘルメットを取り出しネックウォーマーで鼻まで隠しジャケットの前を閉めてバイクを始動させた。

 

少年が少しバイクを進めると、目の前には100近い人間が道を通せんぼしており、先程の族達がその前で立ち往生していた。

 

 

 

「喧嘩か?なら都合がいい・・・始まる前にヤる」

 

 

 

 先に走り出していた女学生を追い越し、不幸なことに下車している「目標」から10メートルほど手前で停車する。通せんぼしていた不良達も、流石にこの状況で急に謎のライダーが出てきたことに驚き、ざわめきが起こる。

 

 

 

「れ、恋奈様?なんか来たってばよ」

 

「全然音しないシ、アイツなにものだシ?」

 

「んん?どっかで見た覚えが・・・」

 

 

 

 真ん中のリーダーらしき女の両隣にいるデカい女と、やたら小さい少女が、恋奈と呼ばれた少女に尋ねる。

 

(ッチ、近場で見たのは初めてだが、あのバカが居るってことはこれが『江乃死魔』であれが片瀬恋奈か・・・やり合うのは得策じゃないか)

 

 

 

「なによアンタ、タイミング的に見て堅気には思えないけど・・・悪いけど、こっちは今勧誘の最中なのよね、消えてくれる?」

 

「・・・」

 

「・・・だんまり、ね。まあ予定には無かったけど、増える分には悪くないわ。ここであったのが運のつき、光栄に思いなさい!この片瀬恋奈様の『江乃死魔』が100の大台に乗ったこの夜に加われるのだから!」

 

「・・・お前のソレに興味はない、俺はそこのバカの一人が欲しいだけだ」

 

 

 

 少女の自信と覇気に満ちたその言葉に、少年はネックウォーマーでくぐもった声で短く切り捨てた。

 

 

 

「あらら、簡単にスルーしてくれちゃって。あたしにはあんたの用事なんて関係ないわ!」

 

 

 

(そらそうだはな、これで通ったらクラシック風の不良なんてやってないはな。やっぱり即行でかたつけてバックれるのがベストだな)

 

 

 

「あれ、やっぱりあの声?でもバイクが違うし・・・」

 

「?どしたシ梓?」

 

「いえね、あのバイクのライダー知ってる気がしたんスけどね?違うといいな~、と思ったんスよ」

 

「もしかして、仲いい知り合いだシ?」

 

「とんでもないッス!むしろ、見かけたら全力で逃げ出したい相手ッスよ!」

 

「そんなに強いヤツなのかい?」

 

「強いのは間違いなく強いんすけど・・・正直あたしよりダメージの見極めギリギリにする人なうえに、やる事メチャクチャなんスよ・・・」

 

「メチャクチャ?」

 

 

 

 不良たちが身内で話し合っている隙に、少年はバイクのモードをエコからスポーツに切り替える。

 

 

 

「そうっスね、アズの知ってるあの人なら、多分この混乱している状況でさり気なく移動できる状態にして・・・」

 

 

 

 準備をしている少年も知らないことではあったが、後ろから猛スピードで近づいてくる女学生がいた。

 

 

 

「恐らく十メートルくらいあるんで、助走をつけて後輪浮かしてから」

 

 

 

 ヤンキーがうるさく、音が聞こえないであろう事を予測して、足を地面につけたままアクセルを軽く開けて動き出す。

 

 

 

「ジャックナイフターンであそこの男ぶっ飛ばして、地面にタイヤついた瞬間そのまま即行逃げる!、って感じのことぐらい平気でするんじゃないっすかね?」

 

 

 

「ビンゴ♪」

 

「「「へ?」」」

 

 

 

 一気に加速していつの間にか近づいていた少年は、当初の予定通り横に少し切ってそのままフロントブレーキをかけると、ZeroDSの後輪はフワリと地面から離れた。

バイクは音が鳴る、特に不良のそれは、という意識を逆手にとって行われたそれはその場の誰もが反応する間もなく行われた。

 

 

 

「くらえ、俺のメット・・・トルナドの敵!!」

 

 

 

 そこに居た誰もが、前輪を軸に男の顎に飛ぶように近づく後輪があたる、と思ったその時

 

 

 

「あは♪あたしも、それ頂き・・・くらえ、私の晩飯、肉まんの敵!!」

 

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

瞬間追いついた女学生とバイクに乗った少年が、それぞれ海に人間を吹っ飛ばした。その場の不良たち、バイクのライダーを含めて女学生以外の、全ての人間が呆然とした声をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

湘南の夏が平穏に過ぎたことはない

 

 

 

 

 

 

 

 

 




和田塚 真(わだづか まこと)
稲村学園1年 1浪

特技
パルクール
武術及び近接格闘術
バイク
英語

 愛用品
バイク
・改造ZeroDSZF11・4 カーキ・ブラック
・魔改造スーパーカブ オリーブグリーン・ホワイト
メット
・Osbe Tornado  濃い灰色 コヨーテ(破損)
バッグ
・VOODOO TACTICAL DEPLOYMENT Duffle Bag
セカンドバッグ
・PANTAC MOLLE SPEC OPS
その他
・Bonowi EKA CAMLOCK(特殊警棒)
・SUREFIRE 6PXD(フラッシュライト)
・Cold Steel Point Guard(ネックナイフ)
・Mechanix M-Pact(グローブ)黒と赤の指ぬき

 備考
帰国子女
高級志向で小さくて丈夫で使えるものが好き
金回りが良い
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