ということで今回は誕生日という素晴らしき日にイベントステージのチケット落選という現実を突きつけられ血の涙を流しながら第16話投稿です!
追記:今回が15話と表記されていましたので訂正させて頂きました。混乱させてしまった方は申し訳ありません。
ご指摘下さり本当にありがとうございます。
ユウは日記のハードカバーをパタリと閉じる。
「こ、これは?」
「この『異脳実験』の元凶、『異脳』の仮説を立てた科学者の日記だ」
「脳の研究をし、脳の開発を進めていたもの自身の脳に溺れるなんて…愚かだな…」
「実際人間なんてその程度のもんだろ?未だに脳の5%未満の性能しか使えてないだけあるよ。」
「そうだな…通常よりも脳を上手く使ってすらこのざまだからな」
「さて、これからどうするよ」
「とりあえず、ここの日記と他の書類いくつか持ってここから出よう。必要なものは揃った。」
「うん!だね!こんな所とっとと出ちゃうに限るよね!」
…ガシャン!
部屋の自分達とは反対側で大きな物音がする。恐る恐る振り返ると血だらけの"被験者達"が立ち上がっていた。
「………ッッッ!」
「は、やく、に、にげ、ないと…」
「……ケン…走れるか?」
「出来るか出来ないかじゃねぇだろ…今は、やらなきゃ死ぬ…」
「ミサ、着いてこいよ。」
「ユウくん、階段の場所分かるの!?」
「分かるわけないだろ…あんだけさまよったんだから。」
「じゃあ、どうするの?」
「んなモン"勘"だろ!行くぞ!走れ!!」
全速力でコンクリートの廊下を駆ける。
ユウは迷いなく、いや、迷う暇なく角を曲がっていく。
後ろにはゾンビの大群のように群れをなし被験者達が追いかけてくる。
さながら「レッ〇・フォー・デッド」のようだが、臨場感が全くの別物だ。
武器もなく、反撃すら出来ないまま、どれ位走ってきただろう…
ずっと同じ景色の施設をグルグルと、永遠に出れないのではないかと、そう思わせるように作られているのではないかと疑うレベルでさまよっていたが、目の前から遂に曲がり角がなくなった。残るは階段のみだ。皆全く違う表情で全速力で駆け上がる。
ユウは冷や汗を、ミサは嗚咽を漏らしながら、ナギサはポロポロと涙を零しながら、ケンは鬼の形相で、最後の階段を駆け上がる。
音楽室に戻り、全員が上がってきたのを確認しピアノにセットされていた黒いオルゴールを回収する。
すると音楽室を揺らしながら階段が消えていった。
「…ハァ……ハァ………ハァ……」
全員息を整えようと必死で呼吸をするもなかなか収まらない。
「っぶねぇ……」
「……ヒグッ…ウッ…ウゥッ…」
「どうして僕達だけ…」
「なんで…こんな……なんで俺達がこんな目に合わなきゃいけないんだ!…」
これまでの理不尽に対して意味の無いと問いかけをする。
「それは、君達が特別だからさ…」
「っっ!誰だっ!」
「おっと、ユウ。もう忘れられてしまったのか…それは少しショックだな…」
「ぇ…どうして…」
「ユウ、そいつと知り合いか?」
「知り合いも何も…俺の"父親"だよ」
「なんだ、憶えているじゃないか。少し怖かったぞ?ユウ」
「おい、親父。そこで何してんだよ。」
「俺への言葉遣いくらい気をつけた方がいいぞ?」
そう言うとユウの父は後ろからサキを突き出してきた。
「ユウ、この娘、知ってるよな?」
「あぁ、もちろんだ。」
「じゃあ…分かるな?」
「チッ…要求はなんだ。」
「話が早くて助かるよ。その手に持っているものを渡せ」
「渡してどうなる。」
「俺が処分する。」
「ンなことさせるか!」
「じゃあしょうがないな…サキちゃん。」
「……うん。」
「さ、サキ…?」
「サキがフラフラとこちらに近づいてくる。」
「ユウ…ゴメンね。ホントはこんなことしたくない。でも、これがみんなの為なの…」
「さ、き?」
サキの意味深な言葉に全員が押し黙る。
そうしてユウの目の前まで来ると倒れ込むようにしておもむろに、
ユウに抱きついた。
「っっ!さ、き…?お前…」
「ホントに、ゴメンね!ユウ!」
ユウは薄れゆく意識の中、サキの嗚咽混じりの謝罪をしっかりと聞いて…
意識を手放した。
今回少し短めですいません。前回のと2個1で書いてたのですがどうも一つにするとあまりにも長かったので2話に分けさせていただきました。
次回からは最終戦vsネオの右腕です!お楽しみに!
今回も閲覧ありがとうございます!!!