とある科学の絶対波動〈アブソリュートウェーブ〉   作:skav

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最強の男

日が暮れ始めた頃、瀬那は当麻とファミレスで話し合いをしていた。

「で、なんだよ見せたいものって。」

「ふっふっふ、ついに上条さんにも幸運が訪れたぜ!」

そう言って一枚の封筒を瀬那に差し出した。中には一枚のマネーカードが入っていた。

「・・・マネーカードがどうしたんだよ?」

「拾った。」

「当麻クンの猫ばばに百歩譲って目をつぶるが、それがどうしたんだ?」

「いや、いま学園都市中にこんな感じにマネーカードがばらまかれてるらしいぞ。」

「ふ~ん・・・でもそのカードの中一円も入ってないぞ?」

瀬那の一言で当麻はぴたっと固まった。

「・・・どうして分かったのでせうか?」

「カードの電磁波読みとりゃすぐ分かるよ。瀬那さんを甘く見るでない。」

「うぅ・・・不幸だ。」

「まあ、これを機に猫ばばまがいの行動は止めるんだな。そうするば今日は俺の奢りで良い。」

「マジで!?止める、止めます!」

どこまで行っても現金な当麻に瀬那は苦笑しながらレシートに手を伸ばした。

「そう言えば当麻、昨日雑居ビルで火事があったって知ってるか?」

「いや、知らない。何せ昨日は退院したばっかりでね。」

「・・・また入院かよ。」

支払いを済ませた瀬那はタイムセールスに向かう当麻と分かれて、何となく歩き出した。

 

 

ドオオオン・・・。

薄暗い夜道を進んでいると、遠くの方で爆発音が響いた。

「・・・まさか。」

嫌な予感がした瀬那は予備が無いのもお構いなしにバッテリーの出力を最大に上げ、跳躍した。

音の方角と距離からして数キロ先の車両倉庫から聞こえてきたと見て間違いない。

空中を漂いながら瀬那の目に飛び込んできたのは今まさに片足を失った御坂妹が、飛来した車両の下敷きになる瞬間だった。

「畜生、畜生・・・畜生!!間に合わなかった・・・!」

橋に着地した瀬那は何度も地面に拳を叩きつけた。

「ああああああああ!!」

間髪入れずに下から聞き覚えのある声が響いた。

「御坂・・・美琴、なんで?」

彼女は砂鉄を操り、その先に立つ男を包み込んだ。

しかし、その攻撃は男の元には届かずむなしく空を切るばかり。

そして美琴は見てしまった、地面にぽつんと転がる左足を。

「ーーーーーッ!!」

声にならない悲鳴を上げ、美琴は車載場のレールを根こそぎ引き抜く。

一匹の獣のようにうごめくそれは一直線に男に向かって襲いかかる。

しかし、今度はまるで見えない壁に阻まれるかのようにレールは美琴に向かって跳ね返った。

間一髪のところでそれを避けた美琴はポケットからコインを取り出す。

「だめだ美琴・・・あの男は・・・あの男は!」

余裕たっぷりにその場に立ちつくす男の名は一方通行。あらゆる現象の向きを変える能力を持つ。

いま一歩通行に超電磁砲を放てば美琴は跡形もなく消し飛ぶだろう。

瀬那の願い叶わず、美琴は一方通行に向かって超電磁砲を放った。

「・・・くそっ!」

最大出力で瀬那は美琴と反射された超電磁砲の間に割り込んだ。

「頼む、もってくれ!」

瀬那は超電磁砲にかかっている電磁波、熱、衝撃等々、全ての現象に干渉し無効化しようとした。

ピピピピピ・・・ピーーー。

バッテリー切れを示す電子音。瀬那は全ての現象を消すことは出来なかった。

唯一残された衝撃波を美琴に届かせるまいと、瀬那は衝撃波を自分の身体に集約させた。。

「ぐがぁ・・・!」

暴力的な衝撃に耐えようとするが、電気的な補助を失った瀬那は為す術無く意識を手放した。

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