とある科学の絶対波動〈アブソリュートウェーブ〉 作:skav
木山瀬那 能力判定レベル2。
先日の能力測定の結果を受け取った瀬那は放課後の教室でだらだらしていた。
その他に残っているのは上条当麻、土御門元春、青髪ピアスだ。
「昨日は大変だようですにゃ~キヤマン」
「ああ、最悪死ぬところだった。」
「まさかバッテリー切れ寸前で絡まれるとは、上条さん並の不幸ですな」
「前から気になってたんやけど、キヤマンのバッテリーは何の用で使おてんの?」
「持病のせいで筋力の補助をしてるんだよ。」
「確か筋ジストロフィーとか何とかって名前だぜぃ」
土御門の言うとおり瀬那は筋ジストロフィーという病気を患っている。
現在は身体全体に人工筋肉を埋め込み、電気的に制御することで日常生活を送っている。
バッテリーは首に付いたチョーカーの中に埋まっていて連続12時間使用可能だ。
ただし、激しい運動や能力を使用すると格段に消耗が激しくなりすぐ無くなってしまう。
ソレを防ぐために瀬那は最低3っつのバッテリーを携帯している。
昨日は1つしか所持しておらず尚かつ破壊してしまったため死にかけたワケだ。
「つまりは木山の身体は半分機械ってことか?」
「半分どころかほとんどだな。まあ、コレのおかげで俺は生活が出来てるんだ。そんなに暗い顔するなよ。」
その時、瀬那の携帯がメールの着信を伝えた。
「…わりぃなみんな。先に帰るよ。」
「おう、また明日だにゃ~」
メールの送り主は木山春生。脳科学の第一人者であり、瀬那の保護者でもある。
彼女の愛車、青のガヤルドが校門前に駐車されていた。
丁度下校時間のため嫌でも目立つ。
瀬那はとりあえずガヤルドの前を素通りし、最初の角を曲がる。
すると、派手な音を立てながらガヤルドもその角を曲がりエンジンを止めた。
シザースどあが跳ね上がり、出てきたのは相変わらず眠そうな顔をした木山春生本人だった。
「酷いじゃないか、わざわざ迎えに着たのに。」
「目立つんですよ、その車は。」
「まあ良い。早く乗りたまえ時間が惜しい。」
仕方なく狭苦しい助手席に乗り込むと、ゆっくりとガヤルドは走り出した。
「…で、今日は何のようですか?」
「君は確か昨日大けがをしたそうじゃないか。」
「ええ、まあ…。」
「今回行うのは聴覚と共感覚醒の実験だ。君には被験者の脳波を測定してもらいたい。」
「何の脈絡もなくいきなり本題ですか。」
「用があるなら後日でも構わないが?」
「断りませんよ。あなた達のおかげで普通に生活出来ているわけですから。」
瀬那はこの研究の本来の目的を知っている。知っているからこそ協力をしていると言っても良い。
…まったく。根っこの所はいい人なんだけどなぁ。
そう思いながら瀬那は隣でステアリングを握る保護者兼、協力者の人間を横目で見た。
「頼んだよ。”八人目”の木山瀬那くん」