とある科学の絶対波動〈アブソリュートウェーブ〉   作:skav

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常盤台中学

「お、お邪魔します・・・」

瀬那の現在地、常盤台中学寮内。

美琴の一言がきっかけで、いつの間にか瀬那はここに寝泊まりすることになってしまった。

「木山さん、くれぐれも絶対に、ぜえぇぇったいにばれないようにして下さいな。」

「分かってるよ。だからお前達以外に俺の姿が見えないようにしてるんでしょうが。」

現在瀬那は美琴と黒子以外の敷地内全員に能力を使って見つからないようにしている。

具体的には光の波長をねじ曲げてあたかもそこに誰もいないように認識させている。

「夕食はお姉様の体調が優れないことにしてここまで運んできますので、お二人はここでお待ちを。」

「はーい」

「了解」

ばたんと扉が閉じられる。そして何とも言えない緊張感に瀬那は包まれた。

今更ながら何で了承してしまったんだよ!しかも天下の常盤台だぞ!?

あぁくそ、とりあえず落ち着かないと。とりあえず明日の分の充電しとかないと。

「なあ、美琴。コンセント借りて良いか?」

「ひゃい!・・・あ、ああコンセントね。良いわよ。好きに使って。」

第一声に妙な声は聞こえなかったことにして、瀬那は使用済みのバッテリーを充電し始めた。

「ねえ、アンタの身体って電気的な補助を受けてるのよね?」

「ああ、前にも言ったよな。俺の持病のが原因でこうなってるんだ。」

「その病気って筋ジストロフィーってやつでしょ?」

「よく分かったな。コレがなかったらたぶん俺はとっくに死んでる。」

「そう・・・良かったじゃない。話変わるけど、アンタって昔のこと覚えてる?」

「覚えてない・・・いや、思い出せないんだ。なにせ10年前からの記憶しか無くてね。」

瀬那は自嘲気味に笑った。

「一番古いのは、瓦礫の中で一人立っていた記憶かな。」

「へぇ・・・そうなんだ。」

「それはそうと俺お前に謝らないとな。」

「何でよ。私謝られるようなことした覚えないんだけど。」

「いや、俺のせいで序列が下がっただろ?何か悪いことしたなって。」

「ああ、そんなこと。別に気にしてないわよ。まあ、後で私と勝負してもらうけど。」

「はぁ?なんで戦わなきゃ行けないんだよ。」

「私の序列を奪った者の責任よ。黙って受けなさい!」

「・・・分かったよ。けど今は駄目だぞ。ただでさえピリピリしたこの状況で能力使ったら一発で捕まるぞ。」

「わ、分かってるわよ。そんなことくらい。」

「お姉様、木山さん。お食事をお持ちいたしました。」

黒子が運んできたのは、大皿一杯のサンドイッチだった。しかも一つの厚さが尋常じゃなく、挟んである具も豪華のものばかりだった。

「なに見てるのよ。早く食べちゃいなさいよ。でもさすがにコレは多すぎるんじゃない黒子?」

「そ、そうですの?」

しかし二人の心配を余所に、大皿一杯の夕食は綺麗さっぱり瀬那の胃袋に収められた。

「さすがお嬢様学校。こんなに美味いサンドイッチ初めて食べたよ。ご馳走さん。」

「アンタ、細身の割りによく食べるのね。」

「・・・そうか?案外普通だと思うけど。」

「さてと・・・それじゃあわたくしはシャワーを浴びてきますわ。お皿は部屋の外のワゴンに置いておいて下さいな。」

「そうだ。アンタお風呂どうするの?さすがにここじゃあ・・・。」

「この破廉恥娘が。そんなこと分かってるよ。先に済ませてあるよ。」

「だ、誰が破廉恥娘よ!?」

「はいはい、お姉様も行きますわよ。」

 

黒子は美琴を引き連れて、さっさと部屋を出て行ってしまった。

「つーか俺一人残したらアリバイが消えるんじゃないか?」

幸いなことに二人が戻る間に事件が起こることは無かった。

 

 

 

 

手持ちの小型端末で暇を潰していると、突然黒子がベッドごとテレポートしてきた。

「・・・っと、コレで良しですわ。」

「お前・・・大胆なことするな。」

「幸い未使用の部屋が上の階にありましたのでちょっと拝借して参りました。」

「そうか・・・早速で悪いが俺は寝させてもらう。」

「そうですの・・・お休みなさいませ木山さん。」

「・・・すぅ・・・すぅ」

「あれ、もう寝ちゃったの?」

遅れて帰ってきた美琴も瀬那の寝付きの良さに少し驚いた。

「まったく・・・お姉様はもう少し軽はずみな発言は慎んで下さいな。」

「あははは・・・けど、黒子もよく私とコイツだけにしたりしたわよね。いつもなら絶対許さなかったでしょうに。」

「それは・・・何となくこのお方は大丈夫だと感じましたので。」

黒子は瀬那の無邪気な寝顔を見て微笑んだ。

「さて、私達も寝よ。」

「では、わたくしの夜のお勤めを・・・」

「するか!!」

「ほぐぉ!」

予備動作なしで飛びつこうとした黒子を気絶させ、美琴は瀬那の寝ているベッドに近付いた。

「ねえ・・・あんた本当はあの時あった子だったりする?」

美琴は瀬那の額に手を当てしばらくそのままでいた。

「ふふ、可愛い顔して寝ちゃって。じゃあ、おやすみ・・・瀬那。」

彼の名前を呼んだ瞬間、少しだけ胸の鼓動が速くなるのを感じた。

 

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