「俺、超能力者なんだよね」
休み時間では目立ってしまうので放課後屋上に来いと呼び出した山田太郎(仮)の口からはわかりきった答えが返ってきた。
それはわかってる、目的を言え。
「うーん、目的か……斉木くんってさ、神様って信じる?」
ああ、照橋さんのファンの1人だろう。
「いや、そっちじゃなくて……あー、ややこしいな。まあ信じてるならとりあえずいいか」
さっきからなんだ、言っておくが僕は宗教勧誘ならお断りだ。
「俺も別に信仰してるわけじゃないんだけどね……、実はその神様にこの世界の崩壊を防いでくれって頼まれてさ」
二人目の海藤は勘弁してくれ。
「だー、だから違うってば。いいかい?まずこの世界には神様がいる。そして僕はその神様より偉い神様からこの世界の崩壊を防ぐためにここに転生してきた高校生、アンダスタン?」
それで納得するやつは海藤ぐらいだ。
「だよな。気持ちはわかる、でも納得して欲しいんだけど……」
……仕方ない、話を進めるためにもとりあえず納得するしかないみたいだな。
で、その世界の崩壊とやらはいつ起きるんだ。
「わからない」
帰るぞ
「君が呼んだんだろ!?」
……しまったな、僕としたことが自ら余計なことに首を突っ込んでしまったようだ。
「いや、君結構やってるよ?それ」
そんなはずはない。
……とにかくだ、悪いが僕は忙しい、世界の崩壊とやらが起きる時は僕も力を貸してやろう、それまでは関わるな。
「まあ、善処はするよ」
その言葉に信用性の欠片も感じないが……まあいい必ず実行しろ、いいな。
「あっ、ちょっと待っ……」
僕は呼び止める奴を無視してテレポートをする。
こんなこともあろうかと屋上に靴で来ておいてよかったな。例のごとく途中邪魔が入ったのが面倒だったが。
―シュンッ―
…………?
どうなってるんだ、確かに僕は自分の部屋に瞬間移動したはず。なにのなんだこの水玉模様にハートの入り乱れた部屋……そして僕と僕の兄の顔がでかでかと写っているポスター……。
「く、楠兄?どうしたのいきなり……」
何!?い、いきなり後ろから現れた!?
『君は誰だ』
「君は誰だって……何言ってるの楠兄、ってあれ?今珍しく喋った?」
待て、何か恐ろしいことが起きている気がする。
テレポート先の変化に加え、僕のことを楠兄と呼ぶこの少女……ここから導き出される答えは、
「もう、妹の顔忘れるってどういうことなの!頭でも打っちゃったの?」
…………ふざけたことをしてくれるじゃないか神。