乗り鉄探偵南 達仁 函館発特急おおぞら3号殺人事件 作:新庄雄太郎
函館本線、室蘭本線、千歳線、石勝線、根室本線を経て、函館から釧路まで北海道を縦断する特急列車である
俺は音の木坂学院に通う高校2年生、南 達仁 明るくて鉄道オタクでいろんな列車に乘り次いで1人旅もしたこともある乗り鉄である ある昼休みの日、穂乃果とことりが達仁と一緒に昼食していた
穂乃果「いやーっ 今日もパンがうまい」
ことり「穂乃果ちゃん、達仁君、もうすぐ夏休みだね、どこかへ旅行したくない」
達仁 「そうだな、俺さ北海道へ行って見ようと思うんだ」
ことり「北海道へ」
達仁 「うん、なんか北海道の鉄道に新しい路線が開通したんだって」
穂乃果「えっ なになに」
ことり「どんな路線ですか」
達仁 「石勝線だよ」
穂乃果・ことり 「石勝線!」
達仁 「うん、夕張から通る列車は石勝峠を通っていくんだ、そこから根室本線を通るんだ、その線路を走る列車は特急おおぞらと急行まりもさ」
そこへ、高校3年の矢澤にこがやってきた
にこ 「あなたも割と詳しいんだね、達仁」
達仁 「あれっ、にこちゃんいつの間に」
にこ 「夏休みに北海道へ行くの、私も混ぜてもいいかな?」
達仁 「いいよ」
にこ 「私は、飛行機で千歳まで行こうと思うの」
達仁 「飛行機か、飛行機酔いはしないのか、にこ」
にこ 「にっこにっこにー、にこは酔わないよ 私は留学に行った時に乗ったこともあるから大丈夫にこ、じゃあ私は希がまってるから」
にこはそう言いながらその場を立ち去った
達仁 「俺が行くんだったら、上野駅から寝台特急で行ったほうが楽しいんだけどな」
穂乃果「そうよね、寝台特急って上野から出発するんでしょ」
達仁 「そうだよ、東北本線ははくつるで奥羽本線はあけぼので常磐線はゆうづるさ」
ことり「ゆうづるか、乗ってみたいな」
穂乃果「ゆうづるは電車と客車の寝台特急でしょ、達仁は乗ったことはあるの」
達仁 「あるよ穂乃果、俺はゆうづる5号で網走に行ったことがあるんだ」
穂乃果「へぇーっ、実際に乗ったんだ」
達仁 「ああっ、ゆうづるは3往復が583系でそれ以外は客車を使うんだ」
ことり「ゆうづるは24系と24系25形と14系客車のはずよ」
達仁 「ただ 2往復は臨時列車なんだ」
穂乃果「そうなの」
達仁 「うん、このゆうづるは季節列車なんだ」
ことり「私、一度は乗ってみたいな」
穂乃果「ことりちゃん、乗ってみたいの」
ことり「うん」
達仁 「そうだな、やっぱり夜行列車で北海道へ行ったほうがたのしいよね」
ことり・穂乃果 「うん」
そういいながら俺と穂乃果とことりは昼食を終えた
一方、にこの家では母と話し合っていた、今の若者の贅沢志向が、気に食わない。
夏休みに、達仁達といっしょに北海道一周の計画を立てたときにも、母は、千歳まで、飛行機で行くということに反対した。
「飛行機でなんかで行ってしまったら、本当の旅の楽しさが味わえないわよ。列車に乘り次いで言ってこそ、東京から、はるばる北海道へ行ったという実感がわくよ。それに、学生時代だからこそ、時間をかけた旅ができるんでしょ。社会人や大学生になっても出来るような飛行機旅行はやめたほうがいいよ」
そんな母の言葉に、納得したのかどうか、にこは、飛行機を使わず、夜行列車で青森まで行き、青函連絡船で北海道にわたることにしたといってきた。
出発は、7月31日というので、母は、上野駅まで、にこを送りに行った。19時50分発の常磐線周りの上野発青森行きの「ゆうづる1号」に乗るというので、にこの母が19時17分に着いてみると、にこは、穂乃果とことりと1人の高校生と一緒だった。
「こちら、達仁君」と、にこが、紹介すると、達仁は、ニッコリ笑って、
「南 達仁です」
といい、生徒手帳を見せた。
穂乃果とことりのクラスと名前の肩書のついた手帳だった。
にこの母は「ちょっと」と、にこを、引っ張って、
「どういうことなのこれは」
「何が?」
「女の旅だけとは、聞いてないけど」
「彼、高校生なのよ」
「そうなの」
「はい、穂乃果とことりは同じ小学と中学でいっしょだったので」
「はぁっ、それで」
にこは、手を合わせる真似をしていた。
にこの母も、ここでね反対するわけにもいかず、
「いい、あまり馬鹿な真似はしないでよ」
と、いっただけだった。
そこへ、列車の案内放送が流れた
「まもなく17番乗り場に寝台特急・ゆうづる1号常磐線経由青森行きが発車します
ドアが閉まります、お見送りの方は白線に下がってお見送り下さい」
やがて発車のベルが鳴り、にこ達が乗った「ゆうづる1号」がホームを離れていった。
すでに、周囲は、暗くなっている。その中に、「達仁君か」と呟いた