大変お待たせしてしまいました。色んなことの忙しさ増し増しやモチベの低下&放置が響きましてこのような事態になってしまいました。今後はこのようなことがないようにしたいです。毎回こんなこと言ってる気がしますが。
今回ですが最初は1日目と2日目を纏めようとしたのですが予想以上に膨大になりまして投稿期間も空いてしまっている状態から先に1日目だけを投稿することにしました。2日目も半分以上は書き終わっているので比較的すぐに投稿できるはずです。
ではお楽しみください!
「只今より音乃木坂学院高校文化祭を開始します!」
放送によっての開会宣言は全校生徒にすぐさま伝わり歓声が聞こえ始める。
「みんな!照明を消して驚かす人は各位置に移動して待機。俺は受付にいるからちょっとしたことでも何かあればすぐに言ってくれ。この文化祭を良いものにできるように頑張ろう!」
「「「「「おー!!!!」」」」」
「もうリーダーとしての姿が決まっていますね」
隣に同じく受付を担当する園田が中から出てきて席に座った。
「吹っ切れたあと色々やってきたが、リーダーというようなことはやった覚えがない気がするんだ」
「自覚なかったんですか?この文化祭で波野さんはクラスメイトから印象が変わったって話題になっていますよ?」
「そうなのか?」
「『ちょっと根暗で近づきずらいかも』とか『話し掛けにくい』とも言われていましたね」
「結構散々言われてんのな…」
こっちとしても結構傷ついた…
「ですが今では、『あいつ頼れる奴だよな』『困ったことがあれば波野君だよ!』って言われてましたよ?」
「些か反応が違いすぎるような気もするけどありがたいな」
手首がねじ切れるような手のひら返しを食らったところで第1客人発見。
「ここって1年2組のお化け屋敷ですか?」
「はい、興味があるならどうぞ。めでたくあなた方がお客様第1号です」
にっこりした顔で教室のドアを開け誘導した。
「じゃあ、楽しんできまーす」
「はーい、いってらっしゃい」
その15秒後には悲鳴が聞こえた。
「ふっ」
目論見通りといったところだな。
「波野さん、とんでもない顔してますよ」
「え…マジ?」
「マジです」
「いや驚かす側としては嬉しいことだからつい…ね?」
今見られたのが園田でよかった…先生とかだと嫌というほど印象が付くからな。
「それにしても酷い顔でしたよ?これからは無いようにしてください、受付なんですから。はい、次のお客さんが来ますよ。ちゃんと対応してください!」
「あっはい。気をつけて対応させていただきます」
ほんと園田には敵わないなぁ…
***
客は次々と入り大盛況となっていた。入った人からは叫び声が聞こえ、計画通りに進みすぎて逆に何かミスがあるのではないかというレベルだ。
「お待たせしました」
「次の方どうぞー」
今のところはトラブルも無く順調に客を捌けている。
「波野さん、あの姿ってもしかして…」
「ん?…先輩方じゃないか!わざわざ来てくれたのか」
ふと、後ろの方を見ると弓道部を引退した3年生の先輩方がいた。
「やっと順番だね、あ!受付に居たんだ2人とも!」
「お久しぶりですね。来ていただけたのですか」
「クオリティー高いって評判になってたみたいだし、2人がいることも分かっていたからね」
「ほんと、わざわざありがとうございます。もう入れるみたいなんでどうぞ」
「楽しみ、行ってくるね」
「ぜひ、楽しんできてください」
数分後
「いやー楽しかったよ」
「えっ楽しくない。怖すぎて」
平然としている先輩に対してブルブルと震える先輩の対称性溢れる講図である。
「そう思ってもらえるならこちらとしても本望です」
「波野さんがリーダーとしてクラスを引っ張ってましたもんね」
「そうだったの?ほんとオールマイティーな人間だね君」
「いや、あれは無理やりで…」
「それ以外にも内部の設計なんかにも関わっていて…」
「へぇ〜海未ちゃんって波野君のことに結構詳しいんだぁ〜」
さっきまで震えていたのはなんだったのか。その先輩は園田をジロジロと見始めニヤついている。
「い、いえそういう訳ではなくて」
「本当に?」
さらに先輩の顔がニヤける。
「ほ、本当ですって」
「まぁまぁもうその辺でやめてやってください先輩。俺がクラスを引っ張っていくようなことが初めてだから不安なんだって相談してたんですよ。だから心配してくれてたんですって」
「ふーん、そうなの?」
「そうですよ?」
「なんで疑問形なの…」
「し、知りません!」
「はい、後輩いじりはやめて次行くよ」
「あー待ってよまだ話は終わってなーい!!」
先輩は襟を掴まれ引きずられていった。
「あはは、もうちょい仕事やりますか」
「そうですね。午前もあと少しです」
***
「飯時からか結構空いてきたな」
「もうそろそろ交代でしょうか」
「2人ともごめん遅くなっちゃった。ありがとうお疲れ様」
「お、来たか。じゃあよろしく頼むわ」
「よろしくお願いします」
「お疲れ様」
「ありがとうございました」
「あっという間だったな。サポートありがとう」
「こちらこそ波野さんがいなければあれほど円滑に進みませんでした」
「午後は遊んで明日の準備だな」
「はい、また後で会いましょう」
*
「待たせたな」
「いや、それほど待ってないよ」
「和也来たしさっさと行こうぜ」
午後は遊ぶためにいつもの3人で集合した。
「何する?」
「スポーツテスト行こうぜ」
「俺まだ飯食ってないって」
「それ前提で行こうって思ってたんだけど?」
「マジかよこいつ…」
「そりゃそうだよ。だって涼輝つまみ食いしてたし」
「な、してねぇし。ただ腹減ってないんだよ!」
「ふーんなら腹も減らないわけだ」
「とりあえず僕も何か食べたいから向こう行くね。ちょっとしたら戻ってくるから」
「行きたいとこ決めとけよ」
「だから行きたいのはスポーツテストだってば。あーあ行っちゃった。普通に置いていかれてるし…え?おい待てよ!」
「いやー美味しかった」
「涼輝腹減ってなかった割によく食べたね」
「やっぱ別腹というかなんというか」
「いつものことだろ、飯も食べたしスポーツテストの出し物行こうか」
「へへへ、まだまだ…余裕だ、ぜ」
「まだ乗せるのかよ」
今はスポーツテストで涼輝が水の入った2Lのペットボトルをどれだけ持てるかというのをやっている。協力者として俺と陸斗がペットボトルを乗せているのだが涼輝はとっくに限界を超えているようだ。
「先生の、記録を…抜かしたいん…だ」
先生の記録とは体育会系ガチムチ先生が偉大な記録を打ち立てたらしい。最低でもペットボトル50本分は持ったそうだ。
「次40本目だぞ。これ乗せる場所あるか?」
「うーんここ乗せれそうだけどやっぱり上に積んだ方が賢明かなぁ」
「うぐぐ…は、や、く、し、ろ、よ」
「はいはい、ちゃっちゃと乗せちゃいましょうねー」
適当に40本目を乗せた。
「あー限界だぁぁぁぁぁ!!!!!」
「え?…ッ!!!」
涼輝が抱えていたペットボトルが突如崩れ俺に向かって落ちてきた。そのうち先ほど乗せた1番上に乗っていた1本が俺の足のつま先に直撃し、痛みを感じた。まるで、グギッという効果音が聞こえそうなほどの衝撃で俺は床で悶えた。
「ぬわーやっぱ無理だー」
床で仰向けで大の字になっている涼輝、うずくまり足を抑える俺。
「うっそ、和也大丈夫?」
「あいつ殺されてぇみたいだな」
「あー疲れたってどうしたんだ和也?」
「ははは…どうしたもこうしたも貴様のせいだぁぁぁぁぁ」
近くにあったペットボトルを涼輝に投げつけた。
「へ?ぎゃぁぁぁぁぁ」
その断末魔は校内に響き、一瞬の静けさを生んだらしい…
「あークソ痛いわ。歩くたびに痛いし」
「別に痛いだけで骨とかはセーフだったみたいだし、湿布も貼ったから大丈夫だよ」
「そうだな。えっと、俺が引きずってる涼輝はどうする?」
「じゃあ僕何か買ってくるよ」
「分かった。俺はこいつを中庭に引っ張っておくわ」
「りょーかーい」
「当たり前のように食べ物の匂いを嗅がせれば起きると思ったんだけどいけるかなぁ」
焼きそばを買ってきた陸斗がプラスチック容器を開けそれとなーく近づけた。
「んー…」
目は覚ましてないが鼻はピクピクと動いている。
「焼きそばぁ!」
「やぁ、おはよう」
「お、おはようございます」
「じゃあサッサと行こう。涼輝、その焼きそば食べとけよー」
「おう?分かった」
*
「で、結局自分のクラスに戻ってみた訳だけど」
「普通にお化け屋敷行こう」
「お疲れー。うまくいってる?」
受付に手を振りつつ調子を伺う。
「ここまでトラブルなしです!リーダー!」
「ならよかった。このままの調子で頼む」
「はーい」
「うっひゃー真っ暗だな」
「そりゃそうなるように作ったからな」
「涼輝を壁にして進もう」
「は?うお、押すな押すなーやめろ陸斗ぉぉぉ」
目を瞑りつつ涼輝を押している陸斗だが押した先には驚かすための仕掛けをした場所だ。
「ひぇっ、誰今触ったの」
「俺じゃねえ」
「違うぞ」
「え〜もう怖いよ〜」
「あーほんと暗くてほとんど何も見えない…」
策士策に溺れるとはこういうことなのだろうか。ホラー要素が怖い訳ではないが、早くこの空間から出たいのだがな…
「いて。すみません」
なんだ、何とぶつかったんだろう。
「すみません」
「あれ?その声はまさか園田か?」
「波野さん!?」
「とりあえずお互いの位置関係を確認しよう。少し手を振り回してみて」
「こ、こうですか?」
「えーっと…よし」
風の方向を考えて振り回してた手を握り動作を止めた。
「え、あ、手を握って…」
「あーごめんごめん、もう離すから」
なんとなく園田は見える距離になったし目も慣れてきた。
「で、どうしてここに?店番の仕事は終わっただろ?」
「私は穂乃果とことりとこのお化け屋敷に来ていたのですが途中ではぐれてしまって…」
「そうか、それはさいな…ん?涼輝ー陸斗ーどこにいるんだー」
返事は聞こえず声は暗闇に吸い込まれるように消えた。
「…俺も置いていかれたみたいだ」
「ここはどこなのでしょう」
「適当に突っ走ったから俺も覚えてないな。せめて何か目印があるなら思い出すんだが」
「前に進まないと始まりませんね」
「どこが前かも怪しいがな」
「こっちでしょうか」
「そうだと思うが…」
「ひゃっ!!」
「うおっ」
園田が何かに驚き俺の腕を掴んで身を寄せてきた。
「ど、どうした?」
「あ、すみません!」
「いや、別に大丈夫だけど何かあったのか?」
「なんか足らへんを触られた気がして…」
「…あ、確かそんな仕掛けをしようと準備してた奴いたぞ…ってことは結構後半だな、もうすぐ出口だ」
「光見えたぞ」
「やっとですね…」
カーテンを開け、光が漏れた扉を開ける。
「「和也遅い!」」
「「海未ちゃん遅い!」」
「「すみません…」」
「何してたの!?海未ちゃんだけはぐれちゃうからお化けにでも食べられてるのかと心配したんだよ?」
「急にどこ行ったんだよ。心配したんだからな!」
「というか2人でいたの?」
「まさか、そういった関係で?」
「いや、うーんなんと言うべきか」
「偶然が重なった結果で…」
「おどおどするところが余計に怪しい」
「何にもないからな。あーもう部活の方の準備行かないといけないからー」
「お、おい!」
「ほら行くぞ園田。ではサラバー」
「ま、待ってください!」
「あの2人怪しいよね」
「今度調べてみることにするよ」
「それは助かるけど…どうする?4人で回るか?」
「いいよ!」
「うん!」
「僕は構わないよ」
「じゃあもうちょっとだけど楽しもう!」
*
「あー変な汗かいた…」
「あの言い方じゃ誤解されたままですよ?」
「そのうち陸斗が調べ始めるさ。その時に普通でいれば何も無くなるはずだ」
「それならいいのですが」
「あいつのことだから徹底的にやるぞ。まぁやましいことがないから何にもならないんだがな。あー言ったし、もうすぐ文化祭も1日目が終わる。部活の方の準備に行くぞ」
「はい」
「あー来た来た2人とも!」
「岡城先輩はしゃぎ過ぎです」
「いやーやっぱり文化祭ってテンションあがるもん」
「まぁ分からなくはないですが」
「初めてなのでどうなるか不安で仕方ないです…」
「大丈夫だって、何かあれば私がなんとかしてあげるから。じゃんじゃん先輩に頼ってくれていいからね」
「そうさせていただきます」
「俺も頼らせてもらいますよ」
「オッケー任せといてよ」
「もう準備進めるんですか?」
「そうだね、適当に進めちゃって」
「あっはい」
「よーし準備終了!」
「お疲れ様でした」
「まぁ明日が本番だからここで気力を失う訳にはいかないけど、私のテンションはハイだよ!」
「ほんと楽しそうで何よりです」
「明日は浴衣♪浴衣♪」
「そういや浴衣着るんだったな」
「ま、まだ諦めません。私は嫌ですよ!」
「ダーメ、もう逃げられないんだから。ちゃんと覚悟決めてよ?逃げたらどうするか分かってるよね?」
ギラギラとした目が一層先輩を恐ろしくしている。
「…ひっ」
「無駄な抵抗だぞ。もうやめとけ…」
「楽しみだなー」
呑気に鼻歌を歌いながらテーブルクロスをひく先輩。この日岡城先輩に対して少しの恐怖を感じた。
***
部活の準備を終えた後クラスでの打ち上げのために近くの居酒屋に集まっていた。
「あ!来たよ2人」
「ごめんな待たせて」
「申し訳ありません」
「全員揃ったことだし、乾杯といきたいところだがそれは波野に言ってもらおう」
周りから謎の拍手が起こる。
「なんでだよ…」
「ほら、食べ物冷めちゃうから早く」
「分かったよ…えーと今日はみんなお疲れ様。分かっていることだと思うが2組のお化け屋敷は大好評だった。これはみんなが団結してこの文化祭に挑んだ結果だ。俺はリーダー紛いでちゃんとしたこともできなかった。だからみんなありがとう。では!この時間を楽しもう乾杯!」
「「「「「乾杯!!!」」」」」
「何湿っぽい挨拶してんだよ」
ビールではなく普通に炭酸飲料を飲みつつ話が進む。だが、話はよくわからない方向に流れていくようで…
「あれじゃダメか?」
「んーでもお前らしいや。だよな?」
「え?ほんと?2人でいたの?」
「うん、最後2人で出てきたからね」
「俺の仕掛けのところ2人で通過したぞ」
「じゃあやっぱり…」
「なぁ聞いてんのか?」
「あぁ、その通りだと思うよ」
「何の話してんだよ」
「いやさ、波野って園田と付き合ってるのか?」
「ゲホッゲホッなんだ急に、むせゲホッ、じゃねえか」
どこをどう繋ぎ合わせてそうなったんだよ。鼻にも逆流して痛いしシュワシュワするし最悪だ。なんか周りの場も凍りついた。いや、なんも悪いことしてないよな俺。
「「「マジで!?」」」
「マジな訳ないだろ、何の勘違いしてんだよ」
「お化け屋敷でカッコいいところみせるデートじゃねえの?」
「違いますね、はい」
やっと熱も引いてきたんだが…完熟トマトの顔のお方が新たに誕生したようで。
「そ、そんなわけないですよ!」
「その反応絶対付き合ってるよ」
「海未ちゃんってやっぱりかわいいよねー」
「見てて飽きないもん、かわいすぎて」
「そんな女子になりたかったなぁ…」
「お前にはもう無理だな」
「なんだと!?」
「あうぅ…」
園田がかわいいという声が女子たちから上がり園田の顔はますます赤くなり湯気が出るんじゃないかと思うほどだ。
そんなこんなであっという間に時間は過ぎていった。
「え、もう10時じゃん。私帰らないと」
「私も!」
「門限過ぎてるオワタ」
さっきの盛り上がりはいづこへ会計を済ませ帰る人はダッシュで帰っていった。
「園田は大丈夫なのか?」
「一応親には言ってありますがもうそろそろ良くない時間ですね」
「だよな、明日もあるしできるだけ早く帰りたいし…」
「帰る方面は一緒なんだし送っていくぞ」
「いや、そんな面倒を煩わせる訳には」
「万が一もある。帰る方面が一緒なんだからついでだと思ってくれ」
「ではお言葉に甘えてよろしくお願いします護衛さん」
ぺこっとお辞儀をし微笑む園田に女子が言ってたことが超がつくほど分かりました。
「俺と園田はもう帰るわ。弓道部の出し物もあるし」
「おっけー、バイバイカップル」
「タイマンを要請する」
「拒否する」
「休み時間にでもボコボコにしてやる」
*
「楽しかったな」
「そうですね。普段はあーやって盛り上がることはほとんどないですし」
「さっきに比べればあまりにも静かすぎるな」
夜の住宅街は明かりこそついているもののとてもシーンとしている。
「寂しくなりますね」
「そうだな、文化祭が終わればもっと思うんだろう」
「明日はもっと楽しくなるのでしょうね。ではもう家に着きましたので」
「んじゃまた明日。今日以上に楽しもうな」
「はい!」
「明日も早朝から準備の仕上げかな…さっさと寝ないともう1日もたないし早く帰ろ」
俺の高校初の文化祭はまだまだ楽しめるみたいだ。
今回も読んでいただきありがとうございました。
後書きは2日目の後に固めるので今回はこれで失礼します。